Appleの第4四半期決算、ホリデーシーズンを前に売上成長復活の兆し

SAN FRANCISCO, CA - OCTOBER 22:  Apple CEO Tim Cook speaks during an Apple announcement at the Yerba Buena Center for the Arts on October 22, 2013 in San Francisco, California.  The tech giant announced its new iPad Air, a new iPad mini with Retina display, OS X Mavericks and highlighted its Mac Pro.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

世界中がAppleのホリデーシーズンに注目している。

クリスマスセール期間を前にAppleは第4四半期の決算を発表し、その内容はウォール街の予測と一致していた。同社は基本的に待機体制をとる中、ほぼすべてが予測通りの結果で、次世代iPhoneのホリデーシーズン売上が反映される次の四半期を待っている。大きな驚きではないが、過去2期続けてジェットコースターのような体験をしてきた同社にとっては、新鮮な息吹きだったに違いない。

Appleの売上は469億ドル、1株当たり利益は1.67ドルだった。同社はiPhoneを4550万台、iPadを930万台、Macを490万台出荷した。ウォール街の予測は、売上469億ドル、1株当たり利益 1.65ドル、iPhoneの出荷が4500万台、iPadが910万台だった。

今、誰もが次の四半期に注目している。Appleの売上予測は760~780億ドル ― ほぼウォール街予測と一致している。昨年Appleは売上759億ドルで記録を更新しており、この予測はここ数四半期同社を悩ませた売上ダウンから復活する可能性を示している。増加の幅はわずかだが、スマートフォン市場が大幅に飽和し、ローエンド分野での競争が激化している状況を踏まえると、Appleにとって良い兆候だ。

Appleにはひとつ大きな課題がある。十分な数の端末を顧客に届けることだ。今iPhone 7 Plusを買おうとすると、出荷日まで数週間待つことになる。Galaxy Note 7騒動の中、Appleはライバルを出し抜くこの機会を十分に生かす必要があり、そのためには気まぐれで買えるだけの数の商品を準備する必要があることを意味している。

決算報告書で注目すべきことの一つは、iPhoneの平均販売価格 ― 基本的に、人々がAppleの最高機種、ハイエンド機を買っているかどうかを決める指標 ― がウォール街予測を下回ったことだ。低価格機がAppleの高級機を食っているという懸念は常に持ち上がっているが、高価なPlusモデルについては特にそうだ。Appleが今年発売した小型のiPhone SEは、その対策だった。

全くの予想通りという感嘆の中、Apple株は時間外取引で約2%下落したが、今年の第2、第3四半期決算後の株価は激しく変動した。

各種データは以下の通り。

  • 1株当たり利益:1.67ドル、ウォール街予測 1.65ドル
  • 売上:469億ドル、ウォール街予測と同じ、前年同期515億ドルから減少
  • 総利益率:38%
  • iPhone販売台数:4550万台、ウォール街予測 4500万台
  • Mac販売台数:490万台
  • iPad販売台数:930万台

Appleの過去2回の四半期は、基本的にスマートフォン事業が減速し始めたことを表していた。新たに発売されたiPhone 7とiPhone 7 Plusは、今期の売上には明確な影響を与えていない。iPhoneの販売は予想通り今期も減少した(前年同期は4810万台)。今年初めにAppleは、iPhone販売台数の連続増加記録が途切れ、その後も傾向が続いていた。

第4四半期、Appleには思いがけない追い風が吹いた。Galaxy Note 7の大失敗だ。Note 7が爆発を引き起こしやすいことが一連の調査で示された後、SamsungはNote 7を市場から引き上げた ― Note 7はiPhone 7 Plusに大きな影響を与える可能性のある、数少ない製品の一つだった。

このことはAppleにとってゆくゆく極めて重要になるだろう。現状維持を続ける中、同社はまだどんな力でも借りたい状況にある。Apple株はこの一年間ほぼ変化が見られず、過去2年間でもわずか12%ほど上昇しただけだ。

Appleは新製品の発売を続けてはいるものの、スマートフォンの飽和と共に市場は減速し始めた。今後は新製品の販売に際して、同社のエコスシテムへの依存度を高め、他製品の追加購入を促進するような方法を考えていく必要があるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オークションのEBay、ビジネスモデルがAmazonのような定価物販に近づく

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EBayは、水曜日(米国時間10/19)の市場終了後に第三四半期の決算報告を発表した。売上22億2000万ドルは21億9千万ドルという予測をわずかに上回り、前年同期比で6%の増となった。調整後のEPSは45セントで、アナリストたちが予測した44セントよりも、やや上だった。

同社の財務状況は良くても、株価は低迷、その日の時間外の早期では7%落ち込んだ。一部の投資家は、取引総額が予想の203億ドルに届かず、201億ドルだったことに幻滅している。調整後の純利益も、前年同期よりダウンし、営業やマーケティングなどの経費増を反映した。

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同社は昨年PayPalをスピンオフして以来、マーケットプレースビジネスに力を入れている。とくに、Monness Crespi HardtのアナリストJames Cakmakによると、同社はますます“Amazon化してきた”。つまりオークションの縮小を補うべく、商品の定価販売を拡大してきた。

EBayの最近の成長は、その一部を同社の“構造化データ”(structured data)計画に負っている。それは、アイテムにキーワードのタグを付けることによって検索の効果を上げ(いわゆるSEO)、同社のWebサイト上でいろんなものを見つけやすくする工夫だ。

“eBayのショッピング体験を継続的に変えてきた。個人化機能を強化し、eBayブランドが顧客に伝えるものを絶えず活発に更新してきた”、とCEOのDevin Wenigが声明している。

スポーツやコンサートのチケットを扱うStubHubも、拡張してきた。取扱高は11億ドルとなり、前年同期比で23%増加した。“StubHubは同社の最大の成長エンジンだ”、とCakmakは述べている。

EBayの株価は水曜日(米国時間10/19)に32ドル52セントで。時価総額は366億ドルになる。過去6か月で株価は約34%上がり、アナリストたちの期待を上回り続けた

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同社はこの四半期に、5億ドルの株の買い戻しを行った。同社による年商の予想は、89.5億から90億ドルのあいだである。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AmazonのQ2、アナリストの予想を上回る好成績―売上は304億ドル、EPSは1.78ドル

Amazon, the US e-commerce and cloud computing giant is said to hire 1,000 people in Poland. The company already hires almost 5,000 people in Poland and has service centers in Gdansk, Wroclaw and Poznan ON 14 April 2016. (Photo by Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images)

木曜日の取引終了のベルが鳴った後、Amazonは第2四半期の決算を発表した。内容はアナリストの予想を超える好成績だった。調整済み1株あたり利益は1.78ドルとアナリストの予想1.11ドルを大きく上回った。売上でも304億ドルと295.5億ドルの予想を超えた。時間外取引の株価は2%アップした。

Amazonの売上と利益は対前年比で大きく向上した。純売上は 31%アップ、純利益も8億5700万ドルと昨年同期の9200万ドルから大幅に増えた。これまで成長のための多額の投資を続けてきたこともあり、Amazonの利益率はきわめて低調に推移していた。

声明の中でファウンダー、CEOのジェフ・ベゾスは今回の好決算の主要な原因をインドでのビジネスの成功に求め、。「インドのチームは驚くべきスピードで事業を拡大している。われわれの事業に対するインドの顧客の温かい歓迎に深く感謝したい」と述べた。

Amazonはガイダンスで第3四半期の売上を31億ドルから33.5億ドルの間と予測した。営業利益についての予測は大きな幅があり、5000万ドルから6億5000万ドルとなっている。

同社はAlexa音声認識機能を備えたパーソナル・アシスタント・デバイスなど実験的な事業を数多く手掛けている。中でもストレージとクラウドサービスを提供するAWS(Amazon Web Services)事業は今や多数の大企業をホストするようになった。AWSは驚くべき成長を遂げ、今期は29億ドルの売上となっている。昨年同期は18億ドルだった。

Amazonのプライム事業は着実に運営されており、定額の年会費で配送が速くなり、映画や音楽を自由に見られる特典も付随する。またAmazonはプライム会員に大幅な割引を提供するAmazonの祝日というべきプライムデーを導入した。今年のプライムデーは多数のユーザーを惹きつけておりその売上等は第3四半期の決算に反映されるはずだ。

四半期決算のリリースでAmazonはプライムデーを「Amazonで過去最高の日」となったと述べている。グローバルでの注文は昨年の第1回目にくらべて60%もアップしたという。

Amazonはまた独自のメディア・プレイヤーのFire TVやKindleの電子書籍、Amazonダッシュ・ボタンについても成功したとしている。

ただし上記以外の実験は期待された目標を達成できなかったようだ。独自のスマートフォン、Fire Phone最近運用が中止されたGiltのライバル、MyHabitなどがその失敗組だ。

将来のビジョンに関してAmazonはドローンによる配送がスピードアップとコストダウンを可能にするとして実現に向けて力を入れている。また生鮮食品ビジネスの拡大も図っている。

株価はこの1年で43%アップし、時価総額は3550億ドルとなっている。

画像: Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、Q2決算は成否相半ば。売上6.02億ドル、EPS 0.13ドル、MAU 3%アップ

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Twitterは今日(米国時間7/26)第2四半期決算を発表したが、ユーザー数成長の鈍化は止まらず、月間アクティブユーザー数(MAU)は3.13億人で対前年比3%増、対前期比1%以下に留まった。

同社の売上は6.02億ドル、調整後1株当たり利益(EPS)は0.13ドルだった。売上は前年同期から20%増加したが予測に届かずEPSは予測を上回った。アナリストの予測は売上6.068億ドル、調整後EPS 0.10ドルだった。

また第2四半期のGAAP純損失は1.07億ドル、非GAAP純利益は9300万ドルだった。

Twitterが公表した第3四半期のガイダンスも大きな成長を見込んでいない。同社は次期の売上を5.90~6.10億ドルと予測している。

市場はこの数値を喜んでいないようだ。株価は時間外取引で10%下がっている

前四半期同社の実績は売上5.95億ドル、MAU 3.10億人で、次期予測は控え目だった。MAUの前四半期からの伸びは1%に満たなかった。

Twitterから提供された下のグラフがこの問題を明確に示している。同社の様々な取り組みをよそに、前期からの変化はほとんど見られず、Q4を除き結果は前年とほぼ変わらない。

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総広告売上は5.35億ドルで対前年比18%増だった。モバイル広告売上が依然トップを走り広告売上全体の89%を占めた。

モバイルはMAUでも82%を占めた。

成長は全体的に好調とは言えなかったが、米国は特に悪かった。米国のMAU 6600万人は、対前年比1%増にすぎず前四半期の6500万人からわずか100万人しか伸びていない。

海外はこれよりもわずかに良く、Q2のMAU 2.47億人は対前年比4%増でQ1の2.47億人から200万人増えた。これを他のソーシャルプラットフォームと比べてみると、例えばFacebookは飽和気味の自国市場を海外で補っている形であり、これを踏まえるとTwitterの海外と途上国市場の伸びは今よりずっと大きな成長源になるべきだ。

これまでもTwitterは低調なユーザー数成長で市場を失望させ続けており、今年の初めにはついに成長が止まった。昨日同社は、今日のニュースを牽制するかのように新たなマーケティング計画を発表し、Twitterおよび同社の世界全般に対する意義を説明しようと試みた。

これは株主宛の書簡にも書かれている。

「Twitterとは今起きていること」とCEO Jack Dorseyは言う。「最新のニュースであれ、エンターテイメント、スポーツその他の話題であれ、今起きていることを見て、周囲で交わさせている会話と合わせてライブイベントを見ることができる。それがTwitterの力だ」

さらにDorseyは今年の優先課題を5つ挙げた。「中核サービスの改善、ライブストリーミング・ビデオの強化、クリエーターとインフルエンサーの育成、デベロッパーの開拓」。そしてTwitterはそれぞれの項目について昨四半期に「有意な進展」がみられたと信じている。

たしかにいくつか変わったことがある。Twitterは基本フォーマットに手を入れ、タイムラインの表示を時系列から「持続性の高い」ツイートが多く表示されるように変えた。140文字制限を緩和する方法も検討中だ。いずれも同社への不満に対処しようとする取り組みのあらわれだ。

Twitterは数多くのコンテンツ契約を結ぶためにも多大な努力を費やしており、特にスポーツではイベントのライブストリーム中継を自身のプラットフォーム上で行っている。これはまだ始まったばかりで、初めてのウィンブルドン中継はサイトで見つけることがほぼ不可能だったが、これまで物ごとへのリンクをシェアする場として自らを位置づけてきたTwitterが、コンテンツを直接消費する場を提供しているのは興味深い転換だ。

現在のトレンドであるVRとAR等の分野にも目を向けており、最近では人工知能開発のMagic Pony Technologiesを買収した。

それでも課題は残っている。会見で特に注目されるのは、ハラスメント問題が話題に上るかどうかだ。同社はTwitter上で他者を中傷するいわゆるトロールの対策方法を今も検討しており、Twitterが理論上称賛している表現の自由と、悪役の排除との線引きに腐心している。

情報が入り次第続報の予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yahoo相変わらず低迷の四半期決算報告、上場企業としてこれが最後か?

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Yahooの決算報告は、アナリストたちの予想をわずかに下回り、そして同社はTumblrの簿価を再び下げた。株価の、目立つ変化はなかった。

Yahooはここ数年、毎年こんな調子だ。Yahooのコアビジネスはこのところずっと下降気味であり、2012年にMarissa Mayerが指揮を取る前から下降は続いていた。MayerのCEO就任は、新しいリーダーがYahooを正しい方向に導き成長路線に戻すか、と期待された。なんといってもYahooは強力なブランドであり、蓄積されたユーザーの数も多い。

今日の決算報告は、Yahooの上場企業としての歴史に終わりを告げる感嘆符(‘!’)のようだ。すでに方向転換の可能性はほとんど見えず、ここ数か月は、どこがYahooの中核資産を買うか、という話しかなかった。同社が上場企業としての財務報告を公表するのはこれが最後かもしれず、そしてその内容は当然ながら寒い。

同社のその、2016第二四半期は、13億1000万ドルの売上に対して一株あたり9セントの利益だった。中にはTumblr関連の3億9500万ドルの‘のれん料’という費目もあるが、これは再度行われた買収簿価の切り下げだ。アナリストたちは、売上10億8000万ドルの売上、一株あたり利益10セントを予測していた。前年同期では、12億4000万ドルの売上、一株あたり16セントの利益だった。

売上の額面は大きいが、その中にはサンタクララの不動産を売った2億4600万ドルの売却益がある。トラフィック獲得費用を差し引くと、売上は8億4120万ドルになる…アナリストの予想は8億3960万ドルだった。トラフィック獲得費用は前四半期の2億ドルから第二四半期は4億6600万ドルと大きく増えた。

Mayerはこれまで、さまざまな買収を行ったが、会社を上向きに転ずることはできなかった。11億ドルで買収したTumblrは、その後何度もレイオフを重ねるたびに多くが償却された。そして同社のコアビジネスへの関心は低迷し、中核資産のパフォーマンスは低下した。過去数年間はモバイルへの注力が行われたが、並行してレイオフも随時行われ、業績は低下を続けた。

“事業活動の改善努力に加えて、代替的戦略においても大きな進歩を遂げた”、と方向書の発表文は言っている。

Yahooの株主たちの関心は、業績の回復よりもむしろ、同社が大量に保有している中国のeコマースAlibabaの株へと移った。Yahooの360億ドルという時価総額は、同社の協同ファウンダーJerry Youngが昔Alibabaの株を買ったことに大きく依存している…それは今の価額では2000億ドル以上にもなる。キャッシュに不自由しないMayerは、さまざまな業績回復プラン(多くは買収)を実行することができた。

今年、Yahooの株価は約4.5%ダウンした。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文を見てください。〕

[graphiq id=”aCp3EcOMRI9″ title=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – 1 Year” width=”600″ height=”463″ url=”https://w.graphiq.com/w/aCp3EcOMRI9″ link=”http://listings.findthecompany.com/l/19200951/Yahoo-Inc-in-Sunnyvale-CA” link_text=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – 1 Year | FindTheCompany”]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

IBM、Q2決算で予測越え。売上202億ドル、EPS 2.95ドル、クラウド売上30%アップ

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ITの巨人IBMは先ほど第2四半期決算を発表し、売上は202.4億ドル、1株当たり非GAAP利益は2.95ドルだった。アナリスト予測の売上200.3億ドル、非GAAP EPS 2.89ドルをいずれも上回った。

しかし、非GAAP利益28億ドルは、1年前から25%減少した(GAAP純利益は25億ドル、29%減)。なお、決算は利益を示しアナリスト予測を上回ったが、数値は減少を続けている。1年前、IBMの売上は208.1億ドル、EPSは3.84ドルだった。

投資家は今日の決算報告を喜んでいるようだ。時間外取引で、IBM株は約3.3%、3.65ドル上げて163.51ドルをつけた。

IBMはコグニティブ・ソリューションとクラウドプラットフォームのリーダーとしてその地位を確立し続けている。そのために当社は、従来のIT市場の枠を越えた新しいビジネスチャンスに挑戦している」とIBMのChairman兼President兼CEO、Ginni Romettyが声明文で語った。「第2四半期、当社の戦略的課題分野は2桁成長を見せ、アナリティクス、セキュリティー、クラウドビデオサービス、およびWatson Healthという、いずれもIBMクラウドを活用し、業界で注目されている革新的サービスがこれを支えている。また当社は最近飛躍的進歩を見せている量子コンピューティング、モノのインターネット、およびIBMクラウドのブロックチェーンにも引き続き投資していく」

IBMはIT業界で最大かつ最も象徴的な会社だが、同社のレガシービジネス ― 例えばサーバーハードウェア、Zシステムビジネス等 ― は縮小を続けており、今四半期、システム部門は23%以上減少した。これが同社をはじめ、他の巨大IT企業や小さなスタートアップが、ビジネスの新しい波にこれほど力を入れ、投資している一つの理由だ。

IBMの場合、その対象はあらゆるIT分野にわたり、ブロックチェーン、Watson部門による人工知能と機械学習、社内(例えばビデオセキュリティー関連)) あるいは、IBMとの関係を拡大すると最近報じられたCiscoのような、外部との提携による様々なクラウドサービス等がある。

下の2つの表は最初が投資家向けプレゼンテーション、次が財務報告に使われたもので、こうした新しい分野は成長を続けているものの、他部門の減少を補うにはまだ足りていない。

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Q2の明るい話題としては、クラウドサービスの成長が続いており、今期は30%上昇し最近12ヵ月の売上116億ドルはIBMの同四半期売上の17%を占めた。Watsonとアナリティクス、セキュリティー、およびソーシャル・モバイル技術の売上は合わせて12%伸び、同四半期に83億ドルの売上を生みだした。

IBMは他にもいくつかの部門で売上が減少している。

  • コグニティブ・ソリューションの売上は47億ドル、3.5%アップ。同セグメントのクラウド売上は54%増。
  • グローバスビジネスサービスの売上は43億ドル、2%減。
  • ITサービス&クラウドプラットフォーム(インフラサービス、技術サポートサービス、統合ソフトウェアを含む)の売上は89億ドル、0.5%減。
  • システム(システムハードウェア、オペレーティングシステム・ソフトウェアを含む)の売上は20億ドルで、23.2%の急落だった。
  • グローバルファイナンシング(金融および中古機器販売を含む)の売上は4.24億ドル、11.3%減。

2016年に入ってからIBMはM&Aに非常に積極的だ。同社は過去12ヵ月間に会社の歴史上最高金額を買収に費した、とIBM CFOのMartin Schroeterは言った。同四半期の投資の大部分が、IBMの成長するコグニティブ・ソリーションビジネスを支えている。Truven HealthのデータはWatson Healthを助け、 Bluewolf EZ Sourceは、API管理ツールとコンサルティングサービスでコグニティブ・ソリューションとクラウドサービスを支援するだろう。

決算会見中IBMは、近々Watsonをセキュリティーアプリケーションでもっと活用するつもりだと語った。これは同社が実施した他の戦略的買収とも一致している。IBMが今年2月に買収したResilient Systemsは、拡大するサイバーセキュリティーサービスの一環として、セキュリティー・インシデントレスポンス・サービスを提供する。

今後の四半期を占う上で興味深いのが、ヨーロッパ、中でも英国が会社に与える影響だ。今日(米国時間7/18)の決算では、通貨の影響は小さかったが、同社は英国を重要な海外市場の一つと捉えており、英ポンドの下落が今後の四半期に影響を及ぼすと予測している。HP、Dell等のIT企業は、通貨下落を補うために価格を改訂しており、果たしてIBMが後を追うかどうかが注目される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Sonyは熊本地震で画像センサー工場が被害を受け、収益予測を下方修正、ゲーム部門は好調

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Sonyが、先月日本の南部を襲った地震からの復旧努力により、次の会計年度の収益が予想より低くなる、と発表した。同社は前にも、2017会計年度の予測の発表が、地震被害の評価により遅れる、としていた。

地震は、熊本県を襲った。そこには、デジタルカメラやスマートフォンに使用する画像センサーを作っているSonyのメインの工場がある。Sonyの画像センサーは、Appleをはじめ多くのスマートフォンメーカーが使っており、同社の主要な利益源のひとつだ。その部門は昨年、別会社として分離した

また同社によると、同社のミッドレンジデバイスの売上が世界の主要市場で鈍化しているため、スマートフォンの売れ行きも伸び悩む、と予測している。

2017会計年度のSonyの営業利益の予測は3000億円(約27億5000万ドル)で、前年比2%の増加だ。これは、約1150億円(10億4000万ドル)の地震被害を折り込んだ額である。

同社のスマートフォン部門は、前述のミッドレンジデバイスの落ち込みにより、利益はわずか50億円と予測している。それはSonyが、需要の減少に対応して、中国インドなどの市場を縮小したためでもある。

しかしSonyのゲーム部門は、PlayStation 4とそのゲーム作品の需要増が貢献して好成績が予測される。その利益予想額は1350億円だそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

絶好調のQ1決算で輝きを放つAmazon Web Service

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Amazonは今日(米国時間4/28)第1四半期の決算を発表し、その内容は期待を裏切らなかった。アナリストの予測をほぼ全部門で上回り、株価は12%以上上昇した。

特に大きい存在がAmazon Web Serviceだ。AWSは多くの企業で必需品となっていることから、この部門が順調に伸び続けていることに不思議はない。その対前年比成長は膨大であり、これはGoogleやMicrosoftらとの競争が激化しているにもかかわらず、需要が未だに伸びていることを意味している。この調子が続けば、AWSは益々この会社に膨大な利益を与えることになりそうだ。過去12ヵ月間の売上は約90億ドルだった。

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ほぼ一生涯を消費者向けサービスに注力している会社が、新たなビジネスを一から作り成長させることには、他の巨大IT企業も新たなビジネスを探して仕掛けてくることを考えると、いつ見ても感銘を受ける。FacebookならVRやWhatsApp等のサービス。Googleなら自動走行車のような壮大な計画。これらはまだ結実していないが、AWSは本物のビジネスになってきたことを示している。

さらに興味深いのは、AmazonのAWS部門の営業利益が、同社の北米の中核ビジネスよりも大きいことだ。同社によるとAWSの営業利益は6.04億ドルで、それに対して北米の中核事業の利益は5.88億ドルだった。このビジネスは、Eコマース事業より売上は少ないが、一見したところ運用効率が高く、未だ順調に成長を続けているようだ。Bezos自身、AWSが年間100億ドルのビジネスになることを期待していると株主宛の書簡に書いている。

成績表は以下の通り:

  • 1株当たり利益1.07ドルは、予測を0.58ドル上回った。2015年Q1は1株当たり0.12ドルの損失だった。
  • 売上は291.3億トルで、アナリスト予測の279.8億ドルを上回り、前年同期比22%増。
  • Amazon Web Serviceの売上は25.7億ドルへと伸びた — アナリスト予測の25.3億ドルを上回った。前年同期は15.7億ドルであり、約64%の急上昇だった。
  • 同社はQ2の売上を、280~305億ドルと予測している。
  • 前受収益は37.7億ドルで、前期の31.2億ドルから上昇した。
  • テクノロジーおよびコンテンツ収益は35億ドル、2015年Q1の28億ドルから上昇した。
  • 海外売上は96億ドルで、前年同期の78横ドルから上昇した。

かくして同社は、全員の予測をほぼ全部門で上回る実績を上げた。Amazonはビデオストリーミングをはじめとする山ほどの新市場に拡大し、ウェブサービス事業も拡大し、そしてもちろん年額99ドルのPrime会員がいる。さらにFire TVとAmazon Echoでデバイス事業の製品ラインアップも増やしている。

株価では何が起きているのか? 基本的にAmazon株は決算発表後には必ず大きく揺れる。第4四半期で予測に届かなかった後、株価は13%下落した。全般的には厳しい年だが、同社は好調な株の一つだ(42%高)。これだけ成功した四半期の決算報告をした今日、大きな値動きがあるのは当然だろう。

投資家が注目している重要な一点は、Amazon Primeメンバーシップに関する傾向情報だ。理論的に、物品の配送を簡単、低価格にすることで、もっと買うよう顧客を説得すれば、増加する配送コストを上回る利益を上げて、事業を維持できる。それは理論的に、前受収益として計上され、現在これが増え続けているようだ。

この決算報告書に見られる、もう一つの大きな傾向がある。Amazonは4期連続で利益を上げた。同社は歴史的に、利益には熱心ではなく、成長のみに投資して定常的に損を出し続けてきたが、今はそのビジネスを儲かるマシンへと変えつつあるようにみえる(少なくとも、ある程度その方向に焦点を合わせている)。

Screen Shot 2016-04-28 at 1.55.48 PM例によってAmazonはハードウェア製品について、新しい詳細情報を公開していない ― 新しいKindle(Kindle Oasis)1機種と、Amazon Alexaを使った新デバイス2機種を発売していたのだが。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoftの2016年Q3決算、EPS 0.62ドルは未達、売上221億ドルは予測通り

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Microsoftは今日(米国時間4/21)2016年会計第3四半期の決算を発表した。同社の非GAAP売収は221億ドル、調整後1株当たり利益(EPS)は0.62ドル、GAAP EPSは0.47トルだった。

ウォール街の予測は、EPS 0.64ドル、売上は221億ドル弱だった。Microsoft自身の売上ガイダンスは、211億~223億ドルだった。

ウォール街はこの数値が明らかな不満を示した。Microsoftの株価は時間外取引で現在5%近く下がっている

MirosoftのIR担当ディレクター、Zack Moxceyは決算発表後、EPSの不達は主としてこの数値がMicrosoftの所得税支出のための遡及修正を含んでいるためだと私に言った。それを別にすれば、EPSは0.04ドル上昇し、ウォール街の予測を上回っていたはずだと説明した。

かつて同社は、2018年にこの数字が200億ドルになると予測していた。今日のプレスリリースではこれ繰り返さなかったが、Moxceyは私に、同社が今もこの数字にこだわっていると話した。「全体的に実績は堅調だと感じている」と彼は言った。「もちろん、クラウドは引き続きわが社の中心だ」。

「デジタル技術を使っている企業は、変革し新たな成長を生むために、Microsoftをパートナーに選ぶことが多くなっている」とMicrosoft CEO Satya Nadellaは言った。「こうした企業が採用することによって、Microsoftのクラウドサービス全体とWindows 10に勢いがつく」。

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Microsoftは2016年Q1決算報告から事業部門毎の内訳を公表し始め、今四半期の決算でも慣行は続いている。

その他の数字は以下の通り。

  • プロダクティビティーおよびビジネスプロセス((PBP)は、Office、消費者向けOfficeおよびDynamicsを含め、65億ドルの売上、前四半期は67億ドルだった。MicorsoftによるとOffice 365の有償ユーザー数は現在2220万人で6%増。商用Office 365の売上は対前年比63%増だった。
  • インテリジェント・クラウド (IC)。サービス売上およびエンタープライズサービスから成り売上は61億ドル、前四半期は64億ドルだった。Azureの売上は120%増だった。
  • More Personal Computing (MPC)は、Windows、デバイス、ゲーム、および検索から成に、売上は95億ドル。前半期は127億ドルだった。

予想通り、携帯電話の売上は前年同期から46%減少した。プラス面では、Surfaceの売上が前年比61%で、2期連続で売上10億ドルを越えたとMoxceyは指摘した。しかし一方で、WindowsのOEM売上は2%減少したが、それでもPC市場全体よりは好実績だとMoxceyは言った。Windows 10機の第一の波が一般に高額であり、Microsoftの1台当たり売上を押し上げたことが主な理由だ。

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もう一つ今日の発表で誰もが注目していたのは、Microsoftの商用クラウドビジネスの実績だった ― PC市場が依然低調なだけに。前四半期、Microsoftは同分野の年間予測売上を94億ドルとし、前期予測の82億ドルから上方修正した。今回、年間予測売上は100億ドルに達した。

Microsoftの第3四半期はウォール街の期待に答えられなかったものの、クラウドの実績とOffice 365定期購読者数の増加は、同社の全体的方向転換計画が奏功していることを示すものだ。

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Gmail、月間アクティブユーザー10億人を達成

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今日(米国時間2/1)の決算電話会見で、GoogleはGmailの月間アクティブユーザー数が10億人に達したと発表した。昨年5月のI/Oデベロッパー会議で発表した数字は9億人で、2012年には4.25億人だった。

これでGmailは、Googleの他の6大人気プロジェクト、検索、Chrome、Android、マップ、YouTube、およびGoogle Playと並んで、10億人以上のアクティブユーザーを持つことになった。

最後にGmailの数値を発表したとき、GoogleはGmailユーザーの75%がモバイル端末から利用していることも公表した。この数字は今日は更新されなかったが、大きくは変化していない可能性が高い。

Googleは最近、InboxでGmai上に新たなメール体験を提供したが、未だに実験サービスの色彩が残っており、多くの新規ユーザーをGmailに引き込むにはいたっていないようだ。しかしInboxは、近代的メールクライアントのあるべき姿を実験するGoogleのプラットフォームであり、さらにGoogleはこれを使って、機械学習機能の一端をユーザーに提供している。

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Apple TVとApple WatchはQ2に絶好調だった(らしい)

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火曜日(米国時間1/26)の取引終了後、Appleは四半期決算を発表し、184億ドルの利益を記録した。

リリース文からは、iPhoneが7480万台販売され、アナリスト予測とほぼ一致したことが容易に読み取れるが、Appleの「その他」カテゴリーは、具Apple WatchとApple TVが実際に何台売れたかを知るのを難しくしている。

われわれにわかるのは、「その他」カテゴリーの買巡43.5億ドルが大きく伸びた結果であることだ ― 年間62%成長しただけでなく、前四半期からも43%伸びている。これは、Apple Watchが新発売された4月以降に急な売上増があったことを意味している。あるいは、ホリデーセールの増加や、人気の第4世代Apple TVのためかもしれない。BeatsのヘッドホンやiPodもこの「その他」に含まれている。

具体的な販売数値は明らかにしなかったが、CEOのTim Cookは決算会見で、「Apple TVにとって圧倒的に最良の四半期だった」と話した。現在Apple TVにはアプリが3600種類あると彼は言った。

さらにCookは、同社が「Apple Watchの販売で四半期記録を立てた…特に12月」と話した。AppleはApple Watchの具体的な販売台数を公開したことがない。

「その他」の数字を見て、Asymcoのアナリスト、Harace Dediuは彼のApple Watch予測を修正した。

[私の推定では、Watchの四半期販売台数は550万台、累計で1240万台]

彼はデバイス別に推定したこのグラフも見せた。

アナリストらによるApple Watchの販売台数は大きくばらついている。

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Apple、四半期売上で予測を越えるも、iPhone販売は不達

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それはAppleにとってこの上なく重要な四半期だった。そして、彼らはほぼ投資家の期待に沿ったようだ ― ただし、第2四半期に向けて同社初の売上減少の可能性も秘められている。

Appleは、第1四半期に売上759億ドル、1株当たり利益3.28ドルを記録した。これは売上におけるAppleの四半期記録だが、アナリストの予測にはわずかに届かなかった。アナリストは、1株当たり3.23ドル、売上766億ドルと予想していた。

Appleは第1四半期に7480万台のiPhoneを売ったが、アナリストの予測は7500台だった。前の四半期にAppleは7450万台のiPhoneを出荷しており、これはiPhoneの売上成長が壁に当たった可能性を意味している。これには複数の要因が考えられるが ― 中国での成長の鈍化、飽和点に達した等 ― 何であれ、主要な成長エンジンのスピードは落ちているようだ。

これはiPhoneの売上としてはわずかな不達だが、同社のQ2予測を注意深く見ている人々にとっては大きい数字だ。アナリストは557億ドルと予測しているが、AppleはQ2の売上を500~530億ドルと見込んでいる。昨年の第2四半期に、同社は580億ドルの売上を記録した ― 即ちAppleの次の四半期は、最近の記憶にある限り初めてのマイナス成長となる可能性がある。株価は時間外取引でも横ばいを続けており、これは第2四半期の弱気の将来予測をアナリストがすでに織り込み済みだったことを意味している。

これはAppleにとって一大事だ。iPhoneは同社にとって常に主要な成長因子であり、iPadの売上が停滞する中、もしこのエンジンが減速するようなら、将来の業績にとって良くない前触れだ。実際、成長エンジンが飽和点に達することは不可避である。しかしAppleは2007年のiPhone発売以来、これを維持し続けている。

AppleはiPadを1610万台販売し、これも予測を下回った。Macの売上は530万台で、アナリスト予測に届かなかった。いずれも、昨年の第1四半期より減少している。既に停滞しているiPadの売上に、iPad Proがどう寄与していくのはまだわからない。

AppleがVRに参入する可能性に関する噂に関して、興味深い指摘がある。CookはVRを「ニッチ」とは考えていない、と語った。「実にクールで、面白いアプリケーションもいくつかある」。

AppleはiPhoneの販売では今もお札を刷っている状態だが、Apple WatchやiPad Proなどの新しいハードウェアで製品の多様化をはかっている。Appleは「その他」カテゴリーで43.5億ドルを売上げており、そこにはApple WatchsとApple TVが含まれている。

AppleのQ1末時点の保有現金は2160億ドルだった。「わが社のバランスシートは究極の状態」とCookは会見で語った。

為替レートは同社にとって引き続き向い風であり、Appleが決算発表で具体的にそれを指摘したほどだ。売上への影響は50億ドルに及ぶと同社は言った。実際、Cookは電話会見の最初にこの言葉を口にした ― 併せて国際経済が直面する他の主要問題も。同社売上の2/3は米国以外からもたらされており、外国為替はAppleにとって強い向い風であるとCookは言った。

「どこを見ても極端な状態が起きている。ブラジル、ロシア、日本… いずれの市場も経済成長の鈍化や物価の下落あるいは通貨の弱体化に影響されている」とCookは言った。「中国はやや取り戻しつつあり、香港は特にそうだ」

今年の株価の動きを踏まえると、Q1はAppleにとって極めて重要な四半期だった。つまるところ、2015年はApple株にとって良い年とは言えなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Netflix、2015年第4四半期は世界で560万の加入者を獲得と発表―株価も急反発

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Netflixの第4四半期の決算がアナリストの予測を大きく上まわって好調だったことはわれわれが報じたとおりだ。同社の国際展開強化の計画も投資家に熱烈な歓迎を受けた。アメリカ国内の成長率には多少の弱みがあるNetflixだが、株価は急上昇した。

Netfilixの発表によれば、第4四半期に獲得した新規ユーザーは国外で約400万人、アメリカで156万人だった。外国市場でのユーザー増加が印象的な数字となる一方で、国内の成長が停滞気味であることが裏付けられたといえるだろう。「アメリカ市場におけるNetflixの浸透率が高くなるにつれ、新規ユーザー獲得が今までになく困難となった」決算レポートは述べている。

しかし株式市場は国内成長の鈍化を問題にしてはおらず、Netflixの株価は即座に12%もアップした。CEOのリード・ヘイスティングスは今年のCESで「Netflixは今年新たに130ヵ国に進出する」と述べている。インドやロシアなど巨大な人口を抱える国への展開は国際市場での成長への期待を大きく高めた。

さて第4四半期の決算レポートには大きなサプライズが含まれていた。Netflixは今年の第1四半期に600万人の新規ユーザーを獲得するはずだという。もしこれが実現すれば、昨年を含めた1年で最高のパフォーマンスの四半期となることは間違いない。CESでヘイスティングスが披露した国際展開の計画は効果あったというべきだろう。

Netflixの株価はヘイスティングスの発表の直後だけで9%アップしている。同社の株価は昨年第3四半期の決算発表が期待はずれだったために10%急落していた。

Netflixはこの1ヶ月、株価がジェットコースターのように急降下したことに悩まされてきた。しかしヘイスティングスの発表のおかげで、値下がりのかなりの部分を取り戻すことができたようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Netflix、Q4の利益と全世界成長で予測を上回り、株価は急騰

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Netflixは第4四半期決算を発表し、時間外取引で8%以上株価を上げた(4:35 pm ET現在)。

同社の売上は182億ドルで、前年同期から14.8億ドル増え、1株当たり利益(EPS)は10セントだった。アナリストの予測は、売上18.3億ドル、EPS 2セントだった。つまり、売上は極くわずかに届かなかったが、利益/利益率は予測を大きく越えた(利益率向上は2016の大きな目標のようだ)。

投資家たちはNetflicの加入者数に注目しており、Q3には成長が期待に答えられずに株価は暴落した。今回Netflixは米国内で156万人の新規加入者を報告し、同社が予測していた165万人には足りなかったものの、全世界では純増404万人で、予測の350万人を上回った。これで総加入者数は560万人増え、現在全世界で7500万人となった。

Q4以降について、同社は新たに130ヵ国への拡大(中国は含まず)を発表し、おそらくそれが次四半期の加入者数600万人増の理由だろう。

Q4の投資家に宛てた手紙には、Netflixが独自テレビ番組や映画の製作を続け、今年中にオリジナルコンテンツを600時間分公開し、2015年の450時間から増加する計画であることが書かれている。さらに、おそらく皮肉をこめて、こうも書かれている:

Netflixの成長は、テレビネットワーク界に不安を与え、恐怖の声が上がった。一方では、NBC幹部は最近、インターネットTVは盛りを過ぎ、リニアTVは「神が意図したかのようなテレビ」だと語った。当社の投資家たちは、テレビに対する神の意思はよくわからないが、インターネットTVの方が基本的に優れたエンターテイメント体験であり、今後何年にもわたってシェアを広げていくと考えている。殆どの伝統的メディア企業は実によく未来を理解しているが、彼らの課題はNetflixやその他のSVOD[定額制ビデオオンデマンド]からの収益を使って、すばらしいコンテンツや彼ら自身のインターネットTVネットワークへの進化に投資することだ。Seeso、BBC iPlayer、Hulu、CanalPlay、HBO Now、およびCBS All Accessがそうした取り組みを始めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yelp、Q3売上1.4億ドルで予測を超え、時間外で7%高

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今日の株式市場終了後、Yelpが第3四半期の決算を報告し、売上は1.436億ドル、非標準的基準による1株当たり利益は0.03ドルだった。

投資家らはYelpの売上を1.4142億ドルと予測していた。

人気オンラインレビューサービスの株価は、時間外取引で急騰し、現在7%以上の高値となっている。通常取引では4%近く下げていた。同社の決算報告は、少なくとも今のところ、会社のカンフル剤となっている。

対前年同期比で、Yelpの売上は約40%増加した。同社の四半期調整後利益は270万ドルで、これには非現金費用が一部含まれていない。標準的会計方法を使用すると、Yelpは第3四半期に810万ドル、1株当たり0.11ドルの損失を出した。

Yelpが急成長企業であることから、現在投資家は全部原価よりも、正味現金を重視して評価している。そのため、Yelpは利益を報告する際、同社の推奨する基準には株式ベース報酬のような非現金コストが含まれていない。

Yelpが今期、広告ベース以外の源泉から売上を立てられることを示したのは重要だ。報告書を引用する:「取引き売上は計1200万ドルで、2014年第3四半期は130万だった。主としてこれは2015年第1四半期にEat24を買収したことによる。

なかなかの金額差だ。地域広告はやや控え目な36%増で1.159億ドルだった。

今後につい、Yelpは第4四半期に向けて次のように期待している。

2015年第4四半期、売上は1.495億~1.545億ドルを見込んでおり、これは中間で見て2014年第4四半期から約38%の上昇だ。調整後EBITDAは200万~2400万の範囲と予測している。株式ベースの報酬は1600万~1700万ドルの見込みで、価値の下落と償却は売上の5~6%を予想している。

この売上予測が、現在のウォール街の第4四半期売上の予測、1.521億ドルを上回っているのは注目に値する。。

要約すれば、Yelpは売上で予測を超え、次期予測はアナリストの先を行き、新たな収入源の一つを劇的に拡大した。これは見事な組み合わせである。

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PayPal、eBayと分離後初のQ3決算は明暗半ば

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eBayとの分離発表から1年以上が過ぎ、PayPalは独立会社として初めての四半期決算を発表した。

同社の調整後1株当たり利益は0.31ドル、売上は226億ドルで、アナリスト予測の0.29ドルを上回ったが、売上は予測の227億ドルにわずかに届かなかった。

明暗半ばの決算報告を受け、株価は時間外取引で34.51ドルと終値の36.52ドルから5%下げた。

以前同社がまだeBay傘下だった時に発表された新たな指標のアクティブアカウント数は、現在1.73億人で、1年前の四半期は1.57億人だった。

総取引き件数は12.2億件、前期は11億件だった。さらにPayPalは、アクティブアカウント当たり年間平均27回の取引きが利用され、前年同期の24回から増えていることも発表した。

同社が、21億ドル分の取引きはVenmo経由で処理され、前年比200%増だったと発表したことは興味深い。【訳注:VenmoはPayPalと競合する面もある】

当初投資家らは、2社の分離に関して楽観的でPayPalの株価は取引初日に8%上昇した。その後その熱気は冷め、今日の時間外取引価格は、7月の最高値より約15%低かった。

今日の悲喜半ばの決算とその後の株価下落は、分離以来概して強気だった投資家らを魅するためには、まだ努力が必要であることを示している。

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iPhone、販売4800万台でApple 2015年Q4の売上をリード

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AppleのiPhone 6と6sは好調を続け、会計2015年第4四半期には4800万台を販売した。これはQ3の4750万台を上回り、前年同期2014年Q4の約3900万台からも伸びているが、アナリスト予測の4850万台にはわずかに届かなかった。

これはiPhone 6sが発売された四半期ではあるが、その期間はわずか数週間だったことを留意されたい。iPhoneは常にApple最大の収益源であり、iPhone 6sが店頭に並んでからわずか数週間しかなかった今期も、期待を裏切らなかった。Appleの今期売上のうち約322億ドルがiPhoneの販売によるものだった。

今期はiPad売上が下降を見た2度目の四半期でもあり、こちらはAppleの人気モバイル製品、iPhoneのようにはいっていない。iPadの販売台数はQ3の約1100万台からQ4の1000万台へと減少した。2014年Q4の1200万台強からはさらに大きく落き込んだ。大画面や様々な形状のライバルたちと戦うiPhoneが順調に成功を続ける中、昨年来のiPadの不調は対照的だ。

Macの販売は570万台で、2014年Q4の550万台を上回った。CEO Tim Cookは、これはMacの過去最高だと言った。

AppleのiPhoneによる支払いサービス、Apple Payも月間2桁成長を続けていると、CEO Tim Cookは語った。さらにApple CEOは、American Expressとの提携によってApple Payを「主要グローバル市場の対象顧客」に提供することも発表した。これが軌道に乗れば、全世界での利用が促進され、海外でも携帯電話で支払えるようになる。

海外といえば、誰の頭に浮かぶのも中国であり、Appleでは特にそうだろう。中国およびインドを始めとする一部の地域は、世界でもモバイルの普及が最も速く、これは新型iPhoneの販売にとってよい兆候だ。

「今後数年間で中国は大きな変化を見せるだろう」と最近同国を訪れたCookは言った。「われわれは、そこそこ良い位置につけている」。

現在Appleは中国に25の店舗を持ち、来年中混までには40店舗まで伸ばすとCookは言っている。

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VMWare、3Q決算は売上16.7億ドル、EPS 1.02ドルで予測を上回る

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会社の将来に向けて多くの疑問が持たれる中、VMWareは第3四半期決算で非GAAP 1株当たり利益1.02ドルを上げ、アナリスト予測の1.00ドルを上回った。同社の売上は16.7億ドル、対前年比14%増で予測の16.6億ドルを超えた。

これらの数字はDell/EMC合併が発表された際の値と概ね一致している。

しかし、決算報告書には興味深い記載がある:VMWareは、同社のクラウド機能をEMCと統合し、VMWareおよびEMCの両社で共同所有するVirtustreamブランドとして展開すると語った。Virtustreamの財務実績はVMwareの財務諸表に集約される ― そして今後数年間で数十億ドル規模に成長することを期待していると同社は言った。

両社ともここ数年クラウドに力を入れており、この統合によって両社は純粋なクラウド会社を資産として持つことになる。EMCはVirtustreamを今年5月に12億ドルで取得した

Dell/VMWare問題の核心はこうだ:DellはEMCを670億ドルで買収し、その結果EMCは非公開企業になり、DellはVMWare ― Michael Dellいわく、継続して独立会社として経営される ― の大株主となる。VMWareの一部は公開取引されており、Dell/EMC契約の発表後株価は8%下がった。決算報告後のVMware株はほぼ横ばい。

「われわれはDellとEMCの合併およびクラウドサービスビジネス構築計画がもたらす、VMwareの長期的価値について非常に楽観的である」とCEO Pat Gesingerは決算報告書で述べた。「VMwareのミッションと戦略は今後も変わることなく、破壊的革新の力を通じて当社顧客に並外れた価値を提供していくことだ」。

VMWareのバーチャルマシン事業は、多くの企業が運用をクラウドへ移行する中、数々の課題に直前している。昨年、同社の株は16%以上下落した。Dell/EMC提案には、EMC株主に発行されるVMWare株の提供も含まれている。Dellの表明にかかわらず、同社がこの契約の資金調達のためにVMWare株を一部売却する可能性はある

ブログ記事の中でMichael Dellは、VMWareには基本的に干渉せず、独立会社として運営を続ける同社がDell製品に束縛されないことを約束している(もちろんこの手の話は常に変わり得る)。DellはVMWareについて、EMC一族の「至宝」と称した。

「VMWareは独立公開企業であり続けることが当社の意向である」とDellはブログ記事に書いた。「さらに、VMwareが成功しているオープンで独立したエコシステムに基づくビジネスモデルを維持していくことは、非常に重要だと信じている。VMwareにDellまたはEMC独自の変更を加える計画はなく、またVMwareが他のどんな企業と提携することに対しても何ら制約はない」。

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Twitter株、@Jack復帰のニュースで5.7%高

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市場は愚かである証拠を見せるかのように、Twitterの株価は今日(米国時間10/6)Jack Dorseyが再びCEOになるというニュースの後5%上昇した。DorseyはSquare CEOとしての立場も継続し、2社のCEOという稀な存在になる。

株価チャートは以下の通り:

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これは2つのことを意味している。まず、市場はテク業界では以前から機能的真実とされるニュースから、少なくとも一定の驚きを感じたらしい。そして、投資家はDorseyの復帰に満足している。

Dorseyの以前の退任に関する物語には、騒乱と噂が渦巻いていたが、今のところ水に流されているようだ。

Google Financeによると、現在Twitterの価値は177.9億ドルで、今日の高値は時価総額を約10億ドル押し上げたことになる。10億ドルという数字は、乱高下に耐えてきたTwitterにとって意義ある価値の上昇だ。

これからが仕事の時間だ。Dorseyは彼fHTwitterのユーザーベースを拡大できることを証明しなければならない。新たに任命されたCOO Adam Bainは、同社のコアビジネス構築に熟達している。これまでの幹部らはTwitterのユーザーベースを満足いく単位で成長されることができなかった。 あまりにも同じ失敗を繰り返しすぎた。Dorseyの任務は明白だ。

今のところ投資家は喜んでいるようだ。次の決算会見がどうなるか注目したい。

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Twitter株、IPO価格を下回る史上最安値

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少なくともそれはTwitterだけではない。Alibabaも今日(米国時間8/20)史上最安値を記録した。

IPO後の市場で、Twitterが苦闘している。停滞するユーザー成長が相次ぐ四半期決算を受け、ソーシャルメディア会社の株価は今日、新たな底をついた:IPO価格

Twitterは1株あたり26ドルで上場した。そこから株価は急騰し、2013年末には時価総額を399.3億ドルまで伸ばした。以来、Twitterはその中核となるユーザー基盤を期待されるペースで伸ばせることを、投資コミュニティーに証明できずにいる。

Twitterの財務状況は概して順調だが、同社は最前線で苦悩している ー Twitterがユーザー基盤を早く成長できるかどうかは、シリコンバレーで長年賭けの対象だった。

26ドル丁度で引けたTwitter株は、日中IPO価格以下で取引された。Twitterにとって30ドルという数字は一つの閾値として見られている。内部的にも外部的にも。公開株価の歴史を知る人なら、Twitterの30ドルラインは、Microsoftの40ドルにあたる、と言うこともできる。

Twitterの史上最高値は、あの12月の73.71ドルで、今の3倍近かった。

今日強烈な一撃をくらったのはこの会社だけではなく、IT株全般にとって厳しい1日だった。Netflixは7.8%暴落し、Facebookは5%、LinkeInは4.3%下げた。上の方を見ても、Apple、Google、Microsoftが揃って約2%の安値だった。

Twitter株は、この数ヶ月間で25%以上下落し、2014年10月に記録した52週最高値の55.99ドルより46%下がった。

今日の急落は、Twitterのモバイル広告プラットフォームが全面改訂され、”Twitter Audience Platform” と再ブランド化されるとの発表を受けたものだ。改訂の狙いは、広告主がカスタマイズされた広告付きツイートを通じて、ユーザーを自社のビデオコンテンツに誘導するのを容易にすること。

Twitterの業績に関する主要な疑問は変わっていない。新規ユーザー獲得を活性化できるかである。もしできなければ、将来のキャッシュフローが悪化することは目に見えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook