Facebook、ARメガネ開発中をあっさり認める

「そうだよ、もちろん取り組んでるよ」。LAで開かれたTechCrunchのAR/VRイベントで、私がARメガネを開発中か尋ねた時、FacebookのARのヘッドFicus Kirkpatrickはこう答えた。「ハードウェアのプロダクトを開発中で、前に進めるつもりだ…そうしたメガネを現実のものにしたいし、実現に一役買いたいと思っている」。

ARメガネの計画についてFacebookから返ってきた答えの中で今回が今までで最もクリアなものだ。そのプロダクトはFacebookにとってメーンストリームのコンピューターデバイスを所有するチャンスとなるかもしれない。

今月、FacebookはPortalスマートディスプレイという、同社のR&D特別組織Building 8のラボで生まれた初の自社ブランドガジェットをローンチした。ハードウェア開発はいま回転中だ。ARについて、Kirkpatrickは「いま発表できるプロダクトはない。しかし、ヘッドセットの将来で役割を担ってほしい、本当に注目せずにはいられない最先端の研究をしている多くの優秀な人材を抱えている」と話した。

戦いは始まっている。Magic LeapThalmic LabsのようなARスタートアップは独自開発した初のヘッドセットやメガネを発売し始めている。Microsoftは初期のHoloLensプロダクトのおかげでリーダーとみなされていて、その一方でGoogle Glassはまだ企業向けに開発が進んでいる。そしてAppleは自前のヘッドセット開発を加速させるためにAkonia HolographicsVrvanaといったARハードウェアデベロッパーを買収した。

テクノロジー面での進歩と競争はどうやらFacebookのタイムテーブルを早めたようだ。2017年4月にさかのぼるが、CEOのMark Zuckerbergは「我々は、最終的にメガネが欲しくなるということを知っている」と言い、しかし「我々はいま、欲しいと思うARメガネをつくるサイエンスやテクノロジーを持ち合わせていない。おそらく5年、あるいは7年以内だ」と説明した。彼はまた「我々は、今欲しいと思うARプロダクトをつくることはできない。だからVR構築がそうしたARメガネにつながる道となる」とも語った。FacebookのOculus部門はARメガネのポテンシャルについて広範に語ったが、同様に先のことという扱いだった。

しかし数カ月後にARメガネに関する同社の特許申請Business Insiderが見つけた。レンズにメディアを反映させるのに“二次元スキャナーがついたウェーブガイドディスプレー”を使っていると詳細が報道されている。CheddarのAlex Heath記者は、テーブルの上に置かれたチェスボードのような物体の表面にARを映しだしたり、あるいは遠隔会議のために何かに人物を映しだしたりするためのプロジェクターを使ったプロジェクトSequoiaにFacebookが取り組んでいる、とレポートしている。これらは、Facebookの中でARリサーチの段階が過ぎたことを物語っている。

先週The Informationは、FacebookのReality Lab(以前のOculusリサーチ)でカスタムARコンピューターチップをつくる、経験あるエンジニアを求める4つの求人情報を見つけた。その1週間後、OculusのチーフサイエンティストMichael AbrashはFacebookのVR会議での30分におよぶテクニカル要旨発表の最中に「いつでも買えるわけでないディスプレーテクノロジーがARには必要だ。だから我々は新たなディスプレーシステムを開発する他ない。そのシステムというのはVRを異なるレベルへともっていく可能性を有している」と手短に言及した。

しかしKirkpatrickは、FacebookのARの取り組みは単にVRヘッドセットの複合現実機能だけではないとの見方を明らかにした。「我々がたった一つのデバイスに向かっているとは思わない。また、誰もが四六時中VRに浸るReady Player 1のような将来になるとも思わない」と語った。「思うに、家で逃避的で没頭感のある体験をしたり、どこかに自分自身をトランスポートするのにVRを使ったりといった、今日のような暮らしを続けるのではないだろうか。しかし、あなたがつながっているような人々や、あなたがしていること、アプリの状態など全てが一緒に持ち運べて、外出先でも使えるようポータブルでなければならないと考えている。それが、我々がARについて考えていることだ」。

OculusのVRヘッドセットとFacebookのARメガネはソフトウェアを共有できるかもしれない。それはユーザーが馴染みやすいインターフェースをつくる一方でエンジニアリングをスピードアップするする可能性がある。「そうした全てのことが、何らかの方法でソフトウェアレベルで一点に集中するだろうと私は考えている」とKirkpatrickは語った。

FacebookのARの問題はというと、家の中にPortalのカメラを設置することについて人々が持つのと同じ、プライバシーの懸念に直面するかもしれない、ということだ。VRヘッドセットがフィクションの世界をつくる一方で、ARはユーザーの現実世界の環境についてデータを集めなければならない。これは、Facebookが家の中だけでなく我々がすること全てを監視下に置き、そのデータをターゲット広告やコンテンツレコメンデーションに使うかもしれないという懸念を引き起こすかもしれない。こうしたFacebookに特有の懸念はFacebookの一挙一動に向けられる。Magic Leapのような曇りのないクリーンなスタートアップや、Appleのようにプライバシーをしっかり管理している大企業の方が、ユーザーに使用してもらいやすいかもしれない。おそらくFacebookは、同社がARをやるに値すると人々に思わせるために、他ではできないようなことがこなせる最高クラスのガジェットを必要とするだろう。

TechCrunchセッション、AR/VRイベントin LAでのFicus Kirkpatrickのフルインタビューは以下で閲覧できる。

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebook、「広告アーカイブレポート」で政治広告費ランキングを公表

明白な理由により、Facebookは中間選挙を前に政治広告の透明性を高めようとしている。去る5月、同ソーシャルネットワークは米国内の政治広告を検索できるデータベース、Ad Archiveを導入した。このほど新たに政治広告費用を週例報告するAd Archive Report機能を追加した。

レポートはキャンペーン別のトップ広告利用者を利用額および広告掲載数と共に公開している。最初のレポートは、FacebookとInstagramで5月から10月20日の期間に掲載された広告が対象で、総額2.56億ドルが160万件の広告に消費された。

この数字にはFacebook自身による選挙の公正化および投票推進運動に関連する広告も含まれている。それ以外ではあらゆる手を尽くして戦っているテキサス州のベト・オルーク下院議員がリードしているのは驚きではないだろう。”Beto for Texas” キャンペーンはこの期間約6000件の広告に530万ドルを使った。

ドナルド・トランプの “The Trump Make America Graeat Again Committee”[トランプがアメリカを再び偉大にする委員会]が190万ドルで2位。ちなみに “Donald J. Trump for President, Inc.” [ドナルド・トランプを大統領に株式会社] は160万ドルで8位だった。これは170万ドルを使ったトム・ステイヤーの”Need to Impeach”[弾劾せよ]のすぐ下だ。こうしたキャンペーンが2020年に向けて膨れ上がっていくことは間違いない。

アーカイブには、7年前まで遡って広告が収納されている。また同サイトでは、データをアクセスするためのリサーチャー向けのAPIも提供している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの浄化と挽回を期するMessengerのデザイン変更

FacebookのMessengerがデザイン変更されたが、どこが変わったのかに気づく人は少ないだろう。この1週間テストをしてきた私でも、ほとんどわからなかった。なんとなく、閉塞感が薄れた感じがしただけだ。だからこそFacebookは、今朝(10月24日)サンフランシスコのダウンタウンにできた新しいオフィスで朝食付の記者発表イベントを開催し、30人の報道関係者を集めたのだろう。そこには、インスタ映えする「ドーナッツの壁」も用意されていた。タブの数が減り、背景はカラーグラデーションとなり、ロゴが丸くなった程度の、わずかな変更ではあるが、Facebookはこれを機に、はっきりと前向きな新しいサイクルに切り替えたいと熱望している。

古いMessengerと新しいMessenger

Facebookがグループチャット・アプリBelugaを買収して、Messengerとして提供し始めてから7年。これまで機能を増やすことだけに専念してきた。5つのナビゲーションバーのボタン、最大で9つのタブ、ストーリー、ゲーム、ビジネスと増え、Messengerの本来の目的である友だちとのチャットという意味合いがボヤケてきた感がある。「機能を追加し、また別の機能を追加し、それらが積み上がってゆきました」と、Messengerの責任者Stan Chudnovskyは話す。「このまま積み上げてゆくか、 それとも、基本に戻って新しい何かの上に、シンプルでパワフルな機能を追加できる基礎を作るか」

機能満載の古いMessenger

しかし、今すぐ古いデザインを根っこから引き抜き、大規模なオーバーホールを行うことまでは考えていない。「13億人のユーザーを怒らせずに、新しいものを立ち上げるのは不可能です」とChudnovskyは私に話してくれた。「ユーザーにとって本当に本当に大切な使い方を妨げてしまうような行動を、ユーザー自身が取らないよう、テストを重ねるには大変な時間がかかります。しかしその挙げ句、変更を喜んでくれる人はいません。現状維持を望むのが普通です」

そのようなわけでGoogleは、本日から数週間をかけて、世界中でMessengerの控えめなデザイン変更を実施してゆく。画面はシンプルになり、空白部分が増えた。重複箇所が少なくなり、カジュアルな雰囲気になった。それでは、このアプリのビフォー・アンド・アフターを解説しよう。

古いMessenger

これまでは、画面の下に5つのメインのナビゲーションボタンが並んでいた。実際に役に立つ「チャット」セクションの間に、「ストーリー」と、カオスな「ピープル」セクションがあり、電話、グループチャット、オンライン中の「友達」のタブがある。その間にカメラのボタンがあり、しきりに「ストーリー」を投稿しろと言ってくる。ビジネスとユーティリティーのアプリを探すための「ゲーム」と「発見」タブもある。

新しいMessenger

新しいMessenger V4では、ナビゲーションボタンは3つになった。カメラボタンは「ストーリー」の上の「チャット」セクションの中のチャット画面に移動した。「ピープル」にはログイン中の「友達」のリストが組み込まれ、「発見」にはゲームとビジネスが統合された。「ストーリー」は「チャット」と「ピープル」の両方に配置された。ここには、3億人のユーザーに、もっともっとSnapchatのパクリ機能を使わせようとするFacebookの魂胆が見える。

Messengerでは、毎月、ビジネスでは100億件の会話が、ゲームでは17億件の会話が交わされている。どちらも収益につながるものだが、アプリの本来の目的とは外れるため整理された。さらに、Messengerユーザーのおよそ3分の1にあたる4億人が、毎月、ビデオまたは音声での通話をしているが、これらの通話はチャットのスレッドの中からアクセスするようになっているので、Facebookは電話ボタンを全体的に廃止した。

以前ほど目立たないが、従来の機能はすべて残されている。新機能としては、チャットのスレッドに好きなカラーグラデーションを選んでカスタマイズできるというものがある。メッセージを急いでスクロールするときでも、吹き出しの中のグラデーションが確認できる。しかし、要望が多い「ダークモード」の採用は、まだ少し先になる。Facebookによれば、眩さを低減して夜間でも目に優しい画面にする機能を、数週間以内に追加するとのことだ。

もうひとつ、Messengerのロゴがソフトな感じになった。吹き出しと稲妻の模様の鋭い角が丸くなった。このデザインは、Snapchatに対抗して、Messengerは楽しくて、フレンドリーで、しかも速いということを主張しているようだ。

Messenger作戦司令室

情報漏えい、選挙妨害、フェイクニュースが元で引き起こされる暴力事件など、スキャンダルの悪循環に苦しむFacebookにとって、それはMessengerだけの問題ではない。文字通り、またいろいろな意味においてもFacebook全体の問題だ。きれいにして、反撃する。それが、元の状態に戻りたいというFacebookの願望を表している。

その点においてFacebookは、先週、ひとつの成果をあげた。数十人の記者(私も含め)を選挙対策用の「War Room」(作戦司令室)に招き、慌ただしく取材をさせ、宣伝に協力させた。今回のMessengerの発表会では、Facebookが「シンプル」という言葉を我々の頭に植え付けようとしていたため、ちょっとデジャヴュ感があった。Chudnovskyは、Facebookが5月の段階でデザイン変更の話を報道機関に流していたことも話していた。「F8でプレビューしましたが、そのときは作業に取りかかったばかりでした」

これを機に、全社をあげてインターフェイスの掃除をして欲しいと願う。Facebookのメインのアプリには、いい加減なものが多い。たとえば、あまりみんなが欲しがっていないのに、ナビゲーションバーに押し込まれたFacebook Watchだ。Messengerでは、チャットにカメラやゲームをねじ込むことを止めたが、「ストーリー」のボタンは、永遠に消えて欲しいと願う人もいるなか、2つに増えた。ユーザーに何を提示するかよりも、ユーザーが何を求めているかを考えたほうが、Facebookは世界に貢献できるはずだ。

イベント後わずか1時間でニュースを配信しようと、多くの記者はその場に残り、Facebook社内にいながらFacebookの記事を書くことになった。Chudnovskyは、このイベントは、報道を通してユーザーを教育すること以上に、ピクセル単位の細かい仕事をしてきたチームの努力を称えるためのものだと話していた。「これほどの会社で、ロゴひとつ変えるのに、どれだけの会議を開かなければならないか、おわかりでしょう」

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(翻訳:金井哲夫)

求人界のTinder「Teamable」が500万ドルを調達、Simpplerを買収

社員のソーシャルネットワークを活用した求人サービスのTeamableが、500万ドルの資金を調達した。出資したのは新たに参加したFoundation Capitalとすでに投資しているTrue VenturesとSaaStr Fund。

また同社は、Simpplerの照会エンジンとリクルートソフトウェアを買収したことも発表した。Teamableの共同ファウンダーでCEOのLaura Bilazarianは、契約条件の公表を拒んだ。

Crunchbaseによると、買収されたSimpplerはこれまでに320万ドルの株式ファンドをFoundation Capital、Greylock、Vertex Venturesらから調達している。同社は2013年に Vipul Sharmaが設立し、Teamableと同様、既存の社員ネットワークを使って求人紹介プラットフォームを作っている。Sharmaは以前Evenbriteで機械学習を担当し、LinkedInプロフィールによると「昨年Indeedのエンジニアディレクターを務めていた」。

SharmaおよびSimpplerの人員はTeamableに移籍しない。

TeamableはGmail、Facebook、GitHubその他のソーシャルネットワークを利用して社員の連絡先を収集し、リクルーターをより焦点の絞られた採用候補者と結びつける。
Teamableを利用している企業の中にはSpotifyとLyftも入っており、ネットワーク内の従業員と求職者の温かみのあるつながりを支援している。ソーシャルリクルーティングのアルゴリズムによってより効率的で多様性のある雇用が可能になる、と同社は言っている。

「求職者は今のリクルート方法を喜んでいないと思う、とBilazarianがTechCrunchに話した。「彼は履歴書を塀の向こうに投げ入れるだけで返事を聞くことがない。企業も今のやり方を望んでいないと私は思う。なぜなら、求職者は職務記述書を見て憶測するだけなので企業は正しい候補者に巡り合っていないからだ」

「企業の中のわずかな人々が世界中にスパムを送るのではなく、会社をよく知る人たちが手を差し伸べる」と彼女は言う。「Teamableは非常に精度が高い。200人と接触して一人から返事をもらうのではなく、5人に声をかけて一人を採用する。」

昨年の シリーズAで得た500万ドルを含め、Teamableの株式ファンドは総額1000万ドルになった。50名からなる同社のキャッシュフローはプラスで、顧客は200社だとBilazarianは言う。サンフランシスコおよびアルメニアのエレバンに拠点を構えるTeamableは、調達した資金を使ってチームとリクルーティングプラットフォームの拡大を進める予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculusの共同創業者、‘Rift 2’ヘッドセット開発中止を受けFacebookを退社

Oculusの共同創業者で前CEOのBrendan Iribeは今日、Facebookを退社すると発表した。TechCrunchはこの件について確認した。

詳しい関係筋がTechCrunchに明らかにしたところによると、IribeのFacebook退社は同社の次世代PCベースバーチャル・リアリティヘッドセット“Rift 2”の開発が中止となるなど、社内のバーチャル・リアリティ部門刷新によるものとのことだ。IribeはRift 2の開発を率いていた。

IribeとFacebookの役員チームは、“成長が見られなかったOculusの将来について根本的に異なった考え”を持っていた。そして、Iribeはパフォーマンスという点で“底辺への競争”には関心がなかったとされる。

Iribeは退社を今日のFacebookへの投稿で発表した。

我々が2012年7月にOculusを立ち上げてから本当に多くのことがあった。こんなに多くのことを成し遂げ、ここまでくるとは思わなかった。信じられないような6年がすぎた今、私は次に移る。

これまで我々が共に成し遂げたことを大いに誇りに思い、また感謝している。我々は史上最も素晴らしい研究・エンジニアリングチームの一つをつくりあげ、Oculus RiftとTouchで真のバーチャルプレゼンスへの最初の一歩を築き、完全に新たな産業をおこした。我々が描くこともできなかった方法で世界を変えるという革命をおこした。

我々は遠くにきたが、しかし旅はまだ始まったばかりだ。Michael Abrashは正しかった:“これらは、古き良き日々”。そしていま、次の素晴らしいコンピューティングプラットフォームと媒体の基礎を開拓するときだー最先端のものをさらに推し進めるときなのだ。 VRとARの全ての部分、特にハードウェアと基幹テクノロジーを改善する必要があるが、Oculusは世界でもベストなチームを抱えている。我々が夢みている魔法のスマートメガネを届けるにはまだ程遠いが、手の届くところにはきている。

Oculusで多くの才能ある人たちと働くことができ、Facebookでの経験は私のキャリアの中でも最も変革的なものだった。賛辞を送ったり感謝の意を述べたりするときの格言があるー“チームの努力の賜物”だ。Oculusの成功は並外れたチームの努力なしには成し得なかった。ここに私は、素晴らしい道のりを支えてくれた全ての人に心からの感謝の気持ちを伝えたい。特にMarkにはこのチーム、そしてVRとARの将来を信じてくれたことを感謝したい。

私事になるが、20年間ずっと走り続けてきて今回が初の本当の休憩となる。充電し、それを反映し、プロダクティブになるときだ。次なる章を楽しみにしている。

PCベースの次世代バーチャルリアリティプロダクト “Rift 2”のキャンセルは、Facebook幹部の関心がいかに外部PCや携帯電話への接続を必要としないオールインワン型のヘッドセットに集中しているかを物語っている。5月にOculusは199ドルのOculus Goヘッドセットをリリースし、来春ごろ399ドルのOculus Quesヘッドセットのリリースを計画していた。Facebookの広報はTechCrunchに対し、PC VRはFacebookの未来のプロダクトロードマップの一部であり、Iribeのチームがこれまで取り組んできたことの多くが未来のプロダクトにはっきりと表れるだろうと述べている。

Iribeの退社は、Facebookが買収した知名度の高いスタートアップのかなりの創業者がFacebookを去るのと重なっている。1カ月足らず前にInstagramの共同創業者のKevin SystromとMike KriegerがFacebookを去ると発表した。TechCrunchの情報では、この2人の退社は少なからず緊張が高まった結果とのことだ。WhatsAppの共同創業者Jan Koumも今年初めにFacebookを離れた。Iribeの仲間で共同創業者のPalmer Luckeyは2017年初めにFacebookをやめている。この決定については彼が下した決定ではなかった、とLuckeyは最近詳細を語っている。

Iribeは、彼が創業しCEOを務めていたOculus VRが2014年に20億ドルで買収されたあとにFacebookに移ってきた。2016年後半に行われたFacebookの組織再編で、IribeはCEO職からFacebookのPC VR部門の責任者というポジションに移されていた。

Oculus VRを共同創業する前、Iribeはソニーが2012年に3億8000万ドルで買収したGaikaiというクラウドゲーミングのスタートアップで最高製品責任者だった:その前は、2011年に3600万ドルでAutodeskに買収されたScaleformというゲーミングユーザーインターフェースツールのスタートアップを共同創業し、率いていた。

我々はIribeにコメントを求めている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebook、盗んだコンテンツのサイトをニュースフィードで降格

Facebookは、低俗なニュースパブリッシャーや他の情報源から不正に記事を転載するウェブサイトのランキングを下げる。本日(米国時間10/16)同社は、コンテンツの信憑性に関するこの新基準に加えて、クリックベイトや低俗広告満載のランディングページのサイトへのリンクを、ニュースフィードで目立たなくすることをTechCrunchだけに伝えた。これはFacebookが行ったアンケート調査と対面インタビューで、かき集めコンテンツをユーザーが嫌っているとわかったことを受けての動きだ。

不正入手された知的財産がニュースフィードで配信されにくくなれば、参照トラフィックが減り広告収入も減るので、悪党共が記事や写真やビデオを盗む動機づけがそもそもなくなる。その結果ウェブ全体でコンテンツの信憑性が改善される効果が期待できる。

そして、 最近起きたFacebookの大規模セキュリティー侵害によって2900万ユーザーが盗まれたプロィールデータが万一オンライン公開されたたときに備えて、Facebookはデータへのリンクをフィードから事実上排除するポリシーをすでに制定している。

Facebookの最新ニュースフィードポリシー変更によって降格されるタイプのサイトは、たとえばこれだ。”Latest Nigerian News” は、最近の私のTechCrunch記事を抜き取り、山のような広告で包み込んだ。

An ad-filled site that scraped my recent TechCrunch article. This site might be hit by a News Feed demotion

「当社は本日より、他サイトのコンテンツを複製、転載するだけで独自の価値を持たない低級なサイトにリンクする投稿を、ユーザーが見ることが少なくなるアップデートを公開する。これに伴い当社のパブリッシャー向けガイドラインを修正する」とFacdbookが低俗広告満載サイトの降格について書いた2017年5月の投稿への補遺書いた。Facebookは新しいガイドラインで、報道機関はコンテンツを転載する際に独自コンテンツや価値を付加しなければFacebookコミュニティーの怒りを買う、と警告するつもりだと本誌に語った。

個人的には、こうした話題に関する透明さの重要性を考えると、Facebookは元記事の更新だけでなく、新たな記事を書くべきだと私は思う。

さて、Facebookはどうやってコンテンツが盗まれたものだと決めるのか? システムはあるページのテキストコンテンツが他のあらゆるコンテンツと一致しているかどうか比較する。この一致の程度に基づいてサイトがコンテンツを盗んだかどうかを予測する。この予測値を、サイト見出しのクリックベイト加減やサイト広告の質と量と組み合わせて盗難コンテンツを決定する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookよ、本気なのか?

Facebook はビデオカメラを作っている。同社はそれを家庭に設置して、きょろきょろと落ち着きがないながらも瞬きは一切しない目玉で周囲を見回し、いくつもの耳を持つパネルに向かってユーザーが、愛する家族や友人への個人的な見解を話して欲しいと考えている。

その名はPortal。キッチンのカウンターの上やリビングルームや、友人や家族とおしゃべりをしたい場所ならどこにでも置くことができる。Portalは対象人物が動いても常に画面に収まるように追跡をして、気楽なビデオチャットが続けられるようにしてくれる。背景の雑音もカットされるので、会話がクリアーに聞こえる。気の利いた道具だが、目からウロコというほどではない。それでも便利そうではある。あなたの知っている人は、みなFacebookに登録している。または登録していたか。いずれにせよ、そうなると話が違ってくる。

いつも間が悪いFacebook

多くのユーザーがFacebookの利用を限定または縮小したいと考えている今、Facebookは家庭にその居場所を求めている。Portalは音声で起動するため、つねにキーワード(この場合はHey Portal)に聞き耳を立てている。Amazon Alexaの音声コマンドにも対応する。問題は、Alexaがつねに聞き耳を立てている機能上の性質と、隣の部屋の会話の断片まで聞き取ってしまうという悪い癖のために、すでにかなりの数のユーザーが「気味が悪い」と感じていることだ。Facebookは世界最大のソーシャルグラフを持っているのだろうが、2018年にはFacebbokの利用を抑えようとしている。増やそうとは思っていない。

FacebookはF8でPortalを発表する予定だったのだが、Cambridge Analyticaを始めとする数々のスキャンダルが持ち上がったために中止したという。大量のデータ流出事故の直後にこの製品をリリースしたことから、今出さなければ、これ以上この製品を持ちこたえることができなくなり、葬り去るよりほかになく、暗雲から抜け出すチャンスをしばらく失うことになるからだと読み取れる。FacebookのPortalは、ユーザーが毎日歩き回りながら、互いにつながれるというFacebookの新しい道を切り開くものだ。しかし、当初の出荷予定日から数カ月が経過したが、依然として最悪に間の悪い状態は続いている。

(本文は英語)

この8年間、Facebookは折あるごとに、自分たちはハードウエア企業ではなく今後もそうなるつもりは一切ないと主張してきた。
私は、5年前、あの謎多きメンローパークの記者会見で前から2列めに座っていたときのことを憶えている。記者たちは、ついに伝説のFacebook Phoneが登場するとささやきあっていた。しかし、Mark Zuckerbergが紹介したのはGraph Searchだった。2003年と比べて、市場のタイミングが改善されたかどうか、はっきと述べるのは難しい。プライバシー擁護の問題で、Facebookは警告を受けてきた。それでも、ユーザーはあまり深く考えることなく、日常的にFacebookに出入りしている。Facebook中毒を断ち切った友人は、いまだに異例な存在だ。容赦なく社会的行動に影響を与えるソーシャルメディアの分析が、日常の気楽な会話の話題になることはない。それを話し合っているのは、幻滅した技術系記者だけだ。

Facebookを信じる(か否か)

Onion紙の大見出しを飾るこのタイミングはともかく、Facebookもどうやら自覚しているようで、Portalは「プライバシーとセキュリティーを重視して作られている」と話している。さらに、いくつかの約束も明言している。

「Facebookは、みなさんのPortalによるビデオ通話を聞いたり、見たり、記録したりはしません。Portalでの会話は、あなたとあなたの相手の外に出ることはありません。また、Portalの会話は暗号化されます。そのため、あなたの会話は常に安全が保たれます」

「セキュリティーを高めるために、AI技術を利用したSmart CameraとSmart Soundは、Facebookのサーバーではなく、Portal本体の中で実行されます。Portalのカメラは顔認証を行いません。あなたが誰であるかを特定しません」

「音声で利用する他の機器と同じく、Portalは、あなたがHey Portalと言ったあとの声による命令のみをFacebookのサーバーに送ります。Portalの音声履歴は、Facebook Activity Logでいつでも消去可能です」

まともに見えるが、普通の内容だ。どの製品も、最初に動向を伺っておいて、後になって広告の蛇口を全開にしてきたFacebookのことなので、いつこれが変わるとも知れない。たとえば、Portalのカメラは顔を識別しないが、Facebookには強力な顔認証エンジンがあり、主要製品の境界線が曖昧であることでも知られている。こうした性質は、監視役がいなくなることで、さらに悪い方向に進む恐れがある。

Facebookの信頼は、標準レベルに達していない。このところ失墜した信頼を取り戻すためには、かなりのレベルでのユーザーの信頼を築かなければならない。非現実的な信頼レベルだ。そこで、新たな生きる道へと舵を切ったわけだ。

ハードウエアは難しい。Facebookはハードウエアのメーカーではないし、同社が扱っているOculusが、唯一、製造、マーケティング、そしてセキュリティーという難題に挑戦したソーシャル・アプリ以外の製品、つまりハードウエアだ。2012年、Zuckerbergは、Facebookにとってハードウエアは「いつだって間違った戦略」だと宣言した。その2年後、FacebookはOculusを買収したが、それは、初期のモバイルブームが去った後、船を失った将来のためのプラットフォームを確保しておくのが目的だった。Facebookがハードウエア企業になりたがっているサインではない。

念のため:Facebookの存在理由は、ユーザーから個人情報を抽出することにある。そのため、ビデオチャット、メッセージ、キッチンに馴染む全展望監視システムといった個人生活に密着した製品は、ユーザーのプライバシーと真逆の方向性のビジネスモデルを持つ企業に依存するのがいちばんだ。そうした企業はFacebookだけではない(Googleもだ)が、ユーザーを惑わして過度な信頼を持たせるに値するものとして、Facebookの製品は決して特別ではない。

意識調査

現在、消費者である私たちの力は限られている。Facebook、Apple、Amazon、Google、Microsoftといった一握りの巨大な技術系企業は、表面上は便利な製品を作っている。私たちは、それがどれほど便利か、その便利さと引き換えに、どれだけのプライバシーを提供できるかを決断するようになっている。これは駆け引きだ。嫌な駆け引きだ。

消費者として、それには受け入れるだけの価値がある。いちばん信用ならない企業はどこだろうか。その理由は?

もし、Facebookが、その主力製品(つまりFacebookそのもの)にたしかなセキュリティーを施すことができないとなれば、まったく異質な製品、つまり物理的な製品への実験的な進出も信頼性を失う。22億3000万人のユーザーを抱えるソフトウエア・プラットフォームのセキュリティーを確保することは、非常に難しい。そこへハードウエアを加えれば、今のその心配を複雑化させるだけだ。

安全な選択を行うために、セキュリティーの一部始終を知る必要はない。信用が力になる。自分の感覚を信じることだ。その製品が簡単なテストに合格しなかったなら、その気持を信じて、使うのを止めよう。その前に、キッチンのカウンターに置かないようにしよう。

もし、安全にウェブサイトにログインしたり、ストーリーをシェアできるという信頼感をFacebookが与えてくれないならば、つねにカウンターの上に置かれ、極めて機密性の高いデータを収集できる能力を持つスピーカーを、Facebookが我が家に持ち込むことを許せるはずがない。長くなったが、早い話が、止めておけ、ということだ。信頼すべきではない。もう、みなさんはお気づきだろうが。

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(翻訳:金井哲夫)

Facebookの3000万ユーザーの個人情報が漏洩、Facebookならこれぐらいは‘軽微’!?

Facebookが、2週間前に公表したデータ漏洩事件詳細を発表した。最初に推計された5000万ではなく3000万のユーザーが、アクセス情報をハーカーに盗まれた。ご自分について確認したい方は、Facebook’s Help Centerへ行くとよろしい。被害を受けたユーザーにはFacebookが盗まれた情報の詳細を告知し、復旧方法を教える。アクセスはされたけれど、彼らにコピー〜ダウンロードされなかった情報もあると思われるが、その詳細は開示されていない。

Facebookのプロダクトマネージャー担当VP Guy Rosenが、記者たちにこう述べている: “この件に関しては目下FBIの捜査に協力している。FBIはわれわれに、捜査の間犯人に関する情報を明かさないよう求めている”。それは、犯人による証拠隠滅を防ぐためだ。

3000万のうち1500万は、名前、電話番号、そして場合によってはメールアドレスをアクセスされている。1400万はそれプラス、履歴書的情報…ユーザー名、性別、位置、言語、既婚・未婚、宗教、出生地、現住地(本人申請)、誕生日、Facebookにアクセスしているデバイスのタイプ、学歴、職業、最近訪れたサイト10箇所、フォローしている人またはPage、最近行った検索15件、などなど…にアクセスされた。残りの100万は、情報にアクセスされていない。

Facebookのその他のアプリ、Messenger, Messenger Kids, Instagram, WhatsApp, Workplace, Pages, それらに対する支払い決済情報、サードパーティアプリ、アドバタイザー、デベロッパー、などはアクセスされていない。Facebookによると、FBIの捜査中は犯人に関する証拠を明かさないことを、Facebookは法執行当局により求められている。

Facebookによると、ハッカーは、ユーザーのプロフィールを他人の観点から見るプライバシー機能“View As”の三つのバグの組み合わせを悪用した。それによって、そのアカウントの友だちにアクセスし、40万のアカウントのアクセス情報を盗んだ。そして別の方法を使って、彼らの友だち3000万の情報を握った。

多くのデータ漏洩と違って今回のは、最初に予想されたよりも軽微だった、とみなされている。ユーザーは、ログインの再行を求められたときちょっと戸惑ったが、今はこの事故のことを忘れているようだ、という。Q3の決算報告ではFacebookのユーザー数がやや減るおそれもあるが、盗まれたデータが実際に悪用されないかぎりは、Webの至るところで日々起きているエンドレスなサイバーセキュリティエラーのノイズの中で消えてしまうだろう。そのノイズの中には、FacebookのコンペティターGoogle+の閉鎖の遠因となったデータ遺漏事件も含まれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookアカウントがハックされたかチェック――被害にあっていたらこうしておこう

Facebookでは2週間前のハッキングにより3000万人のアクセストークンがリークしたことを発表している。まず読者のアカウントが被害にあっているかどうか確かめ、被害にあっていたら対策しておこう。

  1. 次のリンクからFacebookのヘルプセンターを訪問する(ログイン状態であることが必要)  https://www.facebook.com/help/securitynotice?ref=sec.
  2. 下にスクロールして“Is my Facebook account impacted by this security issue?”という行を探す〔空行の後に大きな文字で書かれている〕。
  3. 読者のアカウントがハッキングされた3000万に含まれていたかどうかはYesまたはNoで示される。もしアカウントがハッキングされていた場合は、下のスクリーンショットのような警告がニュースフィードにも表示されるはずだ。
  4. 判定がYesだった場合、アカウントは以下のいずれかのカテゴリーのハッキングを受けている。
    A. 氏名、メールアドレス、電話番号がアクセス可能だった(1500万アカウント)。.
    B. Aのデータに加えて以下の情報がアクセス可能だった(1400万アカウント):ユーザーネーム、性別、住所、言語、交際関係、宗教、出身地、居住地、生年月日、投稿に使ったデバイスの種類、学歴、職歴、チェックインないしタグ付けされた最新の10箇所、運営するウェブサイト、フォローしている人々あるいはページ、直近の15回の検索。
    C. アクセストークンは盗まれたが、幸運にも、それを使ってアクセスされたことは一度もない(100万アカウント)。

アカウントがハックされていたとわかった場合、どうすべきか?

  1. どのカテゴリーのアカウントであってもFacebookのパスワード、クレジット情報を変更する必要はない。これらの情報がハックされた形跡はない。
  2. メールやメッセージへのスパムに注意。ハッカーが盗んだデータを不注意な企業に売り渡している可能j性がある。.
  3. フィッシングに注意。リーク情報を利用してメールを送りつけ、偽のアカウントにおびき寄せてパスワードを入力させようとするフィッシングの試みが増加する可能性がある。Facebookから送信されたように見える不審なメールがあった場合、真正なものかどうかこちらから確認できる。
  4. カテゴリーBのユーザーは経歴がアクセス可能になっていたので、口座を持っている銀行と契約している携帯電話会社に連絡してセキュリティーを強化しておこう。ハッカーは盗んだ情報を利用し、電話などで巧みに本人になりすますかもしれない。詳細な経歴を知っていれば「秘密の質問」に正しく答えるなどのソーシャルエンジニアリングが可能だ。
    ハッカーがユーザーのアカウントを盗むことができれば、本人になりすまして連絡先にスパムする、ソーシャルメディア上のハンドル名を知って企業に売るなどができる。また登録された携帯電話の番号を自分の携帯電話の番号に変更して2要素認証を破ろうとする可能性もある。「秘密の質問」や暗証番号を変更しておくのはよい考えだ〔経歴に記載されている生年月日その他の数字、テキストをパスワードや暗証番号に利用しない〕。

またFacebookのアカウントに登録中のデータをチェックし、そのすべてがそこに置かれている必要があるかどうか見直しておこう。

画像: Bill Hinton / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

  • Facebookのグループ、最大250人でチャットできるように

    かつてのAOLのチャットルームは良かった、と思っているなら、Facebookのグループとメッセンジャーの機能を組み合わせたスパム行為なしの新サービスを気にいるかもしれない。Facebookは今日から、Facebookグループのメンバー向けに特定のトピックで最大250人がチャットをかわせるサービスを徐々に展開する。最大50人が音声やビデオでチャットすることもできる。犬を飼っている人のグループでは、公園で会うことを話し合ったり、グルーミングのこつを情報交換したり、子犬が成長する写真をシェアしたりといった自然発生的なスレッドもたくさん繰り広げられる。グループのチャットは、Facebookのディスカッション機能をよりリアルタイムに、そして巻き込み型にすることができるかもしれない。これによりFacebookは他のソーシャルネットワークと最も異なる機能を強化できる。

    しかしこのサービスでは、全てのスレッドに入ってくるあらゆるメッセージをすぐに知らせるアラートが送られるようになるわけではない。ユーザーはまず、あなたが入りたいと思うかもしれないそれぞれの新しいチャットに招待するノーティフィケーションをFacebookグループから受け取る。その最初のノーティフィケーションを逃すと、アクティブなスレッドを探すためにFacebookグループにある新しいチャットのタブにいくか、新しいチャットを立ち上げることになる。もしグループチャットが手に負えないようなものになったら、書き込みやメッセンジャーゲームについてのノーティフィケーションを全てオフにすることができる。または、スレッドであなたに関する書き込みがあったときだけお知らせが届くようにすることもできる。スパムに対抗する最後の楽園として、グループの管理者はグループチャットをいつでもシャットダウンしたり、やりとりを関係者だけに制限したりすることができる。

    Facebookはこのところ、メッセンジャーとグループの機能統合策を模索していた。すでにFacebookイベントのメンバー最大250人向けにグループチャットを提供し、2016年にはメッセンジャーでパブリックディスカッション“ルーム”をテストした。そして今、すでにあるグループの延長としてのチャットの構築に落ち着いた。

    ニュースフィードで政治的な論争が展開され、そしてアルゴリズムが多くの人に訴えるような一般的なコンテンツを好むようになるにつれ、Facebook上でニッチな関心を伴うコンテンツを扱う場所が少なくなっている。これにより、Telegramのような競合他社のグループチャットが爆発的に増えている。こうした脅威に対抗しようと、WhatsAppは5月、グループチャットの管理者ツールを加えるなど改良を行なった。

    Facebookにはアクティブなグループが何千万もあり、その中での毎月のアクティブユーザーは14億人にものぼるなど、この機能は多くのユーザー利用を生み出している。グループチャットでは、ユーザーが“イベントを計画したり、直接会ってのミーティングを設定したり、さらに踏み込んだ議論を行なったり”できるとFacebookは考えている。“意義あるグループ”には5月の時点で2億人いると発表していたが、そこに10億人を呼び込むというFacebookの目標達成に、このメッセージのやりとりが貢献するかもしれない。Facebookは民衆を分極化させているという批判や懸念が広まっていることから、Facebookは、人々を集わせることができる、と示すためのさらなる方策を見つけようとしている。

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    (翻訳:Mizoguchi)

    Google Home Hub vs. Amazon Echo Show 2 vs. Facebook Portal、それぞれの特長

    カウンタートップを争う戦いが始まった。Google、Amazon、Facebookの3社がみな今月、スマートディスプレイの新製品を発表した。いずれも、IoT化される未来の家庭の中心に座ることをねらい、家族のコミュニケーションを担おうとしている。

    149ドルのGoogle Home Hubは、安くてプライバシーが保てるスマートホームコントローラーだ。

    229ドルのAmazon Echo Show 2は、Alexaを視覚化する。

    そして199ドルのFacebook Portalと349ドルのPortal+は、Smart Lensによる自動的なズームイン/アウトでチャットの話者を画面中央に捉える。

    消費者の最大の検討項目は、プライバシーの安全、ビデオチャット機能、今後のスマートホーム構想との相性、そしてお値段だ。

    • プライバシーが気になる人にとっては、GoogleのHome Hubが唯一、カメラがなくて149ドルとめちゃ安い。
    • プライバシーが気にならない人なら、FacebookのPortal+が画面がきれいでビデオチャットもできる。
    • チャット大好き人間なら、Amazon Echo Show 2がAlexaによるメッセージングとビデオチャットを提供している。電話もかけられるし、Skypeもできる。

    ブランドを選り好みしないなら、Lenovo Smart Displayはどうだろう。そのスタイリッシュなハードウェアは、10インチ1080pバージョンが249ドル、8インチ720pバージョンが199ドルだ。

    そしてオーディオファン向けには、199ドルのJBL Link Viewがある。

    これら二つはGoogleの技術を利用し、本家Googleの製品よりも早く発売された。でも私見では、今後の製品改良のピッチは、本家の方が積極的ではないだろうか。それはAmazonやFacebookの、今後のサードパーティ製品についても言える。

    下の表は、Google、Amazon、Facebookの計4製品(Facebookが2製品)の特長を詳細に比較している:

    more Google Event 2018 coverage

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    (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

    Facebook、ビデオチャット端末「Portal」でハードウェアに進出

    PortalはFacebook版のEcho Showではない。これは収束進化の一例とも言えるもので、2つの会社がそれぞれ異なる角度からハードウェアにアプローチした結果、よく似た商品にたどりついた。Facebookが解決しようとした問題はフェイスツーフェイスのコミュニケーション。ビデオチャットから他社デバイスを取り除こうとする試みだ。

    Facebook、Amazon、Googleのスマートディスプレイが似たようなところに着地したのはもちろん偶然ではない。これらのスマートディスプレイと同じく、テレカンファレンス用デバイスは事実上、立てかけられたタブレットだ。ただし、Portalのシステムは2種類のフォームファクターを採用した。

    まず標準のPotalは、Lenovoが最近発売したGoogle Assistant Smart Displayによく似ている。そしてより魅力的なPortal Plusがある。この高級モデルは15インチディスプレイ(1920 x 1080)を備え、最近のテレプレゼンスロボットを彷彿させる。ベースは固定されているが、ディスプレイの向きは縦横に回転できる。

    もちろん何よりも注目すべきは、これが最初のFacebook製家電製品であることだ。Facebookが独自ハードウェアを作るかどうかが問題になったことはない——問題は、いつ、どんな形になるのかだった。フィードやテキストチャットなどと異なり、ビデオはFacebookがソーシャルプラットフォームとしてスタンドアロン機器を作ることを正当化できる初めての理由だ。

    TechCrunchとのミーティングで、同社は この2015年の記事が同製品の原点だったと語った。記事を書いたTim Urbanは、自身の死に関する赤裸々なインフォグラフィックスを紹介した。さらに、彼が今後どれだけ両親とフェイスツーフェイスの時間を過ごせる分析し、60年代中頃と比較した。

    これは正直なところ不快な体験だ。飛行機で読んではいけない。しかし、教訓はこうだ。

    「結局、高校を卒業した時、私は親と直接会う時間の93%をすでに使い終わっていた。いまは残りの5%を楽しんでいるところだ。私たちは結末にいる。」

    わかってる、わかってる。

    Portalの誕生は、2年前のハードウェアチーム誕生に遡る。チームの最初のプロダクトマネージャーだったRafa Camargoは、当時Facebookが自社ハードウェアを本気で作ることの意味について、議論は行ったり来たりしていたと話した。

    「われわれは6ヶ月かけて、Facebookのさまざまなプラットフォームを拡張する方法を見つけようと考え、もしすべてを自社で持っていたら何ができるかというアイデアを弄り回していた」と元GoogleのCamargoがTechCrunchに言った。「そうでなければ何のためのハードウェアだろうか?」

    Portalのアイデアが最初に閃いたは1年半前のことで、FacebookはBuilding 8プロダクトチームに開発を委ねた。途中、同社はFacebook PhoneかAmazon Echo競合製品を作っているのではないかという憶測が流れた。もちろん、後者の方がずっと真実に近かった(少なくとも今のところ)。しかし、PortalとPortal Plusは、いろいろな意味で完全に独自の生き物だ。

    この製品は、予想をはるかに上回るほどビデオチャットに集中している。そして、われわれの見たデモは実に印象的だった。事実、この製品はその単一機能にあまりにも特化するあまり、それ以外に見るべき部分はほとんどない。

    たとえば、Portalは次世代のスマートホームの中心にはならない。そして、UIはかなり原始的でアプリストアは存在すらしていない。ウェブブラウザーもなく、大きな画面にも関わらずNetflixやHuluやYouTubeのビデオを見ることはできない。実際、皮肉なことに、これは消費者向けハードウェアとしては極めて稀な、Facebookフィードを見ることのできないデバイスだ。

    もちろん、ユーザーのFacebookアカウントはログインのために必要だ。標準では(さまざまなアルゴリズムを使用)Portalは5~6人までの人たちをコミュニケーションの中心として扱う。ただしこのリストはいつでも変更できる。呼び出し方法はこの種のデバイスに期待するものと概ね変わらないが、多くのチャップアプリにある大げさなUXはない。

    ビデオはフルスクリーンで、自分の側の映像は小さくオーバーレイされている。大きな特徴は、AIとカメラトリックによる人物フォーカスだ。Portalは人を認識、追跡しそれに沿ってカメラのフレーミングを移動する。

    Facebookは専門の撮影技術者の力を借りて、スムーズな移動、パンニング、ズームイン/アウト(最大10倍)を使ってできるだけ多くの人をフレームに収めるよう工夫した。カメラ移動には若干慣れが必要だが、よく出来ていて驚くほどスムーズだ。

    ビデオのもうひとつの大きな特徴は体験の共有だ。最も単純なのはSpotifyやPandoraなどの音楽アプリを使って遠方の誰かと一緒に音楽を聞くこと。再生中、曲のビジュアル情報がオーバーレイ表示され、ボリュームは会話のどちら側からも調整できる。簡単なAR体験、Instagramのフィルターや、Storytimeという愛くるしい機能もあり、物語のビジュアル要素を画面に表示しながら、読み手のためにお話のテキストをテロップに流す。

    以上はもちろんすべて初期段階にある。Facebookは約1000人のユーザーを対象に、9ヶ月ほどのプライベートトライアルでデバイスのデモを行っている。新機能のフィードバックを得ることが目的のひとつだ。スタート当初は基本的機能のみで、その後徐々に追加していくのだろう。

    ハードウェア面の情報はあまり公表されていな。Plusは1080p画面で標準型Portalは720pだ。そこそこのスピーカーと4マイクアレーを内蔵しているので、アシスタント機能の重労働はAlexaに任せることができるだろう。

    ボイスコントロールもいくつか内蔵していて「Hey Portal」がウェイクワードだが、操作は音声とタッチスクリーンとで分離している。カメラを使わないときのためのボタンスイッチとレンズキャップもある。

    この製品で最も驚くべきは(その存在自体を別として)価格かもしれない。大画面モデルが349ドル、小さい方は199ドルでEcho Showよりも20ドル安い。さらに、Portal 2台で299ドルというバンドル商品もある。このデバイスは、ユーザーをさらにつなぎとめる方法としてのハードウェアを模索するFacebookの利益を度外視した製品であることは明らかだ。

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    (翻訳:Nob Takahashi / facebook

    間もなくFacebookはMarketplaceに対して、カテゴリー化、価格提案、そしてビジュアル検索のためにAIを導入する

    Facebookは、そのFacebook Marketplace(Craigslistの競合相手)の2周年の記念日を、AIで支援された新しい機能のリリースと共に祝っている。同社によれば、それは具体的には販売を容易にするための、価格帯の提案や自動カテゴリー化機能である。また同社は、製品のお勧めをするためにAIを利用するカメラ機能をテスト中であるとも語っている(訳注:Facebook MarketplaceはメルカリやeBayのように物品を売買する仕掛けだが、日本ではまだ開始されていない)。

    しかし、価格帯の提案やカテゴリー化を自動化することは、Facebook独自のものではない。例えば今年の初めにeBayは、そのモバイルアプリに、構造化データや予測分析などの技術を使って出品作業を簡単にする機能を導入した し、Letgo(中古品売買アプリ)では一般化された価格提案も行うことが可能だ。

    Facebookの場合には、アイテムのカテゴライズを写真と説明に基いて行うことが可能で、その後売り手が選択できる価格帯の範囲(例えば50ドル〜75ドルなど)を提案するとしている。同社によれば、この自動提案機能が有効になっている場合には、売り手が出品を諦める可能性が低いということが分かったという(この機能が有効になる前は、売り手のうち9%が出品作業を諦めていたと指摘している)。


    MarketplaceとAI(Facebookの投稿より)

    Facebookはまた、AIを使用している他のいくつかの機能にもスポットを当てている。例えば売り手がアップロードした写真のライティングを自動的に改善したり、不適切なコンテンツを検出して削除するといった機能だ。

    また、AIベースではないが、同社は新たな売り手と買い手の評価についても説明している。これを使えば、ユーザーたちは経験を評価し、感想を残すことができる。

    さらに将来的には、もっと面白い機能が導入されるかもしれない。Facebookは、スマートフォンのカメラを使うことで、Marketplaceを欲しいものを見つけるためのより強力なツールへと変身させる計画をほのめかしている。たとえば、同社はそのブログ記事の中で、お気に入りのもの(例えば友人のクールなヘッドホンなど)にカメラを向けて写真を撮れば、Marketplaceが似たようなアイテムを、出品リストから探してくれるようになるだろうと書いている。

    こうしたビジュアルな検索技術は、もちろんeBayや、Pinterest、さらにはGoogleでさえ採用する(その1その2)一般的な機能だ。Facebookはここしばらくの間、それに追い付こうとしてきた。

    さらに進んで、Marketplaceに対するFacebookの計画は、Pinterestに対してより直接的に対抗するものになっている。彼らは将来的にはユーザーのホームデザインをAIを使って支援したいと語っている。例えばリビングルームの写真をアップロードすると、買うべき家具の提案を受けることができるといったものだ。家のデザインとインスピレーションは、もちろんPinterest、Houzzなどのサイトにつきもののの機能であり、最近はHutchなどの新規業者も参入している。

    とはいえ、幾つかの機能が現在欠けているとしても、Facebook Marketplaceは無視できるものではない。Facebookのサイズと影響力のおかげで(そしてユーザーにアイコンをタップし続けることを強制する、Marketplaceのしつこい赤いバッジ表示のおかげで)、いまや毎月全米の3人に1人が使うまでに成長したと同社は語っている。

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    (翻訳:sako)

    Facebook曰く:アタッカーが連携アプリにアクセスした「形跡はない」

    Facebookは、先週発見したデータ流出によってサードパーティーアプリが影響を受けた「形跡はなかった」と発表した。

    ハッカーらは、昨年Facebookが不注意から混入させた3つの脆弱性の組み合わせを利用して、少なくとも5000万ユーザーのアクセストークンを盗み出した。その他4000万ユーザーもアタックを受けた可能性がある。Facebookはこれらのトークン(ユーザーのログイン状態を保つために使用される)を無効化し、ユーザーは強制的に同サイトに再ログインさせられた。

    しかし、ログインにFacebookを利用しているサードパーティー製のアプリやサイト、サービス(Spotify、Tinder、Instagramなど)も同じく影響を受けた可能性があり、Facebookログインを使用するサービス各社は、ソーシャルネットワークの巨人に回答を求めていた。

    「当社は、先週発見したアタック期間中にインストーあるいはログインされた全サードパーティーアプリのログを解析した」とFacebookのプロダクトマネジメント担当VP、Guy Rosenが ブログ記事に書いた。「調査の結果、アタッカーがFacebookログインを使っていずれかのアプリにアクセスした形跡は現時点で見つかっていない」。

    「当社が提供している公式Facebook SDKを使用しているデベロッパーすべて——およびユーザーのアクセストークンの有効性を定期的にチェックしているデベロッパー——は、われわれがユーザーのアクセストークンをリセットした際に自動的に保護されている。

    Rosenは、全デベロッパーがFacebookの開発ツールを使っているわけではないことを認識しており、そのために「各デベロッパーが自社アプリのユーザーが影響を受けたかどうかを識別し、ログアウトさせるためのツールを開発している」と語った。

    Facebookはツールの提供時期については言及しなかった。TechCrunchは同社にコメントを求めており、回答があり次第続報の予定。

    今回の不正侵入がヨーロッパで500万ユーザーに影響をあたえたことをFacebookは認めた。当地域のプライバシー保護法は、より厳格で制裁金も高額だ。

    新たに制定された一般データ保護規則(GDPR)の下では、仮にFacebookがユーザーデータを保護する努力を怠っていたことがわかれば、欧州の規制機関はFacebookに最大16.3億ドル(前会計年度の全世界売上である407億ドルの4%)の罰金を科すことができる。

    画像提供:Getty Images

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    (翻訳:Nob Takahashi / facebook

    Facebookはユーザーの安全を確保できない

    ユーザーの個人情報保護に失敗したFacebookから、またもやの発表だ。あなたは今回、コーディングエラーにより1年以上アカウント情報が漏洩されていた5000万人のうちの1人だろうか(Facebookの情報を小出しにしていくこれまでのスタイルを考慮すると、情報流出のアカウントの数が増えることは大いにあり得る)。もし対象でなかったのなら、心配しなくてもいいーいずれFacebookが守り損ねてあなたの順番は回ってくる。Facebookはユーザーの安全を守ることはできない。

    Facebookは、ユーザーの安全とプライバシーよりもプロダクトアジェンダを優先してきたことを繰り返し証明してきた。仮にそうした証明をしていなかったとしても、Facebookの性質とスケールでは極めて個人的な情報をさらす大規模なデータ流出を回避するのはほぼ不可能に近い。

    一つには、Facebookはあまりにも巨大になりすぎて、隅から隅まで完全に安全を確保することは無理なのだ。それが証明されたのが今回のデータ流出であり、ハッカーはFacebookが展開していた機能により何百万ものユーザーアカウントにログインできるようになっていた。1年以上にもわってその状態が続いていた。

    正確には、今回の漏洩は最悪のケースのシナリオではないが、それに近い。Facebookにとっては、これ以上にアカウントがおかしなことになるということはないだろうーハッカーのアクティビティが通常のユーザーアクティビティそのままに映っていたかもしれないのだ。存在するログインを使ってのハッキングなので、ユーザーは二段階認証で通知されない。アプリをインストールする? セキュリティ設定を変更する? あなたの個人データをエクスポートする? 全てのことがハッカーにはできる。しかもかなり上手に。

    これは、Facebookがあまりにも巨大かつ複雑で、たとえ世界で最も優秀なソフトエンジニアでもってしても、実際そうしたエンジニアが働いているのだが、今回問題となったバグのような予期できない結果を回避できるほどデザインしたりコードを書いたりはできないためだ。

    少しステップを飛ばした説明のように聞こえるが、単に“テックは難しい”と言おうとしているのではない。現実的に言って、Facebookはあまりにも動いているパーツを抱えすぎていて、人が全く誤りなくそれらを動かすというのは無理なのだ。これまで漏洩が少なかったというのはFacebookの専門家にとっては勲章だ。Cambridge Analyticaのような大きなものは、コード絡みではなく判断ミスだ。

    欠陥は不可避であるばかりでなく、ハッキングコミュニティをかなり刺激するものでもある。Facebookはこれまでのところ史上最大、そして最も価値のある個人データのコレクションを持つ。これにより、ターゲットとなるのは自然なことで、いいカモというわけではないが、ハッカーは時間のあるときにスクリプトに脆弱なところを見つけ出そうとしている。

    Facebookが言うには、先週金曜日に見つかったバグはシンプルなものではなかった。ピースをつなぎ合わせ、脆弱さを生み出すという行為はコーディネートされ、また洗練されたプロセスだ。これを行なった人は専門家で、今回の作業で大きな報酬を受け取っているだろう。

    欠陥の結果はまた大きなものだった。全ての卵は同じバスケットに入っている。今回のようなたった一つの問題が、プラットフォームにあなたが入力した全てのデータを、そしてもしかすると友人があなただけに見せた全てのこともさらしてしまうことができる。それだけでなく、ごく小さなエラーでも、コードにおけるマイナーエラーの極めて特異な組み合わせにより、膨大な数の人に影響を及ぼすことがある。

    もちろん、ソーシャルエンジニアリングを少ししか行なっていないような、あるいは設計がいまひとつのウェブサイトでも、誰かがあなたのログインやパスワードを使ってアクセスするということはあり得る。これは正確にはFacebookのエラーとはならないのかもしれない。しかしFacebookがデザインした方法ー全ての個人情報を倉庫に集中させるーにより、マイナーなエラーがプライバシーの完全喪失につながることがあるかもしれないというのは紛れなもない事実だ。

    他のソーシャルプラットフォームはもっとうまくできるかもしれない、と言っているわけではない。Facebookはあなたの安全を確保する方策を持ち合わせていない、ということが今回また明らかになったと言いたいのだ。

    もしあなたのデータが盗まれていないのなら、Facebookはいずれそのデータをうっかり漏らすことになるだろう。なぜならそのデータはFacebookが持つ唯一価値あるもので、それは誰かがお金を払ってでも欲しいと思うものだからだ。

    最もデータがさらされたものとしては、Cambridge Analyticaのスキャンダルがある。これは、ゆるいアクセスコントロールで膨大な量のデータセットを誤用するという、おそらく何百も行われているオペレーションの一つだ。データを安全に管理するのがFacebookの業務だが、彼らはデータが欲しいという誰かにあげてしまった。

    ここでは、たった一つの欠陥がデータの暴露につながったということだけでなく、欠陥は二つめ、三つめと次から次に出てくるだろうということも注目するに値する。あなたがオンラインに打ち込んだ個人情報は、マジックのように簡単に取り戻すことはできない。たとえば、あなたのクレジットカードスキミングされて複製されれば、悪用のリスクは現実のものとなるが、新しいカードにすれば悪用を止められる。個人情報についても、ひとたび盗まれれば、それまで。あなたのプライバシーは不可逆的なダメージを受ける。Facebookにはそれをどうすることもできない。

    いや、それは正確ではないかもしれない。たとえば、3カ月より以前の全てのデータをサンドボックス化して、アクセスするには認証が必要、というふうにすることもできる。これだと、情報漏洩のダメージをある程度抑えられる。またこの手法ではサンドボックスに入ったデータへの広告プロフィールのアクセスを制限することにもなる。なので、何年にもわたるデータの分析に基づいて、あなたのシャドープロフィールのようなものをを構築するということにはならない。これはまた、あなたが書いたもの全てを読まず、その代わり広告のカテゴリーをあなたが自分でレポートすることにもなる。これにより、多くのプライバシー問題が解決するかもしれない。しかし、そうはならないかもしれない。これだと、収入にならないから。

    Facebookが守れないもう一つのことは、Facebook上のコンテンツだ。スパム、ボット、ヘイト、エコーチェンバーこれら全てがFacebook上でみられる。2万人を擁する強力なモデレーションチームが内容をチェックする作業にあたっているが、明らかに十分ではない。もちろん、世界の文化や法律などは複雑で、この点に関しては常に争いや不幸が伴う。できることといえば、公開されたりストリームされたりした後で不適切な部分を削除することくらいだ。

    繰り返しになるが、プラットフォームを悪用しようとする人がいるというのは、正確にはFacebookの過失ではない。究極的にはそうした輩が悪いのだ。しかしFacebookはそうした輩からあなたを守ることができない。新たにつくられる危害のカテゴリーを予防することはできないのだ。

    これについて、あなたに何ができるだろうか。何もできない。もうあなたの手に負えない。たとえあなたが今すぐFacebookをやめたとしても、あなたの個人情報はすでにリークされているかもしれず、そうだとしたらオンラン以上で増殖するのを止めることはできない。もしまだリークされていなかったとしたら、それは時間の問題となる。あなたにも、そしてFacebookもどうすることもできない。我々が、そしてFacebookもこの事実を新たな常態として受け入れれば、我々はセキュリティとプライバシーのための真の方策の模索に踏み出せる。

    イメージクレジット: Getty Images

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    (翻訳:Mizoguchi)

    Facebookデータ流出の対象EUユーザーは最大500万人、罰金は最大16.3億ドル

    先日のFacebookのデータ流出で影響を受けた5000万人のうち、EU圏内の居住者は10%以下だったことを、同地域のプライバシーを管轄するIrish Data Protection Commission(IDPC、アイルランドデータ保護委員会)がツイートした。それでもFacebookは、最大16.3億ドルの罰金を課される可能性がある。これは前会計年度の全世界売上である407億ドルの4%に相当し、Facebookがユーザーのセキュリティーを十分に保護していなかったとEUが判断した場合に適用される。

    Facebookは、IDPCのツイートへの 返信で、「当社はIrish Data Protection Commissionを含む諸機関と協力して、金曜日(米国時間9/28)に起きたセキュリティー問題の基礎データを調査している。影響を受けた可能性のあるユーザーの地域が確定でき次第、詳細情報を公表する予定である」と言った。

    金曜日午前、Facebookは関係機関および一般大衆に向けて同社が火曜日の午後に発見したデータ漏洩を通知した。ここで重要なのは、アタックから通知までが72時間以内である点で、これを過ぎると全世界売上の2%の罰金が追加される。

    今回の事件で、高度な技術をもつアタッカーらは、Facebookのプロフィール、プライバシー、およびビデオアップローダーに存在した3つのバグを組み合わせて5000万ユーザーのアクセストークンを盗み出した。このアクセストークンを使うとアタッカーはユーザーアカウントを乗っ取り、Facebook、Instagram、OculusのほかにもFacebookのログインシステムに依存する他のサービスでも本人になりすまして行動することができる。EUのGDPR法は不適切なセキュリティー対策行為に対して重い罰金を課すと脅しており、米国法よりも厳しいことで知られている。このため本捜査で発見される内容には重みがある。

    大きな疑問は、盗まれたデータは何であり、どのように悪用された可能性があるかだ。捜査当局あるいは報道機関が、データの悪質な利用、例えばCambridge Analyticaが不正入手したデータがドナルド・トランプの選挙戦略に利用されたような証拠を見つけないかぎり、一般大衆がこれをFacebookのいつものプライバシースキャンダル以上のものとして見る可能性は低い。それでも、規制のきっかけになったり、Facebookログインシステムを使うパートナーの離脱につながるかもしれないが、世界は日常的にインターネットを蝕むサイバーセキュリティー問題に鈍感になっているようだ。

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    (翻訳:Nob Takahashi / facebook

    Facebookのデータ流出は、データが悪用されない限り忘れられる

    われわれはCambridge Analyticaスキャンダルに関心を持ったが、それはトランプの当選を後押ししたかもしれなかったからだ。LocationSmartを無視したのは、たとえ携帯電話のリアルタイムGPSデータが流出したとしても、そのデータがどう悪用されたかが明確になることはなかったからだ。

    プライバシー問題はほとんどの人にとって、セキュリティーや思想的問題にならない限り抽象的概念である、というこの現実は、先週起こったFacebookの大規模データ流出を理解する上で重要な発想だ。

    Facebookのお粗末なエンジニアリングは、3つのバグを生み出した結果5000万人のアクセストークンを盗まれた。ローコストな効率化による急成長を追求した結果、Facebookはユーザーを守ることに失敗した。Facebookは著しく信用を失墜した。

    しかし、流失したアクセストークンを使うことで、アタッカーはユーザーのアカウントを乗っ取り、なりすまして行動し、個人情報を盗み出す可能性はあるものの、ユーザーが実際にどれほど気にかけているのかは不明だ。それは、現時点でFacebookもその監督機関も、どのデータが盗まれ、悪用されたのかを正確に掴んでいないからだ。

    我慢の限界

    すべては明日にでも変わるかもしれない。もしFacebookが、このアタックは外国政府が選挙介入するために実行されたか、個人情報盗難のチェックをかいくぐって人々の銀行口座やソーシャルメディアのプロフィールを盗んだか、個人を特定して物理的被害を与えたりしたことを発見すれば、暴動が起きる。

    流出データの十分恐ろしい使い道を踏まえると、今回の流出事件はFacebookブランドを破壊する原因になりかねない。もしユーザーがプロフィールデータを消去し、フィード閲覧を減らし、シェアをしなくなるようなことになれば、この事故は著しい金銭的被害とネガティブなネットワーク効果をFacebookにもたらす。数年来のスキャンダルのあと、これが最後の一撃になるかもしれない。

    しかし、盗まれたデータが悪用された証拠が未だにでてこないことで、事件はユーザーの記憶のかなたに消えていくかもしれない。Facebookに買収されたInstagramとWhatsAppのファウンダーたちの緊張感漂う脱退に見られるように、反発の発端は一般大衆からではないのかもしれない。

    このアタックによってソーシャルメディアの規制が早まる可能性がある。Warner上院議員は問題の追求を「強化」するよう議会に提案した。Warnerは欧州のGDPRに似たプライバシー法の推進者だった。法案には、ソーシャルネットワークの移行を容易にするポータビリティーとインターオペラビリティーも盛り込まれていた。ユーザーが競合サービスに移行する脅威は、Facebookにユーザーのプライバシーとセキュリティーの扱いを改善させるきっかけになるだろう。

    FTCやEUは、Facebookの違反に対して相当額の罰金を科す可能性がある。しかし、四半期当たり数十億ドルを稼いでいる状況を踏まえると、Facebookにとって深刻な罰を与えるためには、罰金は歴史的金額にする必要があるだろう。

    今回のアタックに関する最大の関心事は、AirbnbやSpotifyのようにFacebook Loginを使っている他のサービスへのアクセスに、トークンが使用されたかどうかだ。本件によって、Facebookを個人認証プラットフォームとして使おうと考えていたパートナーは二の足を踏むかもしれない。ただし、みなさんはパスワードを変えなくてはならない心配はする必要がない。ユーザー名とパスワードを盗まれるハッキングと異なり、Facebookの事故による継続的危険は限定的だ。パスワードが流出した場合は、盗難から長時間経過後に別アプリがハッキングを受ける可能性があるのに対して、今回盗まれたアクセストークンはすでにすべて無効化されている。

    鈍感化

    もし政府調査官やジャーナリストやアンチFacebook活動家たちが、Facebookに怠慢の責任を取らせたいと思うなら、具体的な脅威と結びつける必要がある。

    流出データの悪質な利用の証拠がない今、このスキャンダルはFacebookの他のさまざまな問題に紛れる可能性がある。毎週、繰り返し、Facebookには見出しを飾るトラブルが起きる。時間とともに、それらが積み重なってFacebookの利用を躊躇させ、より多くのユーザーを離脱させる。しかし、容易に乗り換えられる汎用ソーシャルネットワークがないために、多くのユーザーは人とつながる利便性の引き換えに、Facebookの失態に耐えてきた。

    データ漏洩が頻繁になるにつれ、大衆は鈍感になりつつある。最悪、無関心になりかねない。たとえ被害が明確でなくても、企業はプライバシー侵害の説明責任を持つべきだ。しかしEquifax、Yahoo、さらには携帯通信会社の事故が続くなか、われわれは深いため息と時には罵詈雑言を吐くだけで、日々の生活を送り続けることに慣れてしまった。記憶に残るのは、脅威がデジタル世界からオフラインの現実世界へと転移したときだけなのだ。

    [画像出典:Getty]

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    (翻訳:Nob Takahashi / facebook

    アメリカ政府はFacebook Messengerの通信傍受要請で敗訴

    アメリカ政府の捜査官たちは、FacebookのMessengerアプリ上の通信の傍受を要求して、裁判所に拒絶された。

    大規模なギャング団MS-13を捜査している国と州の合同法執行チームは、音声通話のリアルタイム聴取を拒否したこのSNS大手を、法廷侮辱罪で地裁に告訴していた。

    ロイターが得たその筋の情報によると、裁判所はその告訴を退けたが、その理由はまだ明らかでない。

    カリフォルニア州フレスノの地裁に持ち込まれたその告訴は、当のギャング団のメンバーに対する殺人罪などでの捜査に関わっている。政府は16名の容疑者を追っていたが、証拠の入手はもっぱらFacebookに依存していた、とされる。

    ロイターによると、FBIが提出した宣誓供述書は、Facebook Messengerを指して、“法執行機関がモニターする方法はほかにない”、と言っている。Facebookが所有するWhatsAppは、エンドツーエンドの暗号化により、Facebook自身すら通信内容を傍受できないが、前から法執行機関は、それを捜査妨害と主張してきた。

    しかしFacebook Messengerの音声通話はエンドツーエンドの暗号化をしていないので、通話のリアルタイム傍受が可能だ。

    電話の場合、裁判所の認可があっても、法律では、通話の傍受は通信会社の許可を要する。しかしFacebookのようなインターネット企業は、この法の対象にならない。

    プライバシー擁護団体は、今回の告訴を、インターネット企業に対するこの例外を取り除くことがねらい、と見なしている。彼らは前から、政府が暗号化アプリにバックドアを設けようとしている、と避難している。わずか2年前にはFBIが、サンバーナーディーノの銃撃犯Syed Farookの暗号化されたiPhoneの解読をめぐる、同様の要求で、Appleを告訴したばかりだ。

    FBIはコメントを拒否した。Facebookはコメントの要求に応答しなかった。

    [関連記事: 5000万のFacebookユーザーがセキュリティ侵犯で被害(未訳)]

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    (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

    Facebookの企業買収がまずいことになっている

    あなたのスタートアップを誰に売るべきだろうか。Facebookと、Facebookが以前買収した企業の創業者のケースは、マーク・ザッカーバーグと彼の会社に買収されることがどんなことになるのかを如実に物語っている。最も尊敬と願望に満ちた買収の一つとされたWhatsAppの買収から5年、一連のスキャンダルでFacebookのM&A部門のイメージは地に落ちた。これにより、事業をFacebookに売却するよう起業家を説得するのは難しくなったかもしれない。またはFacebookは今後の買収で、より多く支払ったり、契約に自主性の保証を盛り込んだりすることを余儀なくされるかもしれない。

    WhatsApp’sの創業者は、利益を出すように強いプレッシャーを受けている中でFacebookを去った。Instagramの創業者も自主性が脅かされているとして辞める。そしてFacebookは過去数年、10代に人気のQ&AアプリTBHやフィットネストラッカーMoves、ビデオ広告システムLiveRail、音声操作デベロッパーツールキットWit.ai、そしてまだ人気があるモバイルアプリデベロッパープラットフォームParseなどを含む買収した事業を廃止している。

    Facebookユーザーはこうした事実を知らないかもしれないし、関心もあまりないかもしれない。しかし、Facebookが新出の競争相手や補完的なサービスを次に買収しようとするときは、これは困ったことになるかもしれない。

    WhatsAppとの約束は反故にされた

    問題の深刻化は、WhatsAppの共同創業者Brian Actonが1年前、2014年に行われた220億ドルの買収からもらうことになっていた報酬を受け取る前にFacebookを去ったことに始まる。Actonはターゲット広告を嫌っていて、FacebookはWhatsAppに対しターゲット広告にこだわらないとActonに言い、その点に関しザッカーバーグは譲歩していた。Actonは事業売却にあたり、もしFacebookが同意なしに収益化のスキームを実行した場合、共同創業者の残りの株式報酬がただちに支払われるとの条件も付けていた。GoogleもWhatsApp買収に関心を示していたが、FacebookがWhatsAppの自立を約束したことで、この買収案件がまとまった。

    WhatsAppのもう1人の創業者Jan Koumも、Facebookがアプリを収益化しようとし、またプライバシーについても影響を与えているとして緊張状態が続いたのち4月にFacebookを去った。Actonは株式報酬8億5000万ドルを受け取らずに辞めた。自由はそれだけの価値があり、束縛というのは堪え難いものだったに違いない。ForbesのParmy Olsonとの今日のインタビューでActonは、Facebookが買収をEU議会に認めてもらうためにWhatsAppのユーザーデータを統合しないと彼に約束したときの詳細を明らかにした。Facebookはその後、約束を破り、紙幣をプリントして生み出しているような会社にとっては少額といえる1億2200万ドルの罰金を払い、ハッキングを続けた。

    ActonはFacebookを去るにあたり、買収時に付けていた株式報酬の条件を実行に移そうとしたところ、Facebookはただ収益化を実験しているだけで“実行”してはいないと主張した。Actonは訴訟を起こすことを選ばず、ただ去り、そして“Delete Facebook(Facebookを削除しよう)”とツイートした。Koumは株式報酬を受けるために少しだけ長くとどまった。しかしこの2人が去るやいなや、WhatsAppは課金ビジネスをスタートさせ、来年にはInstagramのStoriesに似たStatusに広告表示も行う予定だ。ユーザー数の伸びが鈍化し、ユーザーがStoriesに移り、そしてニュースフィードに広告を盛り込めなくなったFacebookの収入の問題が、WhatsAppの収益化という形になって現れたわけだ。

    これから分かるのは、Facebookが自社の都合を優先するために買収先の創業者との約束を反故にするということだ。

    消えたInstagramの自主性

    Instagramの共同創業者Kevin SystromとMike Kriegerは今週、Facebookを退職すると発表した。消息筋がTechCrunchに語ったところでは、プロダクトの方向性をめぐりザッカーバーグと相入れなかったためだ。2012年のInstagram買収時、ザッカーバーグは10億ドルで交渉した(Facebookの株価が下がったことにより、ディールがクローズしたときは7億1500万ドルだったが、その後株価が上昇し40億ドルになった)。この買収には、Instagramのブランドとプロダクト路線に関して独立性が維持されることも盛り込まれていた。

    ザッカーバーグは5年間、売却は行わないことを約束し、契約の内容通り創業者たちはInstagramに残っていたーシリコンバレーでは稀だ。FacebookがWhatsAppを買収しようとした際は、Instagramの自主性に言及していた。そしてFacebookのエンジニアリング、セールス、採用、国際化、そしてスパム対策チームでもって、Instagramはユーザー10億人という巨大な存在に成長した。

    しかし、繰り返しになるが、Facebookは成長と経済面で困難を抱え、これがザッカーバーグの心変わりを促した。インスタグラムは流行っていたが、10代におけるFacebookの人気はガタ落ちだった。FacebookはInstagramのノーティフィケーションとセッティングタブの中に、Facebookに戻るアラートやリンクを表示するという強硬策に出た。一方で、InstagramとFacebookにまたがって写真を投稿できるようにしていた機能からInstagramを取り除き、InstagramへのショートカットがFacebookのブックマークメニューから削除された。

    それからザッカーバーグは今年半ば、彼の親しい友人でNews Feedの前VPであるAdam Mosseriという忠臣をInstagramの新たなプロダクト担当VPに任命した。組織改造では、SystromがFacebookのCPO、Chris Coxに報告する体制となった。以前はInstagramのCEOは、CTOのMike Schroepferにテクニカル的なことを報告していたのを除き、かなりザッカーバーグに直接コンタクトをとっていた。この間にマネジメントのレイヤーを加えたことで2人の関係は悪化した。買収して6年、Facebookが約束を破り始めたのに伴いInstagramの自主性は低下し、創業者は去った。

    これから分かるのは、Facebookは契約にかかわらず買収を利用することがあるということだ。

    Oculusの視野は狭くなっている

    Facebookが2014年にバーチャルリアリティ会社Oculusを買収したとき、ザッカーバーグはOculusは次の素晴らしいコンピューティングプラットフォームだと宣言した。統合は予想したより時間がかかった。これにより、OculusはVRコンテンツクリエイターに資金を提供することを余儀なくされた。というのも、ビジネスとしては不安定な状態だったからだ。OculusはFacebookにとって金がかかる事業であり続け、Facebookは後に精算されることを願っているに違いない。

    しかし、その一方で、Oculusの共同創業者は舞台から消えた。Brendan IribeとNate MitchellはOculusを率いるという立場から、PC VRとRiftハードウェアチームを統括するVPという、成長プロダクトの中ではかなりオタクっぽい立場へと追いやられた。Xiaomiでハードウェアリーダーを務めたHugo BarraがOculusを管理するVRのVPとして迎え入れられ、彼はFacebookの広告担当の前VP、 “Boz” ことAndrew Bosworthにーザッカーバーグのハーバード大学在学時からの長年の友人で、Facebookのハードウェア全般を手がけているー報告するようになった。

    Oculusの発案者であるPalmer Luckeyは昨年、Luckeyが反ヒラリー・クリントンのグループに資金援助を行なっていたことをめぐりFacebookと分裂した後、Facebookを去った。Luckeyは「私の行動がOculusとOculusのパートナーに悪影響を及ぼしたことを深くお詫びします」と謝罪の言葉を述べた。

    あまり知られていないJack McCauleyも買収からわずか1年後、自分のVRラボを立ち上げるとしてFacebookを辞めた。悲しいことに、Oculusの共同創業者Andrew Reisseは2013年、買収が発表されてから2カ月後に警察に追跡されているときに車両にひかれて死亡した。そして最後の共同創業者Michael Antonovはソフトウェア設計の責任者だったが、Facebookが明らかにしたところによると、最近Facebook内の人工知能インフラを扱う部門に移った。

    今日(9月26日)初めて、Oculusの開発者会議は共同創業者がステージにいない事態となった。明らかに、プロダクトをスケール展開し収益をあげるのに必要とされるスキルは、プロダクトを生み出すのに必要とされるスキルとは異なる。Oculusの経営や消費者に受け入れられているさまは、Facebookが買収した企業の創業者をいかに扱っているかを物語らない。

    軌道修正

    Facebookがもし、スタートアップにとって魅力的な事業売却先と映るようにして将来の買収案件を確かなものにしたいのなら、行動を起こす必要がある。私が思うに、ザッカーバーグかMosseri(おそらくInstagramの次期リーダーに指名される)が、今後のInstagramとWhatsAppに関して人々が不安に思っていることについて声明を出すべきだろう。というのも、この2つのサービスは人々の生活で重要な位置を占めていて、声明を出すことで変更したくないプロダクトのアイデンティティのコアを確立することになる。繰り返しになるが、InstagramとWhatsAppを使う15歳はそんなことは我関せずだが、今後の買収を考える時にはそうもいかない。

    これまでのところFacebookは、創業者vsFacebookのさらなる対立をなんとかコントロールしてきた。今日、Messengerの前VPで現在FacebookブロックチェーンチームにいるDavid Marcusが、ActonのForbesとのインタビューを批判する内容のメモを公表し、ザッカーバーグはWhatsAppの自主性を守ろうとしたと主張した。「私のことをオールド・ファッションと呼んでもいい。しかし、あなたを億万長者にした人や会社を責めている。あなたを何年も守り、養ってきたものに対する前代未聞の仕打ちだ。なんと卑劣なことだ。実際、卑劣さではまったく新しいスタンダードだ」と書いている。

    Posted by David Marcus on Wednesday, September 26, 2018

    しかしこれは、Facebookにとって今買収を有利に進めていく上では役に立たない。Marcusは「私が関わっている範囲で、そして以前起業家・創業者だった者として、私が働きたいと思った大企業、そして私が仕えたいと思ったリーダーは他にいない」と記し、買収によって得られた機会や、買収された企業の創業者が過去にかなり長く社にとどまったことにも触れた。にもかかわらずだが、なぜFacebookが彼にとって働きたい会社なのか、どうやって創業者たちが実際に何十億もの人々の生活に触れているのか、いかにTwitterやGoogleのような買収をする企業が買収した会社を解散させ、そうした会社の創業者たちがすぐ社を去っているのかにフォーカスした方がより生産的だった。

    買収はFacebookをディスラプトから守ってきた。このままだと、その戦略が危機に瀕する。これから出てくる素晴らしい起業家の目に、Facebookに会社を売るというのは起業家やプロジェクトがローラーでならされれてしまうことだと映れば、小切手のゼロが増えるだけでは不十分となる。

    [原文へ]

    (翻訳:Mizoguchi)

    Facebookがセキュリティ侵犯に関する有力紙の記事のFacebook上での共有を拒否

    一部のユーザーからの報告によると、5000万のFacebookユーザーが被害者になった今日(米国時間9/28)のセキュリティ侵犯事件に関する記事(のリンク)を、投稿できなくなっている。それは、特定のソースの特定の記事だけのようで、The Guardianのある記事と、Associated Press(AP通信)のある記事、どちらも一流のニュースメディアだ。

    記事を自分のニュースフィードでシェアしようとすると、このバグに遭遇した本誌TechCrunchのスタッフも含め一部のユーザーは、下図のようなエラーメッセージが出て、記事をシェアできない。

    そのメッセージによるとFacebookは、記事があまりにも多量にシェアされていて、Facebookの言葉によると、“多くの人びとが同じコンテンツをポストしている”ことをシステムが感知したので、その記事はスパムと判断された。

    Update: 人びとがこのことに注意するようになったあと、FacebookのTwitterアカウントによると、バグは修復されたようだ。その原因などについての、公式の発表はまだない。

    これはもちろん、Facebookの社内で画面を凝視しているコンテンツモデレーターが特定のリンクを拒絶しているのでもないし、同社が、自らのイメージを損なう記事をユーザーが広めようとしていることを封じ込めているのでもない。この状況は、前にもあったように、Facebookのコンテンツ自動検査システムが、正当なコンテンツを悪質と判断したのだ。今回それらは、スパムとみなされた。でもFacebook上でヴァイラルに広まる記事はいくらでもあるのに、なぜこの特定の記事だけがやられたのか、それが不可解だ。

    Facebookでは、こんなことは、これが初めてではない。同社の自動化ツールは毎日々々、過去に例がないほど膨大な量の処理をしていると思われるが、前には正当な投稿を検閲している、と疑われたことがあった。そして、ハラスメントやヘイトスピーチの検出には失敗しているくせに、無害なコンテンツを落としている、と言われた。どうしてそんなことが起きるのか、今Facebookに問い合わせているが、でも今日の同社は忙しすぎてそれどころではないようだ。

    Facebookではよくある事件、とはいえ、今回は何かがおかしい。しかしそもそも、こんなおかしな事件は、Facebookの評価を下げるだけではないか。

    [関連記事: 5000万Facebookユーザーのデータ流出事件のすべて(未訳)]

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    (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa