味気ないネットショッピングをプロの店員がいる「本物の」ショッピング体験に近づけるEdgecase

Edgecaseは、ネットショッピングを、もっとフレンドリーに、もっとお利口に、そしてできれば、お客のニーズをよく理解し商品知識も詳細豊富なプロの店員さんがそばにいるような、体験にしたいと願っている。

同社はこれまでCompare Metricsという名前だったが、今日(米国時間8/26)からEdgecaseと名前を変えて、サービスの内容もアップグレードする。

Edgecaseのねらいを理解するための補助線として協同ファウンダでCEOのGarrett Easthamは、ネットショップのコンバージョンレート(conversion rate, 実買率, CR)は物理店のそれにくらべてものすごく低い、という話をした。そしてその原因は、ネットショップを本物の商売人ではなくてデータベースの技術者が設計しているからだ、という。

同社のプロマネでマーケティングも担当しているVP Lisa Robertsは、ネットショップでは商品についてブランドとサイズと値段ぐらいしか分からない、消費者が商品について得る情報が貧しすぎる、と言う。最初から買うものが決まっている人は、それでもよいかもしれないけど、ネット上をぶらぶらしながら何かを見つけようとしている人、つまりウィンドウショッピングをしている人にとっては、買い気をそそるものがない。

そこでEdgecaseは、ネットショップの経営者に、消費者にはもっとましなナビゲーション体験を提供せよ、と迫るのだ。まず、お客が欲しがっている物に関するもっと詳しい商品情報を受け取り、それに対し、人間が語りかけるような言葉で応答する必要がある。お客がブランドとサイズだけをお店に伝えるのは、楽しいショッピング体験とは言えない。物理店でなら「これよりもちょっと短くて黒のカクテルドレスが欲しいの」、と細かく具体的に言える。あるいは、「今度友だちの結婚式で着るの」とか、「卒業式に何を着たらいいかしら?」と、プロの店員を信頼しながら、おすすめを待つだろう。Edgecaseではこういった雑多な情報を、ネットショップに伝えることができる(下のデモビデオを見ていただきたい)。

Edgecaseを利用しているネットショップには、買い物体験を良くするための、そのほかの工夫もある。たとえば、指定を変えると結果がすぐに出るから、消費者は今回の買い物において自分が正しい方向に進んでいるか、あるいは脇道にそれたかが、すぐにわかる。また指定項目のどれかに『これは絶対』をマークすると、その指定にかなっているけど、ほかの(重要度の低い)指定は満たされていない物を、その後の候補から消さない。好きなのを見つけたけど、それを言葉で指定できないときには、『こんなの』というボタンをクリックすると類似商品をみんな見られる。

Edgecaseはこういう細かい情報処理を、機械学習と人力を併用して行う。詳しい商品情報はショップから提供されるが、同社のアルゴリズムはそれらをいろんな概念でくくり、整理し、そして人力スタッフは、人間的な言葉でそれらのデータが買い物客に伝わるようにする。

Edgecaseはさらに、EndeccaやSolarなどの、既存のeコマース検索ツールも利用する。アプリのモバイル化も、今進めている。

Edgecaseの顧客は、Crate & Barrel、Wasserstrom、Urban Decay、Golfsmith、Kate Somerville、Rebecca Minkoffなどだ。中でも化粧品のUrban Decayの場合は、CRが16%上がったそうだ。

同社はAllegro Ventures、Austin Ventures、Floodgate、Hurt Family Investments、Mack Capital、それに多数のエンジェル投資家たちから800万ドルを調達した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))