「泥んこ発電」で子供たちの科学力を育てるMudWatt

MudWatt

またひとつ、子供たちに科学技術的な知識と興味を与えようとするプロダクトが誕生した。MudWattというもので、泥を使って電気を起こすものだ。この非常に楽しそうな(汚い、という人もいるだろうけれど)プロダクトは現在Kickstarterキャンペーンを展開中だ。泥の中でバクテリアを繁殖させ、そして時計、温度計、ブザーなど単純な電子機器を動作させる仕組みになっている。

Kickstarterでのキャンペーンということを聞いて、開発途上のプロダクトなのではないかと考える人もいるだろう。しかし実のところ、このMudWattは何年も前から開発を行なってきたものなのだ。また最近ではスタンフォードのStartXインキュベータープログラムにも参加して、子供向けプロダクトについての知見も深めている。

共同ファウンダーのKeegan Cooke曰く、MudWattのアイデアは、2010年に買収されたTrophos Energyという小さなスタートアップにてリサーチサイエンティストとして働くうちに得られたものなのだそうだ。Cookeはそこで海底堆積物を利用したバクテリア燃料電池のプロトタイプを研究していた。また同時にさまざまな学童向けイベントにて研究成果を案内し、子供たちが科学的なデモンストレーションに大いに興味を持つようであることを認識したそうだ。

MuddyKeegKev

そうして友人であり共同ファウンダーでもあるKevin Randとともに、仕事や大学院における研究の空き時間を使いながらMudWattのアイデアを数年間かけて温めていった。初期モデルを配ってみたところでは大きな反響があり、このプロダクトには楽しみのためのサイドプロジェクトとして以上の可能性があると感じるようになっていったのだとのこと。

これまでのところで、キットの販売台数も6000台となり、さらに月間200セットの割合で売れ続けているのだそうだ。

「販売に力を入れるということはありませんでした。その中での数字ですから、正直いって驚いています」とCokeは言う。「このプロダクトには大きな可能性があり、ビジネスとして成立するほどの需要があると認識するにいたったのです」。

Kickstarterに投入したのはMudWattキットの最新版だ。コンポストとして利用できるケースも用意し、他にもさまざまなアップデートが加えられている。いろいろな組み合わせのキットが用意されているが、電極やLED、説明書などが同梱されていて、またiOS版およびAndroid版が用意されているMudWatt Explorerというモバイルアプリケーションも利用できるようになる。

Ruby_Builds2

MudWattで利用する泥は、自宅の庭から掘り起こしても良いし、園芸店で購入してきても良い。また電力を強めるために「燃料」を入れても良い。冷蔵庫の中にあるものがよい「燃料」となる。但し、ゲータレードがふさわしいのか、それともケチャップか、もっと別のものが良いのかを考えるのは、子供たち自身に委ねられている。

数日するとLEDが点滅をはじめる。これはキット内のバクテリアコロニーが電気を生み出し始めたことを示すサインだ。電気を生み出し始めれば、いよいよ次のステップに進むこととなる。

バクテリアのコロニーが拡大すれば、LEDの点滅頻度が高まる。そうなればブザーや時計、温度計、あるいは液晶電卓などのデバイスを繋いで観察することができるようになるのだ。

App-in-phones (new app images)

モバイルアプリケーションでも、LEDが点滅する様子を検知してバクテリアの成長具合を測ることができるようになっている。これにより成長具合や、どれくらいの電気を生み出しているのかを知ることができる。またアプリケーションから、泥の中で活躍して電気を産み出すバクテリアを主人公とするコミックを読むこともできる。

Cookeは、子供たちが泥発電に興味を持つだけでなく、身の回りのさまざまな不思議に興味を持ってもらいたいと考えているそうだ。

「子供たちが自分でいろいろ調べてみて、試して見ることのできる環境を提供したいと考えているのです。MudWattもそうした方向で活用して貰えればと希望しています」。

そうした方針に則って、MudWatt以外のキットの可能性についてもいろいろと考えているところなのだそうだ。たとえば沼にある藻などを使った発電キットなどを考えて見ているのだとのこと。

ビデオで紹介されているキットをすべて含むMudWatt DeepDig Kitの価格は59ドルとなっている。但し容器などを自分で用意するのなら、電極などの基本キットは29ドルで手に入る。また教育機関向けのClassroom Packというものもあり、こちらは350ドルになっている。

調達目標額は3万ドルで、本稿執筆時点では2万6000ドル程度が集まっている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

プログラミングは言語能力の一種、読む・書くがその基盤、と信ずる子ども向けプログラミング教室Bitsbox

Bitsboxの協同ファウンダScott Liningerがプログラミングをおぼえたのは、子どものとき両親が買ってくれたTRS-80だった。彼はこのコンピュータについていた本からプログラムのコードをコピーして、実際に自分の手でコードを書く(タイプする)プログラミングをおぼえた。今、自分が子どもの親になったLiningerは、娘に、自分の手で実際にコードを書く体験を伴うプログラミングをやらせたい、と考えた。しかし、今Webに多数登場しているサービスや教材(and玩具ふう教材)はどれも、このかんじんのフィジカルな体験を欠いていた。

Liningerは曰く、“子ども用のプログラミング学習製品は、どれもすばらしいけど、ああゆうドラッグ&ドロップ方式のツールは、プログラミング言語の文法やシンタックスや構造を教えない。でもたとえば、ドイツ語で何かを書きたいと思ったら、ドイツ語のルールを理解しなければならない。そしてドイツ語で何でも書けるようになるためには、自分でたくさん書いて練習することが唯一の道だ。プログラミングでも、実際にコードをたくさん書く経験をしなくちゃ、上達しないよ”。

彼は半年前まで、GoogleのSketchUp部門で働くエンジニアだった。彼自身も、自分のスタートアップを2007年に売ってGoogleに入社した。

自分の娘へのプログラミングの教え方について、かつてのGoogleの同僚などにいろいろ相談したところ、全員が彼と同じ体験をしていた。実際に、コードをタイプすること。“今30歳以上のプログラマは誰も、ブロックをドラッグしてプログラミングをおぼえてなんかいない。子どもたちにも、コードをタイプさせるのが最良の方法だと思う”、とLiningerは語る。

ただし、コードをタイプすることが楽しくなければ、だめだ。そこで彼は、Bitsboxを構想した。

“最大の敵は、難しいことではない。退屈なことだ。子どもたちは、難しいことには関心を持つ。でも退屈なことからは、さっさと逃げる”、とLiningerは言う。

彼のBitsboxのサイトは立ち上げてからまだ3週間だが、すでに登録ユーザ数はおよそ7万、彼らがWeb上でコードを書いた時間は28万分(一人平均4分)、日数換算で194日にもなる。

Code.orgからのトラフィックが多いが、それは、そこでBitsboxが推奨されているからだ。Bitboxのサイトにアクセスすると子どもたちには仮想タブレットが与えられ、JavaScriptで簡単なアプリケーションやゲームを書いていく。

Liningerによると、Bitboxが使っている軽量なプログラミングAPIは、いわばアメリカの小学生の読本の古典的定番”Dick and Jane”のプログラミングバージョンだ。この読本の古典は、短い、書きやすいフレーズを繰り返しながら、子どもたちが読み書きをおぼえるように誘導する。

作った(書いた)ゲームは、QRコードをスキャンして自分のタブレットやスマートフォン(iOSとAndroid)にインストールできる。実はそれはHTML5のアプリなので、ブラウザのあるデバイスなら何でもよい。ゲームの内容は、泡を出す、車でドライブする、エイリアンを空から撃ち落とすなど、簡単なものばかりだ。

来週Bitsboxは、Kickstarter上で資金募集のためのキャンペーンを開始する。今のWebサイトは無料だが、会員制の有料バージョンを作って、それを収益源にしたいのだ。この有料バージョンの開発には、同じくGoogleでSketchUpにいたAidan Chopraが協力してくれる。

有料会員に毎月届くボックスには、10数本ぶんののアプリケーションの書かれた本とトレカが入っている。子どもは自分が作りたいアプリケーションを選んでから、Webへ行き、コードをタイプして、画面上の仮想タブレットでそのコードを実行する。次は、そのアプリケーションを自分のデバイスへ送ったり、ソーシャルメディアで共有したりする。

このボックスは、すでに150名ぐらいの子どもたちでテストし、本番ローンチのためにKickstarterで4万5000ドルを募る。その資金プラス、ボウルダー(コロラド州)のアクセラレータBoomtownへの参加により、来年4月からボックスの発売を開始する。

ボックスは毎月30ドルで、水泳やダンスなどの教室の月謝とあまり変わらない。会員にはならないがボックスを見てみたいという人は、Kickstarterで40ドルを支援するとよい。

対象年齢は7〜11歳、毎月新しくておもしろいプログラムを作れる(書ける)ようにして、子どもたちが飽きずに継続することを促す。

プログラミングも言語能力だから、小さい子どものころから始めた方が身につく、とチームは信じている。しかも現代ではそれは、特定の外国語を勉強するよりも普遍的に重要な言語能力だろう。

“昔から、読み書きの嫌いな子でも、なんとかして読み書きを教えてきた。結果的に、大人になれば誰もが読んだり書いたりできる。今はそれと同じで、プログラミングの読み書きも、親は少なくとも自分の子がその学習機会に触れるだけのことは、してあげるべきだ、子どもを小学校へ入れるのと同じように”、とLiningerは言う。

関心を持たれた方は、誰でもBitsboxのユーザになれる。そして来週は、Kickstarterのプロジェクトのご案内が表示されるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


24インチHD画面で世界最大のAndroidタブレットNabi Big Tab登場…家庭の情報センターになるか?

このBig Tabは、テレビに代わって一家の関心の中心になることを、ねらっている。

子ども用品のメーカーであるFuhuが今日発売したHD 20/24インチのNabi Big Tabは、一般的な家庭におけるコラボレーションと共有の拡大を支えたい、と願っている。

二機種とも上図のように金属フレームがあり、それはキックスタンドでもある。その容量性タッチスクリーンは15ポイント、プロセッサはクァドコアNVIDIA Tegra 4、メモリ16GBという仕様だ。 OSはAndroid 4.4.4を同社独自のBlue Morpho(TM)オペレーティングシステムがラップしている。

このタブレットは本来のNabiモードとペアレントモードで切り替えられる。ペアレントモードでは、ふつうのAndroidタブレットである。しかしそこで右へスワイプするとコントロールが現れ、Nabiモードに切り替えられる。Nabiモードは、子どもたちが使うアプリのランチャでもある。

Nabiモードには、いくつかの教育的アプリやゲームがある。たとえばBig Canvasアプリを使って子どもたちはお絵かき、アニメーション制作、ビデオの編集などができる。Wings Learning System(TM)には、幼稚園から小6までの算数と国語のレッスンが17000、問題が30万ある。そしてChore Listは親が子どものお手伝いリストを作るアプリだ。〔*: chore, 雑用、家事。〕

そして子ども向けにはたくさんのゲームや映画や本が揃っている。古典的なチェスやチェッカーもあり、ボードゲームや、エアホッケーのようなマルチプレイヤーゲームもある。

ビデオはDisney、Cartoon Network、それにCookie Jar Entertainmentのものが揃っている。Story Timeというアプリからは、iStoryTime Speakaboosの対話的eブックを読める。

Chore Listでお手伝いをしたり、Wings Learning Systemで良い点が取れると、Nabi coinという仮想通貨をもらえる。その仮想通貨で、音楽や映画、本、アプリなどを買える。買ってよいものは、ペアレントモードで親が決められる。

デベロッパはNabi SDKを使って、自分のゲームにNabi coinを統合できる。

Fuhuのねらいは、Nabiを一種の教育玩具であると同時に、親たちのための日常的なタブレットとして使ってもらうことだ。電池は30分しかもたないから、家庭電源からの使用が主だ。30分では、モバイルとしての利用は無理だね。

ペアレントモードで親ができるコントロールには、アプリやコンテンツの制限とともに、画面を見ている時間や、アプリを使っている時間の制限がある。

今では10インチのAndroidタブレットでも、画面の精細度はこのBig Tabより高いものがある。この大型画面向けに最適化されていないAndroidアプリが今のところ多い、と覚悟すべきだろう。個々のピクセルが見えてしまうアプリが、多いだろうね。

Nabi Big Tab HD 20”と24”はこの秋、449ドルと549ドルで発売される。アプリはほとんど同機の大型画面向けに最適化されていないし、電池寿命は短い、そしてペアレンタルコントロール(親によるコンテンツ等の制限)は、多くの子ども向け機種ですでにサポートされている。はたして同機は、テレビに代わる、家庭の会話と娯楽と勉強の中心として、一般消費者から認知されるだろうか?

〔余計な訳注: もっとほかの用途(業務用用途)がありそうだ。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


活発な動きを見せる国内家族向けSNS–「KiDDY」運営のCompath Meが5000万円調達

最近では「Snapchat」や「Secret」「Wisper」といった匿名やクローズドなコミュニケーションサービスの話題を聞くことが多いが、日本では今、「家族」に限定したコミュニケーションサービスの動きが活発だ。TechCrunch Japanでも、ここ3カ月の間にTIMERSの「famm」やウェルスタイルの「wellnote」などを紹介している。

実はこの領域、国内の事業者に聞いてみると、海外の競合サービスとして名前が挙がるのは「23Snaps」くらい。国内では、デファクトスタンダードたる立ち位置となっているサービスはまだないようだが、各社ともに着実にユーザーを集めているという。

そんな国内のプレーヤーの1つで、家族向けSNS「KiDDY」を展開するCompath Meが5月29日、ベンチャーユナイテッドの運営するファンド「DACベンチャーユナイテッド・ファンド1号投資事業有限責任組合」を割当先とした約5000万円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。今回の増資をもとに開発体制の強化と海外対応の強化を図るとしている。同社はこれまでにOpen Network Lab、DGインキュベーション、アーキタイプ、BEENOS(旧ネットプライスドットコム)などから出資を受けている。

KiDDYは、夫婦や親戚で育児の記録や子どもの写真を共有できるサービス。写真はクラウド上に保管されており、安全にデータを管理できるという。毎月最大5枚までの写真を指定して、1枚のポストカードにして自動で郵送してくれる有料オプションや、最大30枚の写真を指定してアルバムを作る有料サービスなども展開している。このリアルなポストカードやアルバムの提供が現在のマネタイズポイントとなっている。

2012年12月にクローズドベータ版サービスを公開。現在は5万の家族が利用しているという。実は国外のユーザーも多いそうで、現在日本語と英語にのみ対応しているが、欧州の言語への対応ニーズなどは比較的高いという。実はポストカードの販売も海外対応しており、アルバムについても今夏には海外対応する予定だそうだ。

WAU(週間アクセスユーザー)は30%ほどで、1家族あたり1日5枚までの投稿に制限されているが、これまでに300万枚の写真がアップされている。「KiDDYはデータのストレージのハブになる。よくほかのサービスでも代用できると言われるが、実は家族に特化して、かつ簡単な操作のサービスはそうはない。KiDDYのユーザーの3割以上がFacebookもLINEも使っていないユーザーだ」(Compath Me代表取締役社長の安藤拓道氏)

海外も含めてサービスの好調ぶりを語ってくれた安藤氏だが、正直なところポストカードとアルバムの販売だけでビジネスでの大きな成長は難しいのではないだろうか。そう尋ねたところ同氏は、「ポストカードを一度でも利用してもらえば、アルバムの購入や(期間限定で展開していた)年賀状の印刷ニーズも高まる傾向にあり、ARPUで言えば数字は伸びている」と説明してくれた。
今後はポストカード以外にもオプション機能が利用できる有料プランの提供も予定しているほか、ユーザー数の拡大に合わせて広告やECなどの展開も視野に入れるとしている。


“シックスポケット”を握る家族向けSNS「wellnote」、動画共有機能を提供開始


NTTドコモ・ベンチャーズが主催するインキュベーションプログラムの卒業生でもあるTIMERSの「Pairy」や韓国スタートアップVCNCの「Between」、さらには米国の「Pair」のようなカップル向けSNS、ミクシィやディー・エヌ・エーが出資する京都のREVENTIVEによる9人限定SNS「Close」など、「Path」なんかよりもっとクローズドなSNSは、数多く登場している。

ウェルスタイルの「wellnote」は、家族に特化したクローズドSNSだ。家族特化のSNSとしては、ヤフーの「kazoc」やCompath Meの「KiDDY」のように、子どもの写真を共有したり、成長記録をつけるといったものが多いが、wellnoteは「家族の交流の場である茶の間をネットで再現する」というコンセプトなのだそうだ。ちなみにTIMERSも、家族向けSNS「Family」を開発中だと語っていた。

wellnoteの会員数は非公開だが、直近半年で2倍、週間アクセスユーザーは2.5倍になっているという。子どもの成長記録を残せる母子手帳機能や、テキストに加えて、写真やスタンプを送れるメッセージ機能共有なども備えるが、前述の「茶の間」でテレビや雑誌を見るように、育児関連のニュースなどを閲覧、共有できる「ニュース機能」があるのが特徴的だ。

実はこのニュース機能、提携する各種メディアのニュースに加えて、企業の商品・サービス紹介をはじめとしたマーケティング向けコンテンツも配信しているのだそうだ。すでに赤ちゃん本舗や学研が参画している。

ウェルスタイル代表取締役の谷生芳彦氏は、「あくまで仮説だが、家族コミュニケーションほど自然に広告に接しているものはない。テレビでも、チラシでも、家族で見れば『今度ここに行こうか』『これを買おうか』となる。その理由は『互いの財布の距離が近い』ということ」と語る。シックスポケット(両親、その祖父母4人の計6人の財布のこと)とも言われる財布の近さ、そしてカップルとは異なり、10年経っても変わらない関係性であるということから、マーケティング目的でコンテンツを配信したがる企業も少なくないのだそうだ。

そんなwellnoteだが、4月11日には動画共有機能の提供も開始している。「Vineのようなソーシャルな動画共有サービス、Snapchatのようなクローズドで消える動画、画像共有サービスもあるが、クローズドで残るという価値を提供したい。ストレージとコミュニケーションの間の存在を目指す」(谷生氏)


「(本物の)サンタとのテレビ電話」サービスを提供するHello Santa(少々高額?)

サンタクロースと直接に話がしてみたいと思った人は多いのではないだろうか。実はできる。使うのは「Hello Santa」というアプリケーションだ。これを使ってサンタのおじいさんと1対1で話をすることができる。話をするサンタクロースは録画されたものではなく、本物の会話をすることができる。

この季節、子供を30分以上も列に並ばせて、そしてようやくサンタの膝に座る順番になってみれば、子供が疲労困憊していたり、あるいは泣き叫んでいたりするようなことも多いだろう。このHello Santaならばそのようなこともない。通話時間に制限もなく、イベント会場でサンタと写真を撮るときのように怒鳴るようにして指示を与える必要もなく、隣に座って一緒に会話を愉しむことができる。

もちろん、世界中で人気のサンタクロースと電話で話すとなれば、それなりに費用もかかる。App Storeのレビューいは「14ドル99セントも払う価値はない。そんな額を支払うのなら、他のことをした方がよっぽどましだ」というようなレビューもある。

しかし、あながち「高い」とも言い切れないのではないかと思う。

アプリケーションでは子供とサンタが会話する様子を収めたビデオも用意してくれる。似たようなイベントが商店街などでも開催されるが、そのときにも1対1で写真を撮ってもらうのは有料であることが多い。それも頭にいれて価格を考えてみたい。15ドルほどというのは、なかなか理に適った価格設定なのではないだろうか。

もちろん高すぎると考える人もいるだろう。クリスマスのメインはプレゼントであり、プレゼントを買いに行けばそこら中にサンタクロースはいる。1対1での会話や写真を求めないのであれば、無料でサンタに会える。その辺りの考え方は、当然ながら人それぞれだ。

開発チーム

Hello Santaを世に問うているのはMake Believe Labsだ。同社の初プロダクトということになる。Make Believe Labsを設立する前は、Deeseaというコンサルティングファームを起業して、Universal Music、Public Storage、Booz Digitalなどの仕事をしてきた。Make Believe Labsに参加しているのは企業向け技術コンサルティングを行ってきたDorian Collier(CEO)、Founders Instituteでの経験があるJordan Lyall(COO)、スリランカのアントレプレナーであるSam Dassanayake(CTO)、ViddyのCMO兼Chief EvangelistであったEvan White(CMO)、そしてMySpaceでの経験をもつ(X Gameの審判でもある)Robert McKinley(Creative Director)だ。

そして主役のサンタクロースを務めるのはEd Taylorだ。2004年以来テレビ、パレード、雑誌などでサンタクロースとして活躍中だ。MicrosoftやMattel社のイベントでサンタクロースになったこともある(ちなみに髭は本物で、いかにも本当のサンタクロースらしくみえる)。

CEOのCollier曰く、子供の様子などを見るうちに、このサービスを思いついたのだそうだ。「Jordanも私も、サンタクロースを信じている年代の子供を持っているのです」と、彼は話してくれた。「息子はよくFaceTimeを使っているのですが、その息子が今度はサンタさんとお話をするんだと言ったのです。どこかがそういうサービスをやっているのではないかと思いましたが見つかりませんでした。そこでこのサービスを始めようと決意したのです」とのこと。

確かに、このHello Santaは「サンタと話そう」系アプリケーションの中でも、なかなか良いできなのではないかと思う。App Storeを見て回ると、類似のサービスでは静止画のみを提供していたり、録音メッセージを流したり、あるいは自分でサンタを用意するものなどで、リアルなサンタと話ができるものは見当たらない。個人的にはこれまで、Video Calls with Santaというアプリケーションを使っていた。こちらは200円で購入すればそれで支払いは完了だ。しかし「悪い子モード」(naughty)に電話をしてサンタに子供を諭してもらっても、「サンタはいつも同じことを言うのね」などと言われてしまうことになる(このアプリケーションは予め収録したビデオを利用している)。

使い勝手(エクスペリエンス)

Hello Santaアプリケーションの使い方は非常にシンプルだ。サンタ側の準備ができていれば、すぐに電話をかけて会話をすることができる。ただ、それはあまり現実的な話ではなく、たいていの場合は日付と時刻を予約することになるだろう。予約時には、子供の名前、年齢、あるいは何か特にケアしてほしいことなどの情報を残しておくことができる。これにより、電話で子供の名前を呼びかけてくれたり、あるいはサンタクロースらしい「マジック」を感じさせてくれることになる。アプリケーションがあるのはiPhoneないしiPad版だが、MacやPCからでもHello Santaを使うこともできる。

但し、アプリケーションには少々バグなどもあるようで、15ドルの価値に見合うかどうかの判断を難しく感じさせる。たとえばこちらで利用しているとき、スケジュール予約時にアプリケーションがクラッシュしてしまったことがある(通話中ではない)。また、2度のテスト中1度はビデオ通話が行えなかった。登場間もないアプリケーションであることから、他にもいろいろな不具合が隠れているのではないかとも思われる。ちなみにビデオ通話が行えなかったような場合には、再度、今度は無料で通話する権利が与えられる。確かに、それ以外の対応というのは難しいものだろう。一般的に新しいプロダクトに問題点があるのは当然のこととも言える。しかしサンタクロースと話をするというサービスを使うのは、多くの場合テック系のことなどに関心のない層(メインストリーム層)ということになろう。そういう人が「まあそういうこともあるさ」と納得してくれるとは考えない方が良い。早急な対応が望まれるところだろう。

ちなみに2度めに使ってみたときには、ほぼ完璧に動作したことも付け加えておく。

Collier曰く、サービスを立ち上げたのは11月末で、以来数百件もの利用があったのだそうだ。

ところで彼らの会社は「Make Believe Labs」だ。この名前から明らかなように、クリスマス以外の「夢」についてもサービス展開をしていきたいという話だ。

「Facetimeなどを使った通話の仕組みをプラットフォームとして活用していきたいと考えています。あるキャラクターと1対1で通話する仕組みなどを、そのキャラクターを使っている企業にライセンス販売するような展開も考えています」とのこと。

活動の拠点はロサンゼルス。転換社債(convertible notes)にて少額(20万ドル未満)のシードラウンド資金の調達を行い、まず最初のクリスマスでの成果を示し、ビジネスモデルの可能性を証明しようとしている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Appleの「子供向け」App Storeを使ってみた

Appleは、同社の端末を使う子供たち、特にiPadを気に入っている家族にむけて、子ども向けApp Storeを公開した。今週、iOS 7と共に登場した子ども向けApp Storeは、個別のモバイルアプリではなく、Apple App Storeの一セクションだ。ストアには「子ども向け」カテゴリーが追加され、年齢別に分類されている。

同カテゴリーは、年齢範囲が5歳以下、6〜8歳、9〜11歳の三段階に分かれている。

Appleが最初にこの「キッズ」セクションを発表したのは、今年の夏にWorldwide Developers ConferenceでiOS 7を初披露した時だった。アップデートされたモバイルApp Storeは、他にも「ジーニアス」がボトムメニューから消え、「近くで人気(Near Me)」に代わったり、自動アプリアップデートその他の機能追加など数々の変更があった。

子供向けモバイルアプリの体系を改善して使いやすくしたことに加え、AppleはKids App Store導入に合わせて13歳未満の子供によるサインアップを許しiTunesのユーザーアカウントを持てるようにした。ただし、「認定教育機関」による事前承認を受けていることが条件だ。以前TechCrunchが指摘したように、Appleは幼少者に直接モバイルアプリを届けられるようになったことによって、これまで以上の監視の目を向けられるようになるだろう。

子ども向けアプリの安全な居場所

例えば、13歳未満向けに設定されたアプリは、児童オンライン保護法(COPPA)の要求を満たしている必要がある。デベロッパーが子供から個人情報を取得することは「適用される児童プライバシーモデルに準拠した目的」を除き禁止されている — つまり、ターゲット広告のための情報収集目的はできないという意味だ。アプリは親の許可なく個人情報を送信あるいは共有することもできない。

また、明文化されたプライバシーポリシーが必要になったことに加えて、このカテゴリーのアプリは、アプリ内の何からのアクティビティを完了させるために広告を利用することが禁止されており、コマース目的でアプリ外のウェブや他のソフトウェアにリンクする際には親の許可を得なければならない。

子供向けアプリの定評あるデベロッパーの多くにとって、新しいポリシーに準拠することはさほど大きな問題ではなかった。「変更はごくわずかだった」と Mindshpesの共同CEO、Chris Michaelsは言う。この会社は、キッズセクション公開時にアプリが3本掲載された。「われわれは、Appleの要求にしたがって、アプリ内にプライバシーポリシーを同梱している。他にも、取引や外部リンクに基づくコンテンツにおける親の承認などの機能は2013年にすでに実現している」と彼は言った。

Toca BocaのCEO Björn Jefferyは、自分を含めてキッズアプリ・デベロッパーの多くは、はるか前からAppleの殆どのルールに則っている、「いくつか存在する怪しげなデベロッパーたちは、準拠しようという意志もなかっただろう」。こうして子供たちにとって「安全な」アプリは、iTunesのキッズセクションにある評判が広まれば、子供たちのアプリ内購入で儲けようと今でも考えている連中のビジネスは、ネガティブな影響を受けるだろう。

「Appleは、まちがいなく正しいことをしている。この年代層の子供たちをだましてアプリ内購入をさせる破廉恥なアプリによる悪用を排除しようとしている」と、JibJabの共同ファウンダー、Gregg Spiridellisは言い、自社のアプリを新しいポリシーに準拠させるためには、ごくわずかな変更しか必要なかったことを指摘した.

大物バブリッシャー、例えばDisneyなどは、この夏の時点でアプリはすでにCOPPA準拠になっており、アプリ内購入、ユーザー登録、もしくはメールアドレス取得に関係することすべてについて「年齢ゲート」を追加した。これは基本的に、コード生成システムのついたポップアップウィンドウであり、先へ進む前に読んでコードを入力する必要がある。他には、プレス・アンド・ホールドのジェスチャー等の特殊なアクションを使用したり、親が別のアプリ内アカウントを持つ必要があるアプリなどがある。

全体を通じて、よく知られたキッズブランドの殆どがこの変更に関して同じような話をしていた — 彼らの修正量は最小限であり、これらの「新」ポリシーは、もともとやっていたことだ。今回はそれが系統化され、ルールを守らないアプリと一緒にされなくなっただけだ。

「子ども向け」カテゴリーを眺めてみる

iOS 7のApp Storeアプでも、最新版iTunesデスクトップアプリでも、「子ども向け」カテゴリーでは、より一般的な「教育」カテゴリーとは別の特に吟味されたアプリケーションが紹介されている。両者の間には重複も多く、子ども向けカテゴリーは、教育カテゴリーから選抜されたサブカテゴリーとも言える。後者には成人や「生涯学習者」をターゲットにしたアプリも含まれ、若年齢学習者向けに限らない。

公開にあたり、子ども向けカテゴリーには、テーマ別のコレクションが特集されている。「楽しく作ろう」「いろとかたち」「身近な世界を探検しよう」「はじめての言葉と数」「音楽アプリ」「楽しく学ぼう」「さわって遊べる絵本」などなど。

キッズブランドのビッグネームたちには、それぞれ独自のコレクションが与えられている。Disney、Toca Boca、Duck Moose、SagoSago(実際にはToca Bocaの別ブランド)、Sesami Street、PBS Kidsなどは、キッズアプリメーカーとして以前以上の注目を得ている。多くのアプリが教育系に寄っている一方で、エンターテイメントに焦点を合わせたゲームも一部にはある — 例えば、エルモやクッキーモンスターと「Facetime」できるものもある。

そして上に書いた通り、これらのアプリは子供たちに広告をタップしたり、追加アイテムを買うようにしつこく迫ることはない(Out Fit7のおしゃべりキャラクターなどとは違って)。購入は承認が必要な「親エリア」に隠されているだけでなく、このカテゴリーのアプリの多くは有料アプリであり、質の高さを示している。

幼稚園児の娘を持つ親の一人しとして、この数日間多くの推奨アプリを試しててきたが、スムーズにことは運んだ。以前試したような広告で埋め尽くされた質の悪い無料アプリと異なり、娘はお話や対話を楽しみ、まだ理解できない購入行動へとだまされて誘導されることはなかった。

私はiPadから古いアプリを一掃し、キッズストアの厳選されたアプリだけをインストールした.時間のある親御さんにはぜひおすすめしたい週末プロジェクトだ。

すでにダウンロード上昇中

まだ始まったばかりではあるが、Duck Duck MooseのCEO Alan Shustermanは、同社のアプリ14本がAppleに推奨されており、すでに売り上げに好影響を与えていると言っている。PBS KIDS Digitalの副社長、Sara DeWittも同様であると言い、このトレンドは続くと予想している。そして、Disney Publishingのデジタルメディア担当副社長、Yves Saadaは、子ども向けカテゴリーは、アプリの発見に役立ち、同社ではすでにダウンロードの増加を確認している、と話した。

Toca Bocaなどのようにまだ明確な上昇をみていない会社もあるが、時間とともに、新カテゴリーがApp Storeの注目スポットになり、デベロッパーにとって長期的な売り上げ増加につながることを彼らも期待している。

iTunesで新しい子ども向けアプリストアを利用するには、カテゴリーのリストをクリックして「子ども向け」を選べばよい。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi)