「検索と商品だけ並べたモールはやらない」BASEがEC連動のブログポータル「BASE Mag.」を公開

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誰でも手軽にネットショップを開設できるサービス「BASE」を提供するBASE。同社は3月にリリースしたショップ向けのブログサービスをEC連動ブログポータル(BASEでは「ネットショップモール」と銘打っている)「BASE Mag.」を公開した。

BASEでは、「ショップロゴ作成機能」「商品撮影サービス」「納品書ダウンロード機能」など約30種類の拡張機能を「BASE Apps」という名称で提供している。3月にはショップ向けのブログを開設できる「ブログApps」も追加した。BASEのユーザー(店舗数)は現在約15万店舗。このうち数千店舗がすでにブログで商品の紹介などのエントリーを書いており、「3、4分に1回は投稿がある状態(BASE代表取締役の鶴岡裕太氏)なのだそう。

今回提供するBASE Mag.は、これらのブログからBASEが選んだエントリーを紹介していくブログポータルだ。エントリーには商品ページへの導線も設けるほか、カテゴリでの検索も可能だという。

僕は創業当時からBASEを取材しているのだが、代表取締役の鶴岡裕太氏にほぼ毎回する質問が「BASEはネットショップのモールを作らないのか」というものだった。毎回「作らない」と答えていた鶴岡氏だが、BASE Mag.について「2年考えて……やっぱり、検索と商品だけ並べたこれまでのようなモールは、BASEのように小さなショップにとっては正解じゃないなと思った。 基本的にBASEは『販売者=生産者』。ブランディングとか情報の発信から支援しないといけない」と語った。

リブセンスが越境・CtoCコマースを展開するwajaを子会社化

リブセンスは3月25日、wajaの発行済株式の71.7%を取得して子会社することを発表した。

wajaは自社にフルフィルメント機能を持ち、CtoC・越境ECの「waja」などを展開。wajaは世界60カ国のバイヤーが現地で仕入れた商品を販売する。

取得株式は429個。議決権ベースで71.7%。取得額は3億9300万円。同社は現在メディア向けのブリーフィングを開催している。詳細は追ってレポートする予定。


メルカリとヤマト運輸が連携、全国一律価格で配送実現-今後は匿名配送も

左からヤマト運輸執行役員の小菅泰治氏、メルカリ取締役の小泉 文明氏

注目の集まるCtoCコマース。僕も何度か使ってみたのだけれど、商品次第では、それこそ数分とか驚くようなスピードで売れてしまう。売買自体は非常にお手軽なのだけど、手間がかかるのが梱包や配送といった手続きだ。

フリマアプリ「メルカリ」を手がけるメルカリは、そんなCtoCコマースの課題に対して、物流の巨人であるヤマト運輸と組むことで解決の手段を提供する。スタートアップと巨人の連携という意味でも注目だ。両社は4月1日より、ヤマト運輸の営業所に商品を持ち込めば全国一律の配送料金で配送を依頼できる新サービスを展開する。

アプリでQRコードを発行し、ヤマト営業所に持ち込むだけ

新サービスでは、メルカリのデータベースとヤマトのデータベースを連携。メルカリの出品者に対して、出品した商品が購入されるとQRコードを発行する。その後商品をヤマト営業所に持ち込み、発行したQRコードを店頭端末「ネコピット」で読み込むと、配送伝票を自動で印刷。その場で配送の手続きを完了できる。猫ピットは全国4000カ所のヤマト営業所に設置している。

料金は現時点では非公開だが、全国一律の料金設定となる予定で「他社サービスと比較して競争力のある価格設定」(メルカリ取締役の小泉文明氏)になるという。

通常ヤマトを利用する場合、4月1日スタートの「ネコポス」(これまであったメール便が終了して、新たに始まるサービスだ。角形A4サイズ、厚さ2.5kg以内、重さ1kg以内の荷物をポストに投函(とうかん)する。荷物追跡にも対応。ただし法人のみ利用可能)で上限378円、「宅急便コンパクト」(縦25cm×横20cm×厚さ5cmの専用ボックスもしくは縦24.8cm×横34cmの専用薄型ボックスを利用。手渡しで、荷物追跡にも対応)で354〜594円(ボックス代65円を除く)となっているが、メルカリ経由で利用する場合、ネコポスであれば100円台から利用できるという。

1年越しでサービス連携が実現

メルカリによると、1年ほど前からヤマトに対して提案を進めてきたのだそうだ。そんな折、信書の問題もあってヤマトがメール便を廃止。4月から新サービスを提供することになり、それに合わせるかたちでメルカリとの連携に至った。

実はヤマトは3月3日時点で、宅急便コンパクトとネコポスのサービスを発表しているのだが、そのプレスリリース内で「弊社とご契約のあるフリマサイトなどでは、従来の宅急便に加え、『宅急便コンパクト』と『ネコポス』がご利用になれます」なんてすでにうたっていたのだ。両社ともエクスクルーシブな提携というワケではないようなので、今後はメルカリ以外でもこういったサービスを利用できるようになる可能性がある。

メルカリは先週、新しいテレビCMと同時に1100万ダウンロードを発表したばかり。以前にも紹介した数字ではあるが、月間流通額は数十億円(ZOZOTOWNで100億円程度なので、かなりの規模と考えていいだろう)、出品数は多いと1日で数十万品にもなっているのだそう。ヤマトを含む物流のプレーヤーは、1品あたりの単価が低く、小さいトランザクションが多く発生するフリマの領域に興味を示しているという話も聞く。

両社は今夏をめどに、配送伝票の表示もQRコードのみに変更。出品者と購入者が相互に個人情報を開示することなく匿名で売買できる仕組みも導入する予定だ。

物流ではLINEが先行

フリマと物流の連携というところで先行するのはLINEだ。2014年7月に「LINEモール」向けにフェリシモと連携。「LINE配送」というサービスを始めている。

料金は3辺の大きさで60cmまでの商品の場合650円からで、サイズに合わせて全国一律の価格設定と、メルカリでは現状実現していない匿名での配送をすでに実現している。

ただし、フェリシモが拠点を置く兵庫県・神戸の物流センターを活用しているということで、例えば東京から東京といった配送であっても、一度わざわざ神戸まで送られると聞いている。この点に関しては、全国4000カ所の拠点を持つヤマトの配送のほうがスピード面で有利になってきそうだ。


月次売上400%増の物流アウトソーシング「オープンロジ」、IVPとコロプラ千葉氏から6000万円を調達

オープンロジ代表取締役社長の伊藤秀嗣氏

2014年11月に開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2014」のプレゼンコンテスト「スタートアップバトル」にも登壇してくれたオープンロジ。これまで自己資本でサービスを展開してきた同社だが、3月4日にインフィニティ・ベンチャーズLLP (IVP)およびコロプラ取締役副社長の千葉功太郎氏(個人投資家として)を引受先とする総額6000万円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。

今回の増資に伴い、IVPの小林雅氏が社外取締役に就任するほか、元アエリア取締役で弁護士ドットコムやクラウドワークスの監査役を務める須田仁之氏が監査役に、不動産会社のスター・マイカ代表取締役会長の水永政志氏が経営顧問にそれぞれ就任する。

オープンロジは2013年12月の設立。代表取締役社長の伊藤秀嗣氏は雑誌のオンライン販売を手がける富士山マガジンサービスの出身で、創業期から同社のロジスティクス(物流)網の構築に携わってきた人物。2014年10月に物流のアウトソーシングサービスの「オープンロジ」を開始した。

このサービスは、ECを手がける中小企業や個人事業主をターゲットにしたもの。ユーザーがECで取り扱う商品をサイト上で登録し、提携する物流会社の倉庫に入庫すれば、オンラインで商品の入出庫といった管理が可能になる。出庫時には倉庫にて梱包の上、配送までを行ってくれる。

大手ECサイトでは独自にロジスティクスのシステムを持ったり、物流事業者と個別に契約したりするが、中小規模のECサイトではそういったことをするのは難しい。オープンロジは物流事業者と独自に提携。そのスペースを商品数の少ない中小規模ECサイトが利用できるようにしている。シンプルな操作で入出庫できるウェブと、通常の宅配サービスと比較して安価な価格設定が強みとなっている。

ニーズにぴったりはまった—売上は1カ月で400%増に

サービス開始から5カ月程度だが、伊藤氏いわく「ターゲットとして想定していた中小規模のEC事業者や副業でECを手がけるような個人事業主のニーズにぴったりとはまっている」とのこと。ベースの金額はまだまだ小さいとは言え、2015年1月から2月で比較すると売上高は400%増加している。「黒字化にはまだ時間がかかるが順調なペースだ。切実なビジネス課題があったところをうまくとらえられたのではないか」(伊藤氏)

オープンロジでは今回の資金調達をもとに、人材採用や経営基盤の強化を進める。伊藤氏いわくサービスは好調だが、まだまだ運用上の課題も多く、その改善にも注力するという。「物流の業務は複雑で、実際に人が動くので、ピッキング、パッキング、配送などそれぞれの過程でいろいろなトラブルが発生する。(さまざまなECサイトが利用することもあって)商品も画一化されていないため、ある程度想定して動いていても、実際に運用しないと気付かない課題も多い。今まさに運用改善の最中だ」(伊藤氏)

同社では今春をめどに、海外発送にも対応する予定。またその後はAPIを公開して、ECサイトの構築サービスなど、各種の企業と連携していくとしている。また年内にも億単位の資金調達を検討。IVPも「事業の進捗を見て数億円の追加投資を行う予定」としている。


ネットショップ開設サービスのBASEが決済に参入–「PAY.JP」を今春提供

ウェブの知識をあまり持たないユーザーでも、メールアドレスを持っていればネットショップを無料で開設できるサービス「BASE」。同サービスを提供するBASEが、オンライン決済事業を今春から提供する。同社はすでにオンライン決済サービス「Pureca」を開発するピュレカを2014年12月に買収しており、「PAY.JP」の名称で今春にもサービスを開始する。

今夏にはID決済も提供

PAY.JPでは当初、米国のStripe、国内のYahoo!ウォレットFastPayWebPayなどと同様にウェブサイトにコードを埋め込むことで、クレジットカード決済を導入できる決済サービスを提供する。なお、BASEの決済についても今春PAY.JPに変更される予定。PAY.JPの決済手数料などは現時点では公開されていないが、「どこと比較しても分かりやすいもの、選ばれるものにする」(BASE代表取締役の鶴岡裕太氏)ということ。

BASE代表取締役の鶴岡裕太氏

PAY.JPでは、まずはEC事業者向けにカード決済サービスを提供するが、今夏をめどにEC利用者向けのID決済サービスも提供していくという。PayPalなどを利用していると想像できると思うが、PAY.JPの決済サービスを導入するしているECサイト上では、PAY.JPにログインするだけで、(あらかじめ登録しておいたカード番号や住所を使って)決済が可能になるというものだ。

実はBASEの競合サービスであるブラケットの「STORES.jp」は、2014年にIDサービスを導入している。このIDサービスを利用する意味はいくつかあるのだけれども、その1つにSTORES.jp上で商品購入をする際、都度クレジットカード番号や住所を入力することなく決済できる、ということがある。

PAY.JPも同様の機能を提供することになるが、その機能はBASEで作ったショップに閉じたものではなく、PAY.JPの決済サービスを導入するすべてのECサイトに対応するものになる。ただしBASE内のショップに限定して、早期にサービスを導入する予定だ。「BASEは簡単にショップを作ることができるという世界を作ってきたが、PAY.JPでは簡単にモノを買うことができる世界を作っていきたい」(鶴岡氏)

BASEが買収したピュレカは2012年7月の創業。代表取締役の高野謙一氏は決済関連のスタートアップに携わったのちに起業。Purecaは国際セキュリティ基準(PCIDSS)に準拠した決済サービスで、まもなく正式リリースだったそうだが、もともと面識があった鶴岡氏の率いるBASEに合流してサービスを提供するに至ったそうだ。

BASEは「単なるショッピングカート」を目指していない

創業期からこれまで、鶴岡氏は一貫して「単なるショッピングカートを目指していない。決済までをやっていきたい」ということを取材の際に話していた。今回その決済サービスを提供することになったが、今後はどんな目標があるのだろうか。鶴岡氏は「個人の与信情報をためて、個人をスコアリングすることで、価値と価値の交換をなめらかにする。オンラインで行う経済活動のプラットフォームになりたい」と大きな構想を掲げる。

とはいえ、決済はスタートアップにとって非常にハードルの高い事業だと聞く。鶴岡氏も「既存事業者が強いのか、スタートアップの信頼性がまだまだないのか…」とその理由を分析するが、僕も実際に先行する決済関連スタートアップが苦戦している話はよく聞くし、鶴岡氏自身も「なぜ決済をやるのか」と問われることが多いのだそうだ。

だが鶴岡氏はこう語る。「決済は難しい。それは理解しているが、『こういう世界になるよね』と描けるところに挑戦するのが一番楽しい。BASEもサービス開始時点では、決済手数料も含めてまったく利益はなかった。でもここまで来れた。PAY.JPもいろいろ言われるが、まずはやってみないと分かからない。BASEの事業がある程度伸びることが見えたのなら、チャレンジしないと後悔する」

BASEの流通総額は年間数十億円後半に

なおBASEは現在年間の流通総額が数十億円後半、数カ月以内には100億円も見込める数字になる状況だという。店舗数は15万店舗で月間で1万店舗ほど新規ショップも増加している、現在カードの決済手数料のみをユーザーから取っているが、「リッチな機能を提供して課金するなど、収益化しようと思えばできるフェーズにまできている」(鶴岡氏)。


2周年を迎えたメルカリ、ダウンロード数は1000万超に

メルカリが運営するフリマアプリ「メルカリ」が2月1日に1000万ダウンロードを突破した。同社は2013年2月1日に「コウゾウ」の社名でスタートしたが、まる2年での達成となる。またこれにあわせてインフォグラフィックも公開している。さらに人員拡大に伴い、3月にはオフィスを六本木ヒルズに移転する。

メルカリ代表取締役の山田進太郎氏

メルカリはスマートフォンで自分の持つファッションアイテムや家電などを撮影して商品の価格を設定して出品し、他のユーザーに販売できるフリマアプリだ。Fablicの「Fril」など先行するアプリがある中で2013年7月にサービスを開始。2014年3月には14億5000万円の大型資金調達を実施して5月にテレビCMを実施。9月には米国に進出、さらに10月には23億6000万円を調達すると同時にテレビCMの第二弾を実施。11月には東京・お台場にて、2万6000人が参加するフリーマーケットも開催した。

テレビCMをきっかけに好循環

インフォグラフィックを見るとあきらかだが、テレビCMの効果は顕著で、CM実施月以降のダウンロード数は大幅に伸びている。メルカリ代表取締役山田進太郎氏は、「テレビCMで(ダウンロード数の折れ線グラフの)角度が5月に上がっているが、それ以降も上がっている。第二弾のCMについても同じ」と語る。CMによって認知率が上がり、安心感も出てくる。それが検索やダウンロード数に反映され、さらにはユーザーが多くなるほどに商品数も購入希望者も増え、結果として「出品したらすぐ売れる」という好循環ができあがっているそうだ。

1月27日時点での累計出品数は約6296万品。1日の平均出品数は数十万品で、1年前の約8倍という数字だ。キャンペーン時には、1分あたり最大出品数3409品という数字を記録したそうだ。また販売のスピードも速い。売れた商品の20%が出品から1時間以内に取引成立している。

出品される商品をカテゴリ別に見ると、レディースファッションやベビー・キッズ用品、コスメ・香水・美容といった女性向け商品が約半数を占めるものの、エンタメ・ホビー、メンズファッションと幅広い。

メルカリでは、商品名やブランド名などの検索結果を保存しておけるので、そのキーワードを検索するために1日複数回アプリを立ち上げるユーザーが多いそう。それもあってユーザー1日あたりの平均滞在時間は43分と非常に長い。山田氏は「(ブランド名などを)ウォッチしている人が結構多い。よくAmazonや楽天との違いを聞かれるが、メルカリは『何かないかな』といったウィンドウショッピング感覚で使われている」と説明する。

DAU(1日のアクティブユーザー)やMAU(月間のアクティブユーザー)について山田氏に聞いてみたのだが、「非公開。ただしかなり大きい数字」とのことだった。こちらはすでに公開されている額だが、月間流通総額は数十億円。複数の業界関係者の話では、すでに月間流通総額で60億円超という数字も聞く。山田氏は、「在庫を持つ一般的なECとフリマを同じように考えるかは別として」と前置きしつつ「トランザクションで言えば、楽天、Amazon、ヤフオクというグループがあって、次にあるZOZOTOWNなどがある。その次のグループくらいにはなっている」と語る。

米国展開は今後半年で本格化

社員数は米国を含めて130人。そのうち約60人がカスタマーサポートを担当している。また米国のスタッフは20人程度で、こちらもカスタマーサポートが中心。プロジェクトマネージャーやデザイナーは在籍するものの、基本的には開発は日本に集中している。米国ではこれまでシェアオフィスに入居していたが、2月からは独自にオフィスを構えるそうだ。

米国でもダウンロード数や出品数などは順調に伸びているということだが、これまではカスタマーサポートの拡充や想定される詐欺などトラブルへ対応など、体制作りに注力してきたそう。今後半年をかけて本格的にサービスを展開していく。山田氏も米国拠点を中心に活動することになる。米国では競合サービスのPoshMarkなどが先行しているとのことだが、「(競合を)そこまで参考にしているわけでもない。どちらかというと、米国で受け入れられるものをどう作るか。機能を真似するというものでもない」(山田氏)という。またすでにヨーロッパなどでのリサーチも開始したが、「まだ視察レベル」だそうで、こちらは1年ほどかけてサービス展開の是非から検討していく。

メルカリは「シェアリングエコノミー」のサービス

米国での競合の話をPoshMarkなのかeBayなのかと聞いて聞く中で山田氏が語ったのは、メルカリが個人にフォーカスした「シェアリングエコノミー」のサービスだということだった。他のフリマアプリはさておき、日本ではヤフオクの置き換えではないし、米国ではeBayの置き換えではない、個人間の新しい市場を開拓したと説明する。

シェアリングエコノミーというキーワードだと、UberやAirbnbといった急成長を遂げたサービスが思い浮かぶが、個人間売買も同じような規模のニーズがあると山田氏は語る。「知り合いでシェアリングエコノミー系のサービスをしている人間もいるが、すごい伸びている。メルカリは決済と流通がしっかりしていたから日本で始めたが、5年後、10年後を見ると途上国でもフリマアプリは普通に使われているんだろうな、という世界観がある。その中でメルカリが使われているポジションを考えている。自動翻訳が実現すればクロスボーダーな取引も加速する。その時のトランザクションは大きい。そこを取っていく」(山田氏)

また詳細は明かされなかったが、新規事業やサービス拡張、人材採用など、今後数カ月で同社からいくつかの発表を予定しているとのこと。「結構面白いものが出てくると思う。これでさらに加速できる」(山田氏)


EC販促支援ツールを手掛けるSocketがB Dashから資金調達、元ミクシィ朝倉氏をアドバイザーに

Socket代表取締役の安藤祐輔氏(左)と朝倉祐介氏(右)

年初にEC業界の2014年総括・2015年予測の寄稿をしてもらったが、その中で2015年のキーワードとして出てきたのが「ウェブ接客」だった。その動きがいよいよ活発になってきたようだ。スマートフォン向けEC販促プラットフォームの「Flipdesk」を提供するSocketは1月20日、B Dash Venturesが運営するB Dash Fund 2号投資事業有限責任組合を割当先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。金額は非公開だが数千万円になるという。

また今回の資金調達に合わせて、元ミクシィ代表取締役社長の朝倉祐介氏をゼネラルアドバイザーに起用する。朝倉氏は現在米国を拠点に活動中だが、すでにメッセージやメールなどで密にコミュニケーションをとっているそうだ。詳細は明らかにされなかったが、朝倉氏も同社に出資をしているという。

Flipdeskはスマートフォン向けサイト上で、実店舗での接客のような体験を提供する販促プラットフォーム。予めサイトにタグを埋め込み、ユーザーの行動を自動で解析。訪問者状況に応じてクーポンを発行したり、キャンペーン告知などをしたりできる。例えばある商品ページに複数回訪問するのに商品購入に至らないユーザーに対してはクーポンを発行して購入を促す、特定の商品を購入したユーザーに対してはキャンペーンの告知をするといったように、ユーザーの行動に合わせて購買意欲を高める提案をして、購買率を上昇させるという。

Flipdeskでクーポンを出すイメージ

サービスは2014年9月に開始。すでに100社以上が導入を決定しており、うち40社程度が実際に導入済み。東急ハンズやWEGO、丸善&ジュンク堂ネットストアなどの大手ECサイトから、外資系のECサイトや人材情報サイトまで幅広い。

価格はトラフィックに応じた従量課金制で、平均で月額5万円程度となっている。またオプションでコンサルティングサービスも提供する。すでにROI(利用料金に対して得られた粗利益)で1000%を超えるサイトもでてきているそうだ。

Socketは2010年12月の設立。代表取締役の安藤祐輔氏は、高校を卒業してから消防士になり、その後筑波大学に入学。そして学生起業するというちょっと珍しいキャリアの持ち主だ(今回アドバイザーに就任した朝倉氏も、競馬騎手を目指したのち、東大に入学し学生起業するというこれまた異色のキャリアだったが)。

大学在学中に体育会系の部活をする学生向けの就職支援サイトを立ち上げて売却。その後ケンコーコムの外部コンサルとして海外拠点の立ち上げを支援するなどしてからSocketを創業した。Socket創業後も、メディア事業やライターネットワーク事業を立ち上げて売却するなどしてきたが、「これまで資金調達をするようなことはなかったが、業界に8年いてきっちり勝負をかけたい。やるならECと思っていたが、人の商材を売るとなると自社でコントロールできないところが大きい。であればASPをやろう」と考えたそうで、現在はFlipdeskの事業に注力している。

実は安藤氏と朝倉氏は共通の知人がおり、以前から面識自体はあったのだという。そしてレレレが手掛ける「TimeTicket」で朝倉氏が「相談に乗る」というチケットを販売した際に安藤氏がそのチケットを購入。資金調達などのアドバイスを求めたそうだ。そこから徐々に相談の機会が増えていたため今回正式にアドバイザーとなったという。ちなみに朝倉氏は、SSocket以外にも個人でエンジェル投資やスタートアップの相談などに乗っているとも語ってくれた。ただしあくまで「友人ベースで」とのことだ。

同社は今回の調達で人材を強化し、サービスのさらなる開発を進める。


Apple、App Storeのダウンロードボタンを「無料」から「入手」に変更。EC対策か?


iTunesおよびMac App Store全体で、AppleがiOSやMacのアプリをどうマーケティングするかに関する、小さいが注目すべき変化があった。無料アプリのダウンロードボタンのラベルが、「無料[FREE]」から「入手[GET]」になった。この変更は、欧州委員会からの度重なる圧力によるものである可能性が高い。EUは今年の夏Googleに対して、アプリ内購入を推めるアプリのラベルを変更させることに成功している。

EU諸国内でGoogleは、”Top Free Apps”[トップ無料アプリ]の名称を”Top Apps”[トップアプリ」に変更し、”Top Free Games”セクションも、”Top Games”に変更しており、これは新しいガイドラインに準拠したものだ。

欧州委員会は、「無料」とラベル付けされたゲームには、実際に関わってくるコストを、消費者に誤解させかねない問題があるため、子供に直接アプリ内購入を薦めたり、親に追加機能をねだらせるべきではない、と言っている。

当時Appleは、いずれ変更を行うこと約束すると共に、特にアプリ内購入については既にいくつかの保護対策を施していることを主張した。Engadgetに提供された声明で同社は「…昨年来、利用者のアプリ内購入が可能なアプリにはそのことを明示させてきた。また、App Storeには13歳未満の子供たち向けにさらに保護を強化したアプリのための、キッズセクションを設けている」と書かれている。

iOS 8では、さらに保護を強めた機能を提供していくとAppleは言っている。

Appleは「無料」アプリに関して、EUに特化した変更を行わないことにしたようだ。代わりに、デスクトップおよびモバイルのApp Store全体について、アプリ内購入の有無にかかわらず、ダウンロードボタンを「入手」に名称変更した。

おそらくこれで、地域別対応が容易になると共に、一部アプリの特質に関して、多少なりとも誠実になった。ユーザーは〈入手〉できるが、必ずしも〈無料〉ではない。

現時点で、Appleのトップチャートは変更されていない ― 従来通り、両ストア共表示は「トップ無料APP」および「トップ有料APP」となっている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


物流アウトソーシング「オープンロジ」がサービス開始――中小事業者や個人をターゲットに

今スタートアップで注目を集めるキーワードというと、シェアリングエコノミーやIoT、ヘルスケアなどとあわせて、ロジスティクスを挙げる人が多い。CrunchBaseによると、ロジスティクス分野のスタートアップへの投資は、2012年後半から増加しているようなのだけれども、2014年第1四半期には3200万ドルと急増している。

米国では日用品のリアルタイム配送を実現する「Instacart」やCtoC向けの配送サービス「shyp」などの名前を聞くが、国内でもロジスティクス分野のスタートアップが徐々に登場している。その1社がオープンロジだ。同社は10月21日から物流アウトソーシングサービス「オープンロジ」を開始する(サービス開始前の動画インタビューはこちら)。

中小規模のEC事業者や個人までが利用できるロジスティクスのアウトソーシングサービスだ。ユーザーがECで取り扱う商品をサイト上から登録して、同社が提携する物流会社の倉庫に入庫すれば、倉庫にて商品1点1点にバーコードの貼り付けをして管理を実施する。入出庫情報はオンラインで閲覧可能。また商品が売れた際などは、倉庫で梱包の上で配送までを行ってくれる。配送の際には同梱明細書がつき、時間指定も可能。代引きにも対応する。

このサービスの強みは簡略化された商品管理とシンプルな価格設定にある。オープンロジ代表取締役の伊藤秀嗣氏によると、これまでの物流アウトソーシングサービスでは、まずは問い合わせ窓口から連絡すると、事業に関するヒアリングを行った上で見積もりを出して…と最短でも1カ月程度の時間を要するケースがほとんどだそうだ。

また、月額料金や保管料は「一坪いくら」という形で設定しているため、商品点数にかかわらずコストがかかるということも少なくない。そのため、小規模なEC業者や個人が利用することも難しかった。

そこでオープンロジでは、老舗の物流事業者と組み、商品数の少ない中小規模の事業者の商品をとりまとめて管理することで、シンプルな業務フロー、料金設定を実現しているのだという。また最短2日でのサービス利用を実現。さらにはシンプルな管理画面も独自に開発しており、個人でもPCで手軽に入出庫管理できるという。

オープンロジの管理画面

価格は、入庫料が一律15円、保管料がサイズにより1日0.2円〜10円、配送料が220円〜780円までとなっている。価格面での競合優位性について伊藤氏に尋ねたところ、Mサイズ(商品の縦、横、高さの合計が60cm以内)を関東圏に送る場合、ヤマト運輸の宅急便を利用すると756円。これがオープンロジだと1カ月の保管料や入庫料込みで486円と36%の割引になる。もちろん発送の回数や個数、保管期間にもよるが、オープンロジを利用することで安価かつ作業負荷が下がるというケースは多そうだ。

オープンロジではここ数カ月、ユーザーを限定してテストを行ってきたそうなのだけれども、その反応も上々だそうだ。ネットオークションを手がける個人は、梱包も含めて業者が行うため、落札者からの評価も高いと語っているそう。副業であれば平日に梱包作業なんてできないので、そういった面でも利便性を感じているということだった。

ちなみに伊藤氏は富士山マガジンサービスを創業期から支え、その物流網の構築を手がけてきた人物。「物流は成長分野にも関わらず、アウトソーシング先の体質は変わっていない。そこを効率的に変えられるのではないか」という思いから起業したのだそうだ。


メルカリがWiLと既存株主から23.6億円調達–テレビCMやリアルイベントも

3月に14億5000万円を調達したメルカリだが、またもや大きな資金調達を実施したようだ。同社は10月9日、World Innovation Lab(WiL)および既存株主であるグローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ、GMO Venture Partners、East Venturesから総額23億6000万円の第三者割当増資を実施したと発表した。出資比率は非公開。バリュエーションも非公開だが、「200億円以上ではないか」(関係者)といった声も聞こえてくる。

メルカリが手がけるフリマアプリ「メルカリ」は、5月に展開したテレビCMの効果もあり、これまでに500万ダウンロードを達成。月間流通額は数十億円、出品数は1日10万件に上る。9月には米国向けにもサービスを開始している。また10月に入って、これまで無料だった手数料を有料化(代金の10%)している。ちなみに有料化を9月中にアナウンスしたところ、駆け込み需要で9月最終週の出品・購入額が通常の約3倍程度まで拡大したそうだ。有料化1週間の手応えとしては、天候(おもしろいことに、台風で外出を控えるなど可処分時間が多くなるような状況だと、サービスの利用者が増えるそうだ)などの影響でブレもあるが、「評価としては、すごいクレームになっているといったことはまずない」(メルカリ代表取締役社長の山田進太郎氏)という状況だそう。

前回実施した14億円超の資金調達も大きな金額だったが、メルカリでは今回調達した資金をもとに、日米双方での積極的なプロモーションを展開する。まず日本については、10月11日〜26日、11月8日〜23日に書けて首都圏を中心に全国でテレビCMを展開する。前回のCMに出演した菅谷哲也さん、筧美和子さんのほか、ダンディ坂野さんが新たに出演する。またパートナー企業と組んで、11月8日〜9日に東京・お台場でリアルなフリマイベントを実施する。

CtoCコマース市場ではすでに撤退するサービスも

フリマアプリをはじめとしたCtoCコマースの競争は激化しており、すでに撤退する企業も出てきている。そんな中でメルカリはスマートフォンに特化したオールジャンルのCtoCコマースとして「トップランナーになった」(メルカリ取締役の小泉文明氏)と説明する。以下は同社が掲げるポジショニングマップだ。なお、資料には「Confidencial」と書かれているが、メルカリから公開の許可を得ているものとなる。

そんな中で国内ユーザーの更なる拡大と、9月からスタートしたばかりの米国向けサービスを強化するため、23億円超の大型調達を実施したという。「まずは1000万ダウンロードを目指す。DAU(デイリーアクティブユーザー)や購入額はダウンロード数に比例して上がっており、増やして利用率が下がるとは思っていない。どこまで伸びるかは底が知れない」(山田氏)

 

 

海外展開はヨーロッパも視野に

今回の資金調達では、日本と米国に拠点を置くWiLが新たに株主になっているが、「WiLが(投資の)リードという考え方ではないが、米国展開のサポートを期待しているのは事実」(小泉氏)だと説明する。

米国での展開は、組織面も含めて「本当に何から何まで違う」(山田氏)状況だそうだが、サービスに関しては「思ったより受け入れられている」(山田氏)という。App Annieのデータを見る限り、米国でのアプリのランキングは500位前後を行き来しているようだ。現在はFacebook広告を中心に集客しているが、今回の調達を受け、米国でのマーケティングも本格化していく。またヨーロッパ展開も視野に入れており、年末までに市場を調査して参入を検討していくという。

 


アプリ1つで写真ケーキを注文–BAKEが手がけるPICTcake

オンラインでケーキを販売するBAKE。同社はこれまで「クリックオンケーキ」の名称で、通常のケーキと、食用プリンターでケーキの表面にプリントを施した「写真ケーキ」を販売してきた。現在では写真ケーキを中心に年間3万個を販売。注文の翌々日には全国どこにでも冷凍のケーキを届けることが可能だという。

そんな同社が10月2日、サービスを刷新。ブランドも写真ケーキに特化した「PICTcake」にあらため、iOSアプリも公開した。アプリでは、スマートフォン上で写真撮影からケーキのデザイン、購入までが可能。

BAKEは2013年4月の設立。代表取締役である長沼真太郎氏の前職は流通業、そして実家は日本で一番の売上を誇るという老舗の宅配ケーキ屋「きのとや」だ(長沼氏の出身地である北海道では、雪のために物流面でのトラブルがつきものなため、宅配ケーキが人気なのだそうだ)。そんな長沼氏は現在、チーズタルトやシュークリームの専門店を経営しつつ、PICTcakeの事業に取り組んでいる。すでにチーズタルトの事業はすでに年商1億円程度になっているそうだ。

僕も友人の誕生日会などで写真ケーキを見かけることはあったのだけど、実はこれ自体は15年ほど前からあるものらしい。しかし食用プリンター自体がまだそれほど普及していないため、製造できるケーキ屋も限られているそうだ。それをオンラインで年間3万個販売しているということで、長沼氏は「ものすごいニッチな分野だがニーズはある。我々は写真ケーキでは多分世界一ではないか」と語る。ちなみにデコレーションケーキの市場は年間1400億円だが、そのうちで写真ケーキが占めるのは、10億円程度なのだそう。

ケーキの価格は17cm×17cm(5-10名用)が4320円、22cm×22cm(10-20名用)が8640円。今後は結婚式などのイベントでも利用できるような大きなサイズにも対応していくとしている。そのほか、IP、つまり版権もののキャラクターなどとのコラボレーションに関しても積極的に行っていくそうだ。製造は前述のきのとやに委託しているが、現在東京でも製造工場と提携を進めている。


フリマアプリFril運営のFablicがクックパッド、コロプラ、ジャフコから10億円調達–まもなくテレビCMも

フリマアプリ「Fril(フリル)」を手がけるFablicは9月25日、クックパッド、コロプラ、ジャフコを割当先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。出資比率やバリュエーションは開示していないが、関係者などの話を総合すると、金額的には3社がおおよそ3分の1ずつ出資しており、バリュエーションは100億円程度になるという。

Frilは2012年7月にサービスを開始したフリマアプリ。ユーザーを女性に限定しているのが特徴で、ファッションアイテムやハンドメイドの小物などが個人間で売買されている。現在のダウンロード数は200万件弱。ユーザーは都市部に住む10代後半から20代の女性が中心となっている。売買される商品の平均単価は2000〜3000円程度だという。月間の物流総額(実際に売買されている金額)は7月時点で5億円と発表されていたが、現在は「5億〜10億円のあいだ」(Fablic代表取締役社長の堀井翔太氏)だそうだ。

割当先に事業会社が2社いるが、この理由について堀井氏は、「特にクックパッドなどはユーザー属性も近いためシナジーもある。だがそれ以上にいい応援をしてくれる人、熱い思いを持った経営陣が居るから」と説明する。

フリマアプリのプレーヤーを見てみると、メルカリの手がける「メルカリ」が500万ダウンロードを達成。これまでの資金調達ではグローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、GMOベンチャーパートナーズ、ユナイテッド、イーストベンチャーズなど、ベンチャーキャピタルを中心に広く資本を受け入れて“応援団”を作っている状況だ。またテレビCMを展開して大きくユーザー数を伸ばした。

こういった状況を踏まえて、堀井氏は「今はプロダクトを磨くだけでなく空中戦(マーケティングなど周辺領域での勝負)になっている。いかに周囲が応援してくれるかが重要。そんな中で『燃料はどんどん投下するから戦え』と言われることも増えたが、それとは違ったアドバイスをもらえる会社に出資してもらっている。優秀な経営者に気軽に相談できるし、IRやマーケティングにも強いチームがいる」と語る。

今後Frilは、CtoCをビジネスの中心にしつつ、BtoCの事業も強化する。8月からは「公式ショップ」という形でアパレルブランドが出店し、商品を販売できる仕組みを開始している。「現在は検証もかねてサービスを始めたところ。将来的には会員への課金や広告など、マネタイズの方法はあると思っている」(堀井氏)

前述のメルカリやLINEの手がけるLINE MALL、さらにはヤフオク!まで、(広義で)競合が多いスマホ向けのフリマ市場。Frilでは、今後も女性に特化したサービスを展開していく。「彼ら(競合)はオールジャンル、オールカテゴリ。そこはポジショニングを分けて差別化していきたい。お金(手数料のこと。ちなみにメルカリはこれまで手数料無料でサービスを展開してきたが、10月からFrilと同様に商品価格の10%の手数料を取得する)がかかっても使ってもらえるのはそこがあるから。これからも独自の世界を作っていきたい」(堀井氏)。サービスを支える約30人のカスタマーサポートは全員がFrilのユーザーで、きめ細かい対応を実施。さらにはバックグラウンドでのスパム検知、本人確認の仕組みにも注力しているという。

Fablicでは2015年度の物流総額200億円を直近の目標とする。また将来的には海外展開も検討しているようだが、「やるのであれば台湾などアジア圏。法律や物流の違いもあって翻訳だけして展開できるとは思っていない。場所によって戦略やアプリそのもののチューニングが必要だと思う」(堀井氏)とのことだった。


数百万ストア開設の第一歩に–STORES.jpがフォロワー機能を導入

先週アドオン機能の提供で大企業や中堅企業向けにサービスを拡大すると発表したばかりのオンラインストア構築サービス「STORES.jp」。ショップオーナーの拡大施策の次は、そのショップのユーザー拡大のための施策を実施する。同社は9月17日、STORES.jpにフォロー機能を導入した。

この機能は、Twitterや各種SNSにある「フォロー」と同様に、STORES.jpのオンラインストア同士でフォローしたり、STORES.jpのIDを持つユーザーがお気に入りのストアをフォローしたりすることができるというもの。フォローしたストアの更新情報はタイムライン形式で閲覧できるため、お気に入りのストアの新着商品などを時系列に閲覧することができるようになる。利用にはSTORES.jpのIDが必要となる。なお、IDを作ると、自動的にストアが開設できる状態になる。

ブラケット代表取締役の光本勇介氏

STORES.jpは、どうしてECなのにフォロー機能を導入したのか? ブラケット代表取締役の光本勇介氏は、これが「STORES.jpのストア数を大きくジャンプさせるための施策になる」と説明する。

1人1アカウントの世界を目指す

光本氏はSTORES.jpを開始した頃から、「FacebookやTwitterのように、STORES.jpのストアのアカウントを1人1つずつ持つようにしたい」ということを語っていたのを覚えている。

現在STORES.jpのストア数は12万件。確かに数字的にはすごいのだけれど、当初語っていた1人1アカウントの世界はまだ遠い。そこで、まずはフォロー機能でお気に入りのストアの更新情報を閲覧できるといった利便性を提供することで、ID(STORES.jpはIDがあればいつでもストアをオープンできる)やトラフィックを増やし、最終的にストアの拡大を狙うという。

IDを利用するメリットは何もフォロー機能に限った話ではない。ユーザーがSTORES.jpで作られたストアで商品を購入する際、IDを持っていなければ買い物の都度配送先の住所や氏名を入力する必要があったのだが、IDと紐付けて保存すれば、一度入力した配送先情報をすべてのストアで自動入力できるようになる。

最近ではSTORES.jp同様にオンラインストア構築サービス「BASE」を展開しているBASE代表取締役の鶴岡裕太氏が、国内のストア数を30〜40万店舗、海外あわせて100万店舗といった具体的な数字の目標を各種イベントやインタビューで語っている。光本氏はこういった数字を意識しているようで、「(フォロー機能の導入は)40万店舗を市場の天井にするか、何百万店舗にするかの勝負の始まり。まずはSTORES.jpのカルチャーを作らないといけない」と語った。


STORES.jpが高機能をアドオン形式で提供開始–大企業・中堅企業向け市場をねらう

ブラケットが提供するオンラインストア構築サービス「STORES.jp」。これまで利用の手軽さを武器に、個人や小規模企業を中心にサービスを展開してきた同サービスだが、今後は機能を強化し、大企業や中堅企業での利用をねらう。9月10日には月額980円のプレミアムユーザー(有料会員)向けに「アドオン機能」の提供を開始した。

STORES.jpは、「新規登録から開業までに要する時間は最短2分で、世界でひとつだけのオンラインストアをオープンできる」とうたっているとおり、簡単さを1つのウリにしたサービスだった。サービス開始から2年経った現在、ストアの数は12万店舗以上となっているほか、流通額(実際に決済されている金額)は非公開ながらリリース当初の100倍以上、ページビューやユニークユーザー数は20倍以上になっているという。

競合サービスのBASEとともに、ECの裾野を広げつつあるSTORES.jp。だが、15.9兆円(MM総研調べ。2013年4月〜2014年3月、BtoCとCtoCの合算)ともいわれる国内ネット通販市場の多くを占めるのは大企業や中堅企業によるBtoCの取引だ。そこで同社はその市場をターゲットとすべく、これまでより高度な機能を開発してきたのだという。

大企業向けのネットショップ構築といえば、GMOメイクショップやEストアーの提供するサービスが代表的。たとえばGMOメイクショップの「MakeShop」は、2013年の年間総流通額が1108億円と大きい規模を持っていることが分かる。

アドオン機能では、ダウンロード販売や送料の詳細設定から、年齢制限やギフトフォーム、再入荷のお知らせといった機能を提供するほか、直近にはトップページの作成(これまでSTORES.jpでは、トップページが商品一覧ページになっていた)、HTMLの編集といった機能も導入する予定だ。ちなみにSTORES.jpのプレミアムユーザーの数は非公開だったが、「一般的なフリーミアムモデルでの課金ユーザーの割合より多いと思う」(ブラケット代表取締役の光本勇介氏)とのこと。

ブラケットではこの機能の導入に先駆けて、ZOZOTOWNの出展企業に限定してブランドオリジナルのネットショップを構築できる「STORES.jp PRO」を提供しており、そこで年商数億円から数十億円規模の企業を相手に、大規模ネットショップのノウハウを蓄積していたという。光本氏は5月に「夏にも予想できない新機能を提供する」と語ってくれていたが、これがその第1弾となる。直近にもまた新たな取り組みを発表する予定だそうだ。


“スーパーサイヤ人的経営者”が手がけるメルカリ、ダウンロード数は400万件に

先週福岡で開催された招待制イベント「B Dash Camp 2014 in Fukuoka」にて、スマートフォン向けフリマサービスの元祖「Fril」を手がけるFablicが月間物流総額4億円、アプリダウンロード数150万件という数字を発表していた。これだけでもわずか2年で大きな市場を築いたと思うのだけれども、後発の競合サービス「メルカリ」を展開するメルカリがダウンロード数でその2倍を超える数字を発表している。

メルカリは7月22日、フリマアプリメルカリが400万ダウンロードを突破したことを発表した。これに合わせるかたちでデザインのリニューアルも実施している。リニューアルはiOS版から進めており、Android版についても近日中にリニューアルする予定だという。

メルカリのリリースは2013年7月2日。1年を経過した7月時点での月間流通金額は10億円を「大幅に超える」(同社)とのこと。1日の出品数は10万点以上になっている。5月にはテレビCMも放映しており、こちらも奏功したそうだ。同社の発表によると、ダウンロード数は400万件に上るという。

Frilがユーザーを基本女性に限定している一方で、メルカリはユーザーを限定していない。実際のところメインユーザーとなっているのは地方在住の20代〜30代女性だそうで、流通しているのは女性向けのファッションアイテムが中心。そのほかにも男性向けのファッションアイテムからスマートフォンゲームのデータ(運営ポリシー上は問題ないそうだ)まで幅広いアイテムを扱っている。僕も2カ月ほど前にとあるブランドのブーツを出品したのだけれど、数秒で「いいね」が複数つき、10分以内には購入のやりとりをするに至ったので、そのスピードには正直驚いた。同社は現在仙台にカスタマーサポート部隊も設置しているそうだ。

今回のリニューアルでは、アイコン、レイアウト、色調等の全面を刷新している。ユーザーの個人ページについても、より商品の魅力を引き出せるデザインに変更したとのことだ。

「スーパーサイヤ人」な起業家の戦い方

さて、冒頭で紹介したB Dash Campのセッションの中で、登壇者らがメルカリ代表取締役社長の山田進太郎氏に言及したところがあったので、少しご紹介したい。

メルカリ代表取締役社長の山田進太郎氏

モデレーターを務めたモブキャスト執行役員CCOの福元健之氏が、登壇したアクティブソナー 代表取締役社長の青木康時氏、Fablic 代表取締役社長の堀井翔太氏、BASE 代表取締役鶴岡裕太氏に対して「大手が競合として攻めてくる中で、こういうことされると嫌なことは何か、脅威となるのは何か」と質問した際のことだ。

当初登壇者の3人は、共通して「上場企業や大きいプレーヤーは脅威だが、その隙間を狙っている、その会社ではできないことをやっている」と回答していたのだが、そこから鶴岡氏が「上場企業より、進太郎さん(山田進太郎)や木村さん(Gunosy代表取締役の木村新司氏)のようなスーパーサイヤ人がいることが脅威。そういう人は一気に来る(事業を展開する)」と語った。堀井氏もこれにうなずき、「強くてニューゲーム(ゲームクリア後に、レベルなどを引き継いだ状態でゲームを1から始めるという意味)な起業家」という表現をしていた。

山田氏は、大学在学中に楽天に参画。「楽オク」の立上げなどを経験。さらには卒業後にウノウを設立し、「映画生活」「フォト蔵」「まちつく!」といったサービスを開発。同社をZyngaに売却した経験がある。また木村氏も、ドリームインキュベーターにてコンサルやベンチャー投資を手がけた後にシリウステクノロジーズの取締役に就任。ヤフーによる買収の前に同社を離れてアトランティスを設立。2011年にグリーに売却した経験を持つ。

いずれにしてもイグジットの経験もある起業家だ。彼らは若いスタートアップがプロダクトを少しずつブラッシュアップし、口コミでユーザーを集めつつ徐々に市場を作っていく中で、大規模な調達をしてテレビCMを展開するなど、ダイナミックな資金調達、そしてその資金の投下を実行している。マンガ「ドラゴンボール」で言うならスーパーサイヤ人になって一気に戦闘力を高めて勝負に出ているといったところだろうか。

実際Frilのほうがメルカリよりも1年早い2012年にサービスを開始していたし、Gunosyにしても、同社のニュースリーダーアプリ「Gunosy」に競合するスマートニュースの「SmartNews」よりも100万件以上ダウンロード数が少なかった時期があるが、テレビCM放映後の現在はほぼ同じ程度ではないかと木村氏は話していた(ちなみにSmartNewsのテレビCMに関しては、同イベントの別セッションで登壇したスマートニュース取締役の鈴木健氏に質問が飛んだが、明言されなかった)。スーパーサイヤ人的経営者の山田氏はスマートフォン向けフリマのマーケットをどこまで拡大できるのだろうか。同社は現在手数料無料でサービスを提供しているが、いつからマネタイズに向かうのかも含めてその動向に注目したい。


Frilの月間物流総額は5億円–「空中戦」も必要になったフリマアプリ市場

スマホ向けフリマアプリの元祖であるFablicの「Fril」。若い女性に特化したこのアプリだが、現在の月間物流総額は5億円以上、アプリのダウンロード数は150万件以上になっているという。

福岡で7月17〜18日に開催されている招待制イベント「B Dash Camp 2014 in Fukuoka」の2日目のセッション「新興eコマース〜新たなトレンドを作り出せるか?」に登壇したFablic 代表取締役社長の堀井翔太氏が明らかにした。

このセッションでは堀井氏のほかにアクティブソナー 代表取締役社長の青木康時氏、BASE 代表取締役鶴岡裕太氏が登壇。それぞれのビジネスについて語った。

「空中戦」も必要になったフリマアプリ市場

Fablicは、これまでほとんどメディアでビジネスの話をしたことがなかったし、アプリのダウンロード数をはじめとした情報を発信してこなかった。しかしここに来て数字を公開した堀井氏は、「今は競合も十数個ある。そういう(情報を非公開にする)フェーズではない」と語る。

競合とされる後発の「メルカリ」は、14億円超の大型調達、テレビCMなども奏功して大きくユーザーを拡大。1周年を迎えた2014年7月時点で、月間流通総額は10億円、ダウンロード数350万件という数字を発表している。

こういった状況に対して堀井氏は、「メルカリやGunosyなどは大きな資本を調達して勝負している。今まではプロダクトを磨いて、リテンション伸ばして…としてきたが、最近の戦い方はテレビCMなども含めて『空中戦』もするような状況にシフトしている」と語る。

Open Network Labのインキュベーションプログラム出身のスタートアップということで、デジタルガレージグループからシードマネーを調達しているFablic。1期目から黒字化して資金調達の必要もなかったとのことだが、今後は資金調達してテレビCMを放送することも検討しているという。さらに、ユーザーのニーズも多いことから、一部のユーザーに限定してフルフィルメントサービスを試験的に提供していることも明かされた。

BASEは「カート」ではなく「決済」

手軽にウェブショップを構築できる「BASE」を提供するBASE。個人だけでなく、中小企業を中心とした法人もサービスを利用している。最近では芸能人やニコニコ生放送の“生主”のような売り手も登場しており、数千万円から億単位の売上を実現しているショップもあるそうだ。

サイバーエージェントやグローバルブレインなどから資金を調達し、現在はユーザーの拡大フェーズにあるという。クレジットカードの決済手数料などは徴収しているものの、サービスの利用手数料は無料。「売上はゼロと言っていい」(鶴岡氏)状況だそうだ。「(調達によって)うちのようなところがどんどん攻めていけるのはありがたいし、EC(領域)自体を評価して頂いていると思っている」(鶴岡氏)

鶴岡氏はBASEについて、「本質は決済を提供するサービス」と語っている。カート機能でのマネタイズはあまり考えていないそうで、将来的には、決済、金融といった領域でのマネタイズをやっていくそうだ。

サービス開始当初は、ブラケットの「STORES.jp」と比較されることが多かったBASE。「初期はSTORES.jpもあったことで認知度が上がった」(鶴岡氏)とも語るが、スタートトゥデイがブラケットを買収したこともあって状況は変わったという。「最近は自社でどれだけがんばれるか。突き抜けないといけない」(鶴岡氏)将来的には世界展開で100万店舗を目指す。さらには日本から海外に商品を売るための支援もしていくそうだ。

プラットフォームを目指すアクティブソナー

CtoBtoC型のブランド商品委託販売サービス「RECLO」を提供するアクティブソナー。

こちらの記事にもあるように、米国ではCtoBtoC型のECサイトが複数登場しており、ユーザーのニーズも見えている状況だという。日本では(米国でも先行する)「RealReal」などのプレーヤーはいるが、まだデファクトスタンダードたる位置にあるサービスはない。そこで自らこの領域に挑戦したそうだ。

今後は海外向けに商品を販売していくほか、家具や中古車の販売なども視野に入れるという。また、CtoBtoCは言ってしまえば「小売り」だが、1つ1つの商品を売るということではなく、あくまでプラットフォームとして成長していきたいと語った。

この領域に大手企業が参入することについて尋ねられたところ、「大きいプレーヤーが来るのは脅威だが、狙っているのは(大きいプレーヤーがチャレンジできない)隙間でのおもてなし。ネットサービスでは実現できないフルフィルメントを全部やるというところ」(青木氏)とした。


「ごちクル」運営のスターフェスティバルがアスクルから28億円を調達、共同配送で効率化目指す

弁当やケータリング商品の宅配サービス「ごちクル」 を手がけるスターフェスティバル。2013年8月にジャフコを割当先とした10億円の資金調達を発表していたが、さらなる大型増資を実施している。同社は7月4日、オフィス用品の通販を手がけるアスクルを割当先にした第三者割当増資と、新株予約権付社債の発行等によって総額28億円の調達を実施。資本と業務の両面で提携することを明らかにした。

ごちクルはこれまでに、600ブランド6800種以上の商品を展開。累計550万食を提供してきた。今回の提携を契機にして、11月をめどにごちクルをアスクルのサービスとしても展開していく。

さらに配送面でもごちクルの商品をアスクル子会社であるBizexの配送サービスを活用して配送したり、スターフェスティバルの配送車の空き時間をアスクルのサービスに活用するなどして、配送の効率化を進める。将来的にはアスクルとごちクルの商材の同時配送等も目指すとしている。


ECサイトの接客ツールを開発するプレイド、フェムトから1.5億円を調達

ECサイトの「集客」と聞くと、SEOに広告にメルマガに…といくつも思いつくかも知れないが、その集客したユーザーの「接客」を実現しようとしているスタートアップがプレイドだ。同社は7月2日、フェムト・グロースキャピタルなどを割当先とする第三者割当増資を実施して、1億5000万円を調達したと発表した。あわせて、フェムト・グロースキャピタルのゼネラルパートナーである磯崎哲也氏が社外取締役に就任した。

プレイドが開発を進める「KARTE(カルテ)」は、サイトに数行のJavaScriptコードを埋め込むことで、訪問者の特徴や行動をリアルタイムに追跡できるサービス。

例えばGoogleアナリティクスのリアルタイムレポート機能では、サイトの来訪者について、ページビュー(PV)やユニークユーザー(UU)といった数字までは分かるのだが、ECサイトとして必要な属性が取れるわけではない。KARTEでは、そのユーザー1人1人に対してIDを振り、会員か非会員か、これまでの購入額はいくらか、コンバージョンはどれくらいか、どんなカテゴリを見るのか、といった属性までをリアルタイムに解析できる。ただし、会員情報と紐付ける場合は、別途カスタマイズが必要になる。

さらに、あらかじめ設定したユーザー属性やユーザーの行動にあわせて、即座に広告を表示したり、割引のオファーをしたりといった、まさに「接客」のような施策を自動で行える。「サイト上に商品をどのように掲載するか、広告やパーツをどう変えるだけでもコンバージョンは変わる。でも従来のシステムでそういった施策をするのは、長ければ数カ月の作業になる。KARTEではそんな施策をすぐに実現できる」(プレイド代表取締役の倉橋健太氏)。現在はクローズドベータ版として一部のサイトに限定してサービスを提供しているが、コンバージョンが3倍になったサイトもあるそうだ。

ところでサイトのコンバージョン改善と聞くと、いわゆる「グロースハック」を思い浮かべるのだけれども、倉橋氏は、「グロースハックはサイトの全体最適の施策だが、KARTEで実現するのは(ユーザー個人個人に対する)個別最適のための施策」と説明する。

実際にデモも見たし、機能もすばらしいと思ったのだけど、気になったのは使いこなすのにはそれなりに高いリテラシーが求められそうなことだ。これについてはもちろんプレイドでも意識しているそうで、現在業種にあわせて施策をテンプレート化しているほか、正式リリース時には機能を限定して提供するといったことも考えているそうだ。正式リリースは10月頃を目指しているとのこと。

ちなみに倉橋氏は楽天で楽天市場の事業に携わっていた人物。2011年にプレイドを設立し、当初は「foodstoQ」というグルメアプリを手がけていたがピボット。KARTEの開発に着手した。プレイドでは現在、EC関連の情報を提供するブログメディア「Shopping Tribe」も運営している。


不要なブランド品を売って社会貢献、CtoC古参のwajaが新サービス

メルカリやLINEモール、FrilなどでCtoCコマースに注目が集まっているが、実は2003年からその領域に挑戦しているのがwajaだ。同社はこれまで、海外の個人バイヤーが現地で仕入れたファッションアイテムを、国内ユーザー向けに販売するマーケットプレイス「waja」を展開してきた。

この領域ではエニグモの「BUYMA」が一歩先を行っているが、wajaの特徴は、自社でフルフィルメントセンターを持っていることにある。東京・麻布のオフィス地下と埼玉県・入間にも倉庫を構えており、商品撮影から販売、配送までを手がけている。また最近では、このフルフィルメントを使ったアウトレットEC「REASON」も展開している。

そんなwajaが7月2日から開始したサービスが「FASHION CHARITY PROJECT(FCP)」だ。

FCPは、アパレルメーカーや個人が出品者となって不要になったファッションアイテムなどをwajaに送付するだけで、FCP上で商品を販売し、その売上を寄付できるサービス。販売はフラッシュマーケティングの手法で行われる予定で、5日間で50〜100点の商品が販売されるという。

出品者が販売代金を得られる訳ではないが、販売代金から手数料40%を差し引いた額がNPOに寄付される。寄付金の受領証明書も発行されるため、出品者は販売額の最大50%の寄付金控除を受けることができる。支援先のNPOはCivic Forceとピースウィンズ・ジャパンの2団体だが、今後は拡大していく予定だという。

waja代表取締役会長兼CEOの小安光司氏は、「チャリティを継続的かつスケールできるようにしたい。ファッションを通じて、売る人は不要品でチャリティができる、買う人は欲しいものを得られる。さらにNPOには支援ができる」とサービスについて語る。確かに自分自身を振り返ってみても、善意だけのチャリティでは災害や大きな事件があったときだけになりがちだ。この仕組みであれば、ユーザーだってあくまで商品を買うだけで支援できるのだから、継続性も生まれる。

またハイブランドやラグジュアリーブランドの場合、そのブランドイメージもあって、一部を除いてアウトレットなどに出店、出品するようなケースはほとんどない。だが在庫は在庫、売れないものは処分するしかないわけだ。中古品として流通させることだっていい印象がないとも聞く。そんなときに、チャリティーやCSRという名目で商品を売れるのであれば、ブランドイメージを壊すことがないどころか向上させることだってできるわけだ。

そんなこともあって、7月1日の夜に都内で開催されたFCPのお披露目イベントでは、LOUIS VUITTONをはじめ、PRADAやJIMMY CHOOといったブランドの出品が発表されていたそうだ。このほかにも、すでに約560のブランドが出品を決定しているという。そしてFCPでの取り組みをきっかけに、wajaが手がけるアウトレットECのREASONにも興味を持つブランドが増えているとのことで、「社会貢献+手数料モデルのビジネス」という枠にとどまらない商機を生み出しそうだ。


実は女性8割のコミュニティになっていた料理写真共有サービス「ミイル」、体制を刷新して再始動

自分で作った料理や飲食店で食べた料理の写真に、美味しく見せるフィルターをつけてアップロードして交流する写真SNS「miil(ミイル)」運営のミイル。2013年に創業者だった中村仁氏が代表取締役を退任し、取締役だった高橋伸和氏が代表に就任。さらに2014年5月にはミイル(当時の社名はFrogApps)が創業期に出資を受けていたサイバーエージェント・ベンチャーズの元取締役である大下徹朗氏が代表となった。

先日代表に就任したばかりの大下氏に会ったところ、今後はミイルを「食を通じたコミュニケーションサービス」と再定義してサービスを展開するといった話を聞くことができた。

ミイルの登録ユーザーは現在32万人。そのうち8割は女性ユーザーで、中でも10〜20代のユーザーが6割を占めるのだという。月間で40万枚の写真が投稿され、Facebookの「いいね!」に相当する「食べたい!」は月間で900万件も付く。写真をきっかけにしたコメントのやりとりも多い。「料理は大変な家事。だがそれが作品や趣味として楽しめるようになっている」(大下氏)

ミイルがサービスを開始した当初、「スマホ時代のぐるなび、食べログ」の座を狙う料理写真共有サービスが複数あった。その多くは最近話題をあまり聞かなくなったのだが、ミイルはそういった店舗検索のサービスではなく、料理好きな女性に刺さるコミュニティとして成長していたようだ(その一方で、レストラン検索機能なども強化する予定があるそうだが、これは有料オプションとなるらしい)。ただまだユーザー数は30万人弱、まだまだ伸びしろはありそうだ。

そんなミイルは6月16日、「アンバサダー制度」を開始。あわせて、認定アンバサダーによる食品EC支援事業を開始した。

食品EC支援事業では、miilのアクティブユーザー数人を「アンバサダー」として認定。クライアント企業の商品をそのアンバサダーに無償で提供して、その商品を使ったメニューなどの投稿を促す。クライアント企業やミイルがアンバサダーへ金銭を支払うことはせず、いわゆる「ステマ」にはならないようにする。そのほかミイル内に「おとりよせショップ」を設置して、アンバサダーや商品購入者による写真の投稿や生産者による写真の投稿、ECサイトへの誘導などを進める。第1弾として、新潟県のカガヤキ農園と提携して事業を展開する。ミイルでは今夏中にも5件程度の提携を狙う。