コンテナで野菜果物のハウス栽培をするAgricoolがさらに$28Mを調達し中東にも進出

フランスのAgricoolが、昨年に次ぎ今度は2800万ドルの資金調達を行った。同社は、都市部で果物や野菜をコンテナの中で育てることに取り組んでいて、最初の作物は苺(いちご)だ。

今日(米国時間12/2)の投資ラウンドには、Bpifrance, Danone Manifesto Ventures, Marbeuf Capital, Solomon Hykes, そして数名のエンジェルたちが参加した。daphni, XAnge, Henri Seydoux, Kima Venturesなど、これまでの投資家も参加した。

クレイジーに聞こえるかもしれないが、コンテナ栽培は従来の農業の方法よりも効率的だ。たとえば、コンテナなら温度や湿度、光のスペクトルなどをコントロールできる。Agricoolは、太陽光の代わりに大量のLEDを用いる。

その結果には、説得力がある。苺は年中栽培できるし、コンテナは閉じているから水やスペースを節約できる。輸送も簡単だ。

作物は完全に地元産で、遺伝子組み換えなし、農薬なしの苺(等々)だ。苺はすでにパリのMonoprixでも売っている。

Agricoolは2021年までにパリとドバイに計100基のコンテナを設置する予定だ。そのためには新たに200名を雇用する必要がある。苺だけでなく、作物の多様化も計画している。

ぼくはこれまでに、複数回Agricoolを取り上げている。今日までロードマップは変わっていないが、資金は増えた。過去に例がないからあれだけど、コンテナのネットワークを作るにはかなりの資本が要るようだ。でも将来性のある事業だし、排気ガスの抑制にも貢献する。

関連記事: Agricool raises $9.1 million to grow fruits and vegetables in containers(未訳)…コンテナの建設過程を示すスライドあり。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ベルリンのBattlefield勝者は晩婚者のために元気な精子を冷凍保存するLegacyに決定

最初は13社だった。そして二日間の激しい競争の結果、勝者が決まった。

これらStartup Battlefieldの参加社は全参加社の中から書類選考で選ばれ、いずれも甲乙つけがたい優秀なスタートアップとして、このコンペに参加した。彼らはみな、VCたちとテクノロジー業界のリーダーから成るジャッジの前でプレゼンを行い、5万ドルの優勝賞金と優勝カップDisrupt Cupを争った。

数時間に及ぶ討議を経て本誌TechCrunchの編集者たちは、ジャッジのノートを熟読し、5社のファイナリストを決めた: それらは、Imago AI, Kalepso, Legacy, Polyteia, そしてSpikeだ。

5社は決勝のステージで、新たなジャッジたちの前で再度デモを行った。決勝のジャッジは、Sophia Bendz(Atomico), Niko Bonatsos(General Catalyst), Luciana Luxandru(Accel), Ida Tin(Clue), Matt Turck (FirstMark Capital), そしてMatthew Panzarino(TechCrunch)だ。

そしてついに、ベルリンで行われたTechCrunch Disrupt Berlin 2018 Startup Battlefieldの優勝者が決まった。

優勝: Legacy

Legacyは、おもしろい問題を探究している。それは、加齢に伴う精子の活動低下だ。スイス出身の同社は、人間の精子を冷凍保存して、本人が高齢者になっても元気で安全な精子を使えるようにする。晩婚だけど自分たちの子どもがほしい、という人びとにとっては、これは重要な問題だ。

Legacyに関する本誌記事は、ここにある〔未訳〕。

準優勝: Imago AI

Imago AIはAIを使って作物の収量を増やし、無駄に廃棄される食品を減らして、世界の人口増に対応する。同社はコンピュータービジョンと機械学習の技術を使って、作物の収量と品質を、誰でも容易に予測できるようにする。

Imago AIに関する本誌記事は、ここにある〔未訳〕。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ヨーロッパ各国のAmazonの倉庫労働者が‘われわれはロボットではない’と労働条件改善要求デモを展開

【抄訳】
ヨーロッパのいくつかの国でAmazonの倉庫労働者が、彼らの主張する、人間をロボットのように扱う非人間的な労働条件に抗議している。それは今年の一連の労働者運動の中で最新のものだ。

その最新の運動は、ブラックフライデーにタイミングを合わせている。それはネットショップの1年でいちばん忙しい日で、お店は多くの商品の値引き販売を派手に宣伝して、その日から始まるその年のショッピングシーズンを盛り上げようとする。

イギリスでは、この国の代表的な労働組合のひとつGMB(Androidアプリ)が、今日(米国時間11/23)の朝と午後にルージリーなど5箇所のAmazon倉庫で“数百名”が抗議に参加する、と言っている。

私がこの記事を書いている時点〔現地時間11/23昼ごろ〕では、同労組は動員数の詳細を提供していない。

AP電によると、抗議活動は今日、スペイン, フランス, そしてイタリアでも行われている。しかしこれらのストライキについて尋ねられたAmazonは、“弊社のヨーロッパのフルフィルメントネットワークは正常に稼働しており、顧客への配送業務に引き続き専心している。これに反するいかなる報道も、まったく間違いである”、と主張している。

デモは、団体交渉を受け入れるようAmazonに圧力をかけるだけでなく、同社のWebサイトのユーザーに、大量のディスカウント商品の包装と配送は通常より(労働量も含め)経費がかさむことを、理解してもらうねらいもあるようだ。

[われわれはロボットではない。尊厳と敬意をもって扱え。ここでメッセージをシェアしよう。]

スペインの新聞El Diaroによると、労働者たちの今日の抗議は、Amazonのこの国最大のロジスティクスセンター、マドリッドのサンフェルナンドで行われ、労働条件をめぐるスペインでのストライキはこれが四度目である。

マドリッドの抗議者たちは今朝、次のようにシュプレヒコールしたという: “われわれの権利のディスカウントはお断り”。

[労働者のいないサンフェルナンドは麻痺した。]

AP電によると、スペインの抗議グループのスポークスパーソンDouglas Harperは、90%の労働者がデモに参加したので、搬入口には2名しか残らなかった、と言った。これに対しAmazonは、“90%は真っ赤な嘘だ。サンフェルナンドのフルフィルメントセンターは顧客の注文を通常どおり処理した”、と反論している。

フランスの新聞も、同国内の倉庫労働者のストライキを報じた。Amazonのロジスティクス労働者を代表する組合は、全国的なストライキを呼びかけた。

イギリスではGMB UnionがAmazonに、Amazonが労働組合を認めるよう求めた。それを認めない今のやり方は、“ヴィクトリア朝時代の因襲的な労働慣行だ”、と非難した。

また同組合は、年間の救急車呼び出し回数や、 Health and Safety Executive〔≒労働基準局〕への傷病報告件数の数字を挙げて、Amazonの労働条件は非人間的、と糾弾している。イギリス政府は政府が取り持つ労使調停を示唆したが、Amazonはこれに答えていない。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ドメインを限定してより有能な音声対応AIを作ろうとするWluperがシードで$1.3Mを調達

音声アシスタントなどのシステムにその知識を与える、会話型AIを作っているロンドンのWluperが、130万ドルのシード資金を獲得した。ラウンドをリードしたのは“ディープ・テック”専門のVC IQ Capitalで、これにSeedcamp, Aster, Magic Ponyの協同ファウンダーZehan Wang博士らが参加した。

2016年に創業し、最初はJaguar Land RoverのInMotion Venturesが支援していたWluperの“会話型AI(conversational AI)”は、初めはナビゲーション製品を対象にしていた。同社のAI技術は自称“目標指向の対話(goal-driven dialogue)”と呼ばれ、目標を絞ることにより、従来よりも自然な会話でナビゲーションのさまざまなタスクを支援する。

それを可能にする‘秘密のソース’は、ナビのような音声アシスタントを支えるAIは特定の、狭い、専門的分野のエキスパートになった方が良い仕事ができる、というWluper独自の信念だ。

Wluperの協同ファウンダーHami Bahraynianはこう述べる: “AlexaやSiriのようなインテリジェントなアシスタントも、本当に良いなと感じるのは、それらがユーザーの意図を正しく理解しているときだけだ。しかし実際には、理解していない場合がほとんどだ。それは、音声認識そのものの欠陥ではない。それは、フォーカス(対象、主題、テーマの特定化)を欠いていることと、その種のシステムの共通的な欠陥である論理的判断能力(‘推理’)の欠如だ。彼らはみな、いろんなことをそこそこできるけれども、どれ一つ完全ではない”。

AIが“一般的な”会話能力を持つのは15年か20年以上先と思われるが、そこへ向かうための中途的な目標は、Bahraynianによると、目的を絞った“インテリジェント・エージェント”を作ることだ。

“われわれがやっているのは、まさにそれだ”、と彼は言う。“われわれは、ドメインエキスパート(特定分野の専門家)の会話型インテリジェンスを作っている。それは、一つのことしかできないし、理解しない。でも、たとえば、輸送に関することなら何もかも完璧に知っている”。

この分野特定により、WluperのAIは、ユーザーが言ってることに関する明確な…見当はずれでない…想定ができる。そのため、複雑な質問でも自然に理解する。ひとつのクエリに複数の意図が含まれている場合や、前の質問のフォローアップ質問も理解するので、“本当の”会話ができる、とBahraynianは言う。

さらにまたWluperは、NLPパイプラインの“理解能力”の次に来るべきものとして、マシンの“知識取得能力”に関してR&Dを継続している。会話型AIというパズルが完成するための重要な必須のピースがその能力だ、と同社は考えている。

“自然言語で尋ねられたユーザーのクエリを正しく理解したとしても、適切で有益な情報を正しい場所から取り出して提供することは、それよりもさらに難しい。現在多く使われているルールベースのアプローチでは、応用性がゼロなのでまったくスケールしない”、とBahraynianは付言する。

“この問題を解決するためにわれわれは、従来の手作り的な方法に別れを告げて、マシンの知識取得を最適化するための新しい方法を探している。もっと意味のある結果を返せるためには、定型データと非定型データとの正しいバランスを見つける必要がある”。

そしてWluperのシード資金は、エンジニアとリサーチサイエンティストの増員による、同社の研究開発能力の拡張に充てられる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

優れたジャーナリズムを育てる育成事業Google News Initiativeがアジア太平洋地域でも活動を開始

Googleはアジア太平洋地域のメディアを支援するために、同社のGoogle News Initiativeを同地域で展開する計画だ。

GNIと呼ばれるこの事業は、“デジタル時代の優れたジャーナリズムを育成”するために、同社が将来性を認めたメディア企業や団体に助成金を交付する。2015年に始まったヨーロッパでは1億7000万ドル、そしてアメリカでは今年前半に3億ドルが投じられた。フェイクニュース防止のためにYouTubeも助成対象となり、GNIはそのために2500万ドルを確保した。

アジア太平洋地域に関してGoogleはその規模を明言しないが、新しくて革新的なビジネスモデルと収益源を開発しているパブリッシャーに最大で30万ドルを助成する、と言っている。

Googleで報道と出版関連のパートナーシップを担当しているKate Beddoeは、ブログ記事でこう述べている: “有料会員制や賛助制度、新しいデジタル製品やサービスなどで読者からの収益を増やそうとするプロジェクトの提案を募集している。Google内部とそのほかのテクノロジー業界の役員たちが申請を審査し、選ばれたプロジェクトには最大で30万ドルを出資、プロジェクトの総費用の最大70%を支援する”。

同社のスポークスパーソンによると、助成金は分割で交付される。交付が決定した応募者には助成金が何度かに分けて交付され、彼らの経験を広範なコミュニティと共有しなければならない。それは、オンラインやイベントにおける資料の作成配布の形でもよい。その情報交換のねらいは、アジア太平洋地域のメディアがお互いから学び合い、持続可能なアイデアや経験談をより広く共有することにある。

ファンドは今日(米国時間11/20)発表されたが、実際の交付は2019年からだ。

応募申込は、専用の窓口で、11月28日から1月9日までに行なう。Googleによると、12月11日に同社のシンガポールオフィスでタウンホールミーティングを行なうときに、詳細を発表する。それはここから、ライブでストリーミングされる。

アジア太平洋地域のメディアを助成金で支援しているのは、Googleだけではない。ブロックチェーンメディアのスタートアップCivilは最近、アジア対象の100万ドルのファンドを発表したが、同社はその後、予定のICOをキャンセルしたため、今後の動向が不明だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

FirefoxブラウザーにWebサイトの侵犯通知機能が加わる、開示義務により侵犯情報の最新化も期待

MozillaのWebブラウザーFirefox Quantum*に、新しいセキュリティ機能が加わる。それは、最近データ侵犯が報告されたWebサイトを訪ねようとすると、ユーザーに警告する機能だ。〔*: 2017年のv57以降の設計が一新されたFirefoxブラウザーを、開発者のMozillaがFirefox Quantumと呼んでいる。〕

Firefoxのユーザーが最近侵犯されたWebサイトを開くと、通知のポップアップが表れて侵犯の詳細を告げ、ユーザーの情報が漏洩しなかったかチェックするよう勧められる。

Mozillaの発表によると、“このようなプライバシーとセキュリティに関する機能へのユーザーの関心が高まっているので、Firefoxのユーザーにこの通知警告機能を提供することになった。この新しい機能は、今後数週間で、Firefoxの全ユーザーに展開される”、とある。

侵犯を通知するポップアップとその上の情報は、こんな感じだ:

FirefoxのWebサイト侵犯通知機能, 画像提供: Mozilla

Mozillaはこの、サイトの侵犯通知機能を、今年初めにローンチしたメールアカウントの侵犯通知サービスFirefox Monitorに統合しようとしている。今日(米国時間11/14)の発表によると、それは26の言語で利用できる

Firefoxのユーザーが、サイトの侵犯を告げるポップアップが出たときクリックしてMonitorへ行けば、メールアカウントの侵犯についても知ることができる。

Firefox MonitorでMozillaは、侵犯されたWebサイトのリストを、パートナーであるTroy Huntの先駆的な侵犯通知サービスHave I Been Pwnedから得ている。

ユーザーをあまりにも多くの情報でうんざりさせないために、Mozillaは侵犯の通知を一サイトにつき過去1年に起きたもの一つに限定している。〔全部知りたければFirefox MonitorやHave I Been Pwnedを使えばよい。〕

データ侵犯はデジタル生活の不運な定番で、最近はビッグデータサービスの登場により、増加傾向にある。そして、人びとの関心も高まっている。ヨーロッパでは5月に導入された厳しい法律により、侵犯の普遍的な開示義務と、データ保護の失敗や怠慢に対する罰則が制定された。

そのGDPRフレームワークは、データをコントロールしたり処理したりする者たちにセキュリティシステムの改良を勧奨するために、彼らにはさらに重い罰を課している。

法律や罰則の強化によってセキュリティへの投資が増えたとしても、それが実際に侵犯の減少として効果が実っていくためには、時間がかかるだろう。どれだけ法が、その効果を期待していたとしても。

でもGDPRの初期の功績のひとつは、企業に侵犯の開示を義務付けたことだ。そのため今後は、このようなセキュリティツールが利用する侵犯情報も、より多く、そしてより最新のものになるだろう。一般ユーザーのためにも、この法律はポジティブな効果を上げているようだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

マクロン大統領「Paris Call」でサイバー犯罪抑止を提唱

フランスのエマニュエル・マクロン大統領はパリのUNESCOで行われたインターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)で講演した。IGFは設立されてからしばらくたつが、一部で期待されたほどの活動がなかった。

フランス政府がサイバーセキュリティーに関する3ページの文書、Paris Callを発表したのはそれが理由だ。マクロン大統領はIGFを活性化し、各国(および企業)が集まってサイバーセキュリティー問題について意見を一致させるためのサブグループを作りたいと考えている。

「まず、インターネットは今ここで機能している。そしてニュースはサイバー問題で溢れているにも関わらず、われわれはITのツールを盲信している」とマクロン氏は言った。

しかし、彼によると、もし国際コミュニティーが適切な規制に同意できなければ、民主的プロセスの整合性にリスクをもたらす。現在状況は2種類ある、と彼は考えている。独裁的政府はインターネットのリクエストにフィルターをかけ、ウェブをインターネットのサブセットに制限している。一方民主的国家では、誰もが(ほとんど)フィルターされていないウェブを閲覧できる。

「最近のサイバー攻撃は医療システムに侵入することもできる。もしわれわれが、常にシステムがセキュアである確信を持てなければ、システムは空中分解してしまう」

言い換えるとサイバー攻撃は、民主主義国家がネットワークを守るために中国を模倣し、さまざまなウェブサービスをブロックする事態を招きかねない。

「だから私は今日ここへ来て、新しい合議制度を提案する。このフォーラムは議論や講演以上の何かを生み出すべきだ。具体的な決断に役立つ新しい場になるべきだ」とマクロン氏は言った。

彼はIGFを国連事務総長直轄にすることを提案している。さらに彼は、世界の国々と企業、NGOらの間が合意した”Paris Call” も支持している。

すでに数百の組織がParis Callに署名している。ほとんどのEU加盟国、Microsoft、Cisco、Samsung、Seamens、Facebook、Google、ICANN、インターネットソサエティなどだ。しかし、中国と米国はまだ署名していない。

Paris Callの全文はここで読める。Paris Callのメンバーは、あらゆる種類のサイバー攻撃を防止することに概ね一致している——これは和平提案だ。

その内容に関してマクロン氏はウェブに反対ではない。ウェブが民主主義の春を可能にし、気候変動や女性の権利に対する活動を活発化したことに彼は言及した。しかし、今やウェブが過激派のヘイトスピーチ発信に利用されていることも話した。

「巨大プラットフォームはゲートウェイになるだけではなくゲートの番人にもなるべきだ」とマクロン氏は言った。

テロリストのコンテンツやヘイトスピーチを削除することについては過去にもいくつか取り組みがあった。しかしマクロン氏は、さらに一歩踏み込むべきだと考えている。

コンテンツの監視に関するFacebookの取り組みで、Facebookとフランス政府が協力体制を取ろうとしているのはそれが理由だ。

最後にマクロン氏はこの機会を利用して、フランスのデジタル化への取り組みについて再度話した。フランス政府は欧州のIT巨人らに公正に課税する新しい方法の制定に力を入れている。マクロンはこれを小さい企業を不公平な競争から保護するためだと説明した。しかし交渉は今のところ停滞している。

さらにマクロン氏は、人工知能の投資とイノベーションに関する第三の考えも擁護した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bubbleは、コーディング経験がなくてもウェブアプリケーションを作れるサービス

Bubbleは自己資金で立ち上げられたスタートアップで、プログラミングのできない人でもウェブアプリケーションを作れる強力なサービスを提供している。大小さまざまな企業が自社ウェブサイトにBubble を利用している。

正直なところ、初めてBubbleのことを聞いたときはかなり懐疑的だった。すでに多くのスタートアップがレゴブロックで遊ぶくらい簡単にコーディングする方法に挑戦してきた。しかし、どれも苛立たしいほど機能が限定されていた。

Bubbleは、一般のウェブサイト構築サイトよりも強力だ。ウェブプログラミングの中心となる柱をすべてビジュアルインターフェースで作ることができる。

まずデザインタブで真っ白なキャンバスを開き、そこにビジュアルエレメントをドラッグ・アンド・ドロップしてウェブページを作っていく。エレメントはどこにでも置くことができて、マップ、テキストボックス、画像などはリサイズできる。プレビューボタンをクリックすれば制作中のページをいつでも見ることができる。

2番めのタブではサイトの背景にあるロジックを作ることができる。MacのAutomatorに似た働きをする。ブロックを加えて時間軸に沿ってアクションを作っていく。各ブロックには条件を設定できる。

3番目のタブで、データベース操作をする。たとえば、サインアップページを作り、プロフィール情報をデータベースに保存できる。いつでもデータのインポート/エクスポートができる。

そのほか数百種類の プラグインを使って、Stripeの支払いを受け付けたり、TypeFormを埋め込んだり、Intercomを使ってチャットでカスタマーサポートを行ったり、Mixpanelを使うことなどが可能だ。さらに、BubbleのデータをBubble以外で使うこともできる。たとえば、Bubbleデータベースに依存するiPhoneアプリを作ることができる。

多くの小さな会社がBubbleを使い始めていて、うまくいっているところもある。たとえばPlatoはバックオフィスで全面的にBubbleを利用している。QoinsMeetawayはBubbleで動いている。3.65億ドルを調達したDividend FinanceもBubbleを使っている。

Bubbleは利用者のアプリケーションのホスティングも行う。アプリケーションが大きくなってインスタンスをリサイズすると料金が高くなる。

この会社は資金調達したことはないが、すでに毎月11万5000ドルの経常利益を上げている。Bubbleはまだ小さなスタートアップなので、大企業ユーザーにとっては心もとなさがあるかもしれない。しかしBubbleは、製品を改善することで顧客がBubbleの限界を感じないようにしたいと考えている。今の課題は、顧客のニーズより早く成長することだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマホで数学を教えてくれるPhotomathはダウンロード数1億, $6Mを調達

Photomathが、Goodwater Capitalが仕切りLearn Capitalが参加したラウンドで600万ドルを調達した。Photomathは大成功したモバイルアプリで、iOSとAndroid合わせてこれまで1億回ダウンロードされた。

Photomathは2014年に本誌TechCrunch主催のTechCrunch Disrupt Londonでデビューしたが、そのときは(手書きなどの)テキスト認識技術が売りだった。Photomathは、その技術をデモする宣伝用アプリにすぎなかった。

でもそのアプリは、何かの間違いのように消費者向けアプリとして成功した。たちまちそれは、自分のスマートフォンで数学を勉強できたら、と願っている多くの学生たちによって、何百万もダウンロードされた。

5年目の今でも、App StoreとPlay Storeの両方で、トップ集団にいる。大成功の理由は、コンセプトがシンプルなことだ。

アプリをダウンロードしたら、手書きでも印刷物でも何でもよいから、数学の問題を彼に見せる。するとアプリは、一歩々々説明しながら、その問題を解く。

Photomathが便利なのは、二つのものを組み合わせているからだ。WolframAlphaは方程式を解く。Evernoteは手書き文字を認識する。しかしこの二つを組み合わせることは、これまで誰も考えなかった。

キーボードから方程式を入力するのはものすごく難しいから、手書きや印刷物という物理的世界とスマートフォンの間にあるギャップを橋渡しすることはすごくありがたい。まだ誰もが拡張現実という言葉を口にしていないころから、Photomathはすでに、スマートフォンのSoCチップの力を利用していたのだ。

Photomathはグラフも作れるし、極限、積分、複素数などの高度な問題もサポートしている。このアプリは1か月に12億の数学の問題を解いている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

翻訳サービスのReversoが同義語辞典アプリケーションとモバイルアプリをローンチ

言語学習サービスReversoが、新しいWebアプリケーションおよびモバイルアプリとして、Reverso Synonymsを立ち上げた。これは一種のシソーラスサービス(類義語辞典)で、これを使ってユーザーは、新しい言葉を覚えたり自分のボキャブラリーを増やしたりできる。

この機能は、翻訳アプリケーションのReversoに前からあった。語や語のグループを翻訳しているときに、“S”ボタンを押すと、関連語が表示される。

でもそれは、あくまでもソフトロールアウトだったけど、今回は単独の完全なサービスとして提供される(“ハードロールアウト”)。対応している言語は、英語、フランス語、スペイン語など12か国語だ。

使い方は簡単で、単語をタイプするとたくさんの同義語が表示される。例文がついているし、詳しい語義もある。語をタップすると、意味を確認できる。

しかしそれだけではなくて、スラングを翻訳してくれるし、複数の意味がある語には複数の類義語が出る。単語だけでなく、“beside the point”のように複数の語から成る語句も扱える。有料会員は、さらに多くの機能を利用できる。

さらにおもしろいのは、Reversoがこの新サービスのための大きなデータベースを、短時間で作ったことだ。つまり同社は何年もかけて翻訳用の辞書を作ってきたから、そのデータを利用して新製品のためのベーシックなデータベースを作れたのだ。

Reversoの翻訳サービスReverso Contextには、20億語から成るバイリンガルの辞書がある。二つの語が、複数の言語で同じ翻訳結果になれば、同義語だと見なせる。もちろんそのデータは、アルゴリズムの改良と、一部は人間の手により、調整されてきた。

翻訳や辞書ではGoogle Translateがもっぱら優勢だが、それでもReversoは各月のユーザーが数千万いて、Webアプリケーションだけでも4億5000万のページビューを生成している。Googleのほぼ独占の中で、かなり健闘している。メインのサービスはあくまでも翻訳だが、今度の新しいサービスもなかなかおもしろい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoftの$7.5BのGitHub買収計画にEUの規制当局が青信号を点灯

Microsoftが計画していた、Gitを利用するコード共有コラボレーションサービスGitHubの買収を、欧州連合(European Union, EU)の規制当局が無条件で承認した。

この巨大ソフトウェア企業がGitHubの買収意思を発表したのは6月で、同社の株式で75億ドルを支払う、とされた。そして当時同社は、“GitHubはそのデベロッパーファーストの精神を維持し、独立した事業活動により、すべての業界のすべてのデベロッパーにオープンなプラットホームを提供する”、と誓った。

EUの執行機関欧州委員会(European Commission, EC)が今日、その計画を承認し、その査定が、関連市場における競争を阻害しないと結論した、と述べた。この併合後の企業実体の方がむしろ、継続的に“厳しい競争”に直面するであろう、と。

ECはとくに、Microsoftには自社のdevopsツールやクラウドサービスをGitHubに統合してサードパーティのツールやサービスの統合を制限する能力や誘因はない、と言っている。

委員会は、MicrosoftにはGitHubのオープン性を損なう動機はない、とも結論している。そして、そのようないかなる試みもデベロッパーにとっての価値を減損させるだろう、とも言っている。委員会の判断では、そのようなときデベロッパーは他のプラットホームに切り替える意思と能力を持っているだろう、という。

Microsoftの前の発言では、同社は買収の完了を年内と予想している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ソビエトのカメラメーカー「Zenit」が帰ってきた!

20世紀のソビエト製クローンカメラに詳しい人なら、Zenitをご存知だろう。Krasnogorsky Zavoiが作ったNikon/Leicaのクローンは、鉄のカーテンの向こうの人気者だったが、Lomoと同じく人気ブランドとして報いを得ることはなかった。同社は2005年にカメラ製造を中止したが、数十年に渡って東欧写真界を席巻し、ジェームズ・ボンドを思わせるようなライフル風のスナイパーカメラも作った。

このたび、Leicaとの提携によって、Zenitが帰ってきた。

カメラはLeica M Type 240プラットフォームがベースだが、昔のZeitのルックスと動作を再現するための変更が加えられている。レンズはZenitar 35 mm / f 1.0で純ロシア製だ。デジタル処理なしでボケやソフトフォーカスを使える。

Leica Mプラットフォームの仕様は、24MBフルフレームCMOSセンサー、3インチ LCD画面、HDビデオ録画、ライブビューフォーカス、0.68倍ビューファインダー、ISO 600、および3 fps連続撮影などだ。米国、ヨーロッパ、およびロシアで今年中に入手できるようになる。

過去に帰る特権を得るために必要なコストはいくらか? これまでのLeica Mの化身が何かのヒントになるとすれば、5900~7000ドルと予測する。私の家には古いフィルム式Zenitsが何台か転がっているのだが。いくつかデジタル部品を継ぎ足して、究極のフランケンZenitを作れないかと考えている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、EUの追徴税150億ドルの支払いを完了

Appleは、不法な税優遇で得た100億ユーロを超える資金をアイルランド政府に返還した、とReutersが伝えた。Appleは、追徴金153億ドル(131億ユーロ)に加えて14億ドル(12億ユーロ)の利息を払った。

2016年8月、欧州委員会はAppleが2003年から2014にかけて不当な税優遇を受けていたという裁定を下した。特に同社はアイルランドにもっと多く納税すべきだった——はるかに多く。EUの競争担当委員、Margrethe Vestagerは、[アイルランドでの]Appleの実質的法人税率は予想よりもよりもずっと低かったと語った。

当時多くのグローバル企業がダブルアイリッシュと呼ばれる方法を利用して、利益のごくわずかな割合に対して法人税を支払っていた。Appleはすべて合法であると主張し、アイルランド政府もAppleを擁護した——おそらく、巨額の罰金がビジネスに悪影響をもたらす恐れがあるため。

欧州の各国政府の陳情によってダブルアイリッシュは2014年に終了した。Appleは同じ時期に国外利益の一部をジャージー島に移転した。

現在巨額の現金はエスクロー口座に置かれている。Appleは2016年にEUの決定に意義を申し立てた。この手続には最大5年を要するため、アイルランド政府は当分Appleの資金を手にすることがないだろう。

欧州の税制改革を追いかけている人なら、フランス、ドイツ、スペイン、およびイタリアが、巨大IT企業に対して、欧州の各国で実際に得た利益に基づいて課税する税制改革を協議 していることを知っているだろう。そうすることで、IT企業は法人税率の低い一国だけで利益を計上することができなくなる。

しかし、どうやらこの改革は一部の国々の反対によって停滞しているようだ。この種の改革法案を通過させるためには全会一致が必要だ。このため、改革が実施されるかどうかは不透明だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

CleanMyMacの最新バージョンCleanMyMac XはMacの総合的なお掃除アプリケーション

インディーのアプリケーションメーカーMacPawが、そのMacクリーニングソフトウェアをアップデートして、CleanMyMac Xと呼ばれる新たなメジャーバージョンを提供している(それはMacKeeperとは違う)。信じがたいことだが、CleanMyMacには現在、500万のユーザーがいる。

CleanMyMac Xは、必要のないファイルを削除したり、コンピューターを遅くしている原因を突き止めたりする。使い慣れると、メンテナンスの仕事がかなり速くなる。

今のこのアプリケーションは、4つのメンテナンスタスクをこなす。まず、ハードディスクをスキャンして巨大なキャッシュファイルや、不必要な言語ファイルを見つける。SpotifyやDropboxの大きなキャッシュを掃除するだけで数ギガバイトは空くから、ハードディスクが小さい人は助かる。そのほか、必要ないiTunesデータや、メールのアタッチメントなども見つけてくれる。ルールのデータベースがあるから、重要なファイルを消されないようにできる。

第二に、CleanMyMac Xはマルウェアをスキャンできる。ハードディスク上のアドウェアやスパイウェア、マイナー(暗号通貨採掘)、ワームなどを見つけて、退治する。ブラウザーのデータや怪しげなWi-Fiのネットワークも消せるから、それらに自動的に接続することがなくなる。

第三に、たくさんのメンテナンススクリプトがあるので、Spotlightのインデックスの再構築とか、ディスクのパーミッションの修復、DNSのキャッシュのフラッシュなどが容易にできる。またアプリケーションやLaunch Agentsを調べて、Macをリブートしたとき自動的にスタートするものを変えられる。

そして第四。CleanMyMac Xのupdateタブを使うと、インストールされているアプリケーションをすべて調べて、すべてをアップデートできる。Mac App Storeにないアプリケーションでも、OKだ。アップデートだけでなく、アプリケーションとその関連サポートファイルをアンインストールすることもできる。

そのほか、メニューバーがアップデートされて、CPUの使用状況やメモリの使用量、ネットワークのスピードなど、基本的な性能数値を見られるようになった。それはiStat Menusほど強力ではないが、十分役に立つ。

CleanMyMac Xは90ドルだが、前から使ってる人は45ドルだ。40ドルの年会費で会員になってもよい。MacPawは会員制のサービスSetappも提供しているから、CleanMyMac XはSetappの会員特典の一部にもなる。

まとめて言えば、今回のアップデートは新しい機能が二つ増え、進化した機能もある。DaisyDiskHazel, Objective-Seeのセキュリティアプリケーション, iStat Menusやそのほかのユーティリティなど、CleanMyMacの仕事の一部をやってくれるアプリケーションをすでに使っている人にとっても、CleanMyMac Xはデバイスの全体的な介護を任せられる素敵なパッケージだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

マーケティングコミュニケーションのMynewsdeskがキーワードモニタリングのMentionを買収

企業のマーケティングコミュニケーションのワークフローを支えるサービスMynewsdeskが、フランスのキーワードモニタリングツールMentionを買収した。買収の価額などは公表されていない。Mynewsdeskの現在のオーナーは、ノルウェーのビジネスメディアグループNHSTだ。

Mentionを使って、Web上のあちらこちらに出没するキーワードをモニタできる。あなたの会社のブランドについて消費者たちがブログやTwitterやFacebookやそのほかの公開的な場所で何を言っているか、それを知ることができる。

Mentionでレポートを作ったり、競合他社がどう言われているかを知ったり、あなたの会社の製品を使っているインフルエンサーを見つけることもできる。PRやマーケティングの部門あるいは専門企業にとって、便利なツールだ。

Mynewsdeskは、PR代理店のための何でもありのツールになりたい。同社は、企業や製品のメディアカバレッジを調べるだけでなく、メディアのコンタクト(連絡先)をまとめて、広告等の散布リストを対象別目的別に分類できる。また、プレスリリースを書いてそれらのコンタクトに配布したり、キャンペーンの効果を測定することもできる。

だから、MentionはMynewsdeskと相性が良いはずだ。Mentionはこれまで、スタンドアローンのプロダクトだったが、その長年の経験や専門的技能は、Mynewsdeskを大いに助けるだろう。

Mentionは現在75万のユーザーがいて、有料顧客は4000社。年商600万ドルは、前年比35%の増加だ。投資家は、eFounders, Alven, それにPoint Nine Capitalなど。Mentionの協同ファウンダーでCEOのMatthieu Vaxelaireは、MynewsdeskのCOOになる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

パナソニックがBrexitへの懸念からヨーロッパ本社をイギリスの外へ移す

Brexitがまた減点: 日本のエレクトロニクス企業Panasonicが10月にヨーロッパ本社をイギリスからアムステルダムに移す。理由は、イギリスにとどまった場合の税金の問題だ。Nikkei Asian Reviewが、そう報じている。

同社は、Brexitの結果イギリスが法人税の税制を変えた場合に生じる納税義務を懸念している。

Panasonic EuropeのCEO Laurent Abadieが上記NAR誌に語っているところによると、イギリスが法人税率を下げるなら、同国をタックスヘイブンと見なすことができる。実際に政府は、EUの通商圏の外に出たらイギリスを企業にとってもっと魅力的な場所にするよう努める、と示唆していた

2016年の11月にイギリスの首相は、同国の法人税率のレビューを発表して、税率を今の20%から大幅に下げることができる、と言った。

その前には、前財務大臣のGeorge Osborneが、税率を15%以下にする、と明言した

税率のレビューを発表したその同じときに首相は、企業政策のパッケージを披露した。それは、Brexitをめぐる不安を鎮めるためだった。しかし税率カットは明らかに、どの企業に対してもフレンドリーというわけではない。

Panasonicの場合同社は、日本がイギリスをタックスヘイブンと指定したら、本国で未納税が発生することを懸念している。そこで、EUの中に地域本社があるようにすれば、そのリスクはなくなる。

AbadieがNAR誌に語っているところでは、地域本社を大陸ヨーロッパへ移せば、人や物の流れに対してBrexitがもたらす障壁を避けることもできる。

それが一体どんな協定になるのか、あるいはそもそも、イギリスとEUの間に協定なんかありうるのか、どちらもイギリスがEUから抜ける日限である数か月後…2019年3月…になってみないと分からない。だから企業は、ありうる、あるいは起こりうる結果に備えて、重要な意思決定をしなければならない。

一方、この地域に対するイギリスの規制的影響力は、日増しに減衰している…。

[これまではロンドンでヨーロッパのことを決められたが、それができなくなる]
[貿易、人材へのアクセス、規制の及ぶ範囲などなどでロンドンは単なる‘支社’になってしまう]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

複数のメッセージング上のコミュニケーションを統一するMessageBirdの仮想APIは企業への顧客の感度を良くする

アメリカのAccelとヨーロッパのAtomicoが投資しているアムステルダムのクラウドコミュニケーションプラットホームMessageBirdが今日(米国時間8/8)、企業が顧客たちと、彼らが選んださまざまなチャネルを横断して容易にコミュニケーションできるための、新しいプロダクトを発表した。

“Programmable Conversations”(プログラマブルな会話)、というすごい名前がつけられたこのプロダクトは、単一のAPIのような形をしているが、実際には複数のチャネルにまたがる顧客の対話を、単一の会話スレッドに統一する。製品の現状では、その‘複数のチャネル’は、WhatsApp, WeChat, Facebook Messenger, Line, Telegram, SMS, そして音声による対話だ。Programmable Conversationsの仮想APIからは、これらを単一の会話チャネルのように扱える。それにより企業は、顧客とのコミュニケーションの履歴を統一された形で見ることができ、カスタマサポートやそのほかの顧客対面部門では、つねに最新最先端の顧客サービス体制を維持できる。それはもちろん、顧客の満足や企業への好感度につながる。

別の言い方をすると、コミュニケーションのチャネルが多いと会話は断片化しがちだ。しかもそこに、複数のサポートスタッフが関与していると、サービスの質は必然的に低下するだろう。Programmable Conversationsは、この問題を解決しようとする。

MessageBirdのファウンダーでCEOのRobert Visによると、ますます多くの企業や、急成長しているスタートアップには、顧客が企業との会話に使用するチャネルを一方的に指定する贅沢が許されない。これまでのカスタマーサービスは専用の電話番号を使うだけだったが、昨今の、オンラインメッセージングやそのほかのコミュニケーションチャネルの相次ぐ出現と氾濫により、顧客がコミュニケーションに使用する方法の選択肢が爆発的に増えている。

しかし、企業が既存のCRMやビジネスプロセスにそれらすべてを統合しようとすると、開発時間が膨大になるだけでなく、複数のチャネルに対応するためにスタッフの増員が必要になる。

このたいへん重い重量挙げを、MessageBirdのProgrammable Conversationsがお手伝いする。複数のチャネルに分散している会話を一本化することは、企業自身の手に負える技術課題ではない。しかしProgrammable Conversationsの仮想APIを使えば、実装の初期費用と時間が節約できるだけでなく、今後のメンテナンスや必要なアップデートも容易になる。

Visによると、Programmable Conversationsはグローバル企業のコミュニケーション管理にも向いている。あるいは、今後グローバル化していく企業の、その過程を支えることができる。多様なメッセージングプラットホームへの対応だけでなく、地球規模での複数キャリアの統合も可能だ。

“その企業とのコミュニケーション体験が良かったら、顧客の満足度とブランドロイヤリティがアップする。しかもこの二つの要素は、今日の企業の生命線だ。今日の顧客は企業と、友だちや家族と同じように会話したいと思っている。自分の好きな時間に、好きなチャネルで、しかも相手がこれまでの会話の文脈を完全に分かっている状態でだ。Programmable Conversationsを使えば企業は、そのような現代的なコミュニケーション体験を容易に構築できるし、しかもデベロッパーたちを過負荷にすることもない”、とVisは言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

生産性ソフトではなくビジネスプロセスのレベルで中小企業のデジタル化を助けるTeamleaderが$22Mを調達

中小企業のデジタル化を助けるSaaS Teamleaderがこのほど、シリーズCで2200万ドルを調達した。ラウンドをリードしたのはロンドンのKeen Venture Partners、これにPMVと、これまでの投資家Fortino CapitalとSage Capitalが参加した。

6か国に計1万近い顧客(主に中小企業)がいる、という、本社をベルギーに置くTeamleaderは、SaaSベースのプラットホームにより中小企業のビジネスプロセスのデジタル化を推進している。そのサービスには、CRMや営業支援、プロジェクト管理、時間管理、請求事務などが含まれる。

また最近立ち上げたTeamleader Marketplaceは、今後の同社の成長の核となる、と見なされている。これは顧客が、自分たちの好きな地元のSaaSツールをTeamleaderに統合できる、というサービスだ。これまですでに1000の統合をサポートし、とくにローカライゼーションに力を入れている。

Teamleaderの協同ファウンダーでCEOのJeroen De Witは語る: “ヨーロッパ全域のデベロッパーのための100万ドルのファンドまで作った。彼らに、Teamleaderの統合をやってもらいたいのだ。かなり思い切ったアイデアだが、うまくいっている”。

“このマーケットプレースのすごいところは、ヨーロッパ中のSaaS選手たちがわれわれの成長に乗っかれることだ。たとえばベルギーのCumul.ioは今、このマーケットプレースを通じてスペインに顧客を見つけている。それは完璧に、わが社のビジョンにも合うことだ”。

より広い視野で見ると、中小企業はそろそろデジタル化を恐れなくなっている。そしてどんどん、いろんなビジネスソフトウェアを利用するようになっている。“これらのツールは、お互いに寄り添って一つになり、統合化されたシステムとして機能する必要がある。そうでなければ、中小企業がそこから最大の価値を得ることができない”、と彼は言う。

今回得られた資金は、Teamleader Marketplaceに投じられるほかに、国際化のなお一層の成長とプロダクトロードマップの加速に充てられる。その中には、同社の言う“マルチローカルなアプローチ”が含まれる。そしてそのためには、Teamleaderのプロダクトを各国のニーズに合わせて微調整していく必要がある。そう、同社はまさに、ヨーロッパ的なスタートアップだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ひとつのBluetooth出力を複数のスピーカーで聴けるTempowの改造プロトコル

フランスのTempowは、Bluetoothのプロトコルを改造してそれを多機能にしようとしている。同社はこのほど、テレビやセットトップボックス用の新しいオーディオプロフィールを発表した。

テレビやセットトップボックスのメーカーがTempowのソフトウェアをライセンスすると、彼らのデバイスに新しい機能を実装できる。それは通常のBluetoothチップを使うが、そこに新しい可能性を開く。

まず、テレビの音声を複数のBluetoothスピーカーへ送れるようになるので、テレビ音声のサラウンド化ができる。

今、サウンドバーが5.1システムを徐々に駆逐しつつあるのは、後部スピーカーのために床にケーブルを這わせるのが面倒だからだ。TempowならスピーカーはBluetoothだからケーブルは要らない。

またTempowのBluetoothは、複数のデバイスにそれぞれ別のオーディオを送れる。たとえばテレビに複数のヘッドフォーンを接続して、それぞれ異なる言語で映画を鑑賞できる。字幕を読めない子どもでも、吹替版で映画を楽しめるようになる。

また、メーカーや型番の違う複数のスピーカーのサウンドプロフィールを揃えて、誰がどれで聴いても同じ音が聴けるようにもできる。

最初同社は、スマートフォンのオーディオプロフィールに取り組んだ。たとえばMoto X4のスマートフォンを持ってる人が、複数のBluetoothスピーカーを接続できたりする。しかし今日は、スマートフォンを超えてテレビやセットトップボックスに手を伸ばした。でも、それもまたBluetoothなのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

大規模な調査がインターネットフィルタリングの無効性を実証、ポルノはフィルターで防げない

【抄訳】
Internet Filtering and Adolescent Exposure to Online Sexual Material(インターネットのフィルタリングとオンラインの性的素材の青少年への露出)と題された論文で、Oxford Internet Institute(オックスフォード大学インターネット研究所)の研究員Victoria NashとAndrew Przybylskiが、インターネットのフィルターが青少年をオンラインのポルノから遠ざけることはほどんどない、と指摘している。

Nash博士は曰く“インターネットのフィルタリングは、そのその効力を検討することが重要である。インターネットのフィルタリングツールは開発とメンテナンスに費用がかかり、しかもコンテンツをシェアする新しい方法が常時開発されているので、すぐにバイパスされてしまう。またフィルタリングには過剰なブロックによる人権侵犯の懸念もあり、フィルタリングのために若者が正しい健康情報や関係情報にアクセスできないおそれもある”。

この研究の前にはイギリス政府による、全国をカバーするポルノフィルターの探究、という論争を喚び、ほとんど必ず失敗しそうな政策が発表された。その政策では、イギリスが宗教的ないし政治的理由からパブリックなインターネットをフィルターしている世界の国々の、仲間入りをしてしまうだろう。

そして一般的な結論としては、フィルターは費用が高く、しかも効果がない、ということになる。

費用と制約が大きいだけでなく、注目すべきは、フィルタリングには若者をオンラインの性的素材から遮蔽する効果があるとする説に、確実な証拠がほとんどないことである。スマートフォンやタブレット以前の2005年に集めたデータについて報告してい二つの研究は、若者が性的素材に出会う相対的なリスクをインターネットのフィルタリングが軽減するかもしれない、という仮説的な証拠を提供している。しかしそれらのペーパーから10年後となる最新のデータ収集ならびに研究は、保護者がインターネットフィルタリング技術を使用しても、オンラインの多様で悪質な体験への子どもたちの露出を減らせない、という強力な証拠を提供している。それら悪質な体験には、子どもたちの心を不安にする性的コンテンツとの遭遇も含まれる。このトピックに関する研究はまだきわめて少なく、またそれらが述べている所見は決定的に斉一性を欠く。インターネットフィルタリングの広範囲な利用を肯定する証拠は、現状ではきわめて弱い。

研究者たちは、“インターネットのフィルタリングツールが多くの場合に効果がなく、その利用の有無は若者たちが露骨に性的なコンテンツを見たことの有無とまったく相関していない〔両者間に関係がない〕ことを見出した”。

この研究のもっとも興味深い所見は、“多くの世帯が、(自分の家の)一人の若者を性的コンテンツにアクセスすることから守るためにはインターネットのフィルタリングツールの利用が必要、と答えているが、しかしそれでもなおかつ、フィルターは、統計的ないし実際的に有意な防止的効果を示さなかった”、という部分だ。

この研究はEUとイギリスの、男性9352名、女性9357名を調査し、そのほぼ50%の家庭に何らかのインターネットフィルターがあることを見つけた。しかしフィルターがインストールされていても被験者は依然として、ほぼ同じ量のポルノを見ていた。この研究が結論として言いたいのは、学校や行政や保護者などがインターネットのフィルターを、若者をネット上で安全に保つために有効と考える、惰性的な思考をそろそろ断つべき、という提言だ。それは、高価な価格を常時維持して繁栄しているフィルタリング産業への、批判でもある。

【後略】
〔有効な代案等は示していない。本研究の目的は、インターネットフィルターをめぐる“迷信”(有効であるという迷信)の打破にある。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa