Amazonが家庭用メッシュルーターのEeroを買収してEcho製品拡販のベースに

Amazonが、同社のスマートホーム製品系列を大きく拡大しようとしている。同社は今日、ベイエリアの家庭用メッシュルーターのスタートアップEeroを買収する意図を発表した。それは、Alexaをコネクテッドホームの主要機能に育てようとしている同社にとって、相性ぴったりの製品だ。

創業5年目を迎えるEeroにとっても有意義だ。同社は家庭用メッシュルーターの分野に早くから参入し、高名な投資家たちからの支援も受けたが、苦戦していた。昨年は同社のワークフォースのほぼ1/5、30名の社員をレイオフした

Amazonはなんと言ってもお金持ちだし、昨年はAlexaをHuaweiやNetgearのルーターに接続するデモをしていたから、このカテゴリーに目をつけていたのだ。そしてそれも合理的な判断だ。家庭内ネットワークの圏域を拡大するメッシュルーターがあれば、Echo Dotsなどのデバイスを、家のどの部屋にも置ける設計にできるだろう。

Amazonは近年、RingやBlinkなど、いくつかの著名なホームオートメーションスタートアップを拾い上げて、家庭内のAlexaを軸とする独自のスマートホームエコシステムを育てようとしている。多くの場合Amazonはスタートアップのブランドをそのまま維持するから、それはEeroにとって嬉しい徴候だ。ただしRingに関しては、そうならなかったけど。

AmazonのSVP Dave Limpがプレスリリースで述べている: “Eeroのチームにはとても感銘を受けている。彼らは、コネクテッドデバイスをつなげばすぐにそれが使えるようなWi-Fiのソリューションを、非常に早い時期に発明した。私たちもそのビジョンを共有して、スマートホームの体験をより容易にし、顧客のためのイノベーションにこれからも引き続きコミットしていきたい”。

買収はまだ、お役所の承認を待つ段階で、価額等の詳細は公表されていない。

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Wi-Fiルーターの概念を変えたEeroがプロジェクトを整理縮小して30名をレイオフ

ユーザーが独自にメッシュネットワークを作れるWi-Fiルーターを提供していたEeroが、社員の20%、約30名をレイオフした。Eeroは30名の解雇を確認したが、残る社員数については明言を避けた。

Eeroの声明文はこう言っている: “弊社の目標はすべての家に完全なWi-Fiを提供することである。ここ数年弊社はいくつかの関連プロジェクトを探究し、現時点では中核的事業に集中するために新しいプロジェクトを一つ捨てるという、厳しい決断を行ったところである。弊社はこのことを真剣に受け止めているが、残念ながらそれにより、約30名の仲間がもはやEeroに在籍しないことになる。今後とも弊社は、Eeroをもっとも信頼性に富み安全で使いやすいホームWi-Fiのソリューションにするための仕事を継続していく”。

2015年に創業したEeroは、私たちのワイヤレスルーター観を変えることを狙っている。Eeroは昨年、二つのハードウェア新製品を発売した。それらは、トライバンドWi-Fiをサポートする次世代Eeroと、コードを引けないような場所で壁のソケットに差し込んで使うEero Beaconだ。

6月にEeroは、ホームマネージメントアプリThingtonを買収し、その人材を獲得した。それは、DopplrのファウンダーMatt Biddulphと、YahooのBrickhouseのプロダクト担当Tom Coatesが興した企業だった。〔獲得した人材とアプリの現在および将来の扱いが、この記事からは不明。〕

Eeroはこれまで、First Round Capital, Menlo Ventures, AME Cloud Ventures, Initialized Capital, Homebrew Venturesなどから9000万ドルを調達している。最近のラウンドは2016年5月の、5000万ドルの資金調達だった。

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家の中にワイヤレスのメッシュネットワークを作る新タイプのルータeeroを試してみる…確かに改善効果あり

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スマートなワイヤレスルーティングシステムeeroが今日やっと、25000名あまりの予約購入者に発送されるが、ユーザーの家全体における、もっと良い、もっと速い、もっと強力なインターネット、という約束を、それは満たしているだろうか? 本誌は早速テストしてみた。

eeroは予約購入者に昨年の終わりごろ送られるはずだったが、製造時のトラブルのため、今日へとずれ込んだ。

しかし同社は、(たとえば)Netflixの大好きな番組の次の回がロードされるのをじっと待つ、という苦痛をなくすために、1年あまり努力してきた。同社のやり方は、ユーザーのスマートホームの中にWi-Fiのメッシュネットワークを段階的に張りめぐらす、というものだ。得られる結果は、すべてがうまくいけば、この小さな正方形のルーター(上図)がユーザーの家の各部屋により強力な信号を送ることによって実現する、より高速なインターネットだ。

どんなインターネット?

これまでのように、家の中心あたりにルーターが一個あるのではなくて、eeroでは各部屋にその小さなデバイスを置く。標準市販品のキットにはeeroデバイスが三個、箱に入っている。その一つ々々が、壁を通して40フィートの範囲内に信号を送る。たとえば(私の場合のように)リビングルームにルーターがあって、そこでは信号が強いけど、キッチンや寝室などほかの部屋では弱い(遅い)、という場合は、この小さな正方形をそれらの部屋に置けば、速い接続が可能になる。

このデバイスのルックスは、AppleのAirport Expressルーターに似ている。eeroのデザインには曲線の部分があるが、どちらも白い正方形で、上部がつやつや、2.4GHzと5GHzを同時に送信できる。Airportもeeroも802.11a/b/g/nをサポートし、1GHzのデュアルコアプロセッサーを使っている。eeroは、一台にRAM 512MBと、1GBのフラッシュストレージがある。

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一夫多妻のルーティング

家の中のネットワークの調子が悪い理由は、さまざまだ。自分にはなんにもできない、外部的な理由のこともある。でもeeroの協同ファウンダーNick Weaverはこう言う: “リビングでは信号が強くて寝室でだめなら、たぶん原因はルーターだ。アメリカ人の半分が毎晩Netflixをストリーミングしている。良いルーターが絶対に必要だ”。

Comcastも同意するだろう。カスタマサービスの第一声はいつも、ルーターをリセットせよ、だからね。

でも、800平方フィートぐらいの小さな家でも、一台だけですべての部屋に強力な信号を送れるルータはあまりない。Weaverは曰く、“家の中にアクセスポイントが必要なんだよ。大きなビルなんかは、たいていそんなセットアップだ。一般の人も、たぶんそうすべきだね”。私なんか、家の中のセットアップと言われても何も分からないし、調子が悪ければカスタマサービスに電話をするだけ、という女子だったのだ。

では試してみよう

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eeroは、セットアップは簡単、と言っている。ケーブルも必要ないし、誰かに電話をして助けてもらう必要もない。同社のクラウドサービスがユーザーのデータを家中に“インテリジェントに”ルーティングする。Weaverはスマホの画面でボタンをいくつか押すだけ、と私に確約してくれたが、まさにそのとおりだった。

標準キットにはeeroデバイスが3つ入っている。先頭にするデバイスをモデムのEthernetポートにつなぐ。アプリが、セットアップのやり方を一歩々々ガイドしてくれる。ほかの二つをどこに置くか、決める。

私は先頭デバイスをリビングにあるモデムの横に置いた。ほかの二つは、キッチンと寝室にした。さらにほかの部屋や場所に置きたければ、eeroデバイスを買い足せばよい。

ご注意: どのデバイスも、側面が青白く光って作動中であることを示す。その光に睡眠の邪魔をされたくなかったら、ベッドから遠いところに置こう。

デバイスがスマホ(上のアプリ)と対話できるようになるまで1分。家中のシステムが完動状態になるまでに、まる一日かかった(こういうことに慣れてない人はあらかじめ覚悟しておこう)。でも頑張ったおかげで、私のアパート全体のWi-Fiはずっと良くなった。インターネットのスピードは場所によっても、プロバイダによっても違うから、私の例がすべてではないが、でもアプリはダウンロードとアップロードのスピードをリアルタイムで教えてくれるので、あなたのところのパフォーマンスを経時的に測定することはできる。

eeroの素敵な機能は、eeroのオーナー同士なら、eero(とそのスマホアプリ)を介して簡単にテキスティングできることだ。いわば自分のネットワークに、友だちを加える感じだね。

全体として私のeero体験は快適だったし、YouTubeという兎の穴に落ちていって、何も気にせずにひたすら、ビデオに没入できた。eeroの約束は、少なくとも私に対しては満たされた、と言える。

でも、三台セットで499ドル、というお値段はどうだろう? 一台なら199ドルだが、Airport Expressは99ドル、Airport Extremeは同じ199ドルだ。ルーターとしてはちょっと高いと思うが、あなたの家のインターネットが、場所や部屋によっては息切れすることがあるなら、お値段ぶんの価値はあるだろう。

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家庭内のWiFiネットワーキングをストリーミングサービス向けに最適化するスマートルーティングシステムEero

最近、ワイヤレスのルータを買ったりインストールしたことある? ぼくはあるけど、あれは地獄だね。

まず、Amazon.comのようなサイトや地元のBest Buyなどへ行って、Wireless Gigabitのスピードやレンジを調べ、自分の家(うち)で最良の結果を得るためには、あの、蛸の足のようなアンテナがいくつ必要かを決める。

次は、そいつのインストールだ。アドミンのパスワードを設定して、外部からのハッキングを防ぐ、などなどの作業をする。全部終わっても、これでよいのかどうか、分からない。ぼくは廊下が長くて壁の厚いアパートに住んでるが、ぼくの今のWiFiのセットアップではカバーできてないところがある。

そこで新進のスタートアップEeroは、われわれ一般人のワイヤレスルータ観を変えようとする。同社は、Nestがサーモスタットに対してやることや、Sonosがホームオーディオに対してやることを、WiFiルータに対してすることによって、安上がりでスマートなワイヤレスネットワーキングシステムを作ってくれる。

Eeroはユーザのワイヤレスネットワーク上のデータトラフィックをインテリジェントにルートして、バッファリングを少なくし、家の中のデッドゾーンをなくす。製品はスタンドアロンのボックス(上図)または家の中にメッシュネットワークを作るための複数台のセットとして提供される。

ユーザのワイヤレスネットワーキングを変える、という作業をやる前にEeroのソフトウェアが、今ルータに接続しているデバイスや、そこにやってくるトラフィックのタイプなど、ネットワークの現状を調べる。ホームネットワーク上でほかに何が行われていても広帯域のアプリケーション…ビデオやゲームのストリーミングなど…をシームレスに楽しめるためには、このソフトウェアの仕事が重要だ。

Eeroはとても使いやすく作られているので、一般消費者がすぐにネットワークを作り、友だちと共有できる。EeroをケーブルTVやDSLのモデムにつなぐと、ユーザのスマートフォンとBluetoothで対話をして、5分でセットアップを終える。そしてそこにEeroのルータをつなげば、それでネットワークは完成する。

Eeroのルータは強力でスマートで使いやすいだけでなく、ビューティフルだ。カウチの下や本の中に隠さなくても、どこに置いてもサマになる。エイリアンのようなアンテナや、奇妙なフラッシュライトが、あなたを困らせたりしない。

同社を創業したCEOのNick Weaverは、前はMenlo VenturesとMcKinseyにいて、さらにその前はスタンフォード大学のスタートアップアクセラレータStartXのファウンダの一人だった。Eeroにはさらに、元TaggedのエンジニアAmos SchallichとParastructureのエンジニアNate Hardisonが加わった。

Eeroのルータをデザインした工業デザイナーFred Bouldの会社は、スマートサーモスタット/煙検出器Nestをはじめ、消費者電子製品をいろいろ手がけている。またEeroのアドバイザーのJon RubensteinはPalmの元CEOで、Apple在籍時にはiMacやiPodの開発に加わった。

同社は創業資金として、First Round Capitalが率いるラウンドにより500万ドルを調達した。そのほかの投資家は、スタンフォードのベンチャーファンドStartX、Menlo Ventures(Weaverがかつて在籍)、AME Cloud Ventures、Homebrew Ventures、Garry TanとAlexis OhanianのInitialized Capital、そしてTrae Vassalloだ。

予約販売価格は、単体のEeroデバイスが125ドル、三つのセットで299ドルだ。これらは最終小売価格では199ドルと499ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))