Instagramは、テクノロジーの「心の窓」

今日(米国時間6/20)Instagramは、同社の真の目的を表す新たなミッションステートメントを公表した。本来写真やビデオは、自慢したり「いいね!」をつけてもらうためにシェアするものではない。シェアするのは自分の目で見たものを人に見てもらうためだ。Facebookの使命は「世界をもっとオープンでつながったものにする」こと。今Instagramは、ビデオ機能の公開と併せて、独自のモットーを発表した:「世界の瞬間をとらえてシェアする」

言葉は新しいかもしれないが、目標はこれまでと変わっていない。

Facebookが近況ステータスを始めた時のことを思いだす。親しい友達を聴衆に、そこは私のフィーリングの場になった。この機能が公開されてから数ヶ月後に書いた私の初期のアップデートがこれだ。「Josh Constineは眠って夢を見ている」。この言葉は未来の可能性にワクワクしている大学4年生のフィーリングをとらえていた。もしそれで空想と不可能の海の中に私の心をまち散らせるのなら、眠りたかった。さもなければ生きるべき人生が多すぎる。あれは私を知らない人には何の意味も持たない言葉だった。

Twitterは、始めてから何年かたつまでなかなか本気になれなかった。一時期私は、山ほどの「ソーシャルメディアのヒント」へのリンクを書きまくった。自分の行動をとりとめもなく話した。しかし、ある日気が付いた。内に秘めた私の大胆な物思いは、もはや内に秘めておく必要がない。Facebookの標準なら書き込みは1日1回かもしれないが、ツイートは制限する必要がなかった。自分の思いを世界にシェアすることができた。ありのまま、ノーカットで。みんなが私を知っている必要はない。ただ、一緒に知ろうとするだけでよかった。

しかし私にとってソーシャルメディアで一番の「ユリーカ」の瞬間が来たのは、夕暮れのゴールデンゲート公園を歩いている時だった。目の前に、クリームのような夕焼け雲が池に写っている。それはあまりにも美しく、ひとり占めにするころがわがままだと感じた。自分が見ているものを友達全員に見てもらいたかった。

しかしフォトグラファーでは私には、当時の使えないiPhoneカメラしかなかった。その1コマにはその場を伝える活気も感情もなかった。しかし、Instagramのフィルターを使えば、私がカメラで捕えたものにあの瞬間のエッセンスを再び吹き込める。そして時と共に、この機能を中心にして育ったコミュニティーが広まっていく。

これが、InstagramにFacebook、Twitterと並べて語られる価値がある理由だ。それは個人認証プロバイダーでも、リアルタイムウェブの中核でもない。しかしそれは、たとえどんなに離れていても、誰かに自分の隣に立っている気分を味あわせることのできる最も鮮明な方法だ。もしFacebookが心臓なら、Twitterは頭、そしてInstagramは目。目は心の窓である。

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(翻訳:Nob Takahashi)


どこがどう違う?―InstagramビデオとTwitterのVineを詳細比較

Instagramは先ほどのプレスイベントで15秒のビデオ機能を発表した。 Instagramお得意のフィルターに加えてアプリにはイメージ・スタビライザーを内蔵しており、ある程度の編集も可能だ

これはTwitterのVineにどんな影響を与えるだろう? 両者の違いは? 2つのプラットフォームを詳しく比較してみよう。

撮影

まず長さが違う。

Vineのビデオは最長6.5秒だ。TwitterとVineの開発チームはこの長さに決定するまでに多大な調査研究を行ったという。ビデオの制作者はこの短いビデオで一つのストーリーを作るためにクリエーティブに考えることを要求される。いかにもTwitterらしいアプローチだ。これに対してInstagramビデオは15秒だ。Vineに比べて2倍以上長く、制作者にとってはだいぶ余裕がある。

Instagramは編集できる。

どちらのプラットフォームも個別のクリップを複数つないでいくことができる。しかしInstagramビデオの場合は、最後に撮影したクリップを削除することができる。ただし最後から2番目のクリップを削除したいと思ったら、まず最後のクリップを削除しなければならない。つまりユーザーはその時点で最後に最後に撮影したクリップだけを削除できる。

これに対してVineは全体を削除してやり直す以外、まったく編集できない。 しかしVine側では最近、複数の作品候補を作れるようになると予告しているので、Vineももう少し自由度が増すようだ。

VineもInstagramも既存のビデオのインポートはできない。あくまでアプリ内で撮影することが要求される。ただし両者とも撮影されたビデオはただちにカメラ・ロールに保存される、後日の利用が可能だ。どちらのプラットフォームも自由にフロント・カメラへ切り替えることができる。

Instagramはフィルターを内蔵している。ビデオと写真で共通に利用できる新しいフィルターが13種類追加された。Vineにはフィルターはなく、近い将来提供される可能性も低いだろう。

プレスイベントで会場から驚きの声が上がったのが Instagramビデオ・アプリの画像安定化機能だった。ソフトウェア方式の画像スタビライザーで、 画面の揺れを相殺する方向に画面をトリミングするため画質は多少犠牲になる。しかしInstagramが想定するカジュアルな利用法からすればほとんど問題にならないだろう。今のところVineにはこのような機能は知られていない。

共有

制作されたビデオの共有オプションではInstagramの方がVineよりやや範囲が広い。Vineの共有先はFacebookとTwitterのみだが、InstagramビデオはFacebook、Twitter、Tumblr、Flickr、foursquareに投稿でき、メールでも共有できる。〔Vineビデオにはサードパーティーサイトへのエンベッド機能があるが、Instagramビデオにはない。〕

どちらのプラットフォームでも制作者は位置情報を含めることができる。ただしInstagramには「フォトマップ」機能があり、ユーザーが地図からビデオを選ぶことができる。

再生

ビデオも写真と同様に正方形なのでInstagramのストリームの見た目は基本的に変わらない。どちらのプラットフォームもビデオは自動再生される。ただしInstagramの場合は再生開始までに2秒のバッファリング時間がある。Vineの方が再生開始は早い。

もう一つ大きな違いは、Vineのビデオは自動的にループするが、Instagramビデオは再生後停止する。Vineのビデオの見た目はGIFに近い。Instagramのビデオはもっと伝統的なビデオ・クリップに近いようだ。

さて?

この2つのプラットフォームの市場での競争の結果がどうなるか注目だ。いずれにせよ、Vineに加えて今度はInstagramのビデオがインターネットに大量に溢れることになる。大きなカップにポップコーンを用意して楽しもう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+