AMDのインテル対抗機EPYC RomeプロセッサーをGoogleとTwitterは早くも使用

AMDは米国時間8月7日、GoogleやTwitterもEPYC Romeプロセッサーをすでに使っていると、その7nmチップの立ち上げイベントで発表した。EPYC Romeのリリースは、AMDのIntel(インテル)とのプロセッサー競争で大きな差をつけたことになる。後者は先月、同社の7nmチップであるIce Lakeの提供は2021年以降になると発表したばかりだ。10nmノードのリリースは今年らしい。

データセンター用のプロセッサーでは依然Intelが最大のメーカーで、GoogleやTwitterもその顧客だ。しかしAMDの最新のリリースと低価格戦略は、同社を急速に手強いライバルに変えてしまった。

Googleは前にも、2008年のMillionth Server(百万台目のサーバー)などでAMDのチップを使用。そして今回は、自社のデータセンターで新世代EPYCチップを使っている最初の企業だ。今年遅くには、Google Cloud Platformからこのチップで動く仮想マシンが一般に供用される。

Googleのエンジニアリング担当副社長であるBart Sano(バート・サノ)氏は記者発表で「AMDの第2世代Epycプロセッサーにより私たちは、データセンターにおけるベスト、すなわちイノベーションを継続できる。そのスケーラブルなコンピュートとメモリとI/Oのパフォーマンスが、私たちのインフラストラクチャにおけるイノベーション推進能力を強化し、Google Cloudの顧客にはワークロードに最もよく合ったVMを選べる自由度を与える」とコメント。

一方Twitterは、同社データセンターにおけるEPYC Romeの使用を今年遅くに開始する。同社のエンジニアリング担当シニアディレクターであるJennifer Fraser(ジェニファー・フラサー)氏によると、このチップはデータセンターの電力消費量を節減する。すなわち[AMD EPYC 7702を使えばコンピュートクラスターのコア数増大と省スペースと省エネを同時に実現でき、TwitterのTCOを25%削減できる」という。

2ソケットIntel Xeon 6242とAMD EPYC 7702Pプロセッサーの比較テストで、AMDによれば「さまざまなワークロード」においてTCOを最大50%下げることができた。AMD EPYC Romeのフラグシップ機は64コア128スレッドの7742チップで、ベース周波数2.25GHz、デフォルトTDP225W、キャッシュ総量256MB、価格は6950ドルより。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

6月発売の12コアRyzen 9 3900XはCore i9 9920Xの半額ながら省エネで勝る

米国時間5月27日、台北で行われたComputexカンファレンスのキーノートでAMDのCEOであるLisa Su氏が、価格と性能の両面でIntel(インテル)やNvidia(エヌビディア)の強敵になると思われるチップとグラフィクスプロセッサーを発表した。なお、このカンファレンスでAMDがキーノートに招待されたのはこれが初めてで、イベントの実際の開会は5月28日だ。

チップ

同社の新製品となる第3世代Ryzen CPUの中で最初に登場する7nmのデスクトップチップは、6月7日に発売される。Su氏のキーノートのハイライトはAMDの12コア24スレッドRyzen 9 3900xチップの発表で、それは同社の第3世代Ryzen系列の旗艦機だ。499ドルの最低価格は対抗機であるCore i9 9920Xチップセットの1189ドルの半額だ。

Ryzen 9 3900xはブーストスピードが4.6Ghz、キャッシュ総量70MB、熱設計電力(TDP)はCore i9 9920Xの165Wに対し105Wとその効率性を誇る。AMDによると、Blender DemoではCore i9-9920Xより18%短時間で終了した。

この系列の他のチップの最低価格は、6コア12スレッドの3600が199ドル、8コア16スレッドのRyzen 3700xが329ドル(ブースト4.4Ghz、総キャッシュ36MB、TDP65ワット)、そして8コア16スレッドのRyzen 3800X(4.5Ghz、32MB、105ワット)が399ドルだ。

GPU

AMDによると、同社のゲーム用GPU新製品NaviグラフィクスプロセッサーはRadeon RX 5700シリーズになる(下図ツイート参照)。Nvidiaが対抗機を値下げすることもありうるので、価格は慎重に検討している。発表ではAMDのGPUの発売は6月だが、価格や性能、新たな機能等の詳細は来月ロサンゼルスで行われるE3(Electronic Entertainment Expo、6/12-14)までおあずけだ。

データプロセッサ

AMDは1月のCESで、データプロセッサーのEPYC Romeを発表・デモを行った。そのローンチは予想より1四半期早く次の四半期となり、インテルのCascade Lakeと競合する。AMDが主張するベンチマーク結果によると、EPYC Romeの処理速度はCascade Lakeの倍である(下図ツイート参照)。

画像クレジット: David Paul Morris/Bloomberg (opens in a new window) / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa