EVスタートアップFiskerが350万円切りの街乗りEV「PEAR」の予約受付を開始、納車は2024年予定

EVスタートアップFiskerが350万円切りの街乗りEV「PEAR」の予約受付を開始、納車は2024年予定

Fisker

EVスタートアップのFiskerは、5人乗りの「街乗りEV」であるPEARの予約受付を開始しました。価格は2万9900ドル(約345万円)からと非常に低価格。これはFiskerが先に発表しているSUVモデルのOceanの3万7499ドル(約433万円)や、安い安いと言われたテスラModel 3の当初価格3万5000ドル(約404万円)よりもはるかに安価です。

PEARを購入するにはまず予約金として250ドル(約2万9000円。2台目なら100ドル・約1万1000円)が必要です。また納車や記事執筆時点では2024年になる予定です。

大企業というわけでもないFiskerが、なぜPEARをこんなに安価に作れるのかとお思いの方もいるかもしれません。実は、この新しいEVはFiskerとFoxconnの提携によって開発製造されることになっています。Foxconnは昨年、オハイオ州にあるEVベンチャーLordstown Motorsの工場を買収しており、ここでLordstownのEVや提携しているFiskerの新型EVの製造を手がける予定だと発表していました。また10月には独自のリファレンスモデルとしてEV3車種を発表しています。もしかするとFiskerのEVが安価なのはこのリファレンスモデルが関係しているのかもしれません。ちなみにFiskerはPEARを年間25万台以上生産することを予定しているとし、スポーティな走りと直感的なUI、スマート充電機能その他「業界初へのこだわり」といった売り文句を並べてはいるものの、その仕様詳細はまだ明らかにしていません。

なお、Fiskerはまず2022年11月にOceanの生産を開始する予定となっています。そしてPEARが登場する2024年ごろには、既存の自動車メーカーを含め多数のEVが市場を賑わせるようになっていることが予想されます。そのなかで2万9900ドル(約345万円)という価格がどれぐらい武器になるのか、またその性能、品質や安全性などがスポイルされることなく提供されるかどうかが気になるところです。

(Source:FiskerEngadget日本版より転載)

アップルがフォックスコンのインド工場を監督下に、食事と寮に対する抗議受け

Apple(アップル)は、Foxconn(フォックスコン)のインド南部の工場の劣悪な食事と宿泊施設の状況について労働者から抗議を受け、同工場を監督下に置いた。両社は、この懸念について認め、改善を約束した。

Appleは監督期間を明言しなかったが、インドのAppleの広報担当者はTechCrunchに「工場を再開する前に、当社の厳しい基準が満たされるようにする」と語った。

タミル・ナードゥ州にあるFoxconnの工場では約1万7000人の従業員が働く。先の地元メディアの報道によると、工場で働き、ホステルの1つに住む数百人の女性が食中毒の治療を受け、100人以上が入院したため、12月19日の週に工場で抗議活動が発生した。

州政府も介入し、Foxconnに対し労働者に提供するサービスを見直すよう求めていた。

Appleは、食品の安全性と宿泊施設に関する懸念が提起されたことを受け、独立した監査人を派遣して状況を調べると述べた。

「従業員用の遠隔地の寮と食堂の一部が当社の要件を満たしていないことが判明しました。包括的な是正措置が迅速に実施されるようサプライヤーと協力しています」と広報担当者は話した。

Foxconnは、この問題を調査しており「一部のオフサイトの寮の施設が要求される基準を満たしていない」ことが明らかになったと述べた。広報担当者は次のようにTechCrunchに語った。「従業員が直面した問題を非常に残念に思っており、遠隔地の寮舎で提供する設備とサービスを強化するため、早急に措置を講じています」。

Appleの重要な組み立てパートナーであり、台湾の大手企業であるFoxconnは「必要とされる高い水準を達成・維持できるよう、現地の経営陣と管理システムの再構築に取り組んでいる」と話した。

「操業再開前に必要な改善を行う間、すべての従業員には給与が支払われ続け、従業員が仕事に復帰するためのサポートを提供し続けます」と広報担当者は付け加えた。

近年、インドでの現地生産を拡大しているAppleが、世界第2位のスマートフォン市場である同国でこの種の問題に対処するのは今回が初めてではない。2020年は、劣悪な労働条件と賃金未払いをめぐる労働者の暴動を受け、別の重要な組み立てパートナーであるWistron(ウィストロン)を監督下に置いた

関連記事:アップルがインドのiPhone工場での暴動を受けサプライヤーWistronへの発注を一時停止

画像クレジット:Arun Sankar / AFP / Getty Image

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

新型電気自動車「Fisker Ocean」はフォックスコン製回転式スクリーンを搭載

Foxconn(フォックスコン)の特徴が、近々発売される新型電気自動車「Fisker Ocean(フィスカー・オーシャン)」の主要なディテールの1つとなる。

同社はこの電動SUVの量産予定モデルを、米国時間11月17日に開幕したLAオートショーで公開した。

このFisker(フィスカー)初の電気自動車には、Foxconn製の特徴的な17.1インチのスクリーンがダッシュボード中央に搭載されている。このタッチパネルは、縦型の「ポートレート」モードから、横画面の「ハリウッド」モードへと回転可能で、後者は駐車して充電を待つ間に、ドライバーや同乗者が(その名称の元となったように)映画を観たり、ゲームを楽しんだりするためのモードだという。

画像クレジット:Kirsten Korosec

Fiskerの共同創業者兼CEOであるHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は、この回転式スクリーン技術の特許を申請したと述べている。

Fiskerはまず2020年に、ラスベガスで毎年開催される「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、Oceanのプロトタイプを発表した。市販予定モデルとなった今回は、航続距離や各種トリムレベルとその価格、さらにパッシブ充電用のソーラールーフなどの装備も含め、車両に関するより詳細なスペックが明らかにされた。

Fiskerは4種類のトリム、14色におよぶカラーバリエーションの設定を予定しており、ベースグレードの「Ocean Sport(オーション・スポーツ)」の価格は、補助金・税金別で3万7499ドル(約430万円)となっている。このSportではフロントに搭載した1基のモーターが前輪を駆動し、最高出力は275馬力。CATL社製のリン酸鉄リチウムイオン電池を使用し、1回の充電で250マイル(約402km)の距離を走行できる。

それ以外のトリムは、いずれも車両の前後に2基のモーターを搭載する四輪駆動だが、グレードによって性能に差がつけられている。4万9999ドル(約570万円)の「Ocean Ultra(オーシャン・ウルトラ)」は540馬力で0-60mph(約96.6km/h)加速が3.9秒。そして最上位モデルの「Ocean Extreme(オーシャン・エクストリーム)」とそれに準じたローンチ・エディション(先行発売モデル)の「Ocean One(オーシャン・ワン)」は、どちらも6万8999ドル(約790万円)で550馬力を発揮、0-60mph加速は3.6秒に縮まる。

UltraとExtremおよびOneには、ニッケル・マンガン・コバルト電池を使用したCATL製バッテリーが搭載される。各バッテリーの容量は公開されていないものの、Ultraの推定航続距離は340マイル(約547km)、ExtremとOneは350マイル(約563km)を超えるとのこと。

Fiskerでは現在、2つの車両プログラムに取り組んでいる。ロサンゼルスオートショーで注目を集めたFisker Oceanは、欧州の自動車受託製造会社であるMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)が組み立てを担当し、2022年11月に生産開始が予定されている。2022年後半から欧州および米国で納車が始まり、2023年中には生産能力が月産5000台を超える計画となっている。中国の顧客への納車は2023年に始まる予定だ。

そしてもう1つのプログラムとして、Fiskerは2021年5月に、Foxconnと新しい電気自動車を共同開発・製造する契約を締結。ヘンリック・フィスカー氏によると、両社は「かなり早く」デザインを進めており、現在は、トランクを開ける新しい方法の特許取得やその他の技術革新に取り組むなど、エンジニアリングや技術的な詳細に没頭しているという。

おもしろいことに、この自動車製造パートナーシップは、フィスカーが独自のインフォテインメント・ディスプレイの供給を受けるためにFoxconnと話し合ったことから生まれたものだと、ヘンリック・フィスカー氏は17日のTechCrunchによるインタビューで語っている。

「自動車業界が抱えている本当の問題は、車両に搭載されている技術が3年以上も前のものであるということです」と、フィスカー氏はいう。「私たちは、クルマに搭載されているものよりも、携帯電話の方が優れていて、賢くて、速いと常に感じているのですから、これは何かが間違っています」。

同氏はFoxconnとの提携について、その狙いはiPhoneを製造している企業(Foxconn)と同じくらい早く動けるようになることだと語った。

Fiskerは1月にFoxconnとの話し合いを開始し、間もなく契約を締結した。Project PEAR(プロジェクト・ペア)と呼ばれる車両製造の契約が発表されたのは、それからすぐ後のことだ。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フォックスコンがLordstownのオハイオ工場を約262億円で買収

電動小型トラックメーカーのLordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)は、オハイオ州ローズタウンにある広さ620万平方フィート(約57万平方メートル)の工場を、Apple(アップル)のiPhoneの製造で知られる台湾のハードウェアメーカーFoxconn(フォックスコン)に正式に売却した。Lordstownの発表によると、この2億3000万ドル(約262億円)の取引は、2022年4月末までに完了する予定だ。

取引の条件は、両社が9月30日に締結した基本合意に沿ったもので、締結後にFoxconnは早速5000万ドル(約57億円)分の普通株を1株あたり6.8983ドル(約787円)でLordstownから直接購入した。Foxconnは11月18日までに1億ドル(約114億円)の頭金を、その後2022年2月と4月に5000万ドル(約57億円)を支払い、4月30日の手続き完了を目指している。

Lordstownの発表文によると、Foxconnは苦境にあるLordstownのピックアップトラック「Endurance」の製造を支援することにも合意した。両社はまた、北米および海外市場向けの商用車プログラムを共同で設計・開発する合弁会社も設立する。最後に、この取引が完了すると、Foxconnは今後3年間、1株あたり10.50ドル(約1200円)でLordstownの普通株式を購入できる170万のワラントを得る。Lordstownは、電気モーターの生産ライン、バッテリーモジュールとバッテリーパックの組み立てラインを維持する。

Foxconnは2021年初め、電気自動車スタートアップのFisker(フィスカー)と、FiskerのPEARプログラムに基づく新型車を北米で共同開発・製造する契約を締結した。その後、Lordstownが2019年にGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)から購入したオハイオ州の工場でも、Fiskerの車両を生産することをFoxconnは示唆していた。今回の工場購入により、Foxconnは初の自動車工場を手に入れ、スマホやノートPCの製造以外の分野へ躍進することになる。

調査会社がEVトラックの予約台数を偽装していると告発したことで、米証券取引委員会と米司法省の両方から調査を受けているLordstownは、財政難に加えて、11月10日朝に辞任した社長のRich Schmidt(リッチ・シュミット)氏をはじめとする多くの幹部の逸失に直面している。Foxconnとの取引により、Lordstownは原材料や部品のコストを削減することができそうだ。Foxconnは、生産コストの削減や不安定なサプライチェーンに対応するために必要な強力なサプライチェーンネットワーク、ロジスティック能力、購買力を持っている。また、同社は電気自動車にとって非常に重要な、ソフトウェアとハードウェアの統合のエキスパートでもある。

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

ソフトバンクがプライベート5G商用化のための研究施設「AI-on-5G Lab.」をNVIDIAと合同で開設

集英社がXR事業開発課を新設し「集英社 XR」開始、NianticとLightship ARDKでパートナーシップも

ソフトバンクは11月10日、5Gの仮想化無線ネットワークvRANとMECが融合した環境でAI技術などのソリューションの実証や技術応用を行う研究施設「AI-on-5G Lab.」を、NVIDIAと合同で開設すると発表した。これより、プライベート5G向けのソリューション開発や、完全仮想化されたプライベート5Gの商用化を推進するという。

vRAN(virtualized Radio Access Network)とは、モバイル機器とインターネットとをつなぐ親局の専用ハードウェアの仕事を汎用コンピューター内のソフトウェアで仮想的に行う仕組み。MEC(Multi-access Edge Computing)は、マルチアクセス・エッジコンピューティングの略で、端末の近くにサーバーを分散配置するネットワーク技法のことをいう。これらを利用することで、事業所などが独自の5Gネットワーク、つまりプライベート5Gを構築できるようになる。「AI-on-5G Labs.」は、そうしたシステムをAIで最適化・自動化し、普及を目指そうとしている。

またvRAN普及のメリットとして、通信機器を汎用サーバー上にソフトウエアで構成することによるコストダウンをはじめ、通信以外の様々なアプリケーションを構成する役割を同時に提供可能な点を挙げている。例えばプライベート5Gを導入している工場において、通信を行っていない夜間帯に、MECに集積された情報をAI学習するための資源として活用することで、工場の生産性向上を図れるという。

この研究施設では、ソフトバンクが2018年から共同研究を行ってきたNVIDIAのGPUなどのハードウェアが使われ、それを用いてvRANとMECの機能を統合し、さまざまな検証が行われる。具体的には、ソフトバンクが提供するプライベート5G上で、NVIDIAのハードウェア、基地局の仮想化、AI処理のミドルウェア、アメリカのネットワークソフトウエアプロバイダーMavenirが提供する仮想化無線信号処理ソフトウェアとコアネットワークのソフトウェア、台湾のFoxconnの物理的アンテナを用いて完全仮想化プラットフォームを構築する。これを使って、プライベート5Gのユースケースの商用化に向けた検証を行うとのことだ。

またソフトバンクは、「6Gに向けた12の挑戦」として、ベストエフォートからの脱却、モバイルのウェブ化、電波による充電などといった目標を示しているが、その中の「AIのネットワーク」の開発検証を「AI-on-5G Labs.」で行うと話している。

Fiskerがデビューモデルとなる電動SUV「Ocean」の2022年11月発売を目指す

Fisker(フィスカー)は、米国時間11月3日に行われた第3四半期決算説明会で、電気自動車製造事業の立ち上げについて明るい見通しを示し、Foxconn(フォックスコン)との製造パートナーシップ、中国のバッテリー大手CATLとのバッテリー供給契約の確保、そしてデビューモデルであるSUV「Ocean」の生産準備が順調に進んでいることを強調した。

CEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は、2022年11月に自動車製造受託メーカーのMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)と提携してOceanの生産を開始し、同年第1四半期までに1日2台の生産を行うと投資家向け説明会で述べた。また、2022年後半には米国および欧州で納車が始まる見込みだ。

これらの期限を守るために、Fiskerは支出のペースを上げている。直近の四半期では、一般管理費が数百万ドル増の1030万ドル(約11億7000万円)と控えめに増加した一方で(2021年6月30日までの3カ月間では790万ドル=約9億円=だった)、その他の費用は急激に増加した。Fiskerの重要な研究開発項目(同社はまだ自動車を製造・販売する準備をしているため、現在は研究開発モードであることを思い出して欲しい)は、2021年第2四半期の4530万ドル(約51億円)から第3四半期では9930万ドル(約112億円)へと100%以上増加した。この増加は、従業員を増やし、プロトタイプの開発に費用をかけた結果であると幹部は話した。

R&D費の驚くべき増加は、Fiskerがここ数週間で大量の現金を銀行口座に追加した理由を物語っている。車両をマーケットに投入し、最終的にドライバーに届けるには多額の資金が必要だ。

FiskerとCATL

FiskerとCATLのバッテリー契約は大きなニュースだ。中国企業CATLは、2025年まで年間5ギガワット時以上の初期容量を供給し、量を増やすオプションが付いている。Fisker Oceanには2種類のバッテリーパックが用意され、2022年にプロトタイプができる。基本のバッテリーパックには、低コストだがエネルギー密度の低いリン酸鉄リチウム(LFP)を使用する。もう1つのバッテリーには、エネルギー密度が高く航続距離も長いニッケルマンガンコバルト(NMC)を使用するが、それに伴いコストも上昇する。

「これにより、同じような価格帯のSUVでは世界最長の航続距離を実現することができます」とフィスカー氏は話す。2つのバッテリーパックの航続距離に関する詳細は、来週開催されるLAオートショーで明らかにされるという。LFP電池は、Tesla(テスラ)をはじめ、企業の間で低コストの選択肢として普及している。Teslaは、全世界の標準Model 3にLFP電池を採用すると発表した。

「なぜ我々が競合他社に先んじるのでしょうか? 我々は2021年、この技術を採用しました。ですから、12カ月後にFisker Oceanを手に入れたとき、あなたの技術は最新中の最新です。来年、他の車を買うとしたら、その技術はおそらく3年前に選択されたものでしょう」とフィスカー氏は述べた。

また、Fiskerは中国の顧客からの予約を受け付けるために、中国法人を設立している最中だが、来年の初めまでに手続きは完了しない可能性が高いとフィスカー氏は話した。現在、Fiskerに入っている予約の約80〜85%は米国からのものだ。

業績

さて、次は決算を取り上げる。明らかに、収益を上げる前の会社であるFiskerの決算で重要なことは通常の財務情報とは少し異なる。Fiskerが第3四半期の業績を発表した後、同社の株価は時間外取引で1%強上昇している。予想通り、同社の収益はつつましく、赤字だった。

市場では、同社が1株当たり0.35ドル(約39円)の損失を計上すると予想されていた。1株当たり0.37ドル(約42円)の損失は、換算すると約1億980万ドル(約125億円)の純損失に相当する。売上高は1万5000ドル(約170万円)にとどまり、これにより1000ドル(約11万3000円)の赤字となった。

Fiskerは最近、社債を発行して現金を14億ドル(約1591億円)に増やしたが、これは2021年6月30日の四半期末に発表した9億6200万ドル(約1093億円)から大幅に増加している。同社は、利回り2.5%の6億7750万ドル(約770億円)相当の転換社債を発行し、最終的な自動車生産に先立って資金を確保した。

現在、Fiskerはまだ収益を上げていないが、投資家はこうした状態が急速に変わることを期待している。Yahoo Financeのデータによると、2021年にはわずかだった売上高が、2022年には2億6420万ドル(約300億円)になると、アナリストは予想している。Fiskerが調達した現金は、一般市場の投資家からの無限に厳しい収益要求に応える際に役立つものとなりそうだ。

画像クレジット:Fisker Inc.

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(文:Aria Alamalhodaei、Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォックスコンがSUV、高級セダン、路線バスのEVプロトタイプを公開

Foxconn(フォックスコン)は現地時間10月18日に開催した「HHTD21」イベントで、SUVとセダン、そして路線バスを含む3台の電気自動車のプロトタイプを発表した。YouTubeで公開されている公式動画Nikkei Asia(日経アジア)の報道によると、同社はEVに関して「もはや新参者ではない」と述べ、最大で年間1兆新台湾ドル(年間約4兆円)のビジネス展開を目指すという。

FoxconnはこれらのEVを「Foxtron(フォックストロン)」というブランドのもと、台湾のYulon Motor(裕隆汽車)と共同で開発した。裕隆汽車はLuxgen(ラクスジェン)という自社ブランドで高級車を展開している他、Nissan(日産自動車)やMitsubishi(三菱自動車)の車種を現地生産している自動車会社だ。今回公開されたプロトタイプは、高級セダン、SUV、路線バスの3車種で、それぞれ「Model E(モデルE)」「Model C(モデルC)」「Model T(モデルT)」と名付けられている。

これらの車両は、Foxconnが開発したソフトウェア / ハードウェアのオープンプラットフォーム「MIH」をベースとしている。基本的にはキットとして設計されており、EVブランドが独自の仕様で量産できるリファレンスデザインとして提供されるものだ。

Model Tバスは、早ければ2022年(できれば別の名前になることを願いたい)路上に登場する可能性があり、一度の満充電で走行可能な航続距離は400km、最高速度は120km/hとなる見込みだ。Taiwan News(台湾英文新聞)によると、このバスには、歩行者に注意を促す警告音を発する機能や、高度な温度管理、高い衝突安全性などの技術が搭載されているという。

Foxtron Model Cは、2023年までに台湾で販売が予定されている電気自動車のSUVで、高い効率性と停止状態から100km/hまで3.8秒で加速する動力性能を備える。FoxconnのYoung Liu(劉揚偉)会長によれば、価格は100万新台湾ドル(約400万円)以下になる見込みだという。2台より遅れて市場に投入される予定のModel Eは、イタリアのPininfarina(ピニンファリーナ)と共同でデザインされた高級パフォーマンスセダンで、最高出力750馬力、0-100km/h加速2.8秒、航続距離750kmという高い性能を発揮することになっている。発売時期は未定だ。Yulon Motorは、このデザインを採用する最初のEVメーカーの1つになるだろうと、同社のLilian Chen(嚴陳莉蓮)会長は述べている。

Foxtronが目指すのは、EVを販売する市場の近くで生産することによってコストを抑えるというトレンドを利用することだという。Foxconnは米国内にEV工場の建設を計画しており、先には資金繰りに苦しむLordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)からオハイオ州の製造工場を買収すると発表した。この工場では、Lordstown Motorsの電動ピックアップトラック「Endurance(エンデュランス)」を製造するとともに、Foxconnが提携を結んでいるFisker(フィスカー)と開発したEVの生産を2023年末までに開始することを目指している。Foxconnは、欧州におけるEV生産計画の詳細も、近日中に発表するとしている。

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編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したSteve Dentは、Engadgetの共同編集者。

画像クレジット:Fabian Hamacher / reuters

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(文:Steve Dent、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Lordstown MotorsがGMから購入した工場の売却をめぐりフォックスコンと協議中

EVスタートアップのLordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)は、2019年にGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)から620万平方フィート(約57万6000平方メートル)の工場を購入して注目を浴びた。だが、現在は資金繰りに窮している同社は、その施設を台湾のFoxconn Technology Group(フォックスコン・テクノロジー・グループ)に売却する可能性が高いようだ。

関連記事:フォックスコンがLordstown MotorsとFiskerの電気自動車をオハイオ州の元GM工場で生産へ

このニュースを最初に報じたBloomberg(ブルームバーグ)によれば、早ければ今週中にも取引が完了する可能性があることを、匿名の情報筋が示唆したという。Lordstownの経営陣は、第2四半期の決算発表の際に、このオハイオ州北東部にある施設を、他の企業にリースすることについて、パートナーと「真剣な話し合い」を行っていると語っていた。だから売却のニュースはまったくの驚きというわけではない。

取引に関する金銭面などの詳細は明らかになっていないが、LordstownはFoxconnと並行して、この同じ施設で生産を行っていくとも報じられており、この取り決めは、悩める電気自動車メーカーにとって、最終的には利益となる可能性がある。現金収入とFoxconnが持つ大量生産の専門知識の両方を得られることになるからだ。

Foxconnといえば、Apple(アップル)のiPhoneを製造していることで知られているが、ここ数年は電気自動車製造の市場参入に向けて大きく歩を進めている。同社は2021年5月、EVメーカーのFisker(フィスカー)と、新しい電気自動車を共同開発・製造する契約を締結。また、タイの石油会社であるPTT PLCとも提携し、同国内の工場で年間最大5万台の電気自動車を製造することも計画している。

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Foxconnの野望はそれだけではない。この製造企業は自動車メーカーの委託製造業者になる構想も描いており、中国の自動車メーカーである浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)と合弁会社を設立し、EVの販売を目指すメーカーに、設計、研究開発、生産を提供しようと考えている。

Lordstownは、主力製品である電動ピックアップトラック「Endurance(エンデュランス)」の最初の生産車両を、2022年初頭に少数の顧客に届けることを目指している。この会社は、前CEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏が会社の資金繰りを懸念して辞任した後、2021年8月に新しいCEOを任命した。Dan Ninivaggi(ダン・ニニヴァッジ)氏がCEOに就任したのは、Lordstownが16億ドル(約1780億円)のSPAC合併を発表してからわずか1年後のことだった。

Lordstownの株価は、52週高値で1株31.80ドル(約3530円)を記録したが、現在は7.88ドル(約875円)で取引されている。

TechCrunchはLordstownとFoxconnにコメントを求めている。回答があれば記事を更新する予定だ。

画像クレジット:MEGAN JELINGER / AFP / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

FoxconnがLordstown MotorsとFiskerの電気自動車をオハイオ州の元GM工場で生産へ

Foxconn(フォックスコン)は米国9月30日に発表された契約のもと、Lordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)、そして別のパートナーFisker Inc(フィスカーインク)のためにオハイオ州にある元General Motors(ゼネラル・モーターズ)の工場で電気自動車(EV)を組み立てる。

特別買収目的会社(SPAC)との合併経由で公開企業となった、苦境に立っている電気自動車メーカーLordstown Motorsは9月30日、620万平方フィート(約58面平方メートル)の工場売却でFoxconnと拘束力のない合意に達した、と述べた。Lordstownは2019年にその工場をGeneral Motorsから購入していた。

まだ完了していないこの合意では、Foxconnは工場購入で2億3000万ドル(約256億円)を払う。取引には、Lordstownのハブモーター組立ライン、バッテリーモジュール、梱包ラインなど一部の資産や、特定の知的財産権は含まれない。Foxconnはまた5000万ドル(約56億円)分のLordstownの普通株も購入する。

2社は、FoxconnがLordstownのフルサイズのピックアップトラックEnduranceを同工場で組み立てるための受託生産契約も交渉すると明らかにした。受託生産の契約は工場購入を完了する条件となっている。両社は追加のピックアップトラックプログラムのためのライセンス契約も検討することで合意した。

今回の取引はLordstownが重要な時期にある中でのものだ。現金不足の同社は今年初め、一連の失敗を犯したSPACを頼った。Lordstownは8月に自動車業界で長らく幹部を務め、Carl C. Icahn(カール・C・アイカーン)氏の持株会社の元CEO、Daniel A. Ninivaggi(ダニエル・A・ニニヴァッジ)氏をCEO兼役員として雇った。この指名の前、Lordstownの創業者でCEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏の辞任など、同社では何カ月も騒動が繰り広げられた。同社が想定以上に多くの資金を消費し、以前予想していたEnduranceの生産台数を達成できないことが明らかになった冴えない第1四半期決算を受け、CFOのJulio Rodriguez(ジュリオ・ロドリゲス)氏も辞任した。

提携の目的は、北米でのスケーラブルな電気自動車生産の増大しつつあるマーケット機会をLordstown MotorsとFoxconnがとらえることだと両社は声明文で述べた。ここにはFoxconnのEVメーカーFisker Incとの既存の提携も含まれる(LordstownとFiskerは別会社であり、関係は全くない)。

Fiskerは5月、Project PEARというプログラムで新しいEVを共同開発・生産することでFoxconnと契約を交わした。Personal Electric Automotive Revolutionの頭文字を取っているプロジェクトPEARの車両はFiskerブランドとして北米、欧州、中国、インドで販売される。生産準備は米国で2023年末までに始まる予定で、2024年に本格生産に入る、とFiskerは8月のTechCrunchとのインタビューで語った。

Fiskerは米国での生産場所を明らかにしなかったが、最終的にFoxconnにするかもしれない、とインタビューで語っていた。

Fiskerは9月30日、Foxconnからのニュースを歓迎する声明を出した。

「市場投入までの時間、十分に開発されたサプライヤーエコシステム、全体的なコスト目標などプログラムの主目的を達成することは、オハイオで生産するという決断で重要な要素でした」とHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は電子メールでの声明で述べた。「今年初めにFoxconnと提携を結んで以来、我々はデザインやエンジニアリング、サプライチェーン、生産などを含め、プロジェクトPEARのあらゆる面で密に協業してきました。米国で大量生産するというFiskerの約束は、今回の合意でさらに重要な一歩を踏み出しました」

Fiskerはまた、別の委託生産業者との車両プログラムも進めている。Fisker Ocean SUVは自動車委託生産業者のMagna Steyrが欧州で組み立てる。生産開始は予定通り2022年11月に始まる見込みだとFiskerは第2四半期決算会見で繰り返した。納車は欧州と米国で2022年後半に始まり、2023年中に月産能力を5000台超にする計画だ。中国の顧客への納車も2023年開始が見込まれている。

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画像クレジット: Bloomberg / Getty Images

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォックスコンがタイのEV工場で2023年までに5万台の生産を開始と発表

台湾のスマートフォンメーカー大手であるFoxconn(フォックスコン)と、タイの国営石油会社PTT PLCが、タイ国内での電気自動車(EV)製造施設の開業に向けた合意を進めていることが明らかになった。この施設では、2023年までに車両の出荷を開始する予定だ。これまでFoxconnは、2022年にはタイと米国の両方に工場を建設する計画を発表していた。

6月にFoxconnとPTTは、EV生産で協力する覚書交わし、PTTが60%、Foxconnが残りの40%を保有する合弁会社を設立することとなった。タイ工場の初期生産能力は約5万台だが、フォックスコンはそれを2030年までには3倍に増やすとしている。Foxconnは、このタイ工場によって正式に自動車メーカーとしての地位を確立することになるが、同時にEVメーカーであるFIsker(フィスカー)と共同で米国にも工場を建設していて、こちらも2023年の生産開始を目指している。両社は、5月に「Project PEAR」と呼ばれる共同契約を締結した

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データと分析のコンサルティング会社であるGlobalData(グローバルデータ)のシニアオートモーティブアナリストであるBakar Sadik Agwan(バカール・サディク・アグワン)氏は「タイはEVの需給面ではかなり新しい国であり、生産しているメーカーも限られています」と述べている。「タイは、他の市場と比較して、自動車製造に適した政策と伝統を持っていて、Foxconnにとって大きな価値があります。また、中国ではByton(バイトン)と製造提携していますが、現在は保留になっていると言われています。中国は最大のEV市場ではありますが、EV市場が細分化されているために生産能力過剰の問題を抱えており、多くの自動車メーカーが十分なマージンを得ることができない状況になっています」。

タイ政府がFoxconnを支持しているのは、将来的にそれを「EVハブ」として現地生産を奨励することで、2030年までに総生産量に占めるEVのシェアを30%にまで高めたいと考えているからだ。

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

Foxconnが2022年にEV工場を米国とタイに建設へ、23年から生産開始

Foxconn(フォックスコン)は電気自動車(EV)という野望に真剣になりつつある。同社は決算会見で投資家に、EVを生産する工場を2022年に米国とタイに建設し、翌2023年に大量生産を開始する計画だと語った。同社会長のLiu Young-way(リュー・ヤンウェイ)氏は、同社が欧州の工場候補地についても協議していると述べた。

米国の工場では、FoxconnはFisker(フィスカー)を含むEVクライアントのための車両を生産する。FoxconnとFiskerは5月に契約を交わしFoxconnは2023年末までにFiskerのEVの生産を開始する。両社はProject Pear車両に共同投資し、そこから得られる売上高も分かち合う。

Nikkei Asiaによると、FoxconnはEV工場についてウィスコンシン州を含む3州と協議中だ。同社は今年初め、ウィスコンシン州にある既存の工場の計画を大幅に縮小した。リュー氏はまた、Foxconnが議論を巻き起こした工場でEVを生産するかもしれないとほのめかしていた。

計画されているタイの工場は、石油・ガスのコングロマリットPTTとの合弁企業の一部となる。2社はEVと部品生産のためのプラットフォームに取り組んでいる。Foxconnは毎年最大20万台のEVを生産する計画だ、とリュー氏は述べた。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したKris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

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(文:Kris Holt、翻訳:Nariko Mizoguchi

FiskerとフォックスコンのEVパートナーシップは「予想よりも速く進んでいる」とFiskerのCEOが表明

米国の電気自動車メーカーであるFisker(フィスカー)は、2021年の運営費用が4億9000万ドル(約538億1000万円)から5億3000万ドル(約582億2000万円)に達すると予想しているが、これは、Ocean(オーシャン)SUVのプロトタイプの研究開発費、先端技術のテストと検証、雇用、Foxconn(フォックスコン)とのパートナーシップの「加速」によって当初の見通しよりもやや増えている。

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米国時間8月5日の市場閉場後に第2四半期の業績報告を行った同社は、通年の主要な非GAAP運営費用と設備投資の予想を、当初の4億5000万ドル(約494億2000万円)から5億1000万ドル(約560億1000万円)という数字から引き上げた。業績報告の中で挙げられていたのは、2021年のプロトタイプ活動への研究開発費だが、その主要部分は先進運転支援システムのテストと検証、パワートレイン、およびユーザーインターフェイスによって構成されている。同社はまた、仮想検証ソフトウェアツールや、最近厳しくなったEuro NCAPおよびIIHSの安全規制に対応するための、人材採用、仮想および物理テストなどの社内コストへの支出が増加していることも指摘している。

CFOでCOOの共同創業者Geeta Gupta Fisker(ギータ・グプタ・フィスカー)氏は、業績報告会の中で、サードパーティだけに頼るのではなく、テストと検証を行うための内部体制を整える戦略的決定を下したことを付け加えた。

共同創業者でCEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は米国時間8月5日のインタビューで「予想よりも速く進んでいる」Foxconnとのパートナーシップも支出の増加に寄与していると語った。

そのインタビューの中で、ヘンリック・フィスカー氏は「私たちの方向性は本当に一致しています」と語っている。「両社がこのプログラムに投資しているという意味で、これは非常にユニークなビジネス取引であるということができます。私たちが単にFoxconnを雇って車を作るわけではありません」。

Fiskerは現在、2つの車両プログラムを実施中だ。その最初の電気自動車であるFisker Ocean SUVは、ヨーロッパの自動車委託製造業者Magna Steyr(マグナ・シュタイヤー )によって組み立てられる。生産開始は2022年11月の予定で今の所順調に進んでいる、と同社は8月5日の発表で繰り返した。納車は2022年の終わりに欧米で開始され、2023年には月産5000台以上の生産能力を達成する計画だ。中国の顧客への納車も2023年には開始される予定である。

この5月にFiskerは、iPhoneを組み立てている台湾企業であるFoxconnと、新しい電気自動車を共同開発および製造する契約を締結した。ヘンリック・フィスカー氏によれば、両社は「極めて速やかに」設計を進めており、現在、トランクを開く新しい方法の特許やその他の技術革新に取り組むなど、エンジニアリングと技術の詳細に取り組んでいる。

「私たちは急激に加速しています、おそらく2021年の終わりまでにはいくつかの初期のプロトタイプが手に入ることでしょう」と彼はいう。

両社はまた、この新しいEVのデザインが都会のライフスタイル向けになることも決定した。

「万人向けの車を作ることはできません」と彼はいう。「農民向けであり、かつ都会のアパートに住む人のためでもある車を作ることはできません。これらは2つの異なる種類の車なのです。ということで、今回のEVには都会的なライフスタイルを選択しました」。

このプロジェクトPEAR(Personal Electric Automotive Revolutionの略)で生産される車両は、Fiskerのブランド名の下で北米、ヨーロッパ、中国、インドで販売される。Fiskerの8月5日の発表によれば、プリプロダクションは2023年末までに米国で開始され、翌年には増産される予定だということだ。

ヘンリック・フィスカー氏は、米国における製造拠点を明らかにしなかった。彼は最近ウィスコンシン州にあるFoxconnの製造施設を訪れ、この地域のサプライチェーンと同様に「印象的な」施設であると発言している。そして最終決定はFoxconnのものであるとFiskerは述べている。しかしFiskerは、自動車メーカーが顧客に直接販売できる州で電気自動車を生産したいと考えている。ウィスコンシン州では現在この行為は禁止されている。

「それは、私たちが店舗に出ていって電気自動車を販売するために変更しなければならない主要な事の1つになるでしょう」と彼は述べた。

業績報告

同社の第2四半期業績報告の概要は以下の通りだ。2つの重要な要素を心にとめておいて欲しい。Fiskerは2020年のこの時点では上場されていなかった。そのため前年との比較は利用することができない。この会社は基本的に収益開始前だが、グッズ販売から2万7000ドル(約296万5000円)を得ている。

Fiskerの報告によれば、前四半期から22%増加し、2万7000ドル(約296万5000円)の収益が生み出されたとされている。またFiskerは、前四半期の1億7680万ドル(約194億1000万円)の純損失と比較して、今四半期の純損失は4620万ドル(約50億7000万円)、つまり1株あたり0.16ドル(約17.6円)の純損失を報告している。第1四半期のこの大きな純損失だが、SECによる現金以外の項目を処理する方法の変更によって、第1四半期に1億3800万ドル(約151億4400万円)のワラント保証が要求されたことに起因する。公開ワラントは現在廃止されており、同社は将来の収益にこれらの影響を受けることはもうないと述べている。

第1四半期の営業損失は3300万ドル(約36億2000万円)だったが、第2四半期の営業損失は5310万ドル(約58億3000万円)となった。重要なのは、同社が「アセットライト」アプローチと呼んでいる方法を使用して現金を保持していることだ。つまり、工場を建設するのではなく、パートナーに依存するということを意味する。6月30日に終了した四半期の現金および現金同等物は9億6200万ドル(約1056億1000万円)で、第1四半期の9億8510万ドル(約1081億3000万円)をわずかに下回った。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:FiskerFoxconn電気自動車決算発表

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(文: Kirsten Korosec、翻訳:sako)

トランプ氏が強引に進めたFoxconnのウィスコンシン工場計画が大幅縮小

「世界8つめの不思議」だった、とDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏は金色のシャベルを地面にさし込みながら言った。時の大統領はFoxconn(フォックスコン)が計画しているウィスコンシンの工場を自身の経済目標にとって大きな勝利とうたっていた。

1年半後、この取引の将来は極めて不確実になった。今週初めにウィスコンシン州は、かつて望んでいた計画の大幅な縮小が労働者にとって厳しい州へ戻ることに帰結すると発表した。台湾の大手製造メーカーであるFoxconnは投資を100億ドル(約1兆800億円)から6億7200万ドル(約726億円)に縮小する。

新しい計画には予定雇用数の大幅削減も盛り込まれ、1万3000人から1454人とする。ウィスコンシン州知事のTony Evers(トニー・エバーズ)氏は今週発表したプレスリリースで節税のための削減だと述べた。

「知事になったとき、私はウィスコンシン州にとってより良い取引を結ぶためにFoxconnと協業することを約束しました。最後の取引はウィスコンシン州のためにならず、私にとっても意味を成しません」とエバーズ氏は述べた。「今日、この取引に関し、Foxconnを他の企業と同じように扱うという合意を発表します。これにより税金27億7000万ドル(約2993億円)を節約でき、州や地元のコミュニティがすでに投じてきた数億ドルのインフラ投資を守り、約束された雇用創出の責任があることを保証します」。

エバーズ氏は、トランプ氏のもとでの取引交渉で主要な役割を果たしたScott Walker(スコット・ウォーカー)氏の後任として2019年に知事に就任した。取引には40億ドル(約4323億円)近いFoxconnへのインセンティブが含まれていて、これは同社にとって破格の取引だった。

テレビ工場の計画は発表された4年前からかなりシフトし、明らかにトランプ氏からの電話で計画が元に戻る前の2019年初めにはFoxconnはすべて中止したようだった。

ロイターが指摘しているように、ウィスコンシン州はすでに2億ドル(約216億円)超をインフラ、トレーニング、計画された工場の開所に先駆けた他の諸々に費やした。

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カテゴリー:その他
タグ:ドナルド・トランプFoxconnアメリカウィスコンシン工場投資

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォックスコンが次期EV製造で米Fiskerと提携に暫定合意、年25万台超を生産へ

Apple(アップル)の主要サプライヤーであるFoxconn Technology Group(フォックスコン、鴻海科技集団)は、電気自動車(EV)のスタートアップが転じSPACにより上場したFisker(フィスカー)と、北米、ヨーロッパ、中国、インドで販売されるEVを開発し、最終的には製造することで暫定的な合意に達した。

FiskerとFoxconnは中国時間2月24日、覚書(memorandum of understanding、MOU)に基づく合意が締結されたと発表した。両社間の協議は今後も継続され、2021年の第2四半期中に正式なパートナーシップ契約が締結される見込みだ。

合意によると、Foxconnは2023年の第4四半期に生産を開始し、25万台超を生産の生産台数を見込んでいる。この電気自動車はFiskerブランドの製品となる。

Foxconn Technology GroupのYoung-way Liu(劉揚偉、ヤンウェィ・リュー)会長は、同社の垂直統合されたグローバルサプライチェーンと蓄積されたエンジニアリング能力を強調し、それらはEVの主要要素である電動モーター、電気制御モジュール、バッテリーの開発・製造において、同社に2つの大きな優位性を与えていると指摘した。

Foxconnが生産目標を達成したいのであれば、このサプライチェーンとエンジニアリングの迅速なスケールアップ能力は非常に重要になる。

「両社の協力により、研究開発から生産まで、わずか24カ月でFiskerの次期モデルを生産することが可能になり、新しい車両を市場に投入するのに必要な時間を従来の半分に短縮できます」とリュー会長は声明で述べた。

Fiskerによると、同社の初のEVであり、受託製造メーカーのMagna(マグナ)が製造するとされるSUV「Ocean(オーシャン)」の生産は2022年の第4四半期に開始されるという。同社は、2021年後半にはOceanの生産段階のプロトタイプを発表する予定だと述べている。

Foxconnが電気自動車製造に参戦するのは、これが初めてではない。

Foxconnは2020年1月、Fiat Chrysler Automobiles(FCA、フィアット・クライスラー・オートモービルズ)と合弁会社を設立し、中国で電気自動車を製造することを発表した。その契約の下で、各当事者はベンチャーの50%を所有し、電気自動車の開発と製造を行い、Foxconnの親会社であるHon Hai(鴻海)が「クルマのインターネット(Internet of vehicles、IOV)」と呼ぶ事業に従事する。

そして2021年1月、Foxconnと中国の自動車メーカーであるZhejiang Geely Holding Group(浙江吉利控股集団、チョーチアン・ギーリー・ホールディング・グループ)は、自動車メーカー向けの受託製造に特化した合弁会社を設立することで合意している。

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FoxconnとGeelyの合弁会社は、自動車メーカーやライドシェア企業に対して、車両全体、部品、インテリジェントドライブシステムなどの、自動車エコシステムプラットフォームに関するコンサルティングサービスを提供していく。Geelyは自動車分野での設計、エンジニアリング、研究開発、インテリジェント製造、サプライチェーンマネジメント、品質管理などの経験を提供し、一方Foxconnは製造とICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)のノウハウを提供するという。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Foxconn Technology Group電気自動車Fisker

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

クアルコム出資のチップメーカーKneronがフォックスコンからも資金を調達

サンディエゴと台北に拠点を置くスタートアップがエレクトロニクス業界の最大手数社からひっそりと資金ならびに契約を獲得している。エネルギー効率の良いエッジAIチップを専門とするKneron(クネロン)は、台湾の製造大手Foxconn(フォクスコン)と集積回路メーカーWinbond(ウィンボンド)から戦略的資金を調達した。

本ラウンドの1年前に、Kneronは香港の大富豪Li Ka-Shing(リ・カシン)氏のHorizons Venturesがリードした4000万ドル(約42億円)のラウンドをクローズした。他の主要投資家としては、Alibaba Entrepreneurship Fund、Sequoia Capital、Qualcomm、SparkLabs Taipeiなどが含まれる。

KneronはFoxconnとWinbondの投資額については両社からの要望を受けて非公開としたが、創業者でCEOのAlbert Liu(アルバート・リュー)氏はTechCrunchとのインタビューで「8桁」のディールだったと述べた。

2015年に設立されたKneronの最新プロダクトは洗練されたAIアプリをクラウドに頼ることなく動かすことができるNPU(ニュートラルネットワークを組み込んだ人工知能専用のプロセッサー)だ。KneronはIntel(インテル)とGoogle(グーグル)のチップを直接引き受けており、それらは自社の製品よりもエネルギー消費が大きいとKneronは主張する。同社は最近、Qualcomm(クアルコム)台湾の元エンジニアリング責任者Davis Chen(デイビス・チェン)氏を採用し、人材の強化を図った。

Kneronの顧客には中国のエアコン大手Gree(グリー)やドイツの自動運転ソフトウェアプロバイダーTeraki(テラキ)が含まれ、そして今回の資金調達で世界最大の電気機械メーカーをクライアントに持つことになる。戦略的提携の一環として、KneronはFoxconnのスマートマニュファクチャリング、それから新しく導入された電動車両向けのオープンプラットフォームで協業する。その一方でWinbondとの協業はMCU(マイクロコントローラー)ベースのAIとメモリーコンピューティングにフォーカスする。

「低電力のAIチップはセンサーを埋め込むのが簡単です。我々はみな、一部のオペレーションラインではセンサーがかなり小さいことを知っています。なので大きなGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)やCPU(セントラルプロセッシングユニット)を使うのは、特に電力消費が大きな懸念材料である場合においては簡単ではありません」とリュー氏は述べた。同氏はKneronを設立する前、QualcommとSamsung(サムスン)のR&D部門に在籍していた。

競合他社と異なり、Kneronは製造からスマートホーム、スマートフォン、ロボティクス、監視、決済、自動運転までさまざまなユースケース向けにチップをデザインする。チップをただ作るだけでなく、チップにAIソフトウェアを埋め込む。SenseTimeやMegviiといったクラウドを通じてAIサービスを実現している中国のAI寵児たちと差異化を図る戦略だ、とリュー氏は述べた。

Kneronは、他の企業に比べると資金調達に関してはそれほど積極的に動いてはこなかった。巨大なラウンドを通じての資金は事業を急拡大する財源となる。創業6年のSenseTimeはこれまでに26億ドル(約2700億円)を調達し、創業9年のMegviiは約14億ドル(約1454億円)を銀行口座に確保した。それに比べ、KneronはシリーズAラウンドでわずか7000万ドル(約73億円)を調達したにすぎない。

Kneronは、中国のAI新興企業のようにIPOを検討している。同社は2023年に黒字化達成を予想していて、「おそらくIPOにはいい頃でしょう」とリュー氏は述べた。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Kneron資金調達FoxconnQualcomm

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(翻訳:Mizoguchi

フォックスコンと中国Geelyが提携、次のテスラを目指し自動車メーカー向けに電気自動車、自動運転車、シェアリング車を開発

将来の電気自動車、自動運転車はApple(アップル)の主要サプライヤーであるFoxconn(フォックスコン、鴻海科技集団)と、中国の自動車メーカーであるZhejiang Geely Holding Group(チョーチアン・ギーリー・ホールディング・グループ、浙江吉利控股集団)によって製造されるのかもしれない。
両社は、自動車メーカー向けの受託製造に焦点を合わせた合弁会社を設立することで合意しており、特に電動化、コネクティビティ、自動運転技術、およびシェアリングを目的とした車両に注力する。それぞれが、新合弁会社の株式の50%を均等に保有する。両社が発表した声明によると、取締役会は5人で構成され、Foxconnは会長を含む3人、Geelyは2人を選任するという。

今回の合意は、両社が自動車メーカーからの委託製造で、より大きな役割を担うようになったことを受けてのものだ。今週の初め、Geelyは中国の検索大手Baidhu(バイドゥ、百度)による、電気自動車生産会社の設立を支援することを発表した。Baiduがスマートドライブ技術を提供し、Geelyは自動車の設計・製造を担当する。一方Foxconnは、経営が苦しい中国の電気自動車スタートアップBytonのM-Byte SUV製造を支援する計画を発表している。

Geely Holding GroupのDaniel Donghui Li (ダニエル・ドンホイ・リー)CEOは、世界の自動車産業は大きな変化を迎えていると語った。彼は、Geelyが「変化を積極的に受け入れ、アライアンスを構築し、リソースを相乗的に活用して、ユーザーのみなさまにとってのより大きな価値を創造しなければなりません」と語り、Foxconnの専門知識が自動車業界の変革と進化のための重要な知見を提供するだろうと付け加えた。

新しい合弁会社は、自動車メーカーやライドシェア事業者に対して車両全体、部品、インテリジェントドライブシステムなどの、自動車エコシステムプラットフォームに関するコンサルティングサービスを提供して行く。Geelyは自動車分野での設計、エンジニアリング、研究開発、インテリジェント製造、サプライチェーンマネジメント、品質管理などの経験を提供し、一方Foxconnは、製造とICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)のノウハウを提供する。

新会社の目的は、自動車メーカーたちが、業界ではCASEと呼ばれているコネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化技術に基づく、革新的で効率的な新しい製造プロセスやビジネスモデルへの移行を加速するための支援を行うことにあると、両社は述べている。

次のTesla(テスラ)を目指す企業や、自動運転車の商業化を目指す企業がここ数年で多数誕生しており、このFoxconn-Geely合弁会社には、候補となり得る顧客の長いリストができている。自動車を大量生産するための主要な障害の1つは、工場を建設して稼働させるために必要な数十億ドル(数千億円)資金である。こうした資金の必要性が、多くのEVスタートアップ企業に、特別買収目的会社(SPAC)と合併して株式公開企業になることを促している。Canoo(カヌー)、Fisker(フィスカー)、Lordstown Motors(ローズタウン・モータース)、Nikola Corp.(ニコラ・コープ)といった企業が、白紙小切手会社とも呼ばれるSPACと合併している。

Foxconn Technology GroupのYoung-way Liu(ヤンウェィ・リュー、劉揚偉)会長は今回の提携を、自動車産業と情報通信技術(ICT)産業の協力の歴史におけるマイルストーンと呼んでいる。

「Foxconnの世界をリードする研究開発技術、インテリジェント製造、ハードウェアとソフトウェアの統合能力によって、両社は非常に補完的なパートナーシップを生み出すことができます、これにより私たちはより良いサービスを提供し、様々な顧客の多様なニーズを満たすことが可能になり、最も先進的で、最速で、費用対効果の高いフルバリューチェーンの自動車生産サービスプラットフォームを提供することができます」とリュー会長は語り、さらに、このパートナーシップは自動車産業の発展に大きな変化をもたらすだろうと付け加えた。

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タグ:FoxconnGeely自動運転EV

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(翻訳:sako)

フォックスコンがiPadとMacBookの生産をベトナムに移す可能性

Reutersの報道によると、Foxconn(フォックスコン)はApple(アップル)からの要請を受け、一部のiPadおよびMacBookの生産を中国からシフトする可能性があるという。新工場はベトナムを拠点とすることになる。

The Informationの最近の調査が強調しているように、アップルとフォックスコンとは深い関係があり、この台湾メーカーはアップルの主要な生産パートナーだ。それと同時に、アップルはフォックスコンの主要クライアントでもある。数字を見ると、フォックスコンはアップルの主要製品であるiPhoneの60%から70%を製造している。

ここ数年、アップルは2つの主要な方法でサプライチェーンを多様化を図ってきた。まず同社は、Luxshare Precision IndustryやWistronなど、他の製造企業と連携しようとしている。

第2に、アップルはさまざまな国で製品を製造しようとしている。新たな関税と輸入制限により、その問題はより差し迫ったものとなった。

Reutersによるとアップルはフォックスコンに対して、iPadとMacBookの組み立て部品の一部をベトナムに移転するよう求めたという。組み立てラインは2021年前半のいずれかの時点で稼動するはずだ。

フォックスコンはベトナムに加えて、インドのチェンナイ近郊の工場でもiPhone 11を生産している。WistronもインドでiPhoneの組み立てを行っている。また、フォックスコンはブラジルでも(9to5Mac記事)複数モデルのiPhoneを製造している。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiPhoneMacBookFoxconn

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter