MozillaのコンテンツブロッカーFocus by FirefoxがiOS 9のSafariブラウザ向けにローンチ

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ちょっと意外な発表だ: Firefoxブラウザを作っているMozillaが今日(米国時間12/8)、Disconnectのブロックリストに基づいてiOS 9上のSafariブラウザのために悪質コンテンツをブロックするコンテンツブロッカー、Focus by Firefoxをローンチした。このコンテンツブロッカーは広告をブロックするだけでなく、広告やアクセス分析、モバイルWeb上でユーザを追跡するソーシャルメディアのトラッカーなどもブロックする。

これは、Firefoxのプライベート閲覧モードで新たにサポートされるコンテンツブロッカーと同種の、Mozillaによる追跡保護サービスだ。

コンテンツブロッカーそのものは旧聞に属するが、AppleがそれをiOS上のSafariに持ち込んだことにより、それらをめぐる議論が一層過熱している。

コンテンツブロッカーは、そのデフォルトの振る舞いですら、倫理的にアヤしい部分がある。インターネットの上の出しゃばり広告や、ネット上で追跡されたりプロファイリングされたりすることは、誰だって嫌だが、でも多くのパブリッシャーがコンテンツを無料にしてターゲティング広告で稼いでいるのは、それができるからだ。Focus by Firefoxは広告ブロッカーではないが、デスクトップで使ってみた経験からは、大量の広告をブロックすることも事実だ。

Mozillaは、今日ではあまりにも多くのユーザが“信頼を失い、自分のデジタル生活なのにそれを自分ではコントロールできない状態になっている”、と主張する。信頼の喪失はWebのエコシステムにダメージを与える。今年の初めに同団体は、コンテンツをブロックすることに関する一連の原則を公開した。それはたとえば、ソフトウェアをブロックする場合は広告をブロックするだけでなく、パフォーマンスやセキュリティやプライバシーも問題にすべきである、と言っている。しかし同時にMozillaは、ブロッカーはデフォルトではさまざまなコンテンツやパブリッシャーを差別すべきでない、とも言っている。そしてそのソフトウェア(コンテンツブロッカー)は、そのやってることに関して透明でなければならない、とも。Mozillaがその利用を決めたDisconnectのリストは、GNUの一般公開ライセンス(General Public License)により公開されている。

MozillaのFirefoxブラウザはiOS用もあるが、そちらではまだFocusのサポートはない。Appleは、サードパーティのツールがコンテンツブロッカーを使うことを、許していない。

またAndroid用にもFocusはローンチされないようだ。ただしAndroid上のFirefoxにはすでにプライベート閲覧モードがあるから、Focusとほぼ同じ保護機能を利用できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。