AmazonがスマートテレビコントローラーFire TV Cubeの第2世代を発表

9月6日にドイツ・ベルリンで開幕したヨーロッパ版CESともいえるコンシューマーエレクトロニクス展であるIFA 2019で、Amazon(アマゾン)はFire TV関連プロダクトを20種類以上発表した。最大の注目は第2世代のFire TV Cubeだろう。これはAlexa搭載のスマートテレビコントローラーで、米国、英国、日本ではすでに予約注文受け付け中だ。

一方、Fire TV EditionをOSとして搭載したプロダクトも15種類発表された。なかでもAnkerのFire TV Editionサウンドバーが注目を集めている。Editionを搭載した製品にはOLEDスクリーンのスマートテレビも含まれる。

今回の発表は、AmazonがFire TVのハードを大幅に強化するものだが、この背景にはアメリカのスマートテレビ市場ではAmazonを抑えてRokuがマーケットリーダーとなっているという事情がある。

ただしAmazonの発表によれば、 各種Fire TVデバイスには世界で3700万人の月間アクティブユーザーがいるという。これはRokuが第2四半期の決算で発表した3050万人より多い。スマートテレビは家族で利用することが多いが、ストリーミングのためには両社とも1家族は1アカウントしか取得できないので比較的正確な比較になっているはずだ。

本日ベルリンで発表されたFire TV Cubeは、現行製品に比べて大幅なアップデートとなっており、Alexaを搭載リモコンが付属することで初のハンズフリーFire TVを実現している。

All new Fire TV Cube side

Amazonによれば、新世代Fire TV Cubeは6コアのCPUを搭載しており、パフォーマンスは現行モデルの2倍で、Dolby Visionと4K Ultra HDコンテンツをレイテンシーなしに最高60fpsの速度で再生できる。またLocal Voice Controlを搭載し、「Alexa、右にスクロール」といった日常よく使われる音声コマンドの実行速度が最高4倍にスピードアップしている。新しいCubeには遠隔音声認識機能が搭載され、部屋に大勢の人がいて騒がしい場合でもユーザーの声を正しく聞き分けられるという。

今回、Cube互換プロダクトとして、スマートテレビ、サウンドバー、動画・音声のレシーバー、衛星放送チューナーなど関連製品多数が披露された。【中略】

Fire TV Cube Couch

Amazonはサードパーティのプロダクトに搭載するOS、Fire TV Editionの拡大にも力を入れており、Skyworth、Arcelik、TPV、CompalなどがEdition搭載の製品15種類を発表した。中でも注目はJVCのUltra HD、HDR対応のFire TV Edition搭載4Kスマートテレビだろう。英国では349ポンドで発売されることになっているが米国など他の市場での扱いについては情報がない。

Grundig OLED Fire TV Edition display

スマートテレビ以外での注目Edition搭載プロダクトはAnkerから発表されたNebulaサウンドバーだ。これはFire TV EditionをOSとして組み込んだスマートスピーカーで、スマートテレビのインターフェイス、4K Ultra HD、NFCによるAlexa音声コマンド、Dolby Visionなどをサポートする。

Nebula Soundbar – Fire TV Edition 4

Ankerのサウンドバーは米国では229.99で予約を開始している。その他カナダ、英国、ドイツでも販売されるが、他地域でどうなるかはまだ情報がない。

米国市場におけるスマートテレビへの組み込みOSのシェアでは、Roku OSがトップだ。米国のスマートテレビの3台に1台以上はRoku OSを採用している。今回、IFA 2019でAmazonがEdition OSの普及に力を入れてきたのは、Rokuに対抗する意味合いが強い。Amazonの国際市場におけるネットワークはRokuよりはるかに強力だ。Amazonは今後、Fire TV Editionの国際展開に全力を挙げるものと予想される。

【Japan編集部追記】日本での発売は2019年11月5日から、価格は1万4980円で予約受け付けはこちら。ページ左上に「互換性確認」のポップアップがある。テレビ、A/Vレシーバー、サウンドバーについてブランド別に互換性の有無を確認できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook