FirefoxのiOSバージョンがiPad向けに最適化、デスクトップに近い機能も

Mozillaは米国時間3月22日、FirefoxiOSバージョン発表した。今回はアップルのiPad向けに最適化されている。今週は新しいiPad miniが発売されたから完璧なタイミングだ。タブレットに適したブラウザーの制作は、Mozillaが近年集中していたスマートフォン向けのブラウザーとは違う、という認識の表明でもある。

Mozillaは今日の発表声明でこう書いている。「iPadは単なる大きなiPhoneではない。使い方も違うし、目的も違う。そこで、iOS向けのブラウザーの大型バージョンを作るのではなくて、今回のFirefox for iPadのルック&フィールをタブレットに適したものにした”。

この新しいバージョンでは、Firefox for iPadが画面分割などiOSの機能をサポートするようになり、またOutlook for iOSの中でFirefoxをデフォルトのブラウザーに指定できる。タブの管理を大きな画面向けに最適化し、タブを大きなタイルのようにして、見やすい、開きやすい、閉じやすいを実現した。そして他の端末とシェアしたいタブがあれば、URLをコピペしなくても、昨年導入されたSend Tabs機能で簡単にできるようになった(タブのメニューで「タブを端末へ送信」)。

プライベートブラウジングの開始はiOSではかなり面倒だったが、このiPadバージョンでは一回のタップで済み、そのことがタブバーに強調表示されている。

iPadはキーボードを使うユーザーも多いから、今度のFirefoxには当然ながらキーボードショートカットがある。

iPadのユーザーで別のブラウザーを探していた人には、Firefoxがいい候補になりうるだろう。ぜひ試してみて、感想をコメントで知らせてほしい。なお、ついでながら、ブログのコメント欄に広告スパムを投稿するのだけは、やめておくれ。もう、みんな、見飽きてるから。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Firefox v66は自動再生のオーディオやビデオ、時間差広告を自動ブロック

Mozillaは米国時間3月19日、Firefoxブラウザーのバージョン66をリリースした。いつものアップデートとバグフィックスに加えて、今回はオンラインの迷惑行為を減らすという明確なテーマがある。

今回のアップデートでは、自動再生されるオーディオやビデオを自動的にブロックできるようになった。それらは、今のWebの疫病だ。ただブロックするだけでなく、もうすこしお利口で、ビデオがオーディオをミュートして再生されていることがわかったら、その再生を放置する。ニュースサイトのようにキャスターがでっかい声でがなりたてるようなサイトなら音声ミュートして静かにする。

Firefoxがブロックしたビデオを見たいときは、プレイボタンをクリックすればよい。常に自動再生ビデオOK、ミュートされない音声もOKのサイトを、ホワイトリスト(無害者のリスト)に入れることもできる。

最近のもうひとつの大迷惑は、テキストやそのほかのコンテンツがロードされてページを見られる状態になったあとに表示される広告だ。広告がテキストの位置を勝手に変えたり、画像のロードが遅くなるのもかったるい。Firefoxが今回導入したスクロール・アンカー機能を使えば、ロードの遅い広告のロード中にページのあちこちへ飛び回る〜飛ばされる必要がなくなる。

このバージョンのそのほかのアップデートとしては、複数のタブの中を検索する機能を新設、プライベートモードのときの検索を改良、分かりやすいセキュリティ警告メッセージ、Windows HelloのWeb認証のサポート、などがある。またエクステンションの設定を各エクステンションごとにではなく、単一のファイルにまとめて、そのぶんページのロードを速くした。

ニューバージョンの完全なリリースノートはここにある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Mozillaが無料の暗号化ファイル共有サービス「Firefox Send」を開始

Mozillaの無料の暗号化ファイル転送サービスの「Firefox Send」が、2017年8月のテストパイロットを経て、米国時間3月12日に正式に公開された。Webのユーザーが最大2.5GBのファイルをブラウザで共有できるサービスで、ファイルはエンドツーエンド暗号化と、非公開でファイルを共有し自動で期限切れとなるリンクによって保護される。

Mozillaが最初にWebベースのFirefox Sendのテストを始めたときは、ファイルの容量は1GBに制限されていた。現在も、Firefoxのアカウント(無料)にサインアップしていないユーザーの制限は1GBのままだ。サインアップすることで最大2.5GBのファイルを共有できるようになる。

メールに容量の大きいファイルを添付すると問題が起きやすい。1つのファイルを1回共有したいだけであって、ファイルを保管したり編集したりするわけではなく、ほかの人と共同作業をしたいわけでもないのに、無駄に時間がかかってしまう。Firefox SendはGoogleドライブやDropboxといったクラウドストレージサイトと同様に、メール添付で送る方法の代替となる。

このサービスを利用するには、送信側はFirefox SendのWebサイトにアクセスし、ファイルをアップロードして期限を設定する。サイトの設計は、限られた時間だけ共有できるSnapchatにヒントを得たようだ。アップロードする前にファイルをパスワードで保護することもできる。

アップロードするとFirefox Sendがリンクを生成する。それを受信側に伝えると、受信側はリンクをクリックするだけでダウンロードが開始される。Mozillaによれば、Firefoxのアカウントがなくてもファイルにアクセスできる。

財務情報といったWebで共有するには懸念があったファイルを転送できるツールになり得ると、Mozillaは示唆している。

ただしセキュリティの専門家は、機密性の高いファイルをオンラインサービスで共有する際には、どんなツールであっても注意を払う必要があると警告している。権限のないアクセスによって何かしらのトラブルが起きる危険性は常にある。

とはいえ、Mozillaはこうしたことに関しては信頼性の高い組織のひとつだ。Firefox Sendは「Private By Design」ですべてのファイルを保護するといえる。Mozillaはたとえば、パスフレーズがFirefoxにまったく送信されないようにFirefoxアカウントを設計した。またMozillaは今回の発表の中で「ユーザーのデータを個人のものとして、かつ安全に扱う」ことが使命であるとも述べている。これが組織の理念であり、さらにプライバシーは基本的権利であるとMozillaが考えているということだ。

こうした背景があるにせよ、Firefox Sendの信頼性を承認するにはセキュリティの専門家が直接システムをテストする必要がある。このサービスは正式に公開されたばかりで、まだテストが繰り返し実施されたわけではない。

Firefox Sendは、FirefoxのWebツールやサービスに新しいユーザーを引きつける手がかりとなるかもしれない。Firefoxは、かつては誰もが知っている人気ブラウザだったが、シェアは年々減少していた。IE、Safari、ChromeなどがIT大手の組み込みオプションになっているためだ。しかしIT大手に対する人々の疑念は増し、データの侵害はあまりにも頻繁に起き、オンラインのプライバシーは全般に低下している。Firefoxが返り咲きを図るには絶好のタイミングだ。実現できるかどうかはまた別の問題だが。

Firefox Sendはsend.firefox.comですでに利用できる。今週後半にはAndroidアプリのベータ版がリリースされる予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Firefoxも自動再生ビデオをデフォルトで無音化

Webのビデオやオーディオの自動再生よりもひどいものは、世の中にたくさんある。なんといっても、世界はひどい場所だ。でも、Webを閲覧してると突然大音量でビデオの再生が始まるのはまったく興ざめだ。GoogleのChromeブラウザーとMicrosoft Edgeには、この迷惑行為を無効にするツールがあるが、MozillaのFirefoxブラウザーも、3月ニューバージョンでそれが提供される。

たとえば、新しいサイトを訪ねても、デフォルトでは、“play”ボタンをクリックしなければオーディオやビデオの(オーディオの)再生は始まらない。無音のビデオは再生されるが、これも迷惑だし帯域を食う。でも音がなければ、仕事の邪魔にはならないだろう。

Mozillaの技術者Chris Pearceによると、この新しい機能はFirefox 66から搭載される。ただし、サイトによっては、“自動再生有効”をユーザーが指定できる。自動再生のビデオやオーディオをブロックしたときには、FirefoxのURLバーに下図のようなアイコンがポップアップするから、それをクリックすれば“自動再生on”にできる。

ただし、ユーザーがカメラやマイクロフォンへのアクセスを許しているサイトでは、自動再生が行われる。それはビデオ会議のサイトだったりすることが多いから、ビデオ再生onの方が合理的だ。

これは確かに、Firefoxのユーザーにとっては朗報だ。でもビデオの自動再生をやってるサイトを作ったデベロッパーは、悔い改めてやり方を変えた方が良いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxのための実験工房Test PilotをMozillaが閉鎖へ、今後はMoz本体として新機能の実験を増やす

Mozillaが今日(米国時間1/15)、Firefox Test Pilot事業の閉鎖を発表した。これまでの3年間、Test PilotはMozilla Firefoxの実験的な機能を、志願したユーザーグループと共に試用する場だった。たとえばユーザーをユーザー追跡から護る繭のようなContainers機能は、のちにFirefox Facebook Containerエクステンションとして実現した。そのほか、スクリーンショットを撮るPage Shotや、最初のFirefoxとは無関係のテストとなったiOS用Lockboxアプリなどが、その例だ。

Test Pilotは消えゆくが、実験的機能のテストは今後も続ける、とMozillaは約束している。同団体の説明によると: “Firefox Monitorのようなプロダクトに導いたイノベーションは今後はひとにぎりの個人たちの担当とはせず、全組織の課題とする。Firefoxが築いてきた実験的精神は、誰もが担わなければならない。そういうテクニックやツールはわれわれのDNAでありアイデンティティだ。だから今度の、全組織浸透化はめでたいことである”。

Mozillaのもうひとつの約束は、Test Pilotという事業がなくなっても、これまでの参加ユーザーが使っているものを無効にはしないこと。その多くはmozilla.orgにおける正規のアドオンになるようだ。また、Mozilla Labsは継続して、Firefox for VRなどのプロジェクトを進めてゆく。

それでもなお、Test Pilotがなくなることは残念だ。それは小さなグループが、新しい便利な機能を低いリスクで試せる場所だった。サイドバー上のタブという、マイナーな機能も、そうやって実験された。今後実験はむしろ増える、とMozillaは言っているが、Test Pilot亡きあと、果たしてどうだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefox Focusがトラッキングに対する保護を強化、GoogleのSafe Browsingサービスを導入

AndroidiOSのFirefox Focusは、Mozillaのプライバシーを重視するブラウザーだ。今日Mozillaはこれらに、新しいプライバシー機能と、そのほかのいくつかのツールを加えて、ユーザーデータの保護を一層強化した。

まず、新しい機能としてEnhanced Tracking Protection(強化版追跡保護)が加わった。最初デスクトップ用のFirefoxに導入されたこの機能は、前よりも細かい粒度でクッキーやトラッカーをブロックできる。これまでFocusはデフォルトではすべてのクッキーをブロックしていたが、これからは三段階でクッキーのブロックを指定できる(全ブロック、サードパーティのクッキーのみブロック、サードパーティのトラッカークッキー〔ユーザーを追跡するために使われるクッキー〕のみブロック)。Mozillaはこの機能のためにDisconnectのTracking Protectionリスト(トラッキング保護リスト)を使っている。

Mozillaはこう説明している: “これによりユーザーは、ユーザーのWebサイト体験に貢献するクッキーを許可し、複数のサイトにわたってユーザーを追跡するトラッカーは撃退できる。ユーザーのオンライン行動を記録して、同じ広告を何度も見せるような行為を防止できる”。

またMozillaの今日の発表によると、Firefox Focusはこれからは、すべてのURLをGoogleのSafe Browsingサービスでチェックし、ユーザーがフィッシングサイトをクリックしたり、そのほかの詐欺的なサイトを開かないようにする。Firefoxが強敵Chromeを抱えるGoogleのサービスを使うのは、ちょっと引っかかるが、でも今ではほとんどすべてのブラウザーがSafe Browsingを利用している。またMozillaには、Googleをデフォルトの検索エンジンにしていることへの、Googleからのプロモーション収入もある。

さらにiOSでFirefox Focusを使ってるユーザーには、Androidと同じく、検索のサジェッションが提供される。しかしGoogle等がサジェッションをするためには、ユーザーがタイプする内容を彼らに送る必要があるので、プライバシー上の問題はある。このプライバシー重視のブラウザーでは、したがってこの機能はデフォルトではoffである。

画像クレジット: Mozilla

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MozillaとQualcommが協力してARM上のWindows 10用ネイティブバージョンFirefoxを開発中

MicrosoftはGoogleと協働して、ARM上のWindows 10にChromeブラウザーのARM64ネイティブバージョンを導入しようとしている。そしてMozillaの今日(米国時間12/6)の発表によると、彼らもまた、FirefoxのネイティブバージョンをARM上のWindows 10に持ち込もうとしている。同団体はその作業を、Qualcommと協力して行っている。

ふつうMicrosoftがARMベースのマシンで動くWindows 10アプリケーションを作ろうとするときには、さまざまなエミュレーションテクニックを使っていた。それらは、動作は良好だが電力消費とパフォーマンスの両面で問題があった。ネイティブアプリケーションなら言うまでもなくエミュレーションは要らないので、もっと速く効率的に動く。ブラウザーはいちばん多く使われるアプリケーションのひとつだから、メジャーなブラウザーのベンダーたちがこぞってこのプラットホームをサポートしようとするのも不思議ではない。ただし少なくとも当面は、ARMは小さなニッチと言わざるをえないが。

ARM上のWindows 10用のFirefoxは、いつリリースされるのか? Mozillaに問い合わせたが答はない。情報が得られ次第、この記事をアップデートしよう。

Qualcommも今日、PC向けの高級機8cxを発表した。それは同社が、将来のPC市場を諦めていないことの証だ。それもまたARM互換機だから、Mozillaが今日を発表の日に選んだのもたぶん偶然ではない。しかし、なおまた、Microsoftも今日、同社のEdgeブラウザーがChromiumエンジンを採用する、と発表した。これにより、大きなマーケットシェアを争うメジャーなブラウザーを駆動するエンジンは、ChromiumおよびFirefoxのGeckoと、AppleのSafariが使っているWebKitの計3つに絞られてきた。

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FirefoxブラウザーにWebサイトの侵犯通知機能が加わる、開示義務により侵犯情報の最新化も期待

MozillaのWebブラウザーFirefox Quantum*に、新しいセキュリティ機能が加わる。それは、最近データ侵犯が報告されたWebサイトを訪ねようとすると、ユーザーに警告する機能だ。〔*: 2017年のv57以降の設計が一新されたFirefoxブラウザーを、開発者のMozillaがFirefox Quantumと呼んでいる。〕

Firefoxのユーザーが最近侵犯されたWebサイトを開くと、通知のポップアップが表れて侵犯の詳細を告げ、ユーザーの情報が漏洩しなかったかチェックするよう勧められる。

Mozillaの発表によると、“このようなプライバシーとセキュリティに関する機能へのユーザーの関心が高まっているので、Firefoxのユーザーにこの通知警告機能を提供することになった。この新しい機能は、今後数週間で、Firefoxの全ユーザーに展開される”、とある。

侵犯を通知するポップアップとその上の情報は、こんな感じだ:

FirefoxのWebサイト侵犯通知機能, 画像提供: Mozilla

Mozillaはこの、サイトの侵犯通知機能を、今年初めにローンチしたメールアカウントの侵犯通知サービスFirefox Monitorに統合しようとしている。今日(米国時間11/14)の発表によると、それは26の言語で利用できる

Firefoxのユーザーが、サイトの侵犯を告げるポップアップが出たときクリックしてMonitorへ行けば、メールアカウントの侵犯についても知ることができる。

Firefox MonitorでMozillaは、侵犯されたWebサイトのリストを、パートナーであるTroy Huntの先駆的な侵犯通知サービスHave I Been Pwnedから得ている。

ユーザーをあまりにも多くの情報でうんざりさせないために、Mozillaは侵犯の通知を一サイトにつき過去1年に起きたもの一つに限定している。〔全部知りたければFirefox MonitorやHave I Been Pwnedを使えばよい。〕

データ侵犯はデジタル生活の不運な定番で、最近はビッグデータサービスの登場により、増加傾向にある。そして、人びとの関心も高まっている。ヨーロッパでは5月に導入された厳しい法律により、侵犯の普遍的な開示義務と、データ保護の失敗や怠慢に対する罰則が制定された。

そのGDPRフレームワークは、データをコントロールしたり処理したりする者たちにセキュリティシステムの改良を勧奨するために、彼らにはさらに重い罰を課している。

法律や罰則の強化によってセキュリティへの投資が増えたとしても、それが実際に侵犯の減少として効果が実っていくためには、時間がかかるだろう。どれだけ法が、その効果を期待していたとしても。

でもGDPRの初期の功績のひとつは、企業に侵犯の開示を義務付けたことだ。そのため今後は、このようなセキュリティツールが利用する侵犯情報も、より多く、そしてより最新のものになるだろう。一般ユーザーのためにも、この法律はポジティブな効果を上げているようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxの実験部門Test Pilotから価格追跡とリンクをメールでさっと送れる実験プロジェクトがローンチ

Firefoxのさまざまな新しいアイデアを実験しR&Dしている部門Test Pilotが今日(米国時間11/12)、二つの新しいプロジェクトを発表した。それらは、オンラインストアのアイテムの価格を追跡するPrice Wiseと、友だちなどにリンクを簡単にメールで送れるEmail Tabsだ。

Price Wiseはその名のとおりのサービスで、Best BuyやeBay, Amazon, Walmart, Home Depotなどにおける価格の変化をFirefoxを使いながら調べられる。そういうエクステンションは前からいろいろあるが、今回のはひもつきでないことが、すばらしい。Mozillaによると、すべての処理がどっかのサーバーではなくユーザーのマシン上で行われ、サードパーティのツールは使わない。またアフィリエイトなどを通じてMozillaが収益を得ることもない。

ちょっとおもしろそうなのは、Price Wiseが機械学習を使っていることだ。Mozillaのスポークスパーソンは曰く、“機械学習は個々のエクステンションの中にあるのではなく、今後いろんな仕事をプライバシーを犠牲にせずにやらせるために、汎用ツールのような形でエクステンションの外にある”。

一方Email TabsはPrice Wiseと違って新しいコンセプトだ。家族や友だちなどとリンクの共有をメールでやってる人は今でも多いが、そのためのコピペという作業はあまりエレガントではない。そこでEmail Tabsのボタンを押すと、共有したいタブと、そのリンクと一緒に送りたいわずかなコンテンツを指定して送信できる。つまり、リンクだけでも送れるし、ページのスクリーンショットやテキストの全文コピーなども送れる。

そのために使うメールアプリケーションは目下Gmailだけだが、すべての情報をクリップボードへコピーしてどこかへペーストしてもよい。

これら二つの実験的プロジェクトは、Test Pilotにサインアップして誰でも利用できる。

Firefox Email Tabs

Mozillaはさらに今日、実験から本番に昇格した三つのプロジェクトを発表した。まず、最大1GBまでのファイルを暗号化してシェアできるSendは、年内にアップデートして再ローンチする。そしてFirefoxのルックスをカスタマイズできるColorは、エクステンションとして独立する。そしてさらに、二つのブラウザーウィンドウを一つのFirefoxウィンドウの中に横並びにできるSide Viewも、独立のエクステンションになる。

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Mozillaは寄付の全額をTor Projectへのマッチングファンドに、Firefoxへの内蔵も開発中

Firefoxの生みの親であるMozillaが、その長年の盟友Tor Projectに再び目を向け、寄付の全額をTorの資金として提供することになった。オンラインのプライバシーを強化するオープンソースのプロジェクトTorは、今年も年末恒例の資金集め活動を開始したばかりだ。

TorはMozillaのサポートを今日(米国時間10/24)発表し、両者のパートナーシップがさらに続くことになった。昨年Torが調達した40万ドルあまりには、Mozillaの貢献も含まれている。これはテクノロジー系のスタートアップなら小額のシードラウンドにすぎない額だが、しかし2015年に政府の補助金への依存をやめて、資金源をクラウドファンディングに切り替えたTorにとっては、重要な収入源だ。

その2015年には、Torは330万ドルという記録的な額の寄付を受領した。それは2014年の250万ドルを上回り、今だにTorの年収の最高額だが、しかしその86%は国の補助金だった。それは、これまでで最高の額だが、Torの研究部長で社長のRoger Dingledineは当時、もっと頑張ってその比率を減らすべきだ、と認めていた。

Torは2016年以降の決算報告をまだ出していないが、昨年はプロダクトの面では大きな飛躍があった。Torは今でも、NSAの内部告発者Edward Snowdenが使ったことが、いちばんよく知られている。大きな飛躍というのは、今年の9月にAndroid用のモバイルブラウザーをローンチしたことと、同じ月にTor Browser 8.0をリリースしたことだ。後者は、これまででいちばん使いやすいTorのブラウザーで、Firefoxの2017 Quantumがベースだ。TorをFirefoxに内蔵するために、Firefoxとの密接な協働が続いた。Mozillaの元CEO Brendan Eichが作ったブラウザーBraveは、すでにTorを内蔵している

Torはブラウザーと、盗聴や監視のおそれを最小化するTorネットワーク本体のほかにも、いろんなプロジェクトを抱えている。Tor自身のデータによると、Torの推定ユーザー総数はおよそ200万人だ。

Tor Foundationで資金調達を担当しているSarah Stevensonはこう語る: “Tor Projectには大胆なミッションがある。ネットワークに対する侵入や制限に抗して世界中のインターネットユーザーのプライバシーと自由を守ることだ。でもそれは、一人ではできない”。

“エジプトやベネズエラなどの国には表現の自由に対する制約があり、オープンなWebへの自由なアクセスができない。また企業サイドでは、GoogleやAmazonなどが人びとのデータを濫用し、監視経済を肥大させている。反対意見を封じ込めるために、インターネットアクセスを全面的に禁じている国すらある”。

というわけで、Tor Projectの果敢なミッションに賛同される方は、同団体にここで寄付できる。

参考記事

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MozillaのFirefox Monitorが今後のアカウントハックのアラートサービスを開始

今年の早い時期にMozillaは、ユーザーのオンラインアカウントが最近のデータ漏洩事件でハックされたことを検出するサービスFirefox Monitorを発表した。それは、ユーザーのメールアドレスを入力するとHave I Been Pwnedのデータベースを調べて、どのサイトでいつ、何が漏洩したか〔例: パスワード〕を教えてくれる。そして今日(米国時間9/25)Mozillaはさらに一歩進んで、ユーザーがMonitorの登録ユーザーになっておくと将来の漏洩をアラートしてくれることになった。

Firefox Monitorは最初、実験的サービスとみなされていたが、今では正式のサービスになっている。

どこのサイトのアカウントもハックされていなければ、それはとてもラッキーだが、それでもFirefox Monitorのアラートサービスに登録しておいて損はない。そのうち、あなたのメールアドレスの流出が報告されるかもしれない。そもそも最初にMozillaが、人びとに要望する機能について尋ねたとき、いちばん多かったのが、今後のデータ流出の通知だった。

Mozillaによると、Firefox Monitorは、今後数か月の同団体のロードマップに載っているいろんなプライバシー/データセキュリティ機能のひとつにすぎない。Mozillaは自分を中立的な機関と位置づけているから、立場としては良い。たとえばChromeは、Googleが大量のユーザーデータを集めていることが最近ますますユーザーにとって、プライバシーをめぐる懸念になり、批判にさらされているのだから。

〔訳注: Firefox Monitorの利用は、過去のハッキングスキャンも今後のアラートも無料。リリースノート(英文)。〕

[Firefoxが近くデフォルトでトラッカー(ユーザー情報の収集)をすべてブロックする]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxが近くデフォルトでトラッカー(ユーザー情報の収集)をすべてブロックする

Mozillaが今日(米国時間8/30)、そのFirefoxブラウザーがデフォルトでは自動的にすべてのクロスサイトトラッキングをブロックする、と発表した

この戦略には、3つの部分がある。まず、今ナイトリーリリースでテストしているバージョン63では、Firefoxはすべての遅いロードのトラッカー(広告に多い)をブロックする。遅いとは、ロードに5秒以上かかる、という意味だ。次にFirefox 65では、サードパーティのトラッカーからのすべてのクッキーとすべてのストレージアクセスを取り去る。そしてさらに今後は、暗号通貨の採掘をするスクリプトと、ユーザーの個人識別情報を取るトラッカーをブロックする。ただしこれらはいずれも、最初のテストの結果次第で提供が遅れることもある。

MozillaのNick Nguyenが、こう書いている: “物理的な世界では、いろんな店の何百人もの店員が店から店へとユーザーをつけ回して、見た物や買った物をスパイしたりしないだろう。でもWebでは、ユーザーがそんなことを予想しなくても、どこへ行ってもつけ回されている。それに対して、ユーザーがプライバシーのレベルを設定できるブラウザーは、まだ多くない”。

これらの新しい機能を今すぐ試したい人は、安定に達していないFirefox Nightlyリリースをインストールすればよい。それのプライバシー設定には、トラッカーをブロックする“Content Blocking”という項目がある。それを有効にすると、説明のメッセージと、‘厳しい設定にすると閲覧できなくなるサイトもある’、という警告が出る。

なお、この、トラッキングを防ぐプライバシー設定は、Firefox for iOSにはすでにある。

というか、AppleのSafariブラウザーには、すでに昨年からこのようなプライバシー機能がある。ただし、Appleが機械学習を使っているのに対してFirefoxは、従来的なブロックリストを使っている。もちろん、ねらいは同じだが。

このブロック機能は、ユーザーの選択権を奪わない。サイトが事前にユーザーに、データ収集の可否を尋ねて、ユーザーがOKしたら、そのサイトのトラッカーはブロックされない。Nguyenは書いている: “2004年にFirefoxがポップアップ広告をブロックしたときも、広告主にはユーザーに尋ねるオプションを与えた。2018年には、それと同じ考え方でユーザーに可否決定の権利を与えたい”。

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FirefoxやFacebookなどがインターネットの新しいセキュリティプロトコルTLS 1.3をすでにサポート

先週の金曜日(米国時間8/10)に、Internet Engineering Task Force(IETF)はTLS 1.3をリリースした。これはWebのセキュリティプロトコルTLS 1.2のメジャーアップデートで、HTTPS接続による暗号化を扱うレイヤなど多くのセキュリティ機能がこのプロトコルで定義されている。

今回のアップデートで、セキュリティが向上するとともにスピードもやや上がる。それはブラウザーとサーバーがセキュリティの設定を折衝するときに必要とされるラウンドトリップの回数を減らしたからだ。そしてMozillaの今日(米国時間8/13)の発表によると、Firefoxは現バージョンがすでにTLSの新しい規格をサポートしている。Chromeも、バージョン65から(初期のドラフトにより)新しいプロトコルをサポートしている。

TLS 1.3は策定にかなりの年月を要し、前バージョンのローンチから10年かかっている。TLS 1.2に問題があることは広く知られていたが、それらは主に実装のレベルの問題で、しかも遍在的だったためにハッカーの餌食となり、また悪名高い脆弱性バグHeartbleedのような傷口を広げた。しかしそれだけではなく、TLS 1.2のアルゴリズムの一部も、攻撃が成功されてしまった。

そこで当然ながらTLS 1.3は、現代的な暗号化方法へのアクセスにフォーカスしている(Cloudflareの連中がその技術的詳細を書いている)。

これはユーザーにとってはWebがより安全になることであり、また暗号化の方法に関するブラウザーとサーバーの折衝がはやくなるぶん、Webアクセスもややはやくなる。

TLS 1.3をすでにサポートしているFacebookは、トラフィックの半分近くが新しいプロトコルでサーブされている、という。GoogleやCloudflareも、サポート済みだ。

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FirefoxがユーザーのWeb世界を拡張する提案機能‘Advance’エクステンションをテスト中

MozillaのFirefox Webブラウザーが今日(米国時間8/7)、Advanceと呼ばれる実験的なエクステンションを発表した。それは機械学習を利用して、ユーザーがもっと文脈的かつ直感的な広がりのあるWebサーフィンをできるようにする。このエクステンションは、Firefoxが今行っているTest Pilotプログラムの一環で(ユーザーはこれにいつでも オプトインできる)、Laserlikeの機械学習バックボーンを利用して、ユーザーのWeb閲覧習慣を理解しようとする。

その仕組みはこうだ: Test PilotでAdvanceを有効にすると、Webの閲覧はふつうにできるが、Advanceはユーザーが閲覧するサイトの種類について記録と学習を開始する。そしてその学習に基づいて、その人のWeb閲覧を補完するようなページや、その人が好きになりそうなページをサイドバーで推奨する。そしてユーザーは、Advanceが正しくないと感じたら、推奨されたページに「退屈」「的外れ」「スパム」などのフラグをつけて、エクステンションの推奨能力を鍛えていく。

この機能は同社のContext Graphイニシアチブの一部で、それは“インターネット上の次世代のWeb発見”を探求し、ユーザーのWeb世界をこれまでの日常よりも広くしようとする。そしてもちろん、Firefoxブラウザーの上で彼/彼女が過ごす時間を長くしたい。このイニシアチブの最初の機能Activity Streamは、ユーザーの閲覧履歴やブックマークの情報をより有効利用する試みで、今ではTest Pilotを卒業してFirefoxブラウザー本体に装備されている。

Advanceの導入は、最近閉鎖したStumbleUponが遺したギャップを填める試みでもある。インターネットという広大な大陸の上で途方に暮れているユーザーに16年間も、珍しいサイトやおもしろいページを紹介し続けてきたStumbleUponの仕事を、Advanceが引き継ごうというのだ。“偶然の出会い”という要素が大きかったStumbleUponと違って、Advanceにはユーザー履歴の学習に基づくお利口なオプションもあるが、インターネット上をさまようユーザーのための案内役、という点では共通している。

しかし、人生を楽にすると称する機械学習の技術が、インターネット上のWeb閲覧を助けられるためには、Advanceも、そしてバックボーンのLaserlikeも、ユーザーの閲覧履歴を大量に知る必要がある。AIが学習するためには大量のデータが必要だが、Mozillaも認めるように、個人情報の悪用や誤用への懸念も、最近のFacebookEquifaxの事故を契機として高まっている。

この不安に応えるためにAdvanceには、閲覧履歴の収集をさせないオプションや、見たら消すことをLaserlikeに求めるオプションがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxが新しいロゴを制作中…ロゴというより“ロゴセット”だ

“Firefox”という言葉からは、たぶんこんなものが思い浮かぶだろう:

あるいは、これかもしれない:

小さな変化はあったけど、Firefoxのロゴは2002年のローンチ以来ずっと同じだ(上の下の図が初期のころ、参考ページ)。そろそろ変わるべきだ、とMozillaは言っている。

“evolving the Firefox brand”と題するブログ記事で、MozillaのクリエイティブディレクターTim Murrayが、同社の考え方を述べている: Firefoxは今や、一つのブラウザーではない。Firefox Rocket(低帯域用)やFirefox Reality(仮想現実用)のようなサイドプロジェクトもある現状では、デザインもその多様性を反映すべきだ。

そこで同社は、目下検討中のロゴデザインをいくつか公開したが、最終決定はまだだ。これらの原案も今後変わるだろうし、また外部からのフィードバックも期待している。あるいは、これらを捨てて白紙に戻すことも、ありえる。

というわけで、現状はまだ何も決まっていないようだが、わざと今の段階で公開したようだ。まだきわめて初期の段階だが、でも最後には、Firefoxの新しいロゴが決まるし、しかもそれは単数形(logo)ではなくて、複数形(logos)になるらしい。

候補作は二つの“システム”に分かれていて、そのそれぞれに、一つ“マスターブランド”と11のの補助的ロゴがある。マスターブランドはメインのロゴで、ブランド全体を表す。その下の補助的ロゴは、個々のプロダクトを表す。

アイコンは二つの“システム”へと編成される:

二つのシステムからどっちかを選ぶのなら、ぼくならSystem 2だね。Firefoxの今のロゴが好きだし、それが残っているので完全な置換ではなくてアップデートのようだ。System 1はFox(狐)を強調しているが、System 2はずっとFirefoxだ。

Firefoxによると、新しいロゴが決まるのは“数か月後”だ。元のロゴが好きな人も、あとしばらくは一緒にいられる。

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Mozllaがモバイル上のFirefoxをより便利に使うためのアプリLockboxとNotesをTest Pilotでローンチ

MozillaのFirefoxブラウザーのためのテストプログラムTest Pilot for Firefoxは長年、ブラウザーの新しい機能の実験的なアイデアを試行する方法だった。今回、そのテストプログラムがモバイルアプリにも拡張され、それによりiOS用のパスワードマネージャーFirefox Lockboxと、Android用のノート取りアプリNotes by Firefoxがローンチされた。

どちらのアプリもFirefoxの名前が付いているけど、でもそれらはFirefoxブラウザーのエクステンションではなく、Firefoxユーザーの利便性を向上するための単独のアプリだ。データのシンク(同期化)等は、デスクトップやモバイル上のFirefoxのデータに対して行われる。

LockboxはFirefoxにセーブしたパスワードにアクセスでき、それらに対応するアプリ(Twitter、Instagram、等々)を使えるようになる。このアプリをアンロックするには、Face IDやユーザーの指紋を使う。

Firefoxのユーザーでない人にはLockboxの利用価値はないかもしれないが、ユーザーにとってはFirefoxのネイティブのパスワードマネージャーとなり、サードパーティのマネージャーアプリを使わずにすむ。iOS上ではブラウザーの大きなマーケットシェアのないMozillaだが、それでもiOSのユーザーをできるだけ、自分のエコシステムに取り込んでおきたいからね。

Notes by Firefoxは、その名のとおりの仕事をする。それはAndroid用のノート取りアプリであり、ノートは暗号化されて保存され、自分のスマートフォンやブラウザーとシンクする。実はブラウザープラグインとしてのNotesが2017年にTest Pilotの実験でローンチしている。それはHTMLのマークダウンなども書ける本格的なノートだったが、今回のNotes by Firefoxはベーシックな機能のみだ。MicrosoftのOnenoteのようなものを、期待してはいけない。

・関連記事: Firefoxの実験プロジェクトに二つのタブを横並びに表示できる機能が登場、テーマエディターも

画像クレジット: Firefox

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleがフィーチャーフォンOSのKaiOSに2200万ドルを投資

Googleは、検索、地図、音声アシスタントのようなGoogleサービスを、新興市場のさらなる10億人のインターネットユーザーに提供するという目標の実現に向けて、スタートアップ投資を強化しようとしている。今回Googleは、2200万ドルの投資をKaiOS社に対して行った。同社はフィーチャーフォン向けの同名のOSを開発している会社で、そのOSは多くのネイティブアプリやスマートフォンのようなサービスを搭載している。投資の一環として、今年の初めにKaiOS搭載のNokia携帯向けGoogleアプリを発表して以来、KaiOSは検索、地図、YouTubeそして音声アシスタントなどのGoogleサービスを、より多くのKaiOSデバイスに統合しようとしている。

KaiOSのCEOであるSebastien Codevilleは発表の中で次のように述べている「今回の資金は、KaiOSを搭載したスマートフィーチャーフォンの開発の加速を行い、国際的な開発を促進します。このことで特に新興市場で、今だにインターネットにアクセスできない膨大な数の人びとが、接続を行えるようになるのです」。

私たちの現在のモバイル世界はスマートフォンによって支配されている:昨年には約16億台が販売された。しかし、フィーチャーフォンも引き続き売られ続けている。2017年には約4億5000万〜5億台が出荷されたと推定されている。そして、現在それらの売り上げは、彼らの強力ないとこたち(スマートフォン)よりも、実際に速いスピードで成長している。

KaiOSを搭載した携帯電話は、明らかに後者のカテゴリーで活躍している。そしてまだフィーチャーフォンが影響力を持つ市場では、勢いを増しているのだ。インドではAppleのiOSを追い抜いて、Android端末に続く2番目に人気のある端末になっている。KaiOS社によれば、現在までに4000万台以上のKaiOS携帯電話が出荷されているそうである。

GoogleのKaiOSへの投資は、将来的にはスマートフォンへと移行する可能性のあるフィーチャーフォンユーザーたちに、そのサービスを紹介する手段とみなすことができる。しかし、これらのユーザーがフィーチャーフォンカテゴリに留まっていたとしても、これらのユーザーに対してしっかり行えることもある。フィーチャーフォンカテゴリは、進化しより機能的になり続けているのだ。

「Googleと協力して、より多くの携帯端末にサービスを提供できることを嬉しく思っています 」と、KaiOSのCEOであるCodeville語る。「手頃な価格の携帯電話上にインテリジェントな音声アシスタントを搭載することは、本当に革命的です。なぜならそれはキーパッドによる限界を打ち破る手助けをしてくれるからです」。

KaiOSを実行するNokiaデバイス

KaiOSは、米国で2017年に始まったプロジェクトだが、それはMozillaの失敗したFirefox OS実験の焼け跡の上に構築されたものだ。これはLinuxコードベースから分岐したものである。Firefox OSは、HTML5を利用する低コストスマートフォンの、新しい波の礎となることが意図されていた。それらのデバイスやより広範なエコシステムは、実際に立ち上がることはなかったが、KaiOSは健闘してきた。

KaiOSは、Nokia社(HMD)、Micromax社、Alcatel社などのOEMメーカーが提供する携帯電話で動作し、SprintやAT&Tなどの通信事業者と協力し、北米、欧州、アジアにオフィスを構えている。しかし、これまでで最も重要な展開は、手頃な価格の4Gデータパッケージでインドの市場を破壊的に変革した挑戦的電話会社のReliance Jioによるものである。

Reliance Jioは独自のKaiOS端末を提供し、低コストのデータパッケージと組み合せることにより、インドの携帯電話市場におけるKaiOSのシェアは、15%に急増したと伝えられており、AppleのiOSを追い越してAndroidに次ぐ第2位になった(Jio自身のデバイスが、インドのフィーチャーフォンの数を実際に増加させていて、同国では大きな影響力を持っている)。

インドのような高成長市場での市場シェアだけでも、Googleの関心を引くのに十分だったようだ。

「デスクトップ、スマートフォン、フィーチャーフォンのいずれを使用していても、誰もがGoogleのアプリケーションやサービスを利用できるようにしたい」とGoogleのNext Billion Users(次の10億人)部門の製品管理担当副社長、Anjali Joshiは声明で述べている。「JioPhonesの成功に続いて、KaiOSと協力しながら、世界中のフィーチャーフォンユーザーたちによる情報へのアクセスを、さらに向上させることができることを大変うれしく思っています」。

さらに、 Next Billionビジネスユニットは、新興市場のインターネットユーザーのニーズにGoogle体験とサービスを適合させる作業を行っている。そうしたものには、ローカルアプリ便利な公衆Wi-Fiプログラムなどの新しいサービスも含まれている。

GoogleはAndroidスマートフォンプラットフォームの開発を続けてはいるが、他のプラットフォームへのサービス拡張も提唱してきた。それはKaiOSの場合も同じである。

2月にKaiOSは、新しいNokia 8110フィーチャーフォンに、Google Search、Google Maps、Google Voice Assistantを追加することを発表した。これはGoogleの投資の一環として、全てのモデルに対して拡大されるGoogleとの契約のようだ。

はっきりさせておきたいのは、KaiOSで提供されるのはGoogleサービスだけではないということだ。今年の初めにはTwitterやFacebook向けのアプリを追加し、またより基本的なHTML-5ウェブアプリも含む専用のKaiOSアプリも提供している(WhatsAppもやがて提供されるということだ)。

KaiOSへのGoogleの投資は、Googleの2つの投資部門GVとCapitalGが関わる、直接的なスタートアップ取引の最新のものである。GoogleはコンシェルジュサービスDunzoもサポートしており、ヨーロッパ、中東、アフリカでの新興企業への投資あるいは買収をにらんで、キャリアであるOrangeと提携を行っている。

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(翻訳:sako)

Firefoxの実験プロジェクトに二つのタブを横並びに表示できる機能が登場、テーマエディターも

最近のアップデートで性能をアップしたMozillaのFirefoxは、GoogleのChromeなどと並んでブラウザーのシェア競争の最前線に復帰した。そのFirefoxの最大の特長がたぶん、つねに何かの実験に挑戦していることだ。近年、Mozillaはそれらの実験の多くをそのTest Pilotプログラムで取り上げ、そして今日は、そのプロジェクトから二つの新しい機能をローンチした。それらは、Firefox ColorとSide Viewだ。

Firefox Colorはその名のとおりの機能で、基本的にはテーマエディターだ。ユーザーがブラウザーの色を指定したり、背景のテクスチャを選んだりできる。

とくにすごい機能でもないが、Firefoxは前からカスタマイズには熱心で、これもユーザーによるブラウザーのカスタマイズ能力をさらに充実させる。ぼくの場合は、Firefoxのテーマにいろいろ凝った挙句に結局デフォルトに戻る、というパターンだったが、そうでない人はFirefox Colorを十分楽しめるだろう。

でも、もうひとつの実験Side Viewは、なかなかすごいし、役に立つ。最近の、画面が横長のモニタを使ってる人ならとくに便利だろうと思うが、二つのタブの画面をブラウザーをもうひとつ開かずに、一つのブラウザー画面に横並びに表示できるのだ。新しくできた[Side View]ボタンをクリックして、オープンしたい第二のタブを選ぶ、それだけだ。最初に開いていたタブをもっと自由にドラッグできるとさらに便利だが、今後の進化に期待しよう。

Test Pilotで試した実験のすべてが今後のFirefoxに実装されるわけではないけど、最近ではブラウザーのスクリーンショットコンテナアクティビティストリームなどがFirefoxに本番実装された。今回の二つのうち、Side Viewはぜひ採用してほしいね。

二つの実験はここで試せる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTube TVがFirefoxに対応、しかしまだ割高感が

YouTube TVが、Googleが作ったのではないブラウザーでも見られるようになる。

これまでChromeに閉じ込められていたこのライブTVサービスが、今ではFirefoxで動いているYourTechExplainedが最初に見つけたこの事態はしかし、衝撃的とは言えない。Googleは、ほかのブラウザーもサポートすると約束していたし、その約束が守られたのは良いことだ。SafariやEdgeしか使わない人は、気の毒だけど。

この月額40ドルのストリーミングサービスで視聴と録画ができるのは、NBA TV, MLB Network, Comedy Central, MTV, そしてCNNだ。まだ割高感はあるが、今後もっと対応ネットワークと機能が増えれば、テレビの視聴でケーブルテレビ会社の支配を脱したいと願っている、いわゆるコードカッター(cord-cutters, ケーブルを切る人)たちも、徐々に買い気をそそられるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Firefoxであの迷惑な通知リクエストをブロックできるようになった

最近はどのサイトも、プッシュ通知の受信を迫る。それはオープンなWeb上のちょっとした迷惑だが、でも嬉しいことに、Firefoxのユーザーならあのポップアップを出ないようにできる。デスクトップ向けのFirefox 59では、Webサイトに、通知の送信を求めることを、やめさせることができる。

この同じ設定ダイアログ(下図)で、Webサイトがユーザーのデバイスのカメラやマイクロフォンや位置情報へのアクセスを求めることも、やめさせられる。ただし、ブラウザーを使用するビデオ会議にように、カメラやマイクが必要なWebアプリケーションもある。また、一部の地図アプリは、ユーザーの位置を知る必要があるだろう。しかしプッシュ通知だけは、たいていの人が、どこからの通知でもいいから欲しい、とは思わない。

今のところ、この新しい設定は設定メニューの中にやや埋もれている。見つけるためには、FirefoxのOptionsメニューからPermissions > Notification Settings > Blockへ行き、通知許可を求める今後のリクエストをブロックする。〔v58でも、個々のサイトごとに通知(やカメラなど)を不許可にすることはできる。〕

多くのサイトは、Webのスタンダードを利用してプッシュ通知を送り、これらの通知リクエストをポップアップしている。しかし一部のサイトはHTML5のオーバレイ機能を利用して通知をリクエストするから、いろんな用途のあるオーバレイを一律にブロックすることはできない。ただしMozillaは今、この問題の対策にも取り組んでいるそうだ。

最近の数か月でFirefoxはメジャーなアップデートがいくつかあったが、今回のv59は相対的にマイナーだ。そのほかの新しい機能としては、Macにおけるグラフィクスのレンダリング(描画)の高速化、FirefoxのHomeページの改良、アノテーションやスクリーンショット、ペンやタッチによる入力機能の改良などがある。Private Browsing Modeにもやや改良があり、リファラ(リンク元)のパス情報が削除される。これにより、ユーザーを追跡することがやや難しくなる。

Firefoxは遅くて面倒、と思ってこのところ使ってなかった人も、今なら試してみる価値がある。今のFirefoxは、あなたが知っていたFirefoxとは違う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa