Amazonは不評のFireスマートフォンを殺さずに長期な視野で育てる気だ

Amazonは同社のスマートフォンFireに関して、長期的な見方をしているようだ。短期的には、立ち上がり時の売れ行きがぱっとせず、大幅に値下げをしても8300万ドルぶんの過剰在庫があり、その製造コストは1億7000万ドルにもなる。Amazonのデバイス担当SVPのDavid LimpがFortune誌で、大きな問題は最初の価格設定を間違えたことだ、と語っている。キャリア契約付きで199ドルだった価格が、今ではわずか99セントだ。

Limpによると、値下げ前に比べるとすごく売れているそうだが、例によってAmazonは数字を挙げない。最初のころ買った顧客から大量の苦情が殺到したので、ソフトウェアは大幅に改訂したそうだ。今のバージョンに対してもソフトウェアの改良は続けなければならない、という。そして長期的には、Kindleのような安定に達することを同社は期待している。

Kindleも最初は欠陥が多くて、不評だった。今のKindleに比べるとあらばかりが目立ち、誰もその長寿を予想しなかった。Fireスマートフォンに関してもやはり、アナリストやメディアはその早逝を声高に言いふらしている。しかしAmazonは少なくともあと数世代、ソフトとハードの改良を続けて、顧客が見直すようなものに到達したい、という根性のようだ。最初のバージョンは、あまりにもAmazonでのショッピングを強調しすぎていた。そして将来のバージョンでは、もっと良い均衡を目指すのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、FireタブレットおよびKindleの新モデルを正式アナウンス

Amazonが新たに6つのデバイスをリリースした。出荷は10月中の予定で、ホリデーシーズンにも間に合う。新たに発表されたのは別の記事でも紹介したe-inkタブレットのVoyageとfire HD、そして8.9インチでKitKatベースのFire OS 4.0を搭載して読書のみならずゲームや仕事をも意識したfire HD8.9だ。

尚、fire HDには、25ドルのラバーケースを装着して特別にパッケージングした子供向けのモデル(訳注:日本では未発表の様子)もあり、ペアレンタルコントロールのためのソフトウェアやアプリケーションが同梱されている。

細かくみていこう。まず新しいKindle Fire HDには6インチモデルおよび7インチモデルがあり、以前のFireより薄くなっている。デザイン的には以前のものと変わらないのだが、薄くなりつつパワーは増しているのだ。クアッドコアプロセッサーを搭載し、フロントおよびリアの両面にカメラを備え、ブラック、ホワイト、ブルー、レッド、およびイエローのカラーバリエーションがある。値段の方は6インチモデルが99ドル(訳注:日本では発売記念価格9,980円)で、7インチモデルが139ドル(訳注:日本では16,280円から)となっている。

新しいHDXモデルの価格は379ドル(訳注:日本では40,980円から)となっている。2.5GHzのプロセッサーを搭載し、ディスプレイ解像度は339ppiとなっている。これがフラッグシップ機となるもので、別売りで59ドルでワイヤレスのFire Keyboardというものを使うこともできる。これをつなげば、キーボードからドキュメントの編集を行ったり、画面を操作することができるようになる。

Fire for Kids(子供向け版)はラバーケースを装着していていて、1年間のFreeTimeサブスクリプションも含まれている。これは映画、ゲーム、アプリケーション、書籍などが見放題、使い放題となるサービスだ。6インチモデルが149ドルで7インチモデルが189ドルとなっている。ちなみにこちらの方の保証期間が2年間となっているのも嬉しいところだろう。期間内に何らかの理由で不具合が生じた場合、デバイスを送り返せば新しいモデルと交換してもらえる。子供というのは落としたり叩いたり、あるいは踏みつけてしまったりするものだ。そういう場合にも対応してもらえるようだ。

e-inkファンはやはりVoyageに注目するのだろう。驚くほど薄く、そして軽い。価格は199ドルと高くなっているが、解像度などの面で改良が加えられている。まるで1枚の金属板の上に文字が表示されているような印象を受ける。デバイスの左右にはページ送りのためのセンサーが配置されている。もちろん画面はタッチ対応で、1度の充電で6週間使うことができる。従来のKindleは79ドル(訳注:日本では6,980円から)の新デバイスに収斂させることになるのかもしれない。

デバイスはすべてAmazonが買収したGoodReadsのサービスを使えるようにもなっている。友人と読書の進捗を共有したりすることができる。またWord Wiseという機能も搭載され、これにより難しい言葉などの語釈を画面に表示させることもできる。これは学生や、あるいは英語学習者にとって嬉しい機能だろう。

すべてのデバイスは既にプレオーダーできるようになっている。出荷時期は10月の予定となっており、クリスマスプレゼントにも使えるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H


充電に「電気」が使えないのなら「火」を使ったらどうなの?! 炎の力で充電を行うFlameStower

ついにガジェットの充電にも火力を用いる時代がやってきた。Stanford’s StartX Summer 2013クラス発のスタートアップであるFlameStowerがKickstarterにて「火」のを用いた充電器のクラウドファンディングを開始したのだ。

この仕掛けを使えば、キャンプファイア、ガスコンロ、あるいは焚き火の熱をエネルギーに、スマートフォンなどのUSB充電デバイスにエネルギーを送り込むことができる。最大出力は3Wで、平均では2Wとなっている。大雑把に換算すると1分辺りで2分ないし4分程度の通話時間分をチャージすることができる。

FlameStowerは主要用途をアウトドアに想定しているが、もちろん停電時や嵐などに襲われたときのためのバックアップとしても利用できるだろう。

キャンプ用品と一緒に持ち運べるように、FlameStowerは非常にコンパクトな形状となっている。バックパックに簡単に収められるはずだ。

アウトドアで充電するなら太陽光方式の方が便利だと思う人もいるかもしれない。しかし太陽光方式は、当然ながら昼間しか利用できない。火力方式ならばいつ何時でも利用できるわけだ。

動作の仕組みはどうなっているのだろうか。Thermoelectric Generatorを使って、温度差を利用して電気を生み出すようになっている。金属製のブレードを火で熱し、もう一方のブレードを水を入れたタンクに入れて冷やす。つまり、正確にいえば発電するのには火だけではなく、水も必要だということになる。もちろん火を燃やすには空気も必要だ。火、水、そして空気。四大基本元素のうちの3つを利用するわけだ。

火の温度が高くなればなるほど、多くの電力を生み出すことができるようになっている。但し、コンセントから得られるようなレベルでの充電能力は期待しないで欲しい。FlameStowerは、自らの仕組みをラップトップのUSBから行う充電に例えている。すなわち充電にかなりの時間がかかるということだ。電子デバイスに関わらず自然を楽しむ時間ができるわけで、もしかするとそれも狙いかもしれない。

Kickstarterでの調達希望額は1万5000ドルだ。この資金でぜひとも充電装置を製品化したい考えだ。期限まで28日ほどを残した現在、半分ほどの額が集まっている。

尚、今ならまだ初期割引の70ドル(通常よりも10ドル安い)でFlameStowerを入手することができる。出荷予定は12月となっている。

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(翻訳:Maeda, H)