アメリカ政府の最新報告書によると気候変動の被害額は今世紀中に年間$500Bに達する

【抄訳】
気候変動の社会的影響に関するアメリカ政府の新しい報告書は、何も対策が為されなかった場合、さまざまな気候学的事象がこの国にもたらす被害額は2090年までに年間5000億ドル近くになる、と指摘している。

議会が作成している全米気候評価報告書(National Climate Assessment、NCA)は、気候変動の影響に関する報告書で、10あまりの省庁にまたがるおよそ300名の著述で構成されている。その1000ページにわたる報告書は、アメリカの農業や労働、地勢、そして健康に及ぼす気候変動の影響を取り上げている。

報告書の第二巻は、国の政策立案者に向けた、地球温暖化がアメリカに及ぼす影響を詳述している。

それが公開された現時点は、国の現在の政権が、自らの省庁が挙げている増大して止(や)まない証拠をあらゆる手段を駆使して反駁し、グローバルな気候変動の影響を抑えるべき国内的および国際的な責任から逃れようとしている

報告書は、対策が取られなかった場合のアメリカの厳しい状況を詳しく描写しており、気候変動が国にもたらす多くの変化の中には、不可逆的(回復不能)なものも多い、と述べている。

【後略】
〔以下、報告書原文と解説。報告書第I巻は2017年に公開され、ネット上の各所で共有されている。この記事が取り上げている、最近公開されたばかりの第II巻は、まだネット上で共有されていないようだ(11月24日現在)…担当部門のページ上でもcoming soonになっている。〕

〔関連記事: Y Combinatorが気候変動対策スタートアップを募集(未訳)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

バクテリアで発電する紙状の電池、使い捨て電子製品に好適

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ニューヨークのビンガムトン大学の研究者たちが、“1枚の紙の上のバクテリア電池”というものを作った。このプロジェクトの目的は、使い捨てのマイクロエレクトロニクス製品のための、数週間程度使える電池を作ることで、そのためにバクテリア密度の濃い液体を使った。

“この方法は低コスト短時間の生産が可能で、しかもバイオ電池を、遠隔地や危険な場所、リソースの乏しい地域などで利用できる”、と研究者たちは書いている。

研究者たちが使ったのは、一片のクロマトグラフィー用ペーパーと、ワックスで覆った硝酸銀のリボンだ。電池の陽極は、ペーパーの残り半分の上の伝導性ポリマーと、バクテリア密度の濃い液体の貯水層で作られる。バクテリアの、細胞呼吸が電源になる。

この電池で電気自動車を動かすのは無理でも、ジュースを搾るぐらいはできるだろう。6つ並列で出力は31.51マイクロワット/125.53マイクロアンペア、6×6の構成では44.85マイクロワット/105.89マイクロアンペアだ。研究者たちは、用途として、グルコースセンサーや病原体の検出、あるいは小さな電子製品を数日稼働すること、などを想定している。

実はこれは、このチームが作った初めてのバクテリア電池ではない。紙を使用する最初のプロトタイプは2015年に開発し、その折りたたみ式電池はマッチブックにとてもよく似ていた。また今年の初めには、“忍者が投げる星〔手裏剣〕からヒントを得たデザイン”を披露した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

メルセデスの家庭用バッテリーは、Tesla Powerwallのライバルになれるか

Aus dem Auto ans Netz: Mercedes-Benz Energiespeicher eignen sich auch für die private Nutzung zur verlustfreien Zwischenspeicherung von überschüssigem Strom. / From cars to power grids: Mercedes-Benz energy storages are also suitable for private use to buffer surplus power virtually free of any losses.

Mercedes-Benzの電動自動車の高需要に向けて開発されたバッテリーが、家庭用エネルギー蓄積装置として新たな用途を探している。聞いたことがあるって? そう、Tesla Powerwallとよく似ている。

Mercedes-Benzの親会社であるDaimler AGによると、この蓄電装置は子会社のDeutsche ACCUMOTIVE(Daimlerは大文字が本当に好きだ)が製造している。バッテリーの販売、設置、支援は電気会社やソーラー技術会社等のパートナーが行う。蓄電装置はソーラーパネルと一緒に設置することが多いので、これは理にかなっている。装置はすでにドイツで販売されており、今後は海外にも広げていくとMercedesは言っている。

2.5 kWhの棒状リチイムイオンバッテリーモジュールを最大8本内蔵可能で、最大容量は20kWh。Mercedesによると、これはソーラーエネルギーの余剰分を蓄積し、後で「事実上無駄なく」使用するのに十分な容量だという。装置の価格は公表されていない。これは装置本体以外に、光電パネルや設置費用等、いくつかの部品と合わせて販売されるためのようだ。

Deutsche ACCUMOTIVEは、この種の装置を2015年から工業利用向けに製造している。システムがスケーラブルに設計されていたため、早期に家庭用市場に参入できた。Daimlerは、エネルギー蓄積子会社に大きく賭けている ― Deutsche ACCUMOTIVEの第2のバッテリー工場には5億ドル以上を投資していて2017年夏に稼動を始める。

一方、Tesla Energy Powerwallは同じ目的を、もっとスマートに実現していると言っていいだろう。Powerwallは6.4 kWhのエネルギー容量を「一日サイクルの利用」のために提供しているとウェブサイトに書いてある。Mercedesの装置と同じく、もっと多くのエネルギーを蓄積する必要のあるソーラーシステムのために複数台設置することもできる。Powerwallの価格はわかっている ― 3500ドルだ。その需要の高さは、昨年Powerwallが発表されたとき、 3万8000台の予約が入ったことからわかっている。それだけの需要があれば、Daimler AGのような実績あるバッテリー技術を持つライバルが参入するの余地は十分にありそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook