Facebook、eコマース機能を着々強化中―巨大ショッピング・ポータルが出現?

オンラインでショッピングするのが「いいね!」をするのと同じくらい簡単になったらどうだろう? たぶんわれわれはそのサイトでずいぶんたくさん買い物をすることになるだろう。そういうショッピング・ポータルになることに成功したサービスは単に手数料を稼げるだけではない。人々が何を買うかに絶大な影響力を振るえることになる。eコマースに関するFacebookの最近の動きはそのような方向を示唆しているかもしれない。

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Facebookは2014年のF8カンファレンスで eコマースをスピードアップすることを目標の一つに揚げた。

先月、Facebookはメッセンジャー内に支払い機能を導入した〔現在アメリカのみ〕。メッセージのスレッドに表示される“$”ボタンをクリックして金額を入力するだけでその金額が即座に友達に送金される。

便利な機能だが、これは手始めにすぎないと見るべきだろう。

このメッセンジャー送金機能で、Facebookはデビットカードとユーザーのアカウントを結びつけた。重要なのはクレジットカードやPayPalなどの従来の支払い手段と異なり、デビットカードではFacebookは一切手数料を取らないという点だ。パスコードによる保護や送金履歴などセキュリティー対策も十分に行われている。

Facebookはこの迅速・無料の送金手段を向こう数年の間に事業の新たな柱に据えていくだろう。.

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小売ビジネスも新たなチャンネルを熱望している

最近、Facebookはマーチャントとの関係の強化をはかっている。これまでのようにマーチャントを外部の企業として扱うというより、むしろFaceookの人間のユーザーに近い扱いをするようになってきた。

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Facebookは2014年にAuto-Fill機能を公開した。これはパートナーサイトでショッピングするときにAuto-Fillをボタンをクリックすると住所、氏名、支払情報などがFacebookのユーザー情報を利用して自動的に書き込まれるというもので、ユーザーは長々しい入力をしないですむ。

FacebookはまたBuyボタンの実験を行っている。これはFacebookを離れることなく、ニュースフィードに表示された広告から直接ショッピングができるというものだ。

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今年2月にFacebookはeコマース向けに新しくプロダクト・広告を提供し始めた。これまでの広告ではマーチャント全体か単一の商品しか広告できなかったのに対して、新しい広告ユニットでは複数のプロダクトを一度に広告できる。

またFacebookは先月、カスタマイズ可能なショッピング検索エンジンのTheFindを買収した。これによってFacebookはユーザーがどんなプロダクトに興味を持っているかより正確に知ることができるようになり、広告ターゲティングの精度向上に役立つはずだ。たとえばヒッピー的ライフスタイルに興味を示すユーザーにはヨガマットの広告が効果的だろう。

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Facebookの新しい複数プロダクト一括広告

そして数週間前、Facebookは小売業者を人間の友達のような親しみやすい存在にするためにきわめて野心的な手を打った。ユーザーが業者にメッセージを送れるようにする計画が発表された。F8デベロッパー・カンファレンスでプレビュー版が公開されたMessenger For Businessでは 、ユーザーはメッセンジャーを通じてショップに注文したり、発送の通知を受け取ったりできる。またメッセンジャーでさまざまなカスタマー・サポートを受けられる。

これらの動きはFacebookが総合的なショッピングポータルに一歩一歩近づいていることを示すものだ。

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ゼロフリクションのeコマースを目指して

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そしてさらに重要なのは、最初に述べたメッセンジャー内でのデビット・カードによる支払いとeコマースが統合されたらどうなるかという点だ。

上で見てきたように、Facebookはユーザーに代わってサードパーティーに対し支払いの認証を行い、ユーザー情報を入力する能力をすでに備えている。ユーザーは住所、氏名、電話番号、。クレジットカード番号等々を入力する必要がない。発注確認、レシート、発送ずみ通知、注文キャンセル、クレームなどはすべてメッセンジャーでやりとりできる。

こうなればFacebook自体が巨大なショッピング・モールになるだろう。ユーザーはFacebookを離れることなく必要なものをなんでも買えるようになる。

実現までにはそれなりの時間がかかるだろうが、Facebookがそのようなゼロ・フリクションのeコマースを提供するようになったところを想像してみよう。今までのFacebookのeコマースは次のようなステップを踏んでいた。

  1. ストア、あるいは単一のプロダクトの広告が表示される
  2. 広告をクリックし、ストアが表示されるのを待つ
  3. 商品を選ぶ
  4. 支払い情報、送り先情報などを手入力する
  5. 注文手続きを完了する
  6. メールでレシートを受け取る
  7. 変更や問い合わせがあればメールか電話を使う
  8. メールで発送ずみ通知を受け取る

それがこうなるだろう。:

  1. ユーザー向けにターゲットされた商品の広告が表示される
  2. “Buy”ボタンを押す
  3. 配送先など必要情報が自動入力され表示されるので確認ボタンを押す
  4. メッセンジャーに注文確認、レシート、発送通知などを受け取る。キャンセル、クレーム、問い合わせなどはすべてメッセンジャーから行う

このeコマースのフローは通常の物品だけでなくタクシーを呼んだりチケットを購入したりするのにも使える。F8カンファレンスに先立って私はFacebookがメッセンジャー・プラットフォームの上でサードパーティーがアプリを開発できるようにする計画についてレポートした。その後Facebookに近い情報源から、Facebookはこのプラットフォーム上で、オンデマンドタクシー・サービスのようなアプリの開発に興味を示していると聞いた。

eコマースではユーザーの手数か減れば購買量は増える。Facebookは単に広告を売るビジネスモデルからゼロフリクションのeコマースサイトへ自らを拡張していくかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookの、Messengerプラットフォーム化計画


来週のF8 デベロッパーカンファレンスで、Facebookはサードパーティーが同社のMessengerアプリを通じて新たな体験を提供する方法を発表する、と複数の情報源が伝えている。Facebookは、Messengerをもっと便利にしたいと考えている。アジアのチャットアプリ、WeChatやLineが友達とのテキストメッセージの枠を越え、プラットフォームとして成功しているのを踏まえてのことだ。

まずFacebookは、サードパーティーがMessengerを通じてコンテンツや情報を流すやり方に注目すると思われる。初期の実験の成否によって、FacebookはMessengerの実用性をさらに高めることを熟考するかもしれない。

Messengerプラットフォームが今回のF8の主要な話題になることは、あらゆる情報筋が言っているが、サードパーティーによる具体的な統合方法は不明だ。これまでWeChatやLineがやってきたことを見ると、企業によるユーザーとの直接対話やコンテンツの共有する、友達同志のコンテンツ共有の強化等、数多くの可能性がある。

Facebookは限られたパートナーとだけ、ゆっくりとスタートするだろうが、いずれ多くのデベロッパーに開放されるかもしれない。Facebookはこの件についてコメントを拒んだ。

スパムの回避

Facebookは、初期のウェブプラットフォームの良いところを再現しつつ、同じ失敗を繰り返さない方法を探っている。

Facebookの「ウェブキャンバス」はユーザーの個人情報や友達を簡単にサードパーティーに渡せることから、ゲームと共に急成長した。そして同社のオープングラフ・プロトコルは人々のFacebookプロフィールをアプリと結び付けた。いずれも人気の理由は、デベロッパーが自分に興味のあるユーザーを見つけるのに役立つからだ。それはアプリストアが混雑し競争が激化する今のモバイル時代においては極めて困難だ。

Facebookのゲームスパム(2010年頃)

問題は、ウェブプラットフォームにゲームスパムが氾藍しすぎた結果、Facebookがバイラルを抑制しなければならなくなったことだ。結局、熱中の場が携帯電話へとシフトし、Facebookが困惑してモバイルへの移行に遅れているうちに、ブームは衰えた。オープングラフは、ニュース、音楽、ビデオ等の使用をニュースフィード・ティッカーに自動配信したことによって、シェアのやりすぎだという悪評を得た。

こうした経験に基づき、Facebookはこの比較的未開のMessengerアプリにスパムが紛れ込まないよう慎重になるに違いない。

アジアの一体型チャットアプリにインスパイアされる

これまでMessengerはほぼFacebook上のみの体験だった。ウェブサイトに、ユーザーが友達に直接URLを送ることのできる“送信”ボタンを埋め込むことはできるが、それを除けばMessengerは、テキスト、音声通話、写真、ビデオ、スタンプ、ボイスクリップ、そしてお金の送受信にいたるすべてを、Facebookの独自システムを通じて提供している。

Facebookは、F8カンファレンスでMessengerに関する発表があることを私に話し、同社チャットアプリに新たなデベロッパー向け機能が加わることをほのめかしていた。また、Messengerの責任者、Daivd Marcusは、昨年Wiredに企業と顧客が直接対話する方法に興味を抱いていることを話し、貧弱な体験の原因の多くは電話の番号案内と航空会社のカスタマーサービスにあると指摘した。以前Facebookは、ユーザーがFacebookのビジネスページ管理者に個別メッセージを送るための殆ど知られなかった方法を提供していた。

Messengerのプラットフォーム化に関して、FacebookはLineとWeChatに注目したと言われている。両社は頻繁に使われるインスタントメッセージアプリをモバイルインターフェースの中心に据え、一体型ポータルとして使うパイオニアだ。Snapchatも、最近プラットフォーム・アプローチを急速に推進しているメッセージアプリだ。

Lineのプラットフォームページ

日本のメッセンジャー、Lineには「その他」タブがあり、スタンプショップ、物理的店舗で買い物ができるLine Pay、Lineのファミリーアプリやゲームの一覧などを利用できる。アプリには、自分の顔を友達に送れるスタンプメーカーや、写真共有のLine Toss、お絵描きのLine Brush、グリーティングカードを送れるLine Card、コラージュを作るLine Camera、自撮り写真を飾り付けるB612、マンガを読むためのLine WebToon等がある。

Snapchat Discover

Lineでは、公式アカウントをフォローして、ポール・マッカートニー、The Walking Dead、マンチェスター・ユナイテッド、BBCなどの有名人やエンターテイメント、ニュース機関、ブランド等から直接コンテンツを受取ることもできる。FacebookやTwitterの公式アカウントで起きている投稿の集中砲火と比べると、Line公式アカウントは、ファンとの少数高密度の直接コミュニケーションが特徴だ。

Snapchatは、Discoverページでプレミアム豪華コンテンツ戦略を追求している。Comedy Central、CNN、Vice、ESPNといった主要メディアが、Snapフォーマットの写真、記事、ビデオを挿入広告として送り込める。一方、WhatsAppは、ユーザーがWhatsAppメッセージを通じて友達にURLを送れるSendボタンをサイトに埋め込めるようにして、大量のトラフィックをメディアサイトに誘導している。

Facebookは、上記のいずれからでも着想を得ることができる。例えば、、装飾を加えた写真等のリッチコンテンツを作ってシェアするためのアプリをサードパーティーが提供できるようにする。Facebookは既に、写真にスタンプを貼って友達に送れるコンパニオンアプリとしてStickered For Messengerを提供している。

あるいはFacebookは、ユーザーが公式アカウントをフォローしたりページを訪れたりできるようにしてもよい。そうすればニュースフィードで見落とした最新情報に遅れずにすむ。電話より効果的な方法で企業と直接連絡を取る方法も提供できるだろう。もう一つの可能性は、ウェブやモバイルのコンテンツ提供者が、Messenger経由でバイラルなトラフィックを獲得する簡単な方法をFacebookが提供することだ。Facebook本体のニュースフィードに、読んだニュースをMessengerに送り込むもっと良い方法が用意されてもいい。

Facebook Stickered For Messenger

中国のWeChatプラットフォームは、よりコマース寄りだ。ユーザーはメッセージアプリを使って、映画のチケットを買ったり、タクシー料金を支払ったりできる。

Facebookの当初のMessengerプラットフォームへの取り組みは、コンテンツが中心と思われるが、サードパーティーの体験に手ごたえを感じれば、いずれネット販売にも拡大するかもしれない。つい先週、Facebookはデビットカードを追加することで友達同志がメッセンジャーを通じて送金するしくみを無料で追加した。支払いシステムを内蔵したことによって、Messengerにはすでにインターフェースがあるので、販売機能の構築は容易だろう。

中国のWeChatはアプリ内で買い物体験を提供している。 Via Benedict Evans

5億人以上のユーザーを持ち、Facebook Messengerは今や世界で最も使われているアプリの一つだ。Facebookのメインアプリが実質的にウェブサイトを小さな画面に移植しただけなのに対して、Messengerはモバイルのために作られたアプリだ。Facebookアプリがさして目的もなく気楽に眺めるものなのに対して、Messengerは行動を起こして何かを成し遂げるために作られている。世界の一部の人々にとっては、MessengerがFacebookを使う主要な方法になっている。その中のコンテンツを改善することは、ニュースフィードにかじりついていないユーザーにとっては理にかなっているかもしれない。

Facebookにとって最近のMessengerのミッションは、このアプリを「より有用に、表現を豊かに、快適に」することだと、支払い機能のプロダクトマネージャー、Steve Davidは言っている。今度は、Hacker Way 1番地の外に協力を求める時だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook Messengerには、支払い機能のコードが隠されている

FacebookのMessengerアプリは、友達同士で送金し合うしくみの準備を整えた。あとはFacebookがこの機能のスイッチを入れるだけだ。スタンフォードのコンピュータサイエンスの学生、Andrew Audeが、iOSアプリ解析ツール、Cycriptを使って撮ったスクリーンショットとビデオによる。

Messengerの支払いオプションを使うと、ユーザーは写真を送るのと同じようにメッセージでお金を送ることができる。そのためにデビットカードを登録するか、すでにFacebookに登録したカードを使える。アプリにはPINコードが導入され、支払いにかかわるセキュリティーを強化している。

FacebookがMessengerを収益化するために、少額の送金手数料を徴収するのか、この単体チャットアプリの利用を促進するために無料で提供するのかは不明だ。それは元PayPalのプレジデントで、新たにMessengerの責任者となったDavid Marcusの考え次第だ

これでFacebookがMarcusを引き抜いた理由がはっきりした。Facebook Messengerによる支払いは、Venmo、PayPal、Square Cashその他のピアツーピア送金アプリと競合する。。

FacebookのCEO、Mark Zuckerbergは同社のQ2 収支会見で、「いずれ、Messengerと支払いにはある程度重複する部分ができるだろう・・・支払い機能は、Facebook全体の成功を後押しするものであり、ユーザーがユーザー同士あるいは企業とやり取りするのにも役立つようにになる」と語った。しかし彼は、「必要な基盤作りのためにはまだ山ほど作業が残っている」のでまだ実施には時間がかかると語った。

彼は、アナリストや投資家に対して、これ[支払い機能]がすぐ来ると予想していたならFacebookの収益予測を修正するように、と促した。「もしみなさんの立てたモデルなどに、われわれがこれをやる計画が反映されているなら、修正することを強く推奨する。なぜなら、まだやらないからだ。われわれは複数年をかけて、正しいやり方を探していく」

Messengerのコードに支払い機能があることを先月最初に見つけたのは、セキュリティー研究者のJonathan Zdziarskiだった。Audeは本誌に対して、彼がCycryptを使って、自分のjailbreakしたiPhoneのMessengerアプリのコードに入り込み、支払い機能を有効にしてスクリーンショットとビデオを撮ったことを話した。FacebookにMessenger支払いについて問い合わせたところ、同社はコメントを拒んだ。

Audeはこの機能とコードをいじってみた。彼によると使い方は、ボタンを押して支払い機能を起動し、送金したい金額を入力して送るだけだという。送金取引情報は非公開で、ニュースフィード等には一切流されない。

Audeが解析したバージョンのMessenger支払いでは、デビットカードのみが利用可能で、クレジットカードや銀行口座は使えない。おそらく、デビットカードを利用した方が安上がりで認証手続きも楽だからだろう。Audeは、「デビットカードの取引でFacebookにかかる手数料は0.40~0.50ドル程度だろう。アプリには送金手数料への言及がなかったので、少なくとも当初は無料と思われる。いずれ1ドルの手数料を追加するかもしれない」と語った。しかし、それを確認する術はない。

Messengerの支払いオプションの中にPayPalをなかったが、Audeが発掘したコードの中にはPayPalについての注記があった。Facebookは、ユーザーがメインアプリでゲームまたは広告の支払い設定を行う際に、自動的に支払い方法のリストを表示する。

実際に資金が送られる方法について、Audeは私に、「送金のしくみは、まず一方の口座から引き出し、次に何かの魔法を使って受け手の口座番号とACH[自動決済機関]を割り出して振り込む。これはSquare Cashと同じだ」と言った。

今のところ支払いは個人対個人に限られるが、いずれはグループ支払いもサポートするであろうことが、コードから見てとれる:「当面は単一の支払いのみの添付をサポートする。複数支払いは将来サポートする」

Audeは、Facebookは同機能を数ヵ月以内に米国で有効にし、いずれその他の国でも公開するだろうが、このコードは早期段階の内部テストに向けたものだと考えている。一般公開までにはまだ時間がかかりそうだ。しかし、いつの日かFacebookは、外国人労働者が自国の家族へ送金する際に、10~20%に及ぶ法外な手数料を取っている送金業界に挑戦できるかもしれない。

現在メッセージングでは、Facebook/WhatsApp、Apple iMessage、TencentのWeChat、Line、KakaoTalk、Google Hangouts、Kik、楽天のViber、その他のサービスによる国際戦争が起きている。それぞれがスタンプやゲーム、コマース、ソーシャルネットワーキングなどで差別化をはかっている。

もしMessenger支払いが成功すれば、Facebookのチャットアプりを選ぶ全く新しい理由が増えることになる。友達に送金する、というのは月に何度もあることではないので、そのために専用アプリを使うのは理にかなわない。Facebookは、人々が毎日使うアプリに機能を組み込むことによって、Venmo等の専用アプリと争うつもりだ。

さらには、ピアツーピア支払いだけでなく、この機能によってFacebookはテビットカードやその他の支払い情報を集めることができる。その情報は、これもFacebookが取り組んでいる、ニュースフィードから直接Eコマース購入ができるBuyボタンにとっても非常に有用だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、数日中にチャット機能をMessengerアプリに全面的に切り替える

数日中にFacebookはiPhoneとAndroidアプリ内でのチャット機能を打ち切り、世界中のユーザーにスタンドアローンのFacebook Messengerアプリの利用を要求することになる。Facebookはさる4月にヨーロッパのユーザーに対してMessengerアプリのダウンロードを求め始めていた。ただし、デスクトップ、モバイル・ウェブ、iPad、フィーチャーフォン、Windows Phone、Paperでは従来どおり、FacebookサイトないしメインのFacebookアプリ内からチャットができる。

これまでユーザーはスマートフォンのFacebookアプリのメッセージ・タブからチャットするか、Messengerアプリをダウンロードし、メインアプリのメッセージ・タブは単に通知用にして、Messengerアプリに切り替えて実際のチャットを行うか選ぶことができた。

しかし、数日中に、iPhoneとAndroidのユーザーは選択の自由を失う。Messengerをダウンロードするよう促す通知を何度か受け取った後で、メイン・アプリ内のチャットは機能を停止するはずだ。またFacebookはユーザーにこの変更を説明するメールを送っている。

上の写真のようなMessengerへの切り替えを告げる時計をかざしたラッコはかわいらしいが、一部のユーザーは不満を感じるだろう。

メディアの注目を集めることを嫌ってか、Facebookはこの変更について公式ブログに記事を掲載せずユーザーに直接通知するという方法を選んでいる。私の取材に対してFacebookは次のように回答してきた。

ここ数日の間、われわれはユーザーに対し「Facebookメッセージを送受するにはMessengerアプリをダウンロードすることが必要になる」と通知を続ける。この変更によって、われわれはメッセージの改良に関する努力をMessengerアプリ一つに絞ると同時に、複数のメッセージ・アプリが存在することによるユーザー体験の混乱に終止符を打つ。Messengerアプリはすでに月間で2億人のユーザーによって利用されている。

Facebookはメインのアプリ内のメッセージタブを廃止し、その代わりに画面下部にMessengerアプリへのショートカットを設ける(左画面)。Messengerアプリのトップのバーをタップするとメインのアプリに戻る(右画面)。

この変更の理由は論理的ではあるが、ユーザーのすべてが納得はしないだろう。2つのアプリをインストールしてして使いわけるのを嫌う人々もいるだろう。またユーザーが何をしていてもチャットヘッドがポップアップする方式では、他の作業をしながらチャットができたので、専用アプリを起動する新たな方式はかえって不便になったと感じるユーザーもいるだろう。

しかしFacebookによれば、専用のMessengerアプリを利用することによってユーザーの送受するグループメッセージ、写真、ビデオ、スタンプ、音声クリップの数はいずれも大きく上昇したという。つまり専用アプリのユーザー体験の方が快適だということになるのだろう。専用アプリはすでに2億人が利用して毎日120億通のメッセージがやりとりされているという。Facebookとしてメッセージを専用アプリに一本化することで開発努力を大いに効率化できる。、

下のビデオではMessengerのデザイナーが新方式の必要性を説明し、作動のデモを行っている。

実際Messengerアプリはメイン・アプリ内のメッセージタブより使いやすい。またここ数ヶ月で機能が大いに改良されている。最近、カメラで録画した動画や自撮り写真の共有機能やSnapchat風の写真やビデオを簡単にやりとりできるボタンを追加した。Foursquareが普及を試みているが評判のよくないチェックイン・アプリのSwarmとは違ってMessengerは安定した高機能のアプリに仕上がっている。

しばらくすればユーザーも新方式に慣れ、Messengerの使用を受け入れることになるかもしれない。 そうなればCEOのマーク・ザッカーバーグがすでに語っているように、Messengerを支払い手段にすることでマネタイズを図ることもできるだろう。

しかしやはり今回の変更は「Facebookのやり方は強引だ」という反発を招く可能性はある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook MessengerがやっとiPadに登場―マネタイズ開始も近い?

FacebookがBelugaを買収してスマートフォン向けチャットアプリのMessengerをリリースしてから3年になる。今日(米国時間7/3)、やっとiPhoneアプリを拡大しただけではないiPad専用Messengerアプリが登場した。iPad版にはスレッドのリストと現在のスレッドを並行して表示するマルチウィンドウ機能が備わっている。Messengerには4月の時点で2億人以上のユーザーがいるが、これでiPadの広い画面でメッセーjジがやりとりできるようになった。

Messenger for iPadにはスタンプ、グループチャット、VoIP通話などiPhone版Messengerのほとんどの機能がある。わずかに欠けているのは最近追加された2画面自撮りカメラ長押しでビデオ撮影の機能だけだ。Androidタブレット版についての計画は明らかにされていない。

FacebookとMessengerの双方をiPadにインストールすれば、Facebookのメッセージ・ボタンをタップするだけでMessengerアプリに切り替わる。Messengerの画面トップのバーをタップすればFacebookに戻る。〔日本版:日本版のMessenger v7.0ではそのようになっていないようだ。〕

Messengerがサポートするデバイスを増やすことはSMSを改革してモバイル・チャット分野でも優位性を確立しようとするFacebookの長期戦略にとって重要なテーマだ。Facebookといえばニュースフィードとプロフィールを思い浮かべるのが普通だが、多くのユーザーは一般公開されたコンテンツを毎日丁寧に読むわけではない。むしろ特定のユーザー間の直接のメッセージのやりとりがユーザーの日常生活にとって重要な役割を果たすようになっている。

またメッセージはユーザーのソーシャル・グラフに深く関わっており、ソーシャル・ネットワーク活動そのものといえる。そのためFacebookはこの分野で優位に立つために全力を挙げている。実際チャットはそれ自身で巨大なソーシャルネットワークをいくつも生み出している。これがFacebookが190億ドルの巨額でWhatsAppを買収した理由だ。世界で5億人のユーザーを持つWhatsAppには、ステータスアップデート機能などを備え、単なる無料SMSアプリという以上の存在になりつつあった。Facebookがユーザーの限られたアテンションを奪われる恐れを感じたのももっともだ。

今のところFacebookはMessengerからは直接収益を上げていない。Facebookはこれをユーザーの囲い込みに利用しているようだ。サポートするデバイスが増えれば囲い込みはそれだけ有効性を増す。しかしMessengerアプリを利用した収益化の方法はいくらでも考えられるだろう。最近、FacebookはPayPalの社長、David Marcusを引き抜いて、メッセージ・プロダクト担当副社長に据えている。

この人事を発表した際、Facebookは「Marcusはこれまで数々のすばらしいプロダクトを作り上げると同時に、それらをすばらしいビジネスに育てる方法を見つけ出してきた」とコメントしているのは興味深い。これから察するに、Facebookは近くMessengerのマネタイズを図るのだろう。Lineのようにユーザーがスタンプを購入したり、自分のデザインしたスタンプを販売してりできるようにするのもよいだろう。また、最近のLegoMinifiguresパッケージのように、大手映画スタジオ、おもちゃメーカーなどと提携してブランド・スタンプを販売することもできる。

しかしそれよりももっと大きなビジネスチャンスは、まさにMarcusの専門分野である「支払」だ。Messenger上にP2Pの支払いネットワークを作って少額の手数料を得ることもできる。現在、世界中でオンライン送金の手数料は法外に高い。海外へ送金しようとすると、送金額の1.5%から最高で20%にもなる。現在有力な送金サービスはWestern Union、MoneyGram、Telegiros、Remit2Indiaなどだが、Facebookが参入すればこうした既存サービスを打ち負かすことは可能だろう。Facebookの参入で手数料が下げれば母国の家族に継続的に送金している出稼ぎ労働者などが大きな恩恵を受けるだろう。

もちろん、iPhone/iPadはこうした労働者には高価すぎるデバイスだが、サポートされるデバイスが増え、サービスのユーザーが増えればMessengerがネットワークとしてさらに有効性を増すことになる。

〔日本版〕 記事中にも注記したが、AppStoreで公開されている日本語版Messengerはv7.0にアップデートされているものの、Facebookとの自動切り替え機能などは現在サポートされていないようだ。iPadのFacebookアプリでメッセージアイコンをタップしてもMessengerアプリは自動的に起動しない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookメッセンジャーがアップデート―自撮り写真が速攻で送れる

われわれはプライベートなコミュニケーションでも写真やビデオを使うのが好きだ。Snapchatがいい証拠だ。そこでFacebookはメッセンジャー・アプリにビデオ共有機能を追加し、カメラへのアクセスも素早くできるようにした。今日(米国時間4/28)、iOS版のアップデートが公開されたが、今週中にはAndroid版もリリースされる。

新しいメッセンジャー入力画面にはテキストだけでなく、カメラ、写真ギャラリー、ステッカー〔スタンプ〕、音声メッセージ録音のためのアイコンが並んでおり、ワンタッチでそれぞれの機能が利用できる。

Facebookではステッカーをバイラルに拡散させようとしており、誰かが送ってきたステッカーが気に入った場合はそれを長押しするとそのステッカーが属するパック全体をダウンロードすることができる。またメイン画面に常に検索バーとキーボードが表示されるのでチャットの相手を探すのが楽になった(「友達」画面では下にスワイプすると検索モードになる)。

これまでFacebook Messengerで添付できるのは写真だけで、ビデオは送れなかった。今回のアップデートでビデオの添付ができるようになったが、アプリ内での録画はまだサポートされていない。〔写真ギャラリーを開いてそこに保存された動画を選択する。長押しすると送信前にプレビューできる〕。

最近WhatsAppが発表したところによると、毎日1億本のビデオがやりとりされているという。このこともFacebookがメッセンジャー機能の強化を急いだ理由のひとつだろう。

アプリ内から即座に自撮り写真が送れる新しいシステムは親密感を高める効果が大きい。メッセージ作成画面の下部のカメラ・アイコンをタップすると、画面の半分がフロント・カメラのモニタに変わる。ここで「送信」をタップすれば即座に自撮り写真が相手に送られる〔リアカメラに切り替えることもできる〕。写真を撮ってから送る相手を選ばなければならないSnapchatよりこちらの方がずっと素早い。

新バージョンで下部にアイコンが追加されたため、テキスト入力スペースが多少犠牲になったものの、マルチメディアが速攻で使えるようになったのは大きい。Facebookの2億人のMessengerユーザーは今までよりも活発にコミュニケーションすることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebookメッセンジャー、SMSキラーの「電話番号で連絡」機能を追加。iOS、Android共

SMSを叩き自分が唯一のメッセージングアプリになるための探求を続けるFacebookは、電話番号で連絡する機能をiOS版Messengerアプリにも拡張した。この機能は、10月末に一部のAndroidユーザーでテストされ、現在は一般ドロイダー公開されている。それがiOSにもやってきた。iOS版のアップデートは現在公開中で、レイアウトの改善や起動とナビゲーションの高速化も施されている。

目的は明白だ。先月私が書いたように、Facebookは、ユーザーが電話番号は知っているがFacebook友達ではない相手に連絡を取る時、SMSに切り替えてほしくない。Facebookは、電話番号に依存するWeChatやKakaotalkなどの新興メッセージングアプリが膨大なユーザー数を獲得するのを見てきた。今回の改訂によって、彼らを追い落とすことができるだろうか。遅すぎるかもしれないが。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、モバイルメッセージに「いいね!」ボタンを追加。ワッタッチで「了解!」


「OK」、「了解」、そして大いに嫌われている “k” に、ビジュアルなデザイン変更が施された。FacebookのiOSおよびAndroidアプリのメッセージに、ワッタップでサムズアップの「いいね!」ボタンスタンプを返信するボタンがついた。これは、これまで文字が入力されていない時にはグレイだった送信ボタンに代わる、極めて機能的な追加だ。地味だが、実に満足の行く機能だと私は思っている。

Facebookに確認したところ、私が呼ぶところのこの “Like Reply”[いいね!返信]ボタンが「最新アップデートの一部」であることを認めた。しかし、「最新情報」リリースでは触れられていない。これは、Facebookが時々新しいモバイル機能を追加しながら、発表しないか何回か後のアップデートでリリースノートに書く、という常々私が抱いていた疑惑とも重なる。今、Like ReplyはiOSおよびAndroidのFacebookアプリとMessengerアプリ、さらにはm.facebook.comでも利用できるが、デスクトップにはない。

アップデート:Path 3が最初にこの機能を付けていた。数ヶ月前のアップデートで追加された。Pathのデザインではチェックマークが使われていて、これはサムズアップに比べるとずっと曖昧に感じる。ともあれFacebookがスタンプもPathのすぐ後に追加したことを考えると、速攻フォローのトレンドが起こりつつあるのかもしれない。

濃縮コミュニケーション

スタンプは、モバイルメッセージングで感情を伝えるための速くて活気ある方法として急速に普及している。しかし、通常はメニューの奥から堀り起す必要がある。一方で携帯メールは効率が第一だ。コミュニケーションの中で最もよく使われるものの一つが「肯定」だ。今言ったことに同意。賛成。しぶしぶ承諾。

そこで “k” が生まれた。1文字肯定だ。しかし、これでさえ何度かのクリックが必要だ。メッセージボックスを開き、文字をタイプし、送信する。

しかし、いいね!返信ボタンはこれを1動作でやってのける。Facebookはいいね!ボタンのサムズアップスタンプも用意していて、適切な状況ですぐに使える。Androidの明るいブルーは特に鮮やかに見える。これで節約できるのは1秒。しかし、あなたを含む誰もが何百回も1秒節約すれば、かける毎月7.5億モバイルユーザー数だ。効率化には意味がある。

以前から私はテキストメッセージにこれが欲しかった。実際には、返信に限らずテキストよりも軽量なシグナルを送るために。私はそれを “nudge”[肘などで軽く押す]と名付けた。SMSよりもさらに弱い一言だ。もし私が10分以内に迎えに行くと言って、相手が11分後に nudge を受け取ったら、外に出ておいでという意味だ。友達と飲みに行く時、多勢に連絡したかったら?マスnudgeだ。「オレと飲みに行かない?寂しいから」よりもずっと煩わしくない。

これは、私の夢である〈明白に解釈可能なバイナリー・コミュニケーション〉への楽しみな第一歩だ。今度Facebookメッセージで何かにOKする時には、ぜひ試してみてほしい。果たしてこれが流行するかどうか注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook HomeのChat Headがもたらす真のマルチタスキング。今後の「標準」はここにあり!

モバイル環境においては、シングルタスク式のやり方が一般的だった。しかしFacebook Homeの登場で、Google、Yelp、地図などのアプリケーションを使いながら、オーバーレイ式のドロップダウンウィンドウでチャットができるようになる。これはデスクトップの効率性を小さなデバイスにも持ち込むことになるものだ。Homeで実現されたカバーフィードやレスポンシブデザインの完成度の高さは確かにすばらしい。しかし言ってみればそれは「当たり前」のことでもある。ところがチャットをマルチタスキング化するというのはすなわち、コンピューティングとコミュニケーションを融合するという意味で、携帯デバイスの新次元を切り開くものであると言えるだろう。

ちなみにイノベーションというのは、誰も思いつかなかったアイデアを生み出さなければならないというものでもない。問題解決のための、新たな方法を提供するものをイノベーションと称するわけだ。これまで、モバイル環境でメッセージのやり取りをする際には、コンテクストの切り替え作業が必要だった。すなわち、誰かとメッセージをやり取りするか、「あるいは」アプリケーションを使うかであったわけだ。この両者を「同時に」行うことはできなかった。AndroidもiOSも「マルチタスク」をうたってはいたが、いずれも「タスクスイッチング」であり、「同時に」作業できるわけではなかったのだ。確かに通知機能があって、他の作業をしていても送られてきたメッセージに気づくことはできた。しかし返信を行うためには作業を中断する必要があった。作業を切り替えるにあたっては、「意識の中断」も生じることになっていた。

こうしたコンテクストの切り替え作業は不自然であり、不便なものだ。私たちはしばしば、今まさにコンピュータ画面で行なっていることについてコミュニケーションを行う。たとえば画面で示される疑問に答えようとしたり、同じ資料を見ながら共通認識を持つために会話をしたり、あるいは特定の場所に道案内をしたり、何か面白いものを見つけて、それについて意見を言い合うというような形でコミュニケーションを行なっているのだ。会話している友人に細々とした物事を正確に伝えたり、複雑に絡み合った事象を説明するには、SMSないしFacebook Messenger画面と、他のアプリケーション画面を行ったり来たりしなければならなくなる。これは非常にストレスを感じることだ。スピーカーフォンモードにして音声通話をするのがベストかもしれないが、場合によってそうした方法が取れないこともある。

デジタルワールドをいろいろと見て回りながら会話をするというやり方は、モバイル時代以前には当然のことだった。デジタル以前についても、何かをしながら会話するというのは当たり前過ぎる行為だった。IRCや(TechCrunchの親会社である)AOLのインスタントメッセンジャーでも、画面を見ながら同時にチャットを行うことができていた。それがモバイル時代になってからは不可能となり、これまでは単純に画面サイズのせいで行えないのだと納得して(させられて)きた。Galaxy Note IIのような大画面ファブレットや、iPadのようなタブレットなら可能かもしれないが、スマートフォンのような画面では無理だと考えてきたわけだ。

しかしFacebookのデザイナーに、「そうではないのだ」と考える人がいたわけだ。デザインチームは、人びとの「実際の生活」の様子に注意をはらってデザインプロセスを進めている。たとえば既読通知機能なども、そうした流れから導入されたものだ。面と向かって話をしているときには、話が聞こえればそれを態度で示すものだ。Facebookメッセージにも同様の仕組みが必要であると考えたわけだ。発表当時、FacebookのProduct部門ディレクターのPeter Dengに話を聞いた。相手に読まれたかどうかを示す仕組みは絶対に必要だと考えたのだそうだ。

技術というのは、私たちの手伝いをするために存在するのです。強引にやり方を変えさせたり、複雑な手順に従わせるというようなものであってはならないと思います。たとえば私たちは、人間同士の「会話」を模するための仕組みを作りました。何千年もの間、慣れ親しんできた実際の「会話」に着目するところから始めたのです。面と向かって行う会話と同じような効果を出すことを心がけました。今回導入した既読通知機能は、今後に向けての第一歩なのです。

Facebook Homeで実現するマルチタスクチャットも、そうした流れの一環であるということができる。誰かがメッセージを送ってくれば、現在使っているアプリケーションの上に送信相手の顔アイコンがポップアップ表示される。そして送られてきたメッセージの最初の方の文字がアイコン横に表示されるようにもなっている。従来型のアプリケーションであれば、ここで送信相手の顔をタップすると、使用中のアプリケーションを閉じてFacebookメッセージ画面に遷移することとなるだろう。しかしFacebook Homeでは利用中のアプリケーションが見えるままの状態で、オーバーレイ式のメッセージウィンドウが表示されるようになるのだ。チャット画面上の顔アイコンを再度タップすると、メッセージウィンドウが小さくなって元の画面に戻ることになる。これにより、メッセージのやり取りをする際に何をやっていたか見失ってしまうようなことはなくなる。発表イベントでデモに触れてみることができた。モバイル機器を操作しながら、シームレスにメッセージ送受信が行えるのは非常に快適なエクスペリエンスだった。この仕組みならばチャットも「邪魔するもの」ではなく、「相補的なもの」として利用することができそうだ。

ここで実現しているチャットシステムこそ、他のモバイルエクスペリエンスと「同時に」楽しむことができるものだ。ただ、オーバーレイ画面を表示したままで、下に表示されている別アプリケーションをスクロールしてみたりすることができないのが残念ではある。HTC Firstの画面や、標準的なサイズのAndroidデバイスには、そうした操作を有効に行うための広さが足りないということなのだろう。しかしそれでも操作できれば便利だろうと思うのだ。最近は画面サイズが拡大する傾向にあるようなので、サイズ的な制約は今後消えていくことにもなるだろう。

Facebook Homeのハンズオンビデオを見た人や、説明を聞いた人は皆、このチャット機能に導入されたマルチタスクに拘りを見せる。「Chat Heads」(頭部のアイコンが表示されるからそう呼ぶらしい)という妙な名前ながら、機能的に大いに注目を集めているわけだ。ワシントンDCで27歳の非テック系の女性にも紹介ビデオを見てもらった。ここでも人気を集めたのはやはりChat Headだった。「欲しい」という声や「ぜひHTC Firstを買いたい」とも言っていた。

きっと、ここから新しい時代が切り拓かれていくことになるに違いない。他のアプリケーションでも同様の仕組みを実装し、あるいはさらに進化させていくに違いない。たとえばAppleのiMessageの新版が、が同様のマルチタスク機能を備えていなければ非常にがっかりすることになるだろうと思う。もちろんこれは近々の登場が噂されているGoogleの統合メッセージングシステムについても同じ事が言える。真の「マルチタスク」はもちろん、さらなる進化を見せて貰いたいと思っているのだがどうだろうか。

少なくともしばらくのうちは、このChat Headsの魅力によってFacebook Homeのダウンロード数は伸びるだろうし、HTC Firstを購入するという人もでてくることだろう。メッセージングの重要性については、改めて各開発者が再認識している段階でもある。メッセージのやり取りから、ここからさまざまなコミュニケーションが始まっているのだ。非同期のメッセージングシステムのおかげで、安心してネットから離れる時間を持つことができるようにもなっているのだ。そしてメッセージングアプリケーションはさまざまな進歩を遂げてきた。そのような中でスマートフォンが広まり、利用者としてはさらなる進歩を期待するようになってきているのだ。

Facebook Homeの今後について、少なくともしばらくのうちは注意しておくべきだろう。

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(翻訳:Maeda, H)