ウェブベースのコラボデザインツールFigmaが日本法人を設立、今後数カ月をめどに日本語版をリリース

ウェブベースのコラボデザインツールFigmaが日本法人を設立、今後数カ月をめどに日本語版をリリース

ブラウザー上で共同編集できるデザインプラットフォーム「Figma」(フィグマ)を提供するFigma,Inc.は3月16日、アジアで初の拠点となる日本法人Figma Japanの設立を発表した。今後数カ月をめどに日本語版をリリースする予定。Figma製品が英語以外で公式に利用できるようになるのは、今回が初。またカントリーマネージャーとして、ブライトコーブのシニアバイスプレジデントおよび日本法人代表を務めていた川延浩彰氏が就任する。

これまでサンフランシスコとロンドンにオフィス拠点を設けてきたFigmaは、日本国内でも採用活動を強化するという。
Figmaの日本進出への背景には、2019年末にFigma本社の製品並びに営業チームが日本へ市場調査に訪れたことや、直近1年間で(ユーザーの登録数ベースで)約2倍に拡大した活発なデザイナーコミュニティの存在がある。

同社によると、日本について、デザインとテクノロジーのグローバルリーダーとしてのポジションだけでなく、デザイン思考を持つ多くの顧客が存在する重要な市場と位置付け。このため、アジア最初の拠点として日本でのFigma Japan設立を決定したという。

Figma共同創業者兼CEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏は、「日本法人を設立し、日本市場向けのローカライズを行うことにより、この重要なコミュニティにFigmaがより一層普及し、『すべての人がデザインを利用できるようにする』という私たちのビジョンの実現に近づけてくれると考えています」と述べている。

デザイントークンやアセットを自動的に収集、保存、配布することでVIの統一を支援する「Specify」

Figma(フィグマ)とGitHub(ギットハブ)の共通言語を作るスタートアップ、Specify(スペシファイ)をご紹介しよう。Specifyは、あなたのデザイントークンとアセットのためのセントラルリポジトリとAPIとして機能する。言い換えれば、デザイナーは標準的なFigmaファイルを更新することができ、変更はGitHubリポジトリに反映される。

このスタートアップは、Eurazeoが主導する400万ユーロ(約5億1600万円)のシードラウンドを調達した。BpifranceのDigital Ventureファンド、360 Capital、Seedcampも同ラウンドに参加した。EurazeoのClément Vouillon(クレマン・ヴイヨン)氏やeFounderのDidier Forest(ディディエ・フォレスト)氏など、ビジネスエンジェルも出資している。

組織がデザインに本腰を入れ始めると、ボタン、アイコン、フォント、ロゴ、色など、統一したスタイルでデザインシステムを作りたくなるものだ。例えばログインページは、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)、Gmail、Pinterest(ピンタレスト)ではそれぞれまったく異なる印象を与える。

とはいうものの、デザイナーと開発者の双方がこれを手作業で行っていることが多いのが現状だ。デザイナーはConfluenceやNotionでデザイントークンやアセットを使ってドキュメントページを作成する。そして開発者は、手作業でドキュメントをチェックし、最新のエレメントを使用しているかどうか確認しなければならない。

画像クレジット:Specify

Specifyは、デザイントークンやアセットを保存するセントラルリポジトリとして機能する。ユーザーはまず、1つまたは複数のソースと1つまたは複数のデスティネーションでSpecifyを接続する。

例えばSpecifyを使い、Figmaファイルから情報やデータを直接取得することが可能だ。そしてデザイナーはFigmaで何かを更新することができ、その変更はSpecifyのリポジトリに反映される。Specifyは単一の真実のソースとして機能するわけだ。

だが、変更はアプリケーション内でより速く反映されることもある。何かが更新されると、Specifyは自動的にGitHub上でプルリクエストを作成することができ、コマンドラインインターフェイスもある。開発者はワンクリックで変更を受け入れることができる。このようにして、色、ロゴ、フォントなどが、手動で作業することなく更新される。

Specifyは、自社製品の対象をFigmaとGitHubに限定するつもりはないようだ。この先、Dropbox(ドロップボックス)やGoogleドライブなど、さらに多くのデータソースを導入する予定だ。そしてNotionなど、より多くのアップデート先に対応する予定もあるという。特に、1つのデザイン変更を複数の更新先にプッシュできる機能があれば便利だろう。

製品ビジョンは明確だ。Specifyは、デザインチームを一元化する接着剤になりたいと考えている。「当社のアプローチは、Segment(セグメント)とよく似ていますが、デザインのための製品だと考えています」と、共同創業者兼CEOのValentin Chrétien(ヴァランタン・クレティアン)氏は筆者に語った。

画像クレジット:Specify

画像クレジット:Balázs Kétyi / Unsplash (Image has been modified)

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(文:Romain Dillet、翻訳:Den Nakano)

AWS、ローコードのアプリ開発ツール「Amplify Studio」を発表

2021年のre:InventカンファレンスでAWSは米国時間12月2日、Figmaに接続されるノーコード / ローコードサービスで、これによりデベロッパーはクラウドに接続されたアプリケーションを迅速に開発することができるAmplify Studio発表した。Amplify Studioは既存のAWS Amplifyサービスの拡張で、ウェブアプリケーションやモバイルアプリを作れるという基本機能は同じだが、Amplify Studioはドラッグ&ドロップのインターフェースなので使いやすい。

AWSは、Studioを人気のあるユーザーインターフェースデザインツールFigmaに接続するという、おもしろいことをしている。これによりデザイナーはインターフェースをFigmaで作り、そのあとデベロッパーがそれを自分のバックエンドデータに接続してStudioの中でアプリケーションのロジックを作る。そのためAWSが自分のツールを作る必要がなく、Amplify StudioがFigmaのデザインをReact UIのコンポーネントのコードに翻訳する。

画像クレジット:AWS

AWSのRene Brandel(ルネ・ブランデル)氏は、声明で「Studioの新しい『UI Library』(プレビュー)で、FigmaとAmplify Studioのコンポーネントを同期できます。またAmplifyには便利なFigmaファイルがあるため、仕事の開始が早い。AmplifyのFigmaファイルには、UIのプリミティブと既成のコンポーネントの両方があります。さらにStudioは、Figmaで作られた新しいコンポーネントも同期できます」。

画像クレジット:AWS

AmazonのWerner Vogels(ワーナー・ヴォゲルス)CTOによると、同社はこれを今でもデベロッパーファーストのサービスと見なしており、特にフロントエンドのエンジニアが対象だ。つまり、まだあちこちにコードを少し書かなければならないということだが、それによりデベロッパーは自分のアプリケーションを既存のDevOpsのパイプラインにエクスポートすることが容易にできる。

Amplify Studioでは、必要なら一部の既成コンポーネントを、AWS Cloud Development Kitを使って、デベロッパーがAmplify Studioの中でオーバライドしてもよい。AWSによると、これのおかげでデベロッパーは、ニーズや成長に応じてアプリケーションをスケールできないといった壁にぶつかることがない。

画像クレジット:AWS

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ウェブベースのコラボデザインツールFigmaがホワイトボード「FigJam」公開

Figmaは数年間のステルスを経て、ウェブベースのコラボレーションデザインツールを公開し、それ以降は開発を迅速に回してきた。米国時間4月21日、同社はこれまでで最大のアップデートを発表した。

Figmaの新しいホワイトボードツール「FigJam」だ。

Figmaの全体的なコンセプトは、デザイナーは仮想のテーブルで広いスペースを使い、効率よくコラボレーションできる場を必要としていることから生まれた。ことに在宅で仕事をするようになった2020年からは、まさにそうしたものが求められている。そこでFigmaはホワイトボードツールでデザイナーのワークフロー全体に手を広げることにした。

FigJamはデザイナーが集まってアイデアを出す場となるだけでなく、デザイナー以外の人もブレインストーミングに使うことができる。

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FigJamには付せん、絵文字、ドローイングツールの他、図形、あらかじめ設定された線とコネクタ、スタンプ、FigJam内でライブで簡単にコミュニケーションを取ることのできるカーソルチャットなどの機能がある。もちろんFigJamはFigmaと連携するので、FigJam上で作られたコンポーネントやデザインオブジェクトを簡単にFigmaに移行できる。

Figmaの創業者でCEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏は「実際のデザインワークに入る前に、FigJamをデザインプロセスの最初の段階で使えるようにすることに焦点を絞って取り組みました。人々は流れるように使える優れたエクスペリエンスを求めていますが、同時に多くの人々がこのツールに参加できるようなシンプルものにしたいとも考えました」と述べている。

シンプルにすることを目指して、Figmaはすべての製品にボイスチャットも導入した。これにより、Figmaで他の人と連携してデザインをしたりFigJamでブレインストーミングをしたりする際にZoomやGoogle Meetを別途使う必要がなくなり、Figmaでチャットをオンにしてオーディオを使うことができる。

Figmaはボイスチャットをゼロから開発したのではなく、パートナーとの連携によって導入した。Figmaはボイスチャットに関して連携しているパートナーやテクノロジーを公表しなかった。

FigJamとボイスチャットに加え、Figmaはさらに機能を充実させたモバイルアプリもリリースする。モバイルアプリは、公開時にはTestFlight経由のベータ版として提供される。

画像クレジット:Figma

Figmaが今回発表した最新情報としてもう1つ、Figmaの分岐とマージの機能がある。例えばデザイナーがデザインシステムをアップデートする際に、共有されているコンポーネントやリソースをアップデートして他の人たちのワークフローに影響を与えるのではなく、分岐して作業し、その後で既存のデザインシステムとマージすることができる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Figmaデジタルホワイトボード

画像クレジット:Figma

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(文:Jordan Crook、翻訳:Kaori Koyama)