Facebook、ロックスクリーン・アプリにFlickr、Pinterest、Tumblr、Instagramのコンテンツを追加

9月のTC DisruptでFacebookのCEO、Mark ZuckerbergはAndroidのロックスクリーン・アプリ、Facebook Homeの改良について「Facebook以外にInstagramその他サードパーティーのコンテンツが近く表示されるようになる」と述べた。

そして今日(米国時間10/3)、Flickr、Pinterest、TumblrそしてFacebook傘下のInstagramの写真がFacebook Homeに表示されるようになった。このアップデートはまず最初にAndroid版のベータテスター向けに公開された。Facebookはベータテスターの数については明らかにしなかったが、広報担当者は「なるべく早く一般公開したい」と語った。

Homeアプリをもっと便利にすることでユーザーを増やしたいといのがFacebookの狙いだろう。Google Playストアの表示では、今のところこのアプリのインストール数は100万から500万の間となっている。TC DisruptでZuckerbergも「普及が期待しほど速くない」と認めた。

Homeは4月にローンチされてすぐに100万ダウンロードを記録したが、その後は伸び悩んでいる。またAT&TがHomeをプレインストールしたHTCのAndroidスマートフォンを発売する計画を取りやめるなど、キャリヤの関心も薄れた。

しかしZuckerbergはHomeの普及に関しては依然強気で、機能を拡充すればFacebookの「壁に囲まれた庭」を確立するのに役立つと考えているようだ。

今回のHomeアプリの使い方はこうだ。ユーザーはHomeの設定メニューからコンテンツを取り入れたいサービスを選び、それぞれのパスワードで一度ログインする。すると以後、それらのサービスはFacebookの一部のように機能する。つまり投稿を見るのはもちろん、「いいね!」をつけたり、リンクから直接サイトを訪問したりできる。

こちらからFacebook Homeの紹介ビデオがダウンロードできる

今回のアップデートで追加されたコンテンツはYahooから2種類、Facebookから1種類、それにPinterestの4種類だったが、将来Facebookはさらに多くのサイトを追加する計画だろう。これはHomeのロックスクリーンをFacebookのタイムラインよりもビジュアル性の高い一種のデフォール・ホームページにしようとする試みと考えると興味深い。一時大騒ぎされたFacebookフォンはどこかに消えてしまったようだが、毎日使われる人気アプリ以上のもの―モバイル・プロットフォームそのものに成長しようとする野心をFacebookは捨てていない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


TC Disrupt:ザッカーバーグ、「Facebook Homeを改良中。Instagramその他ソーシャル・コンテンツをロックスクリーンに追加する」

サンフランシスコで開催中のTC DisruptカンファレンスでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグはFacebookはFacebook HomeのロックスクリーンにInstagramやサードパーティーのソーシャル・コンテンツを追加するように改良中だと述べた。

同時にザッカーバーグはさきごろ公開されたAndroid向けFacebook Homeランチャーが「期待したほど急速には普及していない」ことを認めた。ザッカーバーグはまた「現在Facebook HomeはGoogle Playストアを通じて配布されているが、将来はFacebookから直接ダウンロードできるようになる」と述べた。

現在Google PlayストアではFacebook Homeアプリはダウンロード数が100万から500万にランクされている。最初の1ヶ月ではわずか100万ダウンロード程度だったし、 アプリをプレインストールしたHTCの専用スマートフォンを販売するなど当初は熱心だったAT&Tのようなキャリヤのパートナーもすぐに興味を失った。ヨーロッパではフランスのキャリヤ、Orangeが予定されていた専用スマートフォンを発売前に中止してしまった。

今日のインタビューでマイク・アリントンが「Homeは失敗だったと思うか?」と尋ねたのに対してザッカーバーグは「チャットヘッドのように人気が出た機能もある」と答えた。

Facebook Homeは同社が当初期待したほどの成功は収めていないが、すぐに引っ込めるつもりもなさそうだ。「私はやがてユーザがFacebook Homeを好きになると思っている」とザッカーバーグはいう。

これはFacebookがいかにモバイル体験の向上と拡張に野心的であるかを示すものだ。モバイル・トラフィックの拡大はFacebookの売上に直結するのだからそれも当然だろう。「今年の第2四半期には月間アクティブ・ユーザー総数 11億人に対して6億9900万人モバイル・ユーザーがあった」と今日のインタビューでザッカーバーグは明らかにした。このモバイル・ユーザーこそFacebookの売上の急増を支えている。8月にeMarketerが発表したレポートによれば、今年Facebookは世界のモバイル広告売上の16%を占めるだろうという。昨年に比べると10%ポイントの急増だ。

InstagramをFacebook Homeのロックスクリーンに加えるというモバイル重視の姿勢をみると、買収した他のモバイル系サービスのコンテンツもやがてHomeに連携、表示されることになりそうだ。またサードパーティーのコンテンツと連携させていけば、Homeがインターネット・コミュニケーションの新たなプラットフォームとなることを助けるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook Home、Google Playランキングで見る限りは人気は急「降下」中

他記事にも出てきているようにFacebook Homeの人気がいまひとつ上がらない。FacebookのCEOであるMark Zuckerbergが「次世代のFacebook」として投入したものだ。アプリケーションストア分析サービスの報告を見ても、Google Playでのランキングは登場時に話題を集めたとき以来、着実に低下し続けている。Facebook自体のアクティブユーザーは10億を超えているものの、Facebook Homeのダウンロード数は木曜日のアナウンス時点で100万程度であるとのことだった。またAT&TはFacebook Home搭載のHTC Firstの価格を99ドルから99セントに大幅値下げした。

いろいろなデータからわかるのは、Facebook Homeが苦戦を続けているらしいということだ。ユーザー獲得がなかなか進まない状況なのだ。

アプリケーションは、4月12日にGoogle Playで公開された。サポートデバイスはごく限られたもので、HTC One X、HTC One X+、Samsung Galaxy III、そしてGalaxy Note IIだった。HTC Firstには、予めFacebook Homeが搭載され、アプリケーションのリリースと同時に発売されることとなった。少しして、HTC OneおよびGalaxy S4でも利用できるようになった

予め言っておけば、こうして一部の機種でしか利用できなかったのも普及を妨げる一因とはなったのだろう。

いずれにせよ、Facebook Homeが、ダウンロード可能な国々のストアで最高の成績をおさめたのが4月24日だった。しかしそこから主要マーケットで徐々にランキングを落としてきているのだ。すなわち、まず話題になっているアプリケーションに多くの利用者が注目したものの、癖のあるものであるという情報が広まり、新たに導入しようと考える人が減っていったのだろうと思われる。

App Annieのデータにも、人気上昇と下降の様子が現れている。公開されるとすぐにFacebook Homeはアメリカ国内における全体順位で72位まで上昇した。これが4月の16日だ。4月の23日までには8ヵ国でトップ100入りする成績をおさめた(ノルウェイ、シンガポール、カナダ、デンマーク、オーストラリア、香港、ハンガリー、イギリス)。そしてトップ500には38ヵ国で入り込んでいた。しかしそれから4月末に向けてランクを落とし始め、トップ500に入っているのは29ヵ国で、トップ100を記録している場所はなくなってしまった。

以降、いずれのマーケットでもまだトップ100への返り咲きを果たすことができずにいる。

Distimoの分析でも同様の結果が出ているだ。4月末(4/29)の調査では、Facebook Homeはルクセンブルクにて、最高の83位の位置にいて、ポルトガルでは477位だった。しかしこの段階で既に、ランキングを落としつつあるのだ。

下の表は、Facebook Homeの4月29日段階でのランクと、それが4月24日からどのように変化したかを示すものだ。ランクの変動幅は各国の順位を示すバーの上に小さな数字で記されている。

そしてさらに数日後(5/8)、Distimoは状況がさらに悪くなっているということを発見した。フランス、ドイツ、ブラジル、およびアルゼンチン等の主要国では全体ランキングの500位からも脱落している。

そして上位に位置する国の数はさらに減りつつあるのが現状だ(下の表と上の表では国の数がかなり違ってきていることがお分かりいただけるだろう)。

アメリカ、ドイツ、オーストラリアのみを対象として折れ線グラフにも示してみた。

App Annieの調査でも順位の下落が顕著となっている。5月10日の段階で、Facebook Homeが上位500位に入っている国は19しかない。それらの中における最高位はノルウェイの191位で、トップ100には遠く及ばないような状況となっているのだ。

たいていの国では300位ないし400位あたりにいるようだ。たとえばアメリカでの順位は338位となっている。

復活はあるのか?

このような現状を見る限り、Facebook Homeは「ヒット」とは遠い状況にあるといえるだろう。

少し前にFacebook Homeの状況についてFacebook自体が論じていた中で、「100万程度のダウンロード数」ということをアナウンスしていた。しかしそれはあくまでダウンロード数のことであり、アクティブユーザーの話ではなかった。ここまでに示してきたデータを見る限り、ダウンロード数すらも思い通りに伸びていかない状況となってしまいそうだ。

但し、Homeを使っている人のエンゲージメント率は確かに高まっている。先のFacebookからの発表記事によれば、Homeの利用者の間ではFacebookの利用時間が全体で25%伸びたのだとのこと。細かくみるとコメントや「いいね!」が25%の伸び、チャットの利用率が7%、そしてメッセージの利用率も10%伸びているのだそうだ。

ただ、現段階での目標はダウンロードしてくれる人を増やすことだろう。そしてもちろん、それを使ってもらえるようにしなければならない。Facebookも、もちろんその方向で考えており、アイコンドック(ホーム画面の下部に、よく利用するアイコンを登録しておく機能)を追加したり、Dash Barという機能でチャットの相手を見つけやすくなる機能などを搭載することとした。またこれまでの方針を変更し、ホーム画面の代替物としてではなく、既存システムの上で動作するレイヤー型のアプリケーションとしての方向も目指しているようだ。これにより、利用者がFacebook Homeの導入までに行ったカスタマイズなどが消え去ってしまうこともなくなる。

Facebookの方針転換を含む変更が「間に合う」のかどうかは今後を見てみないとわからない。もしかするとFacebook Homeについてネガティブな評価をしているアーリーアダプターたちが、期待を失い、そして興味をなくしてしまうこともあるかも知れない。

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(翻訳:Maeda, H)


最初のFacebook Home組み込みスマートフォン、HTC FirstにAT&Tが販売終了との噂

HTCのFacebook Homeを組み込みんだAndroidスマートフォン、FirstがAT&Tからデビューしたのは先月のことだが、早くも製品として大失敗という声が上がっている。BGRのZach Epsteinによれば、HTC Firstの売れ行きがあまりに不振なため、AT&Tは近く販売を中止し、売れ残りはHTCに返品することを決めたという。

この報道が事実なら(AT&T、HTC、Facebookに確認を求めたが、本稿執筆時点ではいずれも回答なし)、AT&Tは「契約上の義務を果たすために」今後一定期間はFirstの店頭展示を続けるが、その後は販売を中止するという。

しかしいったいFirstはどのくらい不振なのだろう? Epsteinは「HTC Status(ChaCha)の発売後1月時点と比較してもさらに売れ行きが悪い」とツイートしている。ちなみにStatusというのはHTCの最初のFacebook携帯の試みだ。ブラックベリー風のデザインで、QWERTYキーボードの下にFacebookサイトを呼び出す専用ボタンがついている。一方、Facebook HomeのAndroidアプリはFirstよりいっそう出来が悪く、その悪評がFirstの足を引っ張っている面もある。いずれにしても決して満足できる状況にないのは確かだ。

もしAT&TがFirstの販売を中止するようなことになると、他国での販売計画にも影響が出そうだ。HTCのCEO、Peter ChouはFacebook Homeの発表イベントで、フランスのOrangeとイギリスのEEからこの夏発売されると述べていた。

率直に言えば、Firstがスマートフォン・ユーザーから熱狂的支持を受けていないと聞いてもあまり驚きは感じない。先週、AT&TはFirstの価格を99ドルからわずか0.99ドルに大幅値下げした。発表後1月しか経っていない新製品にしては異例の動きに「売れ行きが相当悪いのだろう」という声が上がった。さてFirstの不振の原因はハードウェアとして凡庸だったところにあるのか、それともFacebook Homeにあるのか?  ユーザーも専門家もそろってFacebookの独自ランチャー、Homeへの興味を失いつつある現状を考えると、原因は後者だと考えざるをえない。

この情報の真偽については現在さらに確認の努力を続けている。ただAT&Tが「販売を中止する」という噂が流れたStatusの販売がまだ続いている例もあるのでFirstの運命も予断を許さない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook <A


最初のFacebook Home組み込みスマートフォン、HTC FirstにAT&Tが販売終了との噂

HTCのFacebook Homeを組み込みんだAndroidスマートフォン、FirstがAT&Tからデビューしたのは先月のことだが、早くも製品として大失敗という声が上がっている。BGRのZach Epsteinによれば、HTC Firstの売れ行きがあまりに不振なため、AT&Tは近く販売を中止し、売れ残りはHTCに返品することを決めたという。

この報道が事実なら(AT&T、HTC、Facebookに確認を求めたが、本稿執筆時点ではいずれも回答なし)、AT&Tは「契約上の義務を果たすために」今後一定期間はFirstの店頭展示を続けるが、その後は販売を中止するという。

しかしいったいFirstはどのくらい不振なのだろう? Epsteinは「HTC Status(ChaCha)の発売後1月時点と比較してもさらに売れ行きが悪い」とツイートしている。ちなみにStatusというのはHTCの最初のFacebook携帯の試みだ。ブラックベリー風のデザインで、QWERTYキーボードの下にFacebookサイトを呼び出す専用ボタンがついている。一方、Facebook HomeのAndroidアプリはFirstよりいっそう出来が悪く、その悪評がFirstの足を引っ張っている面もある。いずれにしても決して満足できる状況にないのは確かだ。

もしAT&TがFirstの販売を中止するようなことになると、他国での販売計画にも影響が出そうだ。HTCのCEO、Peter ChouはFacebook Homeの発表イベントで、フランスのOrangeとイギリスのEEからこの夏発売されると述べていた。

率直に言えば、Firstがスマートフォン・ユーザーから熱狂的支持を受けていないと聞いてもあまり驚きは感じない。先週、AT&TはFirstの価格を99ドルからわずか0.99ドルに大幅値下げした。発表後1月しか経っていない新製品にしては異例の動きに「売れ行きが相当悪いのだろう」という声が上がった。さてFirstの不振の原因はハードウェアとして凡庸だったところにあるのか、それともFacebook Homeにあるのか?  ユーザーも専門家もそろってFacebookの独自ランチャー、Homeへの興味を失いつつある現状を考えると、原因は後者だと考えざるをえない。

この情報の真偽については現在さらに確認の努力を続けている。ただAT&Tが「販売を中止する」という噂が流れたStatusの販売がまだ続いている例もあるのでFirstの運命も予断を許さない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook <A


FacebookのiPhoneカルチャーが、HomeのAndroidへの過激な侵入を生んだ

Facebookは、Androidユーザーにとってウィジェットやドックやアプリフォルダーがいかに重要かを認識せず、それらをHomeに入れないという大きな過ちを犯した。その理由は、HomeをテストしたFacebook社員の一部がふだんはiPhoneを持ち歩いていたからであることを確認した。”droidfooding”[Anroidを無償配布してテストさせること]の不足によってFacebookはこれらの機能を追加しそこない、その結果Homeは提供以来1ヵ月でわずかに100万ダウンロードだ。

11月にも書いたように、Facebookはより多くの社員に “droidfooding”を行おうとしている。問題は、Facebookが何年も前から社員にiPhoneを渡してきたことだ。Facebook社員はAndroid端末をリクエストすることもできるが、言わなければAppleの電話機が渡されるのが普通だ。それはFacebookユーザーの間でiPhoneのシェアの方が大きかった1年前には危険ではなかったが、その後Anrdoidが爆発的に増えてリードを奪った。もしFacebookが最大のオーディエンスにリーチしたいのであれば、社員をGoogleモバイルOSと共に生活させる必要がある。

“droidfooder”の不足は、Facebookの新しい “apperating system” であるHomeが登場するまで深刻な問題ではなかった。HomeはAndroidのロック画面とホーム画面とアプリランチャーを、facebook中心の体験で置き換える。Homeは、端末のスリープを解除した直後に、ニュースフィードを閲覧するための大きくて美しい「カバーフィード」を表示する。そこには、リアルタイム情報のウィジェットを作ったり、よく使うアプリを常に見えているドックに置いたり、アプリをフォルダーにまとめたりする機能はない。

初めてHomeを使ってみた時、私はカバーフィードとチャットヘッドに感動したが、Androidのパーソナル化が失われたことには動揺しなかった。それは、私がiPhoneユーザーだからだ。

iPhoneにはそもそもウィジェットがないので、何が足りないかも実はわからなかった。私は “Facebook Phone” ことHTC Firstの新品貸し出し機でHomeを使った。自分のiOSドックやフォルダーをAndroidに移行できるなどとは期待しなかった。自分の体験がいく分「非パーソナル化」されることを受け容れた。私はうぶであった。

本当の問題は、Facebookの開発者たちも同じようにうぶだったことだ。私が話をした社員たちは、iPhoneユーザーにHomeをテストさせたために、Facebookは人々のウィジェットやドックやフォルダーを置き換えることがいかに問題であるかを見落したことを認めた。一般的なアプリと異なり、新しいAndroid端末を社員に渡してテストするだけでは不十分だ。必要なのは長期間の熱心なAndroidユーザーだった。Facebookは望むほど多くの人数を社内に持っていない。

先週木曜日(5/9)にFacebook本社で、技術担当VPのCory Ondrejkaと、製品ディレクターのAdam Mosseriは、これがHomeの致命的欠陥であることを認めた。それは人々がダウンロードしてアクティブにHomeを利用するのをためらう理由であり、Google PlayストアでHomeの評価が星1つや2つになることに繋がっている。こうしたレビューに加え、自分のパーソナライズしたAndroidランチャーを手放したくないという人々の思いが、Facebook Homeをランキングのはるか彼方と追いやっている。Sarah Perezが昨日詳しく報じたように、Homeがトップ100アプリから外れたことを複数の分析会社が伝えている。

「Homeにドックがないことは問題だというフィードバックを数多くもらっている」とOndrejkaは言った。そこでFacebookは、月例アップデートの最初の何回かは、Homeのステータスエディターを改善したり広告で収益化を始めるのではなく、考えを改めた。Homeを「ロック画面とホーム画面を置き換えるもの」であると売り込むのをやめ、代わりにFacebookはこれを、既存スマートフォンに被せた薄いレイヤーであると言ってトーンを下げた。

そのためにまず、ユーザーが他のアプリをアクセスする方法を正確に示した、もっと詳細な新規ユーザー体験を提供する。次に右の写真にあるような「ドック」を導入する。ユーザーは最近もっともよく使ったアプリ4本をここにインポートできる。Mosseriは私に、facebookはユーザーがAndroidをカスタマイズした作業をHomeのために犠牲にしてほしくないと考えていると言った。最終的にFacebookは、アプリをフォルダー化するシステムやHomeにフォルダーをインポートする機能や、ウィジェットを表示する方法などを追加するだろう。

「あなたの古いランチャーからあなたの新しいランチャーへの移行をスムーズにしたかった」と計画している変更についてMoserriは語った。Facebookは、Homeを公開する前にそれが最優先であることを知り得たはずだが、同社のiPhoneカルチャーは、そこで声を上げる者が誰もいないことを意味している。

Homeには大きな可能性がある。弱点を受け入れてHomeに落ち着いた人々は、Facebookで過ごす時間が25%増えている。しかし、ダウンロード数は100万以下で停滞しており、そのAndroidへの過激な浸入は人々を追いやり、アクティブユーザーはずっと少ないはずだ。

これ以上明白なことはない。もしFacebookが、1 Hacker Wayの本社ビルでもっと多くのポケットにAndroidを入れられなければ、これからもモバイルでつまづき続けることになる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebookスマホの出足は鈍い?―AT&TはHTC Firstの価格を99ドルから99セントに大幅値下げ

FacebookがFacebook Homeの普及を助けるためにさらに努力が必要だと感じたのかもしれない。あるいはAT&TとHTCが売上をもう少し伸ばしたかったのかもしれない。いずれにしても、デビューからまだ1と月たっていないのに、最初のFacebookスマホ、HTC Firstの価格が99ドルから0.99セントへと引き下げられた(AT&Tとの契約が必要)。標準のAndroidと高速LTE接続機能が備わった携帯にしてはお買い得だ。

Facebookは私の取材に対して「“われわれはAT&Tの決定を歓迎している。Facebook Mobileのページでも新価格を告知している。AT&TはHTCとSamsung Galaxy S4についても特別割引キャンペーンを実施中だ。だからこの値下げはFirstの売れ行きとは直接関係ない。あくまでキャリヤ側の販売努力だ。どんな携帯も時間がやがて値下がりする」と答えた。

Facebookは「Facebook Homeを搭載した独自携帯の開発に関して他のメーカーとも引き続き協力している」としているのでHTC Firstが最後のFacebook携帯になるわけではないだろう。しかし、HTC Firstについての私の最大の不満はカメラがしょぼいことだったが、その欠点を帳消しにするほどの人気は得ていないようだ。5メガピクセルのカメラは暗いところに弱い上に起動に手間がかかりシャッターチャンスを逃しやすい。

独自のAndroidアプリのHomeの方もダウンロード数は100万に届いていない。とすればHomeがデフォールトで組み込まれたAndroid携帯を99ドル出して買うユーザーはそれよりだいぶ少なかっただろうと推定できる。しかしHomeは今後改善が進むはずだ。ユーザーはHomeのUIが「非直感的」であることに強い不満を抱いているが、昨日も書いたように、Fcebookは毎月のアップデートで早急に対処するはずだ。特にホームスクリーンからアプリのフォルダをすっかり隠してしまうのを止めるべきだと思う。

HomeのUIが改良されればHTCはカメラを改良した新しいFirstを出すだろう。そうなれば売れ行きも上向きになるだろう。それにFacebookは新しいCMを準備したほうがよい。最初のFirstとHomeのCMはストーリーにむやみに邪魔が入る奇妙なものだった。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook Home、既存システムの代替としてではなく、その上で動作する「レイヤー」として生まれ変わるべき

「Androidはどこへ行った?」。Facebook Homeのレビュー時によく出てくる文句だ。一所懸命にウィジェットの設定を行ったホーム画面が消えてしまい、呆然とする人が多いのだ。Facebookが自前のHome画面をヒットさせたいと思うのならば、利用者それぞれがそれまでに構築した画面にもすぐアクセスできるようにしておく必要があると思う。Facebookも利用者の声は気になるはずだ。現在のようにトレードオフ関係を提供するのではなく、両立的なFacebook Homeを提供するようにすべきだと考えるが如何だろうか。

Facebookの主張としては、Homeとは「世界をアプリケーション経由ではなく、人間を通して見つめる、全く新しいエクスペリエンスを提供する」ものだ。しかしこの「新しいエクスペリエンス」が、それまでの利用者の行為を無にしてしまうことに、多くの利用者が当惑している。アプリケーションの置き場所を考えて、フォルダ毎に整理して、最初の画面に表示するアプリケーションを注意深く選んだはずだった。常に表示して欲しい情報を提供してくれるウィジェットも、場所を探してきちんと配置したはずだった。Facebook Homeを利用するために、そうしたすべての努力をなかったことにしても良いと考える人は少ないはずなのだ。

幸いなことに、FacebookはHomeを毎月アップデートするとアナウンスしている。最初のアップデートは5月12日になる予定だ。いろいろと追加すると面白そうな機能は思いつく。しかし何かを追加する前に、まずはきっちりと地歩を固めるところから始めてもらいたいと思うのだ。

よりオープンな環境を目指すべき

利用者の感想を知るために、Facebook Homeに関する多くのレビューを読んでみた。ジャーナリストやテック系の人々は、私自身を含めて、カバーフィードとチャットヘッドに注目している。こうした人々はインストール時に複雑な設定をする必要があっても別に苦にしない人々だ。しかし、一般の人はFacebook Homeをインストールした瞬間から、慣れ親しんだAndroid環境を失ってしまって混乱してしまっているようなのだ。

もちろん、Facebook Homeを気に入っている人はいる。最初は驚いてもすぐに慣れたと言っている人も多い。しかしGoogle Playには1つ星のレビューも溢れているのだ。いくつかレビューを見てみよう(利用者の声をそのまま紹介している)。

  • 直感的な操作ができない。ごちゃごちゃしてとても使いにくくなってしまった。結局4、5時間でアンインストール。従来のホームスクリーンに簡単に戻れるようになるのでなければ、もう決して再インストールすることはない。Victoria Wiley
  • スマートフォンが乗っ取られてしまった感じ。とても使い勝手の悪い新しいOSに変わってしまったような気がする。joe smith
  • ウィジェットはどこに消えてしまったんだ? 全くもって使えない。David Marner
  • これまでの設定は何もかも全て消えてしまう。J Erickson

こうした感想や、ここでは取り上げなかった同種の意見を見る限り、Facebook Homeは、従来の環境との切り替えをもっとうまくやる必要があることがわかる。「Complete Action Using」(標準をFacebook Homeに切り替える)というようなメッセージが出ても、たいていの人は何のことかわからず、あるいは判断せずに処理をすすめてしまう。ホーム画面が切り替わってしまうことを、もう少し丁寧に説明すべきだと思う。また、Facebook Homeをインストールして、その環境を使うことに設定したにしても、使えるようになった機能の説明だけを提供するのではなく、さまざまな方向から変更点を説明して、元に戻すための情報も提供すべきだと思うのだ。

利用者の苦労を無にしてはいけない

Facebook Homeではウィジェットがなく、またアプリケーションフォルダには未対応となっている。もちろんこうした状態はすぐにも改善されることと思う。FacebookのProduct部門DirectorのAdam Mosseriは「フォルダーやウィジェットなど、当初から導入したいと考えていながらできなかった機能も多くあります。しかし次々にアップデートしていくことが既定路線です。すぐにみなさんの期待に応じた機能が実装されるはずです」と述べている。

ホーム画面に新しい仕組みを導入しているので、現状のまま進むならばウィジェットやフォルダについても独自の方式で実装していくことになるのだろう。しかしそのようなスタイルでは利用者の不満はおさまらないと思われる。利用者が行なってきたカスタマイズを台無しにするようなアプローチでは、世の中に認められることとはならないだろう。

すなわちFacebookはなんとかして新しいFacebook Homeと、従来型のウィジェット処理システムおよびフォルダ機能の両立を目指していくことが必要となる。このためには全く新しいホーム画面というスタンスから、既存のシステムの上に乗るある種のレイヤー型サービスとして完全に生まれ変わることが必要となる。必要に応じてFacebook Homeを消して、従来のホーム画面や、これまでに行なってきたカスタマイズ画面が利用できるようになるのが理想だ。従来のフォルダやウィジェットは、新しいHomeの「引き出し」に入れておいて、必要な際に取り出して利用するというスタイルを採用しても、利用者にとっては非常に使いやすいものとなるだろう。

現在のところ、カバーフィードの画面で左スワイプするとFacebookメッセンジャーが表示され、右スワイプで利用したアプリケーションの一覧画面になる。そして上スワイプでよく使うアプリケーションが表示されるようになっている。ここに下スワイプを加えるべきだと思うのだ。表示すべきはもちろんFacebook Home以前から使っていたホーム画面だ。あるいは上スワイプで従来のホームに戻っても良いかもしれない。

こうした修正が成されれば、Facebook Homeはより多くの人に受け入れられ、そしてFacebookの利用時間を大幅に伸ばす人も出てくるだろう。Facebook Home以前から使っていた環境を捨てなくて良いとなれば、導入にあたっての障壁も消え去ることとなる。現在の50万ないし100万ダウンロードという数字を大幅に塗り替え、新しい環境を楽しむ人も増えるに違いない。アプリケーションではなくて、人を通して世界と繋がるというコンセプトが気に入っている人は多い。但し、そういう人もアプリケーションを捨てようとまでは考えていないことを、Facebookは認識すべきだと思う。

[Image Credits: Marcio Jose Sanchez / AP, Dashburst]

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook Home、5日間で50万ダウンロードを達成。InstagramのAndroid進出時と比べると見劣り

どうやらFacebook Homeは、5日前の4月16日にGoogle Playでデビューして以来、50万ダウンロードを越えたようだ。同アプリのGoogle Playランキングにこのマイルストンが表示されている他、TwitterでBen Evansが正式に認めた。

Facebook Homeは、スマートフォンのユーザーインターフェースとして特別なアプリではないが、Androidユーザーのスマートフォン体験のど真ん中にFacebookを配置する。Facebook Homeのユーザーはロック画面から直接近況をアップデートしたりニュースフィードを読んだりできるほか、チャットヘッドのおかげで一切割り込まれることなくメッセージをやりとりできる。

要するに、これはFacebookを他のいかなるアプリよりも前面に押し出し、スマートフォンの中心であるランチパッドにするものだ。その期待の高さは、発表イベントでのZuckerbergの熱演ぶりから見てとれたが、発表当日言われていたのは、ユーザーはあまりFacebook Homeに注目していないということだった。

それが真実でなかったことは、公開1日後に10万ダウンロードを達成したことから明らかだ。とはいえこれは爆発的な数字ではない。InstagramがAndroidで公開された時、1日で100万ダウンロードを記録したことを覚えているだろうか。そして6日間で500万ダウンロードを越えたことを。あれが爆発的な数字だ。

もう一つ、Facebookには10億人以上ユーザーがいることを考えれば、50万というのは実際大勢に影響を与えない数値だ。

しかし、Facebookを擁護して言うと、Homeアプリは限られた端末でしか利用できない。Samsung Galaxy S III、Galaxy Note II、HTC One X、HTC One X+、およびFacebook PhoneたるHTC Firstだけだ。

そしてもちろんFacebookは、InstagramがAndroidで成功していることを大いに喜んでいる。たったの10億ドルで買収した後になってみれば。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Android向けFacebook Home国際版リリースへ(日本語版は公開済み)

読者がアメリカ以外の国に居住していて、高機能スマートフォンを所有しており、どうしてもFacebook Homeを試してみたいと熱望しているなら、今日はラッキーな日だ! ニューヨークで開催中のAllThingsDのDive Into Mobileカンファレンスで、Facebookのモバイル・エンジニアリング担当副社長、コリー・オンドレイカが「Facebook Homeはこの後、今日中に国際版がリリースされる」と述べた(日本版はすでにGoogle Playストアからダウンロード可能)。

オンドレイカは「アメリカ以外の世界各地向けのHomeは今日公開される。われわれは残っていたバグを全て退治したかったのでまずアメリカで公開した」と語った。

オンドレイカはどんなバグが残っていたのが具体的には明らかにしなかったが、Homeをめぐる大騒ぎに参加できなかった海外ユーザーにとっては朗報だろう。Facebookが標準のホームスクリーンを独自のものに置き換えた点についての当初の反応はどちらかといえば批判的だ。The Next Webが指摘しているように、Google Playストアのユーザー評価では1つ星がえらく多い。

Homeを公式にサポートしているのはHTC One X/X+、Samsung Galaxy S III、Samsung Galaxy Note IIだけだが、他の機種でもなんとか作動させる非公式な方法が存在する。

一方でHomeのiOS版の登場を待ち望んでいたユーザーには悪い知らせがあった。オンドレイカによれば「Chat HeadsはiOSの Facebookアプリに次回のアップデートで追加されるが、Homeそのものについては、当分iOS版が公開される予定はない」ということだ。

〔日本版〕Facebook HomeはGoogle playで日本語版が公開中。FacebookとFacebookメッセンジャー最新版が必要。

Homeを起動すると「ホーム選択」窓がポップアップするのでFacebook Homeを選ぶ。「この操作の標準として使用」にチェックを入れれば以後Homeがデフォールトで適用される。変更するには「設定」でホームを変更する。チェックを入れないとホームボタンを押すたびに「ホーム選択」が表示される(スリープからの復帰の場合は表示されない)。試用するだけなら、チェックをいれないほうが便利だろう。 

Homeを起動すると添付写真を背景に友だちの投稿が1件ずつ表示され、中央に最近の投稿5件が表示される。画面下部にユーザー本人のアバター写真の丸いボタンが表示される。長押しすると「メッセンジャー、アプリ、システム」の3つのアイコンが表示されるのでアバターをドラグして選択する。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook HomeをほとんどすべてのAndroidデバイスで動かすためのハック–SMSが送れないけど秀作

まず、知らなかった人のために言うと、昨日(米国時間4/11)は大騒動だったんだ。FacebookがFacebook HomeのランチャをGoogle Playストアに置いたんだけど、対応機種がごく限られていた。そのアプリは、機能も性能も完璧のようだったけど、でも正しい機種を持っていない人はいくらHomeを試してみたくてもだめだった。

もう一度言うよ。試してみたくてもだめだった。過去形だ。MoDaCoのファウンダPaul O’Brienが、Facebook HomeをどのAndroidデバイスでも動かせる、とっても簡単な方法を見つけた。長い話を短く言うと、彼はあるバージョンのHomeアプリにパッチを当てて、自分がロードされたデバイスをチェックしないようにした。機種不対応のエラー画面も出ない。

やるべきことはただ一つ、Androidデバイスの設定画面を出して、『セキュリティ』のところにある「提供元不明のアプリ」「提供元がPlayストアではないアプリのインストールを許可する」のところにチェックを入れる。それからFacebook Homeアプリの彼がパッチを当てたバージョンをダウンロードしてインストールする。ついでに同じく彼がパッチを当てたバージョンのFacebookアプリとFacebook Messengerアプリもダウンロード/インストールする。この二つのアプリをすでにインストールしている人は、まずそれらをアンインストールしてから、O’Brienが料理したバージョンをロードする。それは、あなたのデバイスの上でHomeが正しく動くためだ。

ここで、疑問を感じる人もいるかもしれない。メーカーがFacebookアプリをプレインストールしているデバイス(HTC Oneなど)では、そのデバイスのrootユーザになってFacebookアプリを自力で削除しないと、このパッチバージョンのHomeアプリは使えない。幸いにもほとんどの人気機種で、rootになるのは前より容易になっているが、びびりの人はまずここで宿題をやってからにしよう。

O’Brienの作品を試すために、ぼくは二つのFacebook Home非対応機…MotorolaのDroid RAZR HDとSamsungのタブレットGalaxy Note 8.0…にそれをインストールしてみた。インストールにはどちらも、2分弱しかかからなかったし、Facebook Homeはだいたいまともに動く。メッセージが出るまでに一瞬の間があるが、Facebookの新しいチャットのインタフェイスはどちらの機種にも出る。友だちが金曜の夜何をしてるかも分かる(ぼく自身は家にいて携帯電話で遊んでいる)。Homeの、スワイプして見るストリームに、友だち全員のニューズフィードのアップデートは出ないが、それは公式にサポートされている機種でも同じだ。

唯一の重要な欠陥は、どちらの機種でもMessengerアプリからSMSを送れないこと。O’Brienのバージョンを使うほとんどの人が、これにはがっくりするだろう。でも、100%完璧なハックでなくても、そのうちFacebookがAndroidの全機種に公式対応するまで、Facebook Homeに慣れておくためのアプリとしては上出来だと思う。もちろん中には、SMSができないなら要らない、という人もいるかもしれないけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook HomeのChat Headがもたらす真のマルチタスキング。今後の「標準」はここにあり!

モバイル環境においては、シングルタスク式のやり方が一般的だった。しかしFacebook Homeの登場で、Google、Yelp、地図などのアプリケーションを使いながら、オーバーレイ式のドロップダウンウィンドウでチャットができるようになる。これはデスクトップの効率性を小さなデバイスにも持ち込むことになるものだ。Homeで実現されたカバーフィードやレスポンシブデザインの完成度の高さは確かにすばらしい。しかし言ってみればそれは「当たり前」のことでもある。ところがチャットをマルチタスキング化するというのはすなわち、コンピューティングとコミュニケーションを融合するという意味で、携帯デバイスの新次元を切り開くものであると言えるだろう。

ちなみにイノベーションというのは、誰も思いつかなかったアイデアを生み出さなければならないというものでもない。問題解決のための、新たな方法を提供するものをイノベーションと称するわけだ。これまで、モバイル環境でメッセージのやり取りをする際には、コンテクストの切り替え作業が必要だった。すなわち、誰かとメッセージをやり取りするか、「あるいは」アプリケーションを使うかであったわけだ。この両者を「同時に」行うことはできなかった。AndroidもiOSも「マルチタスク」をうたってはいたが、いずれも「タスクスイッチング」であり、「同時に」作業できるわけではなかったのだ。確かに通知機能があって、他の作業をしていても送られてきたメッセージに気づくことはできた。しかし返信を行うためには作業を中断する必要があった。作業を切り替えるにあたっては、「意識の中断」も生じることになっていた。

こうしたコンテクストの切り替え作業は不自然であり、不便なものだ。私たちはしばしば、今まさにコンピュータ画面で行なっていることについてコミュニケーションを行う。たとえば画面で示される疑問に答えようとしたり、同じ資料を見ながら共通認識を持つために会話をしたり、あるいは特定の場所に道案内をしたり、何か面白いものを見つけて、それについて意見を言い合うというような形でコミュニケーションを行なっているのだ。会話している友人に細々とした物事を正確に伝えたり、複雑に絡み合った事象を説明するには、SMSないしFacebook Messenger画面と、他のアプリケーション画面を行ったり来たりしなければならなくなる。これは非常にストレスを感じることだ。スピーカーフォンモードにして音声通話をするのがベストかもしれないが、場合によってそうした方法が取れないこともある。

デジタルワールドをいろいろと見て回りながら会話をするというやり方は、モバイル時代以前には当然のことだった。デジタル以前についても、何かをしながら会話するというのは当たり前過ぎる行為だった。IRCや(TechCrunchの親会社である)AOLのインスタントメッセンジャーでも、画面を見ながら同時にチャットを行うことができていた。それがモバイル時代になってからは不可能となり、これまでは単純に画面サイズのせいで行えないのだと納得して(させられて)きた。Galaxy Note IIのような大画面ファブレットや、iPadのようなタブレットなら可能かもしれないが、スマートフォンのような画面では無理だと考えてきたわけだ。

しかしFacebookのデザイナーに、「そうではないのだ」と考える人がいたわけだ。デザインチームは、人びとの「実際の生活」の様子に注意をはらってデザインプロセスを進めている。たとえば既読通知機能なども、そうした流れから導入されたものだ。面と向かって話をしているときには、話が聞こえればそれを態度で示すものだ。Facebookメッセージにも同様の仕組みが必要であると考えたわけだ。発表当時、FacebookのProduct部門ディレクターのPeter Dengに話を聞いた。相手に読まれたかどうかを示す仕組みは絶対に必要だと考えたのだそうだ。

技術というのは、私たちの手伝いをするために存在するのです。強引にやり方を変えさせたり、複雑な手順に従わせるというようなものであってはならないと思います。たとえば私たちは、人間同士の「会話」を模するための仕組みを作りました。何千年もの間、慣れ親しんできた実際の「会話」に着目するところから始めたのです。面と向かって行う会話と同じような効果を出すことを心がけました。今回導入した既読通知機能は、今後に向けての第一歩なのです。

Facebook Homeで実現するマルチタスクチャットも、そうした流れの一環であるということができる。誰かがメッセージを送ってくれば、現在使っているアプリケーションの上に送信相手の顔アイコンがポップアップ表示される。そして送られてきたメッセージの最初の方の文字がアイコン横に表示されるようにもなっている。従来型のアプリケーションであれば、ここで送信相手の顔をタップすると、使用中のアプリケーションを閉じてFacebookメッセージ画面に遷移することとなるだろう。しかしFacebook Homeでは利用中のアプリケーションが見えるままの状態で、オーバーレイ式のメッセージウィンドウが表示されるようになるのだ。チャット画面上の顔アイコンを再度タップすると、メッセージウィンドウが小さくなって元の画面に戻ることになる。これにより、メッセージのやり取りをする際に何をやっていたか見失ってしまうようなことはなくなる。発表イベントでデモに触れてみることができた。モバイル機器を操作しながら、シームレスにメッセージ送受信が行えるのは非常に快適なエクスペリエンスだった。この仕組みならばチャットも「邪魔するもの」ではなく、「相補的なもの」として利用することができそうだ。

ここで実現しているチャットシステムこそ、他のモバイルエクスペリエンスと「同時に」楽しむことができるものだ。ただ、オーバーレイ画面を表示したままで、下に表示されている別アプリケーションをスクロールしてみたりすることができないのが残念ではある。HTC Firstの画面や、標準的なサイズのAndroidデバイスには、そうした操作を有効に行うための広さが足りないということなのだろう。しかしそれでも操作できれば便利だろうと思うのだ。最近は画面サイズが拡大する傾向にあるようなので、サイズ的な制約は今後消えていくことにもなるだろう。

Facebook Homeのハンズオンビデオを見た人や、説明を聞いた人は皆、このチャット機能に導入されたマルチタスクに拘りを見せる。「Chat Heads」(頭部のアイコンが表示されるからそう呼ぶらしい)という妙な名前ながら、機能的に大いに注目を集めているわけだ。ワシントンDCで27歳の非テック系の女性にも紹介ビデオを見てもらった。ここでも人気を集めたのはやはりChat Headだった。「欲しい」という声や「ぜひHTC Firstを買いたい」とも言っていた。

きっと、ここから新しい時代が切り拓かれていくことになるに違いない。他のアプリケーションでも同様の仕組みを実装し、あるいはさらに進化させていくに違いない。たとえばAppleのiMessageの新版が、が同様のマルチタスク機能を備えていなければ非常にがっかりすることになるだろうと思う。もちろんこれは近々の登場が噂されているGoogleの統合メッセージングシステムについても同じ事が言える。真の「マルチタスク」はもちろん、さらなる進化を見せて貰いたいと思っているのだがどうだろうか。

少なくともしばらくのうちは、このChat Headsの魅力によってFacebook Homeのダウンロード数は伸びるだろうし、HTC Firstを購入するという人もでてくることだろう。メッセージングの重要性については、改めて各開発者が再認識している段階でもある。メッセージのやり取りから、ここからさまざまなコミュニケーションが始まっているのだ。非同期のメッセージングシステムのおかげで、安心してネットから離れる時間を持つことができるようにもなっているのだ。そしてメッセージングアプリケーションはさまざまな進歩を遂げてきた。そのような中でスマートフォンが広まり、利用者としてはさらなる進歩を期待するようになってきているのだ。

Facebook Homeの今後について、少なくともしばらくのうちは注意しておくべきだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


アプリでは不十分:Facebook Homeを追ってモバイル画面の陣取り合戦が始まる理由

スマートフォンアプリの器は限られている。視聴者にコンテンツや情報を提供することはできても、あくまでもオペレーティングシステムの制約の範囲に制限される。使ってもらうためには、ユーザーをまず自社アプリまで誘導する必要があり、必然的にユーザーが自社製品「内」にいる時と「外」にいる時とがある。先週Facebookは、その区別を自分で決める意向を明確に宣言した。そして他の人々も同じことができないか探りはじめているに違いない。

Facebook Homeは、モバイル端末における物ごとの自然な順番を従来と逆転させる。ユーザーはますFacebookに入り、そこからソーシャルネットワーク「外」(ただし完全に外ではない)のAndroid本来の世界へ行き他のアプリを使うためのランチャーが利用できる。このソーシャルネットワーク会社は、Facebook Homeでは人が第一と謳っているが、実際にその背後にあるビジネス動機は、Facebookが第一だ。

Facebook HomeのしくみやAndroid OS自体の修正やアプリによる方法との違いを説明するためにFacebookが使った図(OSの基本部分とその上で動くアプリの間にサンドイッチされたレイヤーだとFacebookは言っている)は、なぜこれがFacebookにとって望ましい状況であるかを表す完璧な例だ。モバイルユーザーはデスクトップユーザーと比べて同時に複数のことを行う傾向にあり、モバイルSDKやAPIによって他社ソフトウェアとの統合が簡単になった今何をどう共有するかの選択肢も増えた。そんなユーザーからより多くの価値を引き出そうとする他社にとってもこれは好ましい状況だ。

一般に、従来のウェブモデルからモバイル第1への移行を試みる企業は産みの苦しみを経験する。特に、小さな画面とアプリ中心の環境に広告モデルを転換する方法が問題だ。Facebook Homeは当初広告を入れていないが、CEO Mark Zuckerbergは、いずれカバーフィードに広告を導入する意向を強く示した。これはFacebookのAndroidランチャーのメイン画面で広告が重要な位置を占めるようになるとことを意味している。

Androidでは、開発リソースと時間とやる気のある者なら誰でも、独自のランチャーを作り、OS本体とアプリの中間位置に入ってさまざまな方法でユーザー体験を制御できる。シェアされたり話題にしてもらいたいサービスを持つ会社なら誰でも、ユーザーの端末上に場所を確保できることによって大きな恩恵に預かることができる。Evernoteフォンはもちろん、GetGlueタブレットやTwitterフォンも、容易に想像できる。

ユーザーが自分の端末体験の大部分を一サービスやアプリメーカーに委るだろう、と企業が考えるのは少々傲慢かもしれない。だから月間アクティブユーザー10億人のFacebookならその試みが許されると感じるのかもしれない。他の小さなネットワークが同じことをやろうとするのは、さらに非常識かもしれないが、仮に十分な数のユーザーを説得してモバイル体験の鍵を渡させることができるのなら、長期的に見て初期リスクを負う価値はあるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


シンプルさの中に「狙い」を詰め込んだFacebook Home。その動きをビデオでチェック

Facebook Homeのニュースは既にご覧になったことだろう。Android上で新たなエクスペリエンスを実現するものだ。文字による説明はきっと十分だと思うので、ここではキャリアパートナーのAT&Tが公式YouTubeチャネルに公開したビデオをご紹介しようと思う。ビデオで紹介しているのはカバーフィード(Cover Feed)、通知(Notifications)、そしてChat Headsと呼ばれる機能だ。ひとつひとつが、オリジナルのAndroidにはない面白いエクスペリエンスを提供している。

いずれの機能も、結局のところ非常に単純なものではある。しかし「人との繋がり」を前面に押し出したいFacebookとして、まさ狙い通りの機能を実現していると言えるのではなかろうか。いったん導入すれば学習カーブのことなど気にする必要もない。少なくとも初期リリース版を見る限り、誰もがすぐに利用できるように、可能な限りシンプルな作りを心がけているようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook Homeの心はAndroidにあり。当分iOSにはやってこない

Facebookが、アプリを開かずすぐに友達とつながれる新しいAndroid端末用ランチャー、”Home” を発表した後、私はFacebook CEO Mark Zuckerbergに、このようなプロダクトがiOSに載ることはあるのか尋ねた。

Zuckerbergが発表イベントの冒頭で言ったように、「Android第一」の理由は明らかに、GoogleのモバイルOSが完全にオープンで、どのモバイルOSよりも自由に誰でも改造したりカスタマイズしたりできるからだ。

iOSについてZuckerbergは、同社がすでにAppleと提携関係にあり、Facebookは可能な限りOSの奥深くまで統合されていることをすぐに指摘した。現在iDeviceでは、通知画面からツイートしたりFacebookの近況をアップデートしたりできる。今回のような完全なカスタム化をAppleに受け入れさせることは難しい。またAppleは、一ソーシャルサービスがAppleユーザーの体験をそこまで支配することも望んでいない。

ともあれ、Androidユーザーが享受するレベルのカスタム化をiPhoneユーザーが欲しがる時が来れば、Facebook Homeは、長年のiDeviceユーザーが離脱する初めてのケースになるかもしれない。果たしてそれだけでAppleを動かす理由になるだろうか?すぐにはないだろうが、もしAppleが「低価格」iPhoneを計画しているのなら、iOSに柔軟性を持ち込むのはその時かもしれない。2種類のバージョンのiOSを維持するのは狂気の沙汰に思えるかもしれないが、ローエンドiPhoneのユーザーたちは、いずれ成長してAppleが提供する最上位機種を買う人々だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google曰く「Facebook HomeはAndroidのオープン性を立証するもの」。Appleの制約を示唆


Facebookの“Home”発表に対するGoogleのコメントは、短かく優しかったが、非常に多くを語っていたので、少々これを解析してみたい。本誌が以前報じたように、FacebookはAndroidを第一としたが、これはその柔軟性とカスタマイズのしやすさが理由だ。

他のプラットフォームではそうはいかない。Zuckerbergは、Windows Phoneが多少やりやすいかもしれないとも言い、AndroidとiOSの「間のどこか」だと評した。

Googleは少し前本誌にこう語った。

Androidプラットフォームは何百種類もの端末の開発を促進した。この最新デバイスは、Androidをここまで普及させたオープン性と柔軟性を立証するものだ。

この会社が最初に、同社のモバイルOSを塔載した端末が「何百」種類も存在していると言っていることに注目されたい。かつてそれは悪いことだった。断片化のためだ。今、明らかにGoogleはこれを優位性と位置づけており、消費者にとって選択肢が多いと言っている。そう、Appleよりも。

第二に、「この最新デバイス」とはHTC Firstのことで、Facebook Homeがプレインストールされており、Androidの柔軟性を示している。ここでも明らかにGoogleは、カスタマイズに関して非常に頑なライバルAppleに対してロケット弾を打ち込んでいる。Appleの考えは、ユーザーはそれを見せられるまで自分が何を欲しいか知らない、である。Facebookのような会社に、ユーザーが端末を立ち上げた後最初の体験を支配させることは、何もかも渡すことに等しい。これまたGoogleが競争優位性に挙げていることだ。

VentureBeatに向けた長い声明の中で、Googleは同時に自社製品群も強化することを明言している。

そしてこれは、Androidエコシステムの中心Google Playから、Gmail、検索、GoogleマップなどのGoogle製品と同様に、カスタマイズされたFacebook体験をダウンロードしたいユーザーにとっても朗報だ。

ここでGoogleは、検索、メール、マップといった同社の標準Androidサービスに注目を戻すことを忘れなかった。Googleは一連のFacebook騒動に嫉妬しているのか?それは全くない。これらの会社は、どちらもユーザーを獲得したいという意味ではライバルだが、ソーシャルな交流、という意味ではこれ以上ないほど別物だ。ここでGoogle+の議論はしない、あれはFacebookのライバルとして作られたわけではない。Googleが検索とメールを支配しいるのには理由がある。他社より優れた製品だからだ。

ここではFacebookとGoogle、両方が勝者だ。Facebookは専用の端末やOSを作らなくて済み、一方Googleはカスタマイズについて、消費者がそれを望んでおり、Appleにはそれができないという事実を訴え続けることができる。両社は互いを利用しており、MG Sieglerが指摘するように、奇妙な関係にある。

そう、FacebookはAppleと組み、近況アップデートやメッセージを簡単に送る方法をユーザーにもたらしたが、今日Facebook Homeを見た後では、このソーシャルネットワークにとってあれでは十分ではないことは明らかだ。モバイル端末でかなりの時間をFacebookに費やす人々は、スマートフォンを立ち上げ、Facebookアプリを探し、それを開いて通知を読むことがすぐに面倒になるだろう。ひとたびHTC FirstやFacebook Homeをインストールした他のAndroid端末を使う友達を見れば、なぜ同じことがiPhoneでできないのかを疑問に感じるだろう。

Facebook以外の会社も、自社ユーザーにカスタム版ランチャーを提供することについてこのアプローチに関心を寄せ始めるだろう。Tumblrのファウンダー・CEO、David Karpは今日のHomeイベントに来ていたが、ニューヨークに戻ったら、TumblrをテーマにしたAndroidがどんな外見と機能になるかを開発チームと話しているのではなかろうか。同じくイベントに出席したDropboxのDrew Housotonはどうだろうか。ファイル共有はモバイル体験の推進力になるのではないだろうか。どれがようかはあなたがどんなタイプのユーザーかによる。

誤解してほしくないのだが、たった今Appleが窮地に立たされているわけではない。しかし、今日のニュースを見た社内の誰かは、Facebookの後を追ってAndroid第一の戦略をとりそうになっているデベロッパーたちを取り戻す方法を考え始めているはずだ。

Facebook Homeは、ついに「Android/オープン vs iOS/クローズド」問題を主流にした。
[写真提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook Homeは殆んどの端末でGoogle検索をホーム画面から追い出す

今日(米国時間4/4)Facebook Homeが発表された直後、私はFacebookのAndroid担当技術責任者のTom Allisonと話す機会を得た。そこでは彼がHomeで気に入っている点、ベースとなるOSをどのくらい変更する必要があったか(=多くはない)、およびHomeの開発でもっとも苦労した点について話を聞いた。

特に興味深かったことの一つがこれだ。発表されたばかりのHTC Firstに内蔵されるバージョンのFacebook HomeにはGoogle検索が組み込まれているが、その他のユーザーがダウンロードするバージョンには入らないという。これがプレインストールされていない端末では、まずChromeに入って専用の検索アプリを立ち上げるか、旧ホーム画面を使う必要がある(後者は驚くほど簡単だ。下のビデオ参照)。

なぜこれが重要なのか。検索(もっと正確に言えば、検索結果に入る広告)はGogleのビジネスモデルにとって極めて大きい部分を占めている。ホーム画面に検索ボタンがあれば、検索は衝動的に行われその結果検索の量が増える。もしFacebookが、望み通りにこれを多くの端末に載せることができれば、Googleが検索によってAndroidから得る収益を多少なりとも減らすことになるかもしれない。

ホーム画面に関していえば、もしFacebook Homeをインストールしてみたいが、元のホーム画面(SamsungのTouchWizであれHTCのSenseであれ、Android標準のホーム画面であれ)やそのウィジェットを使い続けたいという人も心配は無用だ。以前Galaxy Note 2でFacebook Homeが動いているのを見た時、2つのホーム画面が共存しているデモを見た。設定画面をいじったりスイッチを切り換えたり端末をリセットする必要はなく、アプリドロワーに隠れているMore…ボタンをタップするだけでよい。その後端末のホームキーを押すと、再びFacebook Homeに戻る。

(ひどい音声で申し訳ない。混雑した部屋にいた上に私のiPhoneが怖がって耳をふさいでいたようだ)

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(翻訳:Nob Takahashi)


ザッカーバーグが発表したAndroidランチャーFacebook Homeの4つのメリット

今日(米国時間4/5)のFacebook のイベントで“発表されたHome on Androidはまさにその名のとおり、AndroidスマートフォンにFacebookの新しいホームを提供する。本質的には高度にカスタマイズされたAndroidランチャーで、Facebookのさまざまな機能をAndroidのユーザー体験のすみずみにまで行き渡らせている。ほとんどの場合、ユーザーはFacebookの専用アプリを起動する必要がない。通常のAndroidとはまったく異なったユーザー体験となる。ここではそのうちもっとも重要と思われる4点を紹介しよう。

1. カバー・フィードは人が主役

Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグはイベントで、「Facebook Homeプロジェクトは、デバイスをアプリの回りに作るのではなく、人間の回りに作ることにしたらどうかというアイディアから始まった」と述べた。Homeはまず友達とのつながりをベースとしたカバー・フィード・スクリーンから始まる。

フィードスクリーンには1回に1つのテーマを表示する。テキスト投稿やコメントに加えて画像がフルスクリーンで表示され、友だちが今何をしているのかリアルタイムで知ることができる。

ニュースフィードをそのまま流すのではなく、1回に1人の友だちに絞って表示するというのはエレガントなアイディアだ。通常のソーシャルフィードに混じる騒々しい雑音が押さえられることになるだろう。「人を中心にデザインした」と主張することは簡単だが、文字通り人をテーマにしたインタフェースを作り上げたことには感心せざるをえない。

2. Chat headsはiMessageの強化版

Chat headsというのは妙な名前だが、実用性は十分だ。ユーザーはさまざまなアプリを使いながら連続してチャットすることができる。チャット自体はデバイス組み込みの標準アプリでもFacebookアプリのチャット機能を使ってもよい。会話はユーザーが現在開いている画面の上にオーバーレイで表示される。チャットを始めるために他のアプリを閉じる必要がない。

これはモバイル・メッセージ・システムとして非常にスマートなやり方だし、考えてみればどうして今まで誰もこういうチャット機能を実装しなかったのか不思議なほどだ。本番でもChatheadsという名前になるのかどうかわからないが(良い名前とは思えない)、非常に役に立つサービスであり、WhatsApp、LINEといったメッセージ・サービスに対する有力なライバルとなるだろう。

3. アップデートは毎月

Facebookは大胆にもFacebook Homeを毎月アップデートすると宣言した。ユーザーはいつ新機能が追加されるのかあらかじめ日時を知ることができる。ユーザーにとってはさほど重要性のない話だが、こうした約束ができるのはFacebookならではだ。とくに多機種のAndroidでの作動の確認にはかなり手間がかかり、厳しい作業になるかもしれない。問題点の修正や新機能の追加についてユーザーにはまったく情報が流れてこないのが普通だから、毎月必ずアップデートがあるという約束はやはり心強い。

4. 通知

標準のAndroidには強力な通知システムがなかった。Facebook Homeはこの点でも大きな改良だ。カバー・フィードにポップアップで重要な通知が表示される。HomeはFacebookからの通知だけでなく、他のアプリからの通知も処理する。ユーザーはコンテンツのアップデートをリアルタイムで知ることができる。

Facebook HomeはAndroidをフォークした別バージョンではない。あくまでもアプリのランチャーだが、それとして現在最高のできばえといえる。Facebookのヘビーユーザーには非常に魅力的だ。GoogleのAndroidOSの改良にはデバイス・メーカー、デベロッパーがこぞって手を染めてきたが、Facebook Homeは周到に考え抜かれたアプローチを取っている。過去につまらないランチャーをインストールして嫌気がさしたことがあるユーザーにも使ってみる気を起こさせると思う。

〔関連記事:Facebook Home、4月12日よりPlay Storeにて提供開始予定(米国情報)

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook Home、4月12日よりPlay Storeにて提供開始予定(米国情報)

Facebookフォンに関わるイベントにおいて、FacebookはFacebook Homeのアナウンスを行った。ホームスクリーンを改変して、そこでさまざまな機能を提供しようとするアプリケーションだ。Playストアに登場するのは4月12日の予定で、これから毎月、種々のアップデートを行なっていく予定だとのこと。

タブレットについては現在開発中で、「数ヶ月」のうちに提供される予定なのだそうだ。Androidタブレットを使っている人は、数ヶ月のうちにFacebook Homeが利用できるようになる予定ながら、まだFacebook版は「開発途上」であるとのことだ。

「タブレット上でのFacebook Homeは非常に便利なものになると思います」と、Facebookの関係者は述べている。HTCと共同でFacebookフォンをリリースするが、戦略的にはPlay Station上でFacebook Homeをリリースすることこそ必要なことであると考えているようだ。

「Androidはオープンな環境であることが非常な魅力です」と、Homeリリース前にZuckerbergが言っていた。「Facebook Homeを利用するにあたって、特殊なAndroid OSを用意して頂く必要はありません」とも述べている。Facebookは、多くのAndroid利用者がそのまま利用できる形で提供することこそ重要なのだと考えているのだろう。

但し、Facebook Homeはまず特定のデバイスにのみ対応することになる。機能的にハードウェアメーカーとのすり合わせが必要となる部分があるためだ。まず対応するのはHTC One、HTC One X1、Samsung Galaxy SIII、Samsung Galaxy S4、そしてSamsung Galaxy Note IIということになる。現在のところ、Facebookとの間で調整ができているのがSamsungとHTCであるということなのだと思われる。

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(翻訳:Maeda, H)