石油メジャーのシェルが電気自動車充電ビジネスに忍び寄る

化石燃料の生産とガソリンスタンドで知られるエネルギー大企業Royal Dutch Shell(ロイヤル・ダッチ・シェル)が電気自動車(EV)充電ビジネスに忍び寄っている。

Shellが1月に新たに買収したGreenlots(グリーンロッツ)による初のDC急速チャージャーが8月19日、シンガポールにあるShellのガソリンスタンドに登場した。これは、Greenlotsが今後数カ月かけてシンガポールのShellサービスステーションに設置する計10基のDC急速チャージャーの1基目だ。

シンガポールをターゲットとしたのは、アジアと北米で全アプリケーションのEV充電ソリューションを提供するための広域戦略の一環だとGreenlotsは表明している。Shell、そしてGreenlotsもシンガポールに足がかりを持つ。ロサンゼルスに本拠を構えるGreenlotsは、もともとはシンガポールで設立された。そしてShellはシンガポールの最大の外国投資企業の1社だ。

小さな島の都市国家であるシンガポールは、EV、特にカーシェアリングや配車プラットフォームの活用を促進してきた。具体的には、配車サービスのドライバーや商用車のEVへの切り替え需要に対応できるようEVインフラを構築している。

GreenlotsはShellに買収される前は、クリーンテック投資会社Energy Impact Partnersの支援を受けていた。管理ソフトウェアとEV充電ハードウェアを組み合わせて展開しているGreenlotsは近年、大企業と契約を結んでいて、中でも著名なのがVolkswagen(フォルクスワーゲン)だ。Greenlotsは、ディーゼル排出不正スキャンダルをめぐる米当局との和解の一環としてVolkswagenが設立したElectrify Americaにソフトウェアを提供する唯一の企業でもある。

補足:Shellは他にもEVチャージャーを展開している。今回のものは新たに買収したGreenlotsによる初のチャージャーとなる。

画像クレジット:Shell

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(翻訳:Mizoguchi)