Googleの事実チェック機能がグローバルになりGoogle検索にも導入、フェイク・ニュースの包囲網狭まるか

私たちは、フェイク・ニュース(fake news, 偽ニュース)の時代に生きている。単純に嘘のニュースもあれば、一部の人たちが厳しい事実を認めたくないから“フェイク”と呼ぶニュースもある。フェイク・ニュースがお金になったり、政治的な目的に奉仕するかぎり、問題は解決しない。事実チェック(fact-check)をやっている団体はたくさんあるが、意識的に彼らのデータを探さないかぎり、一般消費者は偽ニュースを区別できない。

ここ数か月、Googleはこれらの事実チェックグループと協働して、彼らの記事のリンクをGoogle News(Googleニュース、ただし米国版と英国版)に載せるようにした。でもそれは微々たる努力で、アメリカとイギリスのGoogleニュースだけだった。しかし今日(米国時間4/7)からは、事実チェックがグローバルに提供され、GoogleニュースだけでなくGoogle検索の結果ページにも載るようになった。

Google Newsでは、事実チェックのある記事には“fact check”ラベルが付く。

またGoogle検索(Google Search)で事実を探すなら、PolitiFactやSnopesなどのサイトの情報がページの目立つところに出るので、それらを見ることになるだろう。検索結果のページには、これらのサイトの事実チェックへのリンクと、若干の注記情報、そしてその団体の評価ランク(真・偽・中間)がある。

ときどき、同じ記事でも、グループによって真偽判断が異なる場合がある。この種の判断にはどうしても、あやふやな部分がある。Googleによると、そういう異なる意見はそのままユーザーに提示するそうだ。“異なる結論があっても、そのニュースに関するコンセンサスの程度が分かるという意味で有意義であり、どこがどんな意見かはっきり分かるのも良い”、と同社は今日の発表声明で述べている。“検索結果の中で事実チェックをよく目立つようにすれば、人びとは事実チェックそのものも評価でき、情報に基づいた自分なりの意見を持つようになる、と考えられる”。

そのヘルプページでGoogleは、自分では事実チェックをやらない、と言っている(“事実チェックに非同意なら、それを公開したWebサイトのオーナーにコンタクトしてください”)。自分たちの事実チェックをGoogle検索に載せてもらいたい団体は、Googleのかなり厳しいガイドラインに従わなければならない。Googleとしては、事実チェックのふりをしたフェイク・ニュースを絶対に載せたくないのだ。しかし事実チェックの出元の信頼度はアルゴリズムが決めるから、それを出し抜く方法をいずれ誰かが見つけるだろう。

〔参考記事: Facebookのフェイク・ニュース判断基準(未訳)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleは事実確認タグを導入した、Facebookよ次は君の番だ

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先日Googleは、Google Newsにfact check(事実確認)タグを導入すると発表した。ニュースアイテムの隣に、事実に基づいた情報を含む記事を表示することが目的である。ということで、いまやFacebookにとっても、事実確認は真剣に取り組むべき課題になった。

Facebookは、現代の新聞であるという役割に足を踏み入れている:つまり、そこはサイトを訪れる人たちに膨大なニュースを選択して表示する目的地の1つなのだ。その通り。そうしたニュースは、個人的な写真、動画、ステータスの更新、および広告に埋もれて表示されているが、それでもFacebookは米国成人の約半数がニュースを得る場所なのだ。

ということで、Facebookには、このオーディエンスに対して何が本当にニュースなのかを知らせる際に、もの事をより良く行う責務がある:噂やデマ、そして陰謀説とは対照的に、何が事実確認済みなのか、報告されたのか、検証されたのか、正当なニュースなのかを伝える責務が。

Facebookが、公平性を保つ努力の中で、読者に何がトレンド(現在「トレンド」機能は英語インターフェイスの場合のみに表示されている)かをサイト上で知らせる基準を、アルゴリズムだけに従うことを決めて、人間のニュース編集者を解雇したことは解決になっていない。それ以来、週の初めにリリースされたワシントンポストのレポートによれば、Facebookは繰り返し偽のニュース記事をトレンドとして表示するようになっている。

同報道機関が、8月31日から9月22日までの平日に4アカウント全体にわたって全てのニュース記事を追跡したところ、Facebookは5本の「議論の余地なく偽物の記事」と「あまりにも不正確な記事」をトレンドとして掲載した。そしてそれは恒常的に、プレスリリース、ブログ投稿、およびiTunesなどのオンラインストアへのリンクも掲載していた – 言い換えれば、ニュースサイトを指していない「トレンド」だったということだ。

Facebookが9月に発表したのは、トレンドトピックの中の偽のストーリーに対する対抗技術を展開するというものだったが、明らかにそれはまだ展開されてはいないようだ ‐ あるいはそのテクノロジーは、やるべき仕事をこなせるレベルには達していないということか。

いずれにしても、Facebookはより良く行う必要がある。

同社にとってそのニュースフィードへの明らかなデマの出現を単に減らすだけでは十分ではない – サイト上で回覧される友人や家族による他の人達による沢山の投稿が、タイムラインを直接訪れれば見ることが出来るからだ。

さらに、より多くのアイテムが共有されるほど、それらが口コミ(バイラル)として広まってしまう可能性が増える。そして口コミのニュースは、トレンドニュースとなり、その地域内のすべてのFacebookのユーザーに表示されることになる。

これは重要なことだ。Facebookは、爆弾の敷設も含み9/11は内部犯行だったという説を、タブロイドニュースソースからトレンドへ取り込んだ。またFox NewsアンカーのMegyn Kellyについての偽ストーリーも流した。彼女が解雇されたというニュースである。これらはミスではない:意図的な虚偽なのだ。

Facebookは、上記の件について謝罪したが、偽のニュースのプラットフォームへの掲載が続いているという、ワシントンポストの新しい発見に関してはコメントを拒否した。

それに加えて、Facebookはそのトレンドニュースリンクの検証で失敗しているだけでなく、そのサイトを埋めているリンクに警告を設定する方法も持っていない。

トレンドニュースの外では、Facebookは相変わらず、不正確で不十分なソースの、あるいは完全に偽であるニュース、噂そしてデマで埋め続けられている。たぶん、ニュースフィードではそうしたものを見ることは少ないかもしれないが、イカれた友人があなたの投稿に、良く知られたデマサイトへのリンクをまるでニュースのようにコメントとして貼り付けることを防ぐことはできない。何のタグやラベルもなく、彼らは事実を共有しているつもりなのだ。

一方、自分自身の投稿に対してコメントを禁止する手段も提供されていない、たとえその中に「性的暴行の被害者は嘘つきである」といったものが含まれていたとしても(例えば、最近のこうしたストーリーとか)。

なぜならば、たとえそれがユーザーのトラウマの記憶を呼び起こすものだということを意味しているとしても、Facebookはサイトへの再訪を促す1つのメカニズムを変えるという考えを放棄しているからだ。

事実確認済み記事に基づいた記事と、擁護団体が資金を提供しているウェブサイトからの記事の間には違いがあるPolitifact(有名な事実確認サイト)と無名の個人ブログの間には違いがあるのだ。それでもFacebookは両者を公平に表示する:ヘッドライン、写真、概要テキストといった具合だ。

もちろん、こうした対処は単にソーシャルネットワーキングに注力してメディアビジネスに参入するために広告を売りたいだけの1企業にとっては難しいことだろう ‐ それが、Facebookが大声で「自分たちはメディア企業ではない」と言い立てる理由なのだが。

しかしもうそれは「メディア」なのだ。それが望んでいるかどうかにかかわらず、もうその役割を提供している。

少なくともGoogleは打席に立ち、解決策の発見に務めている。今度はFacebookの番だ。

Facebookは意図することなくメディアになっただけなのだろう、しかしそれはもうメディアそのものなのだ。そして、今は酷い仕事をしている。

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(翻訳:Sako)