Walmart傘下のインドのFlipkartが買い物を簡単にする音声アシスタントを導入

Walmart(ウォルマート)傘下のインドの巨大eコマース(未訳記事)プラットフォームであるFlipkart(フリップカート)が、インド国内での拡大を狙い、消費者が買い物をしやすくするために、音声アシスタント機能を展開する。

そのAI搭載の音声アシスタントは、現在Supermartと呼ばれる食料品のカテゴリーをサポートしているが、同社の広報担当者はTechCrunchに対して、他のカテゴリーにも拡張していくつもりだと語った。この機能は米国時間6月9日にAndroidユーザーに対して公開され始めるが、同社はiOSアプリへの導入にも取り組んでいると述べている。

インド国内でAmazon(アマゾン)と競合しているFlipkartは、このアシスタントは現在、ヒンディー語と英語をサポートしているが、将来的にはより多くの言語を理解できるようになると述べている。この機能により、ユーザーは会話型音声コマンドを使用して、お買得品や特売品の検索、結果のフィルタリング、カートへの複数のアイテムの追加、状況に応じた提案の受け取り、精算指示を行うことが可能になる。

Flipkartの製品技術責任者であるJeyandran Venugopal(ジェアンドラン・べヌゴーパル)氏は、音声機能を微調整するために、全国を回ったと述べている。「今回の音声アシスタントのリリースは、音声ベースのオンラインコマースに向かっている消費者のみなさまの、動向と快適性の向上にもうまく対応しています」と彼は声明で述べている。

今回の音声アシスタント機能の追加が行われたのは、Flipkartが初めてインターネットを利用するユーザーや、オンラインでの取引に慣れていない既存のオンラインユーザーのために、ユーザー体験を簡素化することを目的とした「オーディオビジュアルガイド付きナビゲーション」機能を追加(未訳記事)してから数カ月後のことだ。

過去10年間で数億人のインド人がインターネットにアクセスするようになっている。だがその大部分の層は、あまり教育を受けておらず、英語でのタイピングおよび操作をあまり快適に行えない。近年、音声検索はそのような人口の多くを占める層での人気が高まっている。Google(グーグル)は2019年に、音声検索がインドで前年比270%で成長している(YouTube記事)と述べている。

「音声を使ったショッピングは自然なやり方です。私たちは可能な限り最も自然な方法でユーザーに真の会話体験を提供したかったのです」と語るのは、Flipkartの食品と一般商材ならびに家具の担当副社長であるManish Kumar(マニッシュ・クマー)氏だ。

Amazon(アマゾン)はそのウェブサイトにヒンディー語のサポートを追加し、Alexa対応のスマートスピーカーやその他のデバイスに音声ショッピング機能を導入した。両社は、2020年3月下旬に政府による全国的な封鎖を促した新型コロナウィルス(COVID-19)によるパンデミックによって深刻な影響を受けた(未訳記事)。しかし、インドはその後規制を緩和し(未訳記事)、eコマース企業や配車企業がサービスの多くを再開できるようになった。

2020年5月にアマゾンはバンガロール郊外でフードデリバリーサービスを開始した。食品小売市場への参入を申請していたFlipkartは、6月初めにその申請が拒絶され(未訳記事)、再度承認申請を行う予定であると報告している。

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(翻訳:sako)

Uberが新型コロナでロックダウン中のインドで小売と提携し生活必需品を配達

Uber(ウーバー)はインドの一部で、小売企業の食料品や生活必需品の配達をサポートしようと、サービスを再開させる。同国では2週間前に、政府が国民13億人に対し3週間のロックダウンを命じた。

Uberは米国時間4月6日にデリー、ムンバイ、バンガロールでの生活必需品配達でFlipkart(フリップカート)と提携したと発表した。この数日前にはオンライングローサリーBigBasket(ビッグバスケット)、カルカッタに拠点を置くチェーンSpencer’s Retail(スペンサーズリテール)とも同様の提携を結んでいる。

Uber IndiaとSouth Asiaを統括する業務運営部長Prabhjeet Singh(プラブヒート・シン)氏は、提携によりUberは小売企業の配達をサポートできると述べた。Uberは他の都市でも顧客にサービスを提供すべく取り組んでいて、ロジスティックで助けが必要な企業との協業を受け入れているとのことだ。

「こうした提携は経済を動かし、また政府が新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を抑制するために出したガイドラインに沿って人々が外出を控えることを可能にする。そしてドライバーの収入機会を生み出している」とシン氏は付け加えた。

Uberは生活必需品配達ではコミッションは取らない、とした。通常ドライバーは売上の25%をUberに納めているが、今回の提携による配達ではドライバーは売上すべてを自分のものにできる。

先週Uberはスペイン、フランス、ブラジルの企業や店舗とグローサリー配達で提携した、と発表した。米国や英国では同社はレストランに課していた手数料を一時的に廃止している。ただし、一部のレストランは手数料なしを利用できないと苦情を言っている(Uberはインドで展開していたフードデリバリー事業を2020年初めにZomatoに売却した)。

BigBasketは先週、ベンガル、ハイデラバード、チャンディーガル、ノイダの顧客にサービスを提供するのにUberを使うと発表した。

配達員不足で倉庫に50万点以上の商品が滞留しているFlipkartやBigBasketにとって、Uber活用は助けとなるはずだ。

「Uberとの提携は、セラーからの必需品を顧客のもとに最短で届けるのに役立つ」とFlipkartの最高経営責任者Rajneesh Kumar(ライニッシュ・クマール)氏は声明で述べた。

Uberと同社のインドでのライバルOlaは2020年3月に、新型コロナウイルス感染拡大を封じ込めるために政府がロックダウンを発動する前にインドでの事業を停止した。

Uberはまた、緊急に移動する必要がある人向けのライドを再開するための「Uber Essential」というサービスの試験導入し、州当局とともに取り組んでいると述べた。

画像クレジット:Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Image

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾンがインドのフードデリバリー市場にまもなく参入か

インドのフードデリバリー市場では、数週間前にUber(ウーバー)が地元大手のSwiggy(スイッギー)とZomato(ゾマト)に敗北したことを認め、撤退した。そして今度は別の新しいプレイヤーが、SwiggyとZomatoの2社が市場の大半を占めている厳しい市場に挑戦する準備をしているという。その新しいプレイヤーとは、Amazon(アマゾン)だ。

画像:Pradeep Gaur / Mint / Getty Images

Amazonは今後数週間以内にインドのフードデリバリー市場に参入する計画だと、情報筋はTechCrunchに語った。このサービスはAmazonのPrime NowまたはAmazonフレッシュの一部として提供され、3月にも開始される可能性がある。

このビジネスがまだ非公開であることを理由に情報筋が匿名を条件として語ったところによると、Amazonは開始に向けてバンガロールにあるいくつかのレストランをパートナーとしてフードデリバリーサービスのテストをしてきた。

ここ数四半期、Amazonはフードデリバリービジネスに取り組んでいて、以前はインドの大きな祭りで10月または11月に開催されるディワリの時期にサービスを開始しようとしていた。これが遅れた理由は不明。

Amazonの広報はTechCrunchに対し「我々はお客様のために革新を起こし、お客様の新しいエクスペリエンスを生み出している。この信念の一環として、常に新しい分野やチャンスを検討し、お客様とつながりを持ちサービスを提供している。今後何か進展があれば発表する」と述べた。

TechCrunchでは、インドのレストランのパートナーとの間で交わされた何らかの合意を確認することはできなかった。インドのレストランの多くはオンラインのフードデリバリー事業者に対し、不満を募らせている

Amazonがフードデリバリー市場に参入するとなれば、Prosus Venturesが支援するSwiggyとZomatoにとっては新たなライバルとなる。Zomatoは10年前に創業したスタートアップで、1月にUber Eatsのインドでの事業をおよそ1億8000万ドル(約195億円)で買収した。

SwiggyとZomatoは両社の合計で20億ドル(約2200億円)以上を調達しているが、まだ黒字にはなっていない。新規顧客の獲得と既存顧客の維持に、毎月1500万ドル(約16億円)以上をつぎ込んでいる。

India QuotientのVC、Anand Lunia(アナンド・ルニア)氏は最近のポッドキャストの中で「フードデリバリー企業の選択肢は少なく、自社プラットフォーム上のフード商品のコストの一部を負担し続けていかなければ顧客の大半は商品を購入することはできない」と語った。

インドで採算をとるのは、米国などの先進的な市場に比べると難しい。バンガロールを拠点とする調査会社RedSeerの試算によれば、米国ではデリバリーの単価は約33ドル(約3300円)だが、インドでは同等のデリバリーの単価は4ドル(約440円)だという。

おそらくこのことが、ここ数年、SwiggyもZomatoもフードデリバリー以外の事業に手を広げてきた理由だ。Swiggyは現在、インド最大のクラウドキッチンのネットワークを運営していると述べており、フード以外の多くの商品のデリバリーも始めている。Zomatoは「Project Kisan」と称して生鮮食品を農家や漁師から直接調達し、レストランに対する食材供給のコントロールを試みている。

Amazonがインドでフードデリバリービジネスを成長させるのは簡単ではない。Swiggyの1社だけで、インドの520以上の都市で事業を運営し、16万以上のパートナーを得ている。

現地時間219、Swiggyは最新の資金調達に関する発表の中で、毎月1万のペースでパートナーを増やしていると述べた。RedSeerによれば、昨年末時点で42億ドル(約4600億円)だったインドのフードデリバリー市場は厳しい状況にあるという。

Amazonは独自のロジスティクスチェーンと地元の多くの店舗との提携により、インドで密度の高い配送ネットワークを確立してきた。

Amazonの動きは、インドでの最大のライバル、Flipkart(フリップカート)が食品小売ビジネスに参入するのと時を同じくしている。Flipkartは昨年、同社の株式の大半をウォルマートに160億ドル(約1兆7300万円)で売却した。FlipkartグループのCEO、Kalyan Krishnamurthy(カリヤン・ クリシュナムルティ)氏が昨年10月にTechCrunchに述べたところによると、同社は食品小売に特化した「Flipkart Farmermart Pvt Ltd」という会社を登記した。

クリシュナムルティ氏は、同社が食品小売に参入するのは「インドの農業や食品加工産業を成長させるための、我々の重要な取り組みのひとつ」だと述べ、すでに多くの小規模農家と提携しているという。Flipkartは新事業にすでに2億5800万ドル(約280億円)を投資している。1月には新鮮な野菜と果物の配送をテストしたと、インドの新聞、Economic Timesに報じられた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Amazonがインドの小企業のデジタル化促進のため約1100億円を投資

インドは今週、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を反トラストの調査で迎えた。さらにまた、ふだんは互いに競争している小規模商業主たちが全国から何千人も集まって、eコマースの巨人の搾取的と言われるやり方に抗議した。しかし、Amazon(アマゾン)の創業者でありCEOのベゾス氏は、同社にとって最も重要な海外市場への愛をそんなことでは失わなかった。

1月15日のカンファレンスでベゾス氏とAmazon IndiaのトップであるAmit Agarwal(アミット・アガルワル)氏は、この米国の巨人が中小企業のデジタル化を促進するためにインドに10億ドル(約1100億円)を注入すると発表した。アマゾンはこれまでインドに約55億ドルを投資している。

ベゾス氏によると、同社はまたインドの生産品の輸出にも着目している。それはニューデリーのMake in India(地産地売)キャンペーンへの協賛でもある。Amazonが扱う量は、2025年に100億ドルと彼は想定している。

同氏は「今後の5年間で、Amazonは累計10億ドルをインド全域の市町村の零細企業に投資し、これまでなかったほど多くの顧客増大をみなさんのために実現したい」と語った。そして「この計画では、現在のアマゾンのグローバルな展開を利用して、2025年までにインドからの100億ドルの輸出を作り出したい。この投資によって何百万という多くの人々が未来のインドの繁栄に与れるようにし、それと同時にインドの豊かで多様な文化を表している『Make in India』製品を、全世界に紹介したい」と続けた。

インドでは最近の10年間で5億近い人々がインターネットに接続した。しかし、全国の何万もの都市や町や村に散在する小規模な企業はまだオフラインだ。GoogleやFacebook、Microsoftなども近年はこれら小企業がウェブ上に出店してデジタル決済を受け入れるよう、支援しツールを提供している。

Amazonが主催した「Amazon SMBhav」カンファレンスは、SMBが中小企業(Small and Medium Business)を表しているとともに、smbhavはヒンズー語で「できる、可能」という意味だ。開会時に上映されたビデオでは、インドの貧しい商人や職人たちがアマゾンのeコマースプラットホームに参加して事業を拡大する様子が映し出されていた。

同社の役員の一人によると、アマゾンはインドで50万社を超える売り手を集めておら、その中の数千の業者が世界中の12カ国のAmazonのマーケットプレースで商品を販売している。

しかし、カンファレンスの会場からわずか10マイル(16km)離れたところでは、多く業務がアマゾンを違った目で見ていた。

インドの業者が多数集まってアマゾンの搾取的なやり方に抗議(画像提供:Manish Singh / TechCrunch)

この国の6000万を超える販売業者を代表する業界団体であるConfederation of All India Traders(CAIT、全インド商業者連盟)によると、抗議活動をインドの300都市で組織した。連盟の代表によると、同団体はアマゾンとFlipkartが採用している搾取的な価格設定と反競争的な行為を世の中に知らしめたいという。

ベゾス氏とアガルワル氏は、抗議活動や反トラストの調査に言及しなかった。ここには、世界最大の途上国市場の将来がかかっている。NasscomとPwC Indiaの報道によると、インドのeコマース市場は今後3年間で1500億ドル成長すると言われている。

ベゾス氏もカンファレンスで「21世紀はインドの世紀だと私は予言したい。最も重要な同盟関係はインドと米国の関係だと思う。それは、世界最古の民主主義と世界最大の民主主義の関係だ」と語る。

1月13日にインドのCompetition Commission(競争委員会)は、アマゾンとウォルマートが保有するFlipkartに対する反トラスト調査を開始し、eコマースの二大大手がスマートフォンのベンダーと組んで排他的な協定を結び、一部の売り手を優遇していないか調べることになった。

その調査はアマゾンとFlipkartにとって最新の規制による逆風であり、特にFlipkartは2018年にインドでウォルマートに過半数の株を160億ドルで売却している。昨年、米国上院議員は外国企業が自分の子会社から在庫を売ることを禁じているニューデリーを批判した。その禁制によってAアマゾンとFlipkartは突然、そのマーケットプレースから数十万品目を取り去ることになった。

CAITのスポークスパーソンはTechCrunchに「会員の商業者たちはインドの反トラスト監視当局による調査を歓迎している」と述べた。今日の新しい抗議活動は、近年この業界団体が組織した複数の活動の1つにすぎない。先月は数千名の抗議者が、eコマースの担い手たちへの同様の懸念を表明した。

本日、一部の抗議者は「アマゾンとジェフ・ベゾスとフリップカートは帰れ!」と声を上げた。CAITの全国レベルの理事長Sumit Agarwal(スミット・アガルワル)氏はTechCrunchのインタビューで「Amazonの大幅値引きが小規模商業者の成長を妨げているので、政府の介入が緊急に必要だ」と述べた。

業界の推計では、eコマースはこの国の小売業の売上の約3%を占める。

画像クレジット:Anindito Mukherjee/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

インドが独禁法違反の疑いでアマゾンとウォルマート傘下のFlipkartを調査

インド当局は1月13日、eコマース大手のAmazon IndiaとFlipkart(フリップカート)がインドでのシェアを伸ばすために反競争行為を行っているとの小売業グループの訴えを受け、2社に対する大規模な調査を命令した。

地元当局機関のCompetition Commission of India(CCI、インド競争委員会)は広範にわたる問題を取り上げている。その中には、特定の携帯電話をオンラインで独占的に販売するためのスマホベンダーとeコマースプラットフォームとの間の取り決めが含まれていて、eコマース企業は明らかに特定の販売業者を厚遇しているという主張を受けて調査が行われる。

CCIはまた、Amazon IndiaとWalmart(ウォルマート)が自社のマーケットプレイスで大幅な割引を行ってプライベートブランドを促進していないか調査するよう命じた。「情報では、FlipkartとAmazonがeコマースで本質的に反競争のモデルを確立した、とされている」とCCIは述べた。

Flipkartの広報は「弊社は書類をレビューしている」とTechCrunchに対し語った。「Flipkartグループは適用される法律とFDI規則を完全に遵守している。インドにおけるeコマースに民主改革を持ち込み、何十万というインドの中央省庁や販売業者、職人、小規模事業者にマーケットへのアクセスを提供し、何十万もの雇用を生み出しながら透明性がありかつ効率的なマーケットを通じて消費者に質のいい手頃価格の商品を提供してきたことに誇りを持っている」と広報は付け加えた。

「Amazonに関する申し立てに対応する機会を得たことを歓迎したい。コンプライアンスに自信があり、CCIに全面的に協力する」とAmazonの広報はTechCrunchに話した。

零細・小規模小売業者を代表するグループDelhi Vyapar Mahasanghがこの問題をCCIに提起した。Amazon IndiaとFlipkartを調査するという決定は、インドで2019年の規制に直面したこれらのeコマース会社にとって新たな悩みのタネとなるかもしれない。Amazonはインドでの事業に50億ドル(約5500億円)超を投資し、一方のWalmartは2018年にFlipkartの過半数の株式を160億ドル(約1超7600億円)で取得した。両社ともインドを最重要海外マーケットのひとつと位置付けている。

2日後の水曜日には、AmazonのCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がニューデリーで小規模事業にフォーカスしたイベントをスタートさせる。AmazonとFlipkartによる反競争行為疑いの調査は、零細業者が今日直面している不利な状況を理解するという点で「長らく望まれていた初の具体的なステップ」だと全インド商業連合の事務総長Praveen Khandelwal(プラヴィーン・カンダワル)氏は話した。同連合はインドの7000万の小売業者と4万の事業者団体を代表する組織だ。

調査は60日以内に完了し、レポートが提出される。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi