シャオミやサムスンが新型コロナで停止していたインドでのスマホ生産を再開へ

Xiaomi(シャオミ)、Vivo(ビボ)、Samsung(サムスン)、Oppo(オッポ)、その他のスマホメーカーは、インド州政府からデバイス製造・組み立ての部分的再開が許可された。世界第2位のスマホ市場であるインドのデバイス製造プラントは2020年3月下旬から停止していて、国のロックダウンはまだ続いている。

スマホメーカーは、製造オペレーションを再開させる許可を得たと話したが、労働者数を制限しての操業など、いくつかの規制はまだ残っている(連邦政府は5月初めにスマホ生産再開を許可したが、規制を緩和できるだけ地域の状況が安全かどうかは最終的に州政府が判断する)。

連邦政府は5月初めに、スマホ生産再開を許可する数日前にロックダウンを2週間延長した。しかし、3月下旬に全土に厳重な外出禁止令を出してから停止していた経済活動を復活させるため、一部の規制を緩和している。

今週初め、連邦政府はeコマース企業や配車サービス会社に、グリーンゾーンとオレンジゾーンでの営業再開を許可した。これらのゾーンは新型コロナウイルス(COVID-19)感染が深刻でない地域で、全733地方のうち82%がグリーン、そしてオレンジとなっている。

Snapdragon 865で作動するスマホ Mi 10を含むさまざまなデバイスをインドで展開しているXiaomiは、需要に応えるための在庫は最大3週間分しかない、と5月初めに述べていた。

Xiaomiの副社長Manu Kumar Jain(マヌ・クマール・ジャイン)氏は5月8日、スマホメーカーとしてインドで2年にわたってトップシェアを占めている同社が、アーンドラ・プラデーシュ州にある契約企業Foxconn(フォクスコン)の施設で操業を再開すると述べた。

この件に詳しい情報筋は、Apple(アップル)の委託企業Wistron(ウィストロン)はバンガロールで操業を一部再開したとTechCrunchに語った。

インドで第2位のスマホメーカーであるVivoは、生産能力の30%で再開すると話した。同社の広報担当は「従業員3000人程度で生産を再開するだろう」と述べた。

Vivoと同様、Oppoもグレーター・ノイダにある施設で生産を再開し、従業員3000人がローテーションで作業すると話した。2018年に世界最大のスマホ工場をインドに開設したSamsungもその施設での操業を再開することを明らかにした。

「5月7日に工場は一部再開し、今後段階的に稼働率を上げていく。従業員の安全と健康が最優先事項であり、政府のガイドラインに沿った工場内の衛生とソーシャルディスタンシング(物理的距離の維持)を確認した」とSamsungの広報担当は話した。

新型コロナはいくつかの事業にかなり深刻な影響を及ぼしている。調査会社Counterpointによると、4月のインドでのスマホ販売はゼロだった。Counterpointはまた、インドのスマホ出荷台数は今年10%減を予想している。参考までに2019年のスマホ出荷は8.9%増、2018年は10%増だった。

上位スマホメーカーはすべて、インド政府の税優遇を受けるために自社プラントを設けるか、パートナー企業に委託してインドでスマホを生産している。

画像クレジット: Karen Dias / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

フォックスコンからの出資も受けたLightのミニマリスト向け携帯の新機種が350ドルで登場

Light Phoneとその後継機について議論するとき、なんとか割り切らなければならない、やっかいなジレンマがある。私たちがテクノロジーから足を洗えるようにするという明確な目的で開発されたテクノロジーは、本質的に皮肉を含んでいるということ。しかし今は2019年なのだから、そのような内在する皮肉があるのは当然のことだろう。

Lightには、間違いなくそれなりのサポーターがいる。同社の発表によれば、新製品Light Phone IIを、Indiegogoの出資者に向けて出荷し始め、サイト直販でも350ドル(約3万7400円)で予約注文の受け付けを開始した。さらに、今回初めて、これまでに受けた出資についても明らかにした。この記事の執筆時点で、同社は1230万ドル(約13億1487万円)を調達しているという。

もちろん、クラウドファンディングによる資金調達は周知の事実だった。最初の製品は、Kickstarterで堅実に40万ドル(約4280万円)の資金を調達した。2番目の製品は、Indiegogoによるキャンペーンで先行予約を重視し、それをはるかに上回る350万ドル(約3億7415万円)の売り上げを確保した。その際、いくつかのVCも行動を起こしていたことが判明した。シード段階で840万ドル(約8億9796億円)を調達していたのだ。Hinge Capital、Bullish、White Bay Group、Able Partners、Product Co-Op、HAXなどが、資金を寄せ合っていた。しかし、リーダーとなっていたのは、さらに興味深い会社だった。

最大の投資をしたのは、Foxconn(フォックスコン)だったのだ。この製造大手は、当然のこととして、Lightの携帯電話の開発を手助けし、現状のオンライン販売だけでなく、Lightが小売チャンネルにも販路を拡大できるよう、補佐している。

「彼らには、2、30年にわたって、スマートフォンを開発してきた経験があります」と、Lightの共同創立者であるKaiwei Tang(カイウェイ・タン)氏はTechCrunchに語った。「彼らに見せた最初のLight Phoneは、シンプルな音声通話のみのデバイスでした。それについて説明した後、セールス担当の副社長にこう言われました。『やあKai、そのLight Phone、今すぐ欲しいよ。僕の人生はスマホのせいでめちゃくちゃになっている。もう子供にも話しかけてもらえないんだ』とね」。

他のいくつかの有名なエンジェル投資家も、同じように、そのシンプルなデバイスという考え方に惹きつけられた。本当に必要な機能だけを提供して、ユーザーのスマホ依存を解消することができるかもしれないと。LyftのJohn Zimmer(ジョン・ジマー)氏、Michael Mignano(マイケル・ミニャーノ)氏、AnchorのNir Zicherman(ニール・ジッチャーマン)氏(Anchor)、MomentのTim Kendall(ティム・ケンドール)、AdobeのScott Belsky(スコット・ベルスキー)氏などが、こぞって出資したのだ。

オリジナルのLight Phoneと同様、この新しいバージョンも、その開発者に、ある種の内包されたパラドックスを突きつける。基本のアイデアが、携帯電話としてのコアな機能以外を取り除くというものである以上、いくつかの新機能を追加した第2段を導入するというのは、ある意味逆行なのではないかということ。

新しいモデルには、ライドシェア(パートナーについては未発表)、音楽再生(おそらく最初は内蔵ストレージの音楽ファイル再生のみ)、道案内、紛失したデバイスの発見、といった機能が追加されている。とはいえ、こうした機能も、E Inkを採用したディスプレイによる制限を受ける。電話機能そのものは、2GからLTEに飛び級で移行した。ユーザーは、AT&T、Verizon、あるいはT-MobileのSIMを利用できる。

「たとえ話で表現すれば、1つのことだけがうまくできる、美しいデザインのネジ回しを提供するのです」とタン氏は言う。「E Inkの画面を採用し、サイズも小さいLight Phoneには、ユーザーにとって明らかに制約があります。もちろん、ユーザーにビデオを再生したり、映画を観たりすることは勧めません。しかし、電話をかけたり、タクシーを拾ったり、音楽を聴いたり(ちなみに、ヘッドフォンジャッン内蔵だ!)、音声メモを録音したりするのにはぴったりです。また将来的には、リマインダー付きのカレンダー機能も加わるでしょう。みんなシンプルなツールです。それが明確な目標なのです」。

Light Phone IIは、私がTechCrunchでレビューした製品の中で、おそらく最も見栄えのしないものだろう。小さいくせに厚みはあって、電子書籍リーダーを、実際には本が読めないくらいまで縮めたような感じだ。毎回何時間もスマホを使うような人にとっては、そこから開放してくれるのではないかと期待させるだけの、十分な機能を備えている。

Lightによれば、これまでに「数万台」のユニットを販売したという。第1世代については、すでに1万5000台を出荷し、まだ出荷していない予約分を含めて、なんとか4万台近くまでは届いている。同社は、こうしたユーザーをLight Phone IIに移行させたいと考えている。ちなみに、この第2世代のデバイスには、現在およそ1万件の予約注文がある。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ソフトバンクが1080億ドルでAIフォーカスの第2ビジョンファンドを立ち上げ

ソフトバンクグループは7月25日、第2のビジョンファンドを立ち上げると発表した。これにはアップルやフォックスコン、マイクロソフトなどのテクノロジー企業と投資家が参加する。このファンドはVision Fund 2(ビジョンファンドツー)と呼ばれ、AIベースのテクノロジーにフォーカスする。ソフトバンクによるとファンドの資本金は、了解覚書ベースで約1080億ドル(約11兆7300億円)達している。そのうちソフトバンクグループ自身による投資は380億ドル(4兆1200億円)だ。

なお、この第2のビジョンファンドのリミテッド・パートナーの予想リストには現在、サウジアラビア政府からの参加者はまったく含まれていない。最初のビジョンファンドはモハメッド・ビン・サルマン皇太子などの人々との密接な結びつきがあり、皇太子は後にジャーナリストであったジャマル・カショギ氏の殺害に関与したとされた。そのことは当然ながら、投資家や企業や人権監視家などからの大きな懸念の原因になった。

しかしソフトバンクグループによると、まだ他の参加者とも話し合いを続けており、ファンドの総額は今後増加すると予想される。現在覚書に署名している参加者は、次のとおり。

  • アップル
  • フォクスコン・テクノロジーグループ
  • マイクロソフト
  • みずほ銀行
  • 住友三井銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • 第一生命保険
  • 住友三井信託銀行
  • SMBC日興証券
  • 大和証券グループ
  • National Investment Corporation of National Bank of Kazakhstan
  • Standard Chartered Bank
  • 台湾の複数の投資家

ソフトバンクがこの第2ファンドを立ち上げる意図は、今週初めにWall Street Journalが報じた。その新たなファンドはサウジアラビアからの投資にあまり依存しないものになるとされ、そしてまた、スタートアップとマイクロソフトのような巨大企業と投資家三者の関係を変える可能性がある、と言われた。

この第2のビジョンファンドにより、世界で最も影響力の大きい投資家としてのソフトバンクの立ち位置がさらに強化されるだろう。最初の970億ドルのビジョンファンドにより同社は、数十社もの著名な成長企業に投資してきた。それらは、ライドシェア大手のDidi ChuxingGrab、インドのグロサリーデリバリーGrofers、決済企業Paytm、低料金ホテルのOyoなどだ。

最初のビジョンファンドは2016年10月に発表され、2017年の前半から投資を開始した。ソフトバンクの先月の発表によると、ファンドは62%のリターンを稼いだ。ソフトバンクの投資は一貫して額が大きい(多くが1億ドル以上)ことで知られ、調査企業CB Insightsによると、全世界で377社あるとされるユニコーン(評価額10億ドル以上の企業)のうち24社にも投資している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

巨大EMS企業フォックスコン会長が台湾の總統選に出馬

Terry Gou(テリー・ゴウ、郭台銘)氏は自分が会長兼社長を務める巨大電子製品企業Foxconn(フォックスコン、鴻海科技集団、Hon Hai Precision Industry)の今年の総会で6月21日、会社を辞めて台湾の總統選挙への立候補の準備をすると発表した。彼はフォックスコンを45年前に創業。現在は最大の株主で、退社後も同社の取締役会に留まる。同社の半導体事業のトップYoung Liu(劉揚偉)氏が会長職を継ぎ、またこれを機に会社の経営形態を委員会方式に変えるという。

ゴウ氏は最初4月に、会長を辞めて野党Kuomintang(国民党)からの總統候補に指名されるための選挙戦に集中すると公式に発表した。彼が高雄市の市長韓國瑜(ハン・グオ・ユ)氏など国民党の他の候補を破ることができれば、1月に行われる總統選で与党民進党の現總統蔡英文(ツァイ・イン・ウェン)氏に挑戦することになる。

アップル(Apple)の最大のサプライヤーであるフォックスコンは中国最大の私企業であり、一方国民党は台湾と中国政府の友好関係を支持している。しかし当の中国は現在の台湾を、不正を行っている一地方と位置づけている。選挙戦では彼と中国との関係が問題視されるだろう。蔡と民進党は台湾の国家主権を主張している。この問題は最近香港で、犯罪容疑者の中国への引き渡しを認める法に反対する大規模なデモが起きて以降なお一層緊迫している

先月は行政院大陸委員会のトップChen Ming-Tung(チェン・ミン-トン)氏が、ゴウ氏が台湾は中国の一部だと言った、と主張した。殺到した批判をかわすためにゴウ氏は、彼はまだ政治家としての事務所を一度も持ったことはないが、自分は中国の習近平国家主席と会うつもりはないと言って人々をなだめようとした。ゴウ氏はまた、最近のドナルド・トランプ氏との会談で「三国の関係を改善するために協力してほしい」と表明した。

ゴウ氏の選挙戦はさらに別の騒動からも傷ついている。例えば彼は、妻のDelia Tseng(デリア・ツェン)氏が彼の立候補に反対したとき「女は政治に介入すべきでない」」とコメントした。のちにゴウ氏は、その発言を謝罪した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

台湾フォックスコンが中国ファーウェイ端末生産ラインの一部を停止

サウス・チャイナ・モーニングポストの報道によると自社製品のデバイスが米国と中国の貿易摩擦の中心にある中国テック企業であるHuawei(ファーウェイ)は新スマホの発注を減らしている。

匿名の情報筋によると、台湾のテック製造メーカーであるFoxconn(フォックスコン)はファーウェイが発注を減らしたのに伴い、いくつかのファーウェイスマホの生産ラインを止めた。フォックスコンはApple(アップル)やXiaomi(シャオミ)を含む主要スマホメーカーのほとんどの製品製造を手がけている。

ドナルド・トランプ米大統領が米国のネットワークを海外のテックから守るために、「国家非常事態」を宣言した後、ファーウェイといくつかの関連会社は米国企業とテックに関する取引が禁止された。

ファーウェイのブラックリスト入りは、同社のスマホがGoogleのOSに頼っていたために端末の製造能力を含め事業のいくつかのラインに大きな影響を与えた。

ロイターの報道によると、Googleは5月にファーウェイとの取引を取りやめた。ファーウェイは昨年デバイス2億台を出荷し、2020年までに世界最大のスマホメーカーになるとの目標を打ち出していた。

米国によるブラックリスト入りの影響が、ファーウェイの中国外でのスマホ事業で現れ始めている、とサウス・チャイナ・モーニングポストの報道は明確に指摘している。

ファーウェイはすでにセキュリティに関して非難を浴びていて、世界の顧客向けにAndroidのアップデートが提供できなければさらに非難を浴びるだろう。

ファーウェイは万が一への備えをしている。同社はすでにAndroidベースの自前のOSを構築し、Google Mobile ServicesなしのAndroidオープンソースバージョンで使うことができる。そして当面はファーウェイの顧客はGoogleのアプリストアにアクセスできる。しかし、ファーウェイがデベロッパーにアプリをファーウェイ専用ストアで売らせることを余儀なくされた場合、中国外の顧客からの反発にあうことはあり得る。

ファーウェイと中国政府は米国の措置への報復を展開している。Huaweiは同社の製品を禁止したのは「違憲」として米国に対し法的措置をとっている。そしてファーウェイは深センにある本部のR&D部門に配置していた米国人従業員を帰国させた。

同社はまた、従業員に対して海外からの訪問者と話すことを制限するよう求め、米国の関係者と技術に関するミーティングを持つことを禁じている。

それでも、発注の減少はファーウェイの拡大(少なくとも同社のスマホ事業)を米国政府が阻止しようとする動きが功を奏していると言えるだろう。

ファーウェイ米国法人の広報はコメントの求めに応じていない。

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(翻訳:Mizoguchi)

シャープがスマートテレビの販売を年内に米国で再開する

米国の消費者にとって良いニュースだ。シャープが年内に米国でテレビの販売を再開すると発表したので、スマートテレビをめぐる競合がより活発になるだろう。

この日本企業は、財務状況が悪化して自分の存在すら危うくなった2015年に米国を去った。その後同社は、Foxconn(フォックスコン)の名でよく知られている台湾の製造企業Hon Hai Precision(鴻海精密工業)に救済されたが、そのときの35億ドルの買収は日本国内で議論をよび、国が支援する協定の方がまし、という声が多かった。しかし同社は今、新しい経営母体の下(もと)で、再建努力を継続するための事業拡大の道を探っている。

シャープは米国市場を去るにあたってTV事業のライセンスをハイセンスに売ったが、今週の同社の発表ではその後買い戻したという。その条件等は開示されていない。

両社の関係は確かに冷えきっている。シャープはこの中国の国有企業を告訴し、粗悪な製品にシャープの商標を付けて売った、と主張した。その訴訟は昨年の初めに取り下げられた。そのときシャープは、北米市場には自力で帰還したいと述べ、そして今回、そのために必要な契約が成立した。

ロイター通信の情報筋によると、ハイセンスがまだ権利を有しているそのほかの米国市場も同社は検討しているようだが、しかし言うまでもなくビッグニュースになるのは合衆国市場への復帰だ。

シャープによると、当面は5GとAIoTを結びつけた、画質が8K/4Kのテレビを発売する(AIoTはArtificial Intelligence of Things、物の人工知能の略である)。その製品系列の詳細は、まだ発表されていない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

フォックスコン郭台銘会長が親中派政党から台湾総統選に立候補

フォックスコン(Foxconn、ホンハイ)の会長であるTerry Gou(郭台銘)氏は4月17日、台湾の総統選挙に立候補することを公式に発表した。郭氏は、鴻海科技集団としても知られアップルの最大のサプライヤーでもある同社の指導的地位から退き、親中派野党国民党の指名候補として選挙戦に臨む意向だ。

台湾の経済と中国との複雑な関係が2020年の総統選の焦点になるだろう。現職のTsai Ing-wen(蔡英文)氏は国民党やそのほかの政党の候補だけでなく、自分の所属政党である民主進歩党から先月立候補したWilliam Lai(賴淸德)氏とも票を競わなければならない。

以前郭氏は、自分の大統領職への願望は道教と仏教で最高の神の位にある海の女神Mazu(妈祖)に祝福されている、と言っていた。郭氏は1974年にFoxconnを創立し、政治家であったことはないが、しかし彼の選挙戦は彼の実業家としての評判と、70億ドル(7800億円)と言われる総資産額がモノを言うだろう。

郭氏の政治家経験の欠如は有権者の心情の中で、彼のドナルド・トランプ米大統領や中国政府との関係で埋め合わせられるかもしれない。Foxconnはウィスコンシン州に100億ドルの工場を建設する予定だ。中国は台湾の主権を認めていないし、不正な地方と見なしているが、Foxconnの工場が世界で一番多い国は中国だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

自転車シェアリングのパイオニアMobikeが国際事業をすべて閉鎖し中国に退却

自転車共有に関する状況が変化する顕著な兆候の中、かつては何十億ドルもの投資を引き寄せたホットなスタートアップであるMobikeは、すべての国際事業を閉鎖して、中国に焦点を絞りつつある。

米国時間3月8日に、Mobikeはアジア太平洋地域の業務を担うチームをレイオフした。その中には、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、そしてオーストラリアにまたがる15人以上の正社員、それよりずっと多くの契約社員、そして代理店のスタッフが含まれている。この状況を良く知る5人がTechCrunchに語ったところによると、当事者にも事業後退の理由は告げられることなく、会社はその地域でのビジネスを「縮小」することにしたという。

今回のレイオフは、国際拠点を閉鎖するというMobikeの最終的な目標に向けた重要なステップだ。というのも、アジア太平洋地域は、Mobikeの中国以外のビジネスの主要な部分を占めているからだ。さらなる人員削減が、アジア以外、おそらくヨーロッパや米国を含む地域でも差し迫っているという話が、2つの情報源からもたらされている。最終的にMobikeは、元来の中国でのみ事業を続けることになるだろう。そもそも、国際的に見ても、それがビジネス全体の大部分を占めている。

こうした戦略の変化は、この中国の自転車共有会社が、これまでの1年に経験した悪戦苦闘を集約したものだろう。それでもMobikeは、同類の会社の中では最も成功した方だと言われている。11カ月前に、中国の大手配送会社Meituanに27億ドルで最終的に買収されるまでの間に、Tencent、Foxconn、Hillhouse Capital、Warburg Pincusといった投資家から、9億ドル以上を調達していた。2017年には、自転車共有がホットな話題になっていたからだ。しかし結局のところ、競争は激しく、財務的にも苦しかったので、Mobikeは持続可能なビジネスモデルを見つけることができなかったのだ。

写真ソース:Mobike

従業員たちは、Mobikeの見通しは明るく、給与にも問題はなく、その他の財政的な懸念も見当たらない、という印象を持っていたので、金曜日の通告には困惑している。特にシンガポールでは、自転車共有用アプリが大人気で、この都市国家の環境改善に役立つものとして、政府とも密接に協力してた。

「私はショックを受けています。私から見れば、ビジネスは順調でした」と、情報源の一人はTechCrunchに語った。「しかし、1つの国でうまくいっているからといって、その地域全体が生き残るというわけでもないのです。Mobikeは、海外の地域の損益について多くの分析を行い、黒字に転じる方法はないという結論に達したのです」。

ほんの1年前まで展望は明るかった。中国で、近隣サービスのワンストップアプリを展開するMeituanがMobikeを買収したとき、それは、その若いスタートアップにとって大成功だと広く認められた。というのも、中国の同業のOfoは、独立した企業としてやっていくための折り重なるような財政的圧力に苦しんでいたからだ。Ofoは、昨年から、その国際業務を段階的に縮小し始めていて、近々破産の準備をしていると伝えられていた。

それから間もなく、Meituanはモビリティの分野で抑制を示し始めた。香港に上場するこの会社は、コスト削減の一環として、食料品の配達とホテル予約に集中し、ドックレスの貸自転車と配車業務の拡大は休止すると発表した。この自転車部門は、Hellobikeとの激化する競争にさらされていた。それはAlibabaが、中国の2輪車業界に殴り込みをかけるための会社だ。

こうした困難にもかかわらず、Mobikeのアジア太平洋地域の従業員は、海外事業は芽を出すものと信じていた、とTechCruchに語った。彼らは、ここ数ヶ月の間、会社の業務を効率化する仕事を任され、「大きなコスト削減と進歩」を達成していたからだ。

写真ソース:Mobike

そうした当事者は、じっくり考える時間も与えられず、会社の「一方的な」決定に対して、「取り乱し」て「混乱」した状態にある。それらのスタッフは、交渉の機会を与えられておらず、そのほとんどは4月中旬までに職を離れることになると、TechCrunchは把握している。そして、限られた数の「キーとなる」従業員が、その「減少」処理の完了まで留まることになる。退職に際しての手当は、解雇の日付によって異なるものの、契約が定める30日よりも前に通知が到着しているため、何の補償も受けられない社員もいる。

この地域のビジネスを閉鎖するというMeituanの決定は、この会社にとってリスクの高い動きと考えられる。Mobikeの中国外の市場として最大のシンガポールでは、この自転車共有会社が実際に撤退する前に、政府に退却の計画書を提出する必要がある。金曜日の時点でMobikeは、シンガポール陸運局にレイオフ計画を知らせていない、ということが2つの情報源から明らかになっている。ただし、すでに撤退の可能性については、運輸取締当局と協議していたとのことだ。Mobikeは、陸運局に公式に通知するまでは、従業員に人員削減について口外しないように指示した。

Meituanは、このことについてのコメントを拒否した。同社は月曜日に収益を報告する予定となっているので、その時点で状況がより明らかになるかもしれない。

画像クレジット:Facebook中のMobike

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Foxconn、トランプ大統領との会話を受けウィスコンシン工場計画を復活

Foxconnがウィスコンシン州に100億ドルの工場を建設する計画が復活したようだ。数年の行ったり来たりを経て、製造の巨人は米国中西部に工場を作る計画を改めて宣言した。今日(米国時間2/3)の声明には、ファウンダー・会長のTerry Gouとドナルド・トランプの電話による会話が言及されている。

「ホワイトハウスと当社の生産的な議論、およびドナルド・トランプ大統領と当社Terry Gou会長とのプライベートな会話を経て、Foxconnは、Wisconsin Valley Science and Technology Parkの中心地にGen 6 組み立て工場を建設する計画を進める」と声明に書かれている。「このキャンパスは高度な生産施設としてだけでなく、地域のハイテクノロジー革新の中心地として機能するだろう」。

今週同社は、テレビ工場の計画を再検討していると発表し、当初掲げていた製造職よりも研究者、技術者の雇用に興味があることを伝えた。「テレビに関して米国にわれわれの居場所はない」とGouは当時語った。「ここでは競争できない」。

製造職の増加は、過去最長の政府機能停止と中国との冷え切った関係のなか、支持を失いつつあるトランプ大統領にとって朗報だ。CNBCによると、州政府は40億ドルの減税で誘致の魅力を高めている。

当初の2000万平方フィート(186万平米)キャンパスの計画は2017年にホワイトハウスで初めて公表され、1万3000人の職を供給するとされた。製造工場の維持に苦悩する米国にとってまたとない話だ。

しかし、詳細は依然として不鮮明だ。

「このたびの決定は、ウィスコンシン・プロジェクトのTFT技術との適合性を決めるために最近行われた包括的、系統的評価に基づくものでもある」と声明は述べている。「われわれは評価を実施すると同時に、当初計画を越えてウィスコンシン全体への投資拡大も検討している。これは当社、従業員、地域コミュニティ、ならびにウィスコンシン州すべての長期的成功を見据えたものだ」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Foxconnは190億ドル分の工場建設を中止、競争力と長期的投資のバランスは?

Foxconnが世界的に事情縮小を進めるペースはわれわれが想像していたよりずっと速かった。昨日(米国時間1/30)、TechCrunchはFoxconnがウィスコンシン州に建設予定だった100億ドル規模の工場建設をキャンセルしたことを報じた。ウィスコンシン州政府は大混乱に陥っているようだ。これに加えて、Nikkei Asian Reviewが入手した内部文書によれば、Foxconnは広州の90億ドル規模の工場建設も延期する方針だという。その原因として貿易戦争の激化とマクロ経済の減速に対する懸念が挙げられている。

われわれは昨日の記事でマクロの経済環境の影響について論じたが、Foxconnのドラスティックな規模縮小の決断を理解するには製造業のフレキシビリティーに関する考察が必要になりそうだ。

数週間前、私はFictivのファウンダー、Dave Evansにインタビューした。Fictivはファブレス製造を請け負うスタートアップだ。 Evansによれば「製造業のクラウド化と考えていい。AWSやロードバランシングサーバーを使うのと同様、需給に応じてダイナミックにスケールアップしたりスケールダウンしたりできる」のだという。

政治的環境が急速に変化し、消費者需要の予見も難しい現代では、「製造業には何より柔軟性が必要だ」とEavansは強調した。「地政学的条件の変化に対応できるほど機敏なサプライチェーンを構築する方法についてまだ誰も語っていない。サプライチェーンの確立には数年、場合によって十年以上もかかることもある。しかし政府の政策、各種の貿易取り決めを考えると四半期レベルの対応速度が必要だ」とEvansは述べた。

「強固な基盤の上に事業を構築したければ、強固なサプライチェーンを構築する必要がある。トランプ大統領がツイートするたびあちこちに吹き飛ばされるピンポン玉にはなりたくないだろう」とEavansは語った。前回の記事で指摘したように、アメリカの製造業の復権を妨げている最大のハードルはこの規模の柔軟性の欠如だ。

製造規模を機敏に変更できる点が長年中国の製造業の優位性をもたらしてきた。事情をよく知る知人によれば、「中国の製造業で最大の強みは、深シンセンや広州で最近発展したエコシステムではなく、工場を一週間で数万人規模で拡大縮小できることだ」という。

中国経済において単なるメーカー以上の巨大な存在となっているFoxconnは事業規模の柔軟性の重要さについて知り尽くしているはずだ。Foxconnには発注者の需要に対応して即座にパーツや完成品を何百万という単位で提供し、あるいは提供を止める能力がある。成長計画が実情に合わないと見てとれば即座に修正する。これはウィスコンシン州には大損害をもたらしたが、アメリカが外国製品との競争で遅れを取ってきた大きな理由が柔軟性の欠如だ。

競争力の維持と長期的投資を両立させるというジレンマ

東京における重要な鉄道ターミナルであり商業センターでもある渋谷地区は民間企業の東急が運営の重要な役割を担っている。

競争は資本主義に必須の要素だ。激しい競争があればそれだけ価格は下がり、消費者は利益を得る。われわれが独占を防止するさまざまな規制を設けているのはそのためだ。

しかし同時に、競争は皆が小さなパイを奪い合うという副作用をもたらしがちだ。今の売上が今四半期の決算に直接反映される。目先のサバイバルと利益率が何より大事になると長期的な投資は後回しになってしまう。収入はマーケティングと営業に回され、研究開発や企業の将来のために投資されない。

これが競争にまつわる巨大なジレンマだ。競争が足りなければ非効率が温存される。しかし、われわれの直感とは逆に、独占はイノベーションの生みの親となってきた。現代のGoogleやMicrosoft、以前のXeroxのパロアルト研究所やAT&Tのベル研究所はわれわれの生活に大きな影響を与える新しいテクノロジーを無数に育ててきた。独占に支えられた強固な経営基盤と長期的なビジョンがこうしたイノベーションを生んだ。

ここで興味あるのは、世界の鉄道の民営化の成功と失敗を分析したFinancial Timesの長い記事(有料)だ。要約すれば日本は民営化と顧客満足度の向上の双方を成功させたが、イギリスでは民営化後、料金が上昇して運行本数が減った。 逆にスイスの鉄道は模範的に運営されているが完全に国有企業だ。

どうしてこういう差が生まれたのだろうか?

スイスと日本という成功例に共通しているのはシステム志向だ。つまり「鉄道企業」だからといって物理的な鉄道だけが事業の対象ではないことを両国は理解していた。日本の鉄道企業は広大な土地を保有しており日本有数の不動産デベロッパーでもある。鉄道の利用者が増えれば、駅やその周辺に建設されたショッピングセンターの利用者も増える。鉄道とショッピングセンターの所有者が共通であるためにこういう循環が生じる。

しかし独占は独占だ。事業を分割して競争させればもっと利潤を消費者に還元できるのではないか? しかし日本の鉄道事業者は沿線に広大な土地を所有しているため鉄道ビジネスの長期の繁栄のためには沿線の繁栄が欠かせないという事情にあった。Financial Timesの記事によればこうだ。

東急電鉄は東京西部のもっとも人口の多い郊外に路線を持つ私鉄だ。取締役の城石文明氏は、 「東急の沿線は魅力のある住宅地だ。われわれは 若い世代が将来にわたってこの沿線を好み、住み続けてくれるよう全力を挙げている。なるほど日本では今後人口増は見込めないだろうが、鉄道事業において勝者と敗者は生まれるだろう。人々は便利な場所に集まる。つまりある沿線では人口が30%増えるのに対して、別の沿線では70%減るというような事態が予想される」と述べた。

つまり競争はここでも存在する。ただ非常に長期的なスパンの競争だ。東急電鉄のような会社は時刻表どおり電車を走らせることだけが事業の最終目的ではないことを理解している。人々が生活の基盤としてどの沿線を選ぶかという非常に重要な決断が電鉄企業のパフォーマンスにかかっているのだ。同時に沿線環境を高いレベルで維持すれば電鉄会社は投資の元を取ることができるという点も考えねばならない。

今日の多くのスタートアップが直面する課題の中でも、長期的投資をどうするかはもっとも重要かつ困難なものだと私は見ている。いうまでもなく競争は激しい。キックスクーターのスタートアップを立ち上げた、と思った瞬間に情勢が激変し、数々の難題が降りかかる。長期的に価値ある会社を作るのは重要だ。しかし「6ヶ月後には倒産しているのだったらどうやって長期的価値を実現できるのか?」という議論に答えるのは難しい。

シリコンバレーではヘルスケア、教育、建築、不動産といったジャンルに進出する企業が続いている。こうした分野のプロダクトの研究開発には巨額の長期的投資が必須だ。長期的な利益を生むためには競争の減少にともなう副作用を最小限にしつつ最大限の投資を確保することがこれまでになく重要になっているるのだと思う。

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滑川海彦@Facebook Google+

AIのパイオニア、Andrew NgのLanding.aiは製造業の改革を目指す――最初のパートナーはFoxconn

人工知能のパイオニア、Andrew NgはGoogle BrainプロジェクトやBaiduのAIグループのリーダーを務めたことなどでよく知られている。Ngはオンライン学習のCourseraの共同ファウンダーであり、そこで教えている機械学習のコースも有名だ。今年初めにBaiduを離れた後、Ngが何をしているのか(もちろんCourseraで多くのコースを教える以外にということだが)はっきりしなかった。

しかし今日(米国時間12/14)、NgはLanding.aiという新しいスタートアップを立ち上げたことを発表した。この会社は人工知能テクノロジーの成果を製造業に導入するのが目的だ。Landing.aiの最初の戦略的パートナーはFoxconnで、Ngによれば、さる7月から共同研究を続けてきたという。

Landing.aiの狙いはAIテクノロジーを従来のIT産業の外に広めることだ。AIと機械学習はすでに数多くの大手インターネット企業のビジネスのやりかたを根本的に変えているのに、IT以外の産業では遅れを取っているとNgは主張する。声明でNgはこう書いている。

 AIを活用したIT産業を作るだけでは十分ではない。AIを活用した社会を作らねばならない。われわれの生活が物理的に必要とする要素、食べ物、ヘルスケア、交通、住居などはAIのおかげて改良され、アクセスも容易になった。人は単調な機械的な仕事の繰り返しから解放された。今や社会のすべての面でAIによる便益が体験されるべきだ。これはIT産業だけではなくすべての産業を巻き込む必要がある。

ではLanding.aiは具体的にどういうものなのか? Ngによれば、同社は各種の「AIによる企業の変容プログラム」を作っているという。これにはAIテクノロジーそのものの導入から従業員の訓練まで多様な要素が含まれる。

Landing.aiの最初のターゲットは製造業だが、Ngはこの分野だけでなく、社会を構成するあらゆる側面にAIを導入するプラットフォームとなることを計画している。

Foxconnに関して、Ngは「(Landing.aiは)AIテクノロジーの開発だけでなく、人材育成、また両社の基本的な特色をさらに強化するためのシステムづくりについても(Foxcon)と協力関係にある」と述べた。

全体としていささか漠然としている。また私にはLanding.aiはなにか新しいテクノロジーを開発する会社というよりある種のコンサルティング会社のように思える。Landing.aiが独自の新しい人工知能テクノロジー、ないしプラットフォームを開発するというより、少なくとも今日の声明から推測されるところでは、既存の人工知能テクノロジーをFoxconnのような巨大企業に効果的に導入することに目的があるようだ。

画像:: Luis Castaneda Inc./Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Alibabaが顔認識による決済システム‘smile to pay’をKFCの杭州店でテスト開始

中国はデジタル決済ではかなり先を行っている。その最新の跳躍は顔認識技術、お客は笑顔を見せるだけで支払いができるのだ。

Alibaba傘下のAnt Financialが、その‘smile to pay’(笑顔でお支払い)サービスを、本社のある杭州で開始した。テストするお店はKFC(ケンタッキーフライドチキン)だ。

下のビデオでお分かりのように、顧客がすでにAlipayアプリで登録して顔認識を有効にしていれば、支払いのためにスマートフォンは要らない。POPのところにある3Dカメラが顧客の顔をスキャンして、本人性を確認する。電話番号入力で、セキュリティを強化することもできる。

今回の試行は、Alibabaにとっていろんな努力の成果だ。

同社は2年前にドイツで行われたIFAで、初めて顔認識技術を披露したが、そのとき社長のJack Maが紹介したのは、セルフィー(自撮り写真)を撮ってから支払いをするオプションなど、いくつかの基本的な機能だった。その後オプションは、かなり進歩した。ここでAlibabaが使っているのは中国のスタートアップMegviiのFace++と呼ばれる技術で、MegviiはFoxconnなどから1億5000万ドルあまりの資金を調達している。

KFCをテスト店に選んだのは、KFCの中国のオペレーターYum ChinaにAlibabaが投資しているからだ。McDonaldsやTaco Bellも、中国では同社がオペレーターだ。

Alibabaがこの技術をeコマースの未来と位置づけているのは、オンラインとオフラインのリテールを統合できる、と考えているからだ。同社は今年の初夏にキャッシュレスのストアを開店し、上海ではモバイルアプリで顧客体験を最適化できる近隣ショップを10店営業している

だから‘smile to pay’も、そういった戦略の一環だ。また、Alipayの人気を高めることにも貢献する。こちらはTencentのWeChat Payという強敵がいるから、とくに重要だ。なんといっても、WeChatは中国で巨大な人気を誇るメッセンジャーアプリだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Foxconn、鄭州工場で火災。犠牲者はなし

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今日(米国時間1/25)、台湾拠点の電子OEM会社、FoxconnでApple iPhone製造の大半を扱っている工場が、火災による被害を受けた。空調システムから出火し、いくつかの階に広がった。同社の広報担当者がWall Street Journalに伝えたところによると、Zhengzhou[鄭州]工場での死傷者はなく、製造への影響もない。しかし、この火災は中国内のFoxconn工場で数年来起きている安全および労働者の権利問題に、改めて光を当てるものだ。

2011年5月、中国南西部のFoxconn Chengdu[成都]工場で起きた爆発は、ダクト内の可燃性粉末が原因で3名が犠牲となった。4ヵ月後、中国東部の山東省で再び火災が発生したが犠牲者はなかった。同社の人権に関する状況は、翌年相次いで起きた労働者の自殺が、劣悪な労働条件に起因するという数多くの指摘を受け、監視下 に置かれている。2012年9月には、推定2000人の労働者が中国北部のFoxconn Taiyuan[太原]工場で暴動を起こし、警備員が社員を殴打したと非難する声もあった。

それに対してFoxconnは、労働条件を改善し賃金を引上げると宣言したが、引き続き同社は厳しい監視下にあり、今回また起きた火災 ― 比較的軽微ではあるが ― によって、過去4年間に実際どう変わったのかを改めて問われることになる。TechCrunchはFoxconnおよびAppleにコメントを求めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、中国の製造パートナーをグリーン化する太陽光エネルギー計画を発表

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Appleは自社の国際事業を再利用可能エネルギーによってより効率化するべく、数十億ドルの資金を投入してきた。グリーンピースからの賞賛を勝ち取ったこの取り組みの大部分は、米国およびヨーロッパに向けられてきたが、今日(米国時間10/21)Appleは初めて、中国 ― 同社の売上が大きく花を咲かせつつある国 — でのビジネスもグリーンにする一連の取り組みを発表した。

CEO Tim Cookの中国訪問に合わせて、Appleは中国の製造パートナーと協力して、彼らが「エネルギー効率を高め、製造工程にクリーンエネルギーを使用する」手助けをすることを発表した。またAppleは、Foxconnを含めその現地製造業者との協同で、今後数年間で2ギガワット以上の「クリーン」なエネルギーを追加することも説明した。

この行動だけでも注目に値する。なぜならAppleの中国拠点製造工場は、長年にわたり環境を汚染していると非難されてきたからだ。去る2011年、iPhoneサプライヤーのPegatronは、環境問題で叱責され、2013年にはAppleが、有害金属で汚染された水を川に流したとして告発されたFoxconnとUniMicronを締め付けを厳しくしたと報じられた

一企業の取り組みによって中国の製造業界が一気に浄化されることはないが、Appleが現地パートナーに対して、環境にもっと優しくするよう圧力をかけていることは大きな前進だ。実際Foxconnは今日、2018年までに太陽光発電400メガワット ― 同社がiPhoneの「最終製造工程」に使うエネルギーと同等と言っている ― を自社で作ると確約したことは、変化の可能性を示す証拠だ。

Appleは今日、現在中国での活動はカーボンニュートラル(炭素中立)であることも公表した。これは ― 四川省の40メガワット太陽光発電システムが完成したおかげで ― 同社が現在中国の事務所や店舗で使用している以上の電力を生み出しているためだ。

米国の巨人はまだ道は半ばであると言い、中国の北部、東部および南部のプロジェクトを通じて、200メガワットを追加できるよう、太陽光発電プロジェクトを拡大する計画だ。追加施設が稼動開始すれば、同社のグリーンエネルギー生成機構は「中国の26万5000世帯が年間に使用するエネルギーに相当する電力を生み出し、Appleサプライチェーンが使用するエネルギーと相殺される」。

「気象変動はわれわれの時代の大きな課題の一つであり、今こそ行動を起こす時だ」とCookは声明文で語った。「新たなグリーンエネルギーへの移行には、革新と野心と目的が必要だ。われわれは、世界をわれわれが見つけた時より良くすることを熱烈に信じ、他の多くのサプライヤー、パートナー、企業らもこの重要な取り組みに参加してくれることを願っている。

Appleは間違いなく後続のための基準を設定している。同社は米国および中国で炭素中立を実現し、国際事業の87%を再生可能エネルギーで賄っていると標榜している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

労働者の苛酷な状況などをあばくBBCの調査報道番組にAppleが応答

Appleは最近、BBCのPanoramaという番組で、調査報道の対象になった。その番組は、記者たちが見つけたことの一部として、Appleがパートナーに関して明言している規範にAppleの供給業者(サプライヤー)たちが違反しているさまざまな事例を、提示した。BBCが報道した違反には上海郊外のPegatronの工場における問題や、インドネシアの錫鉱山の操業などサプライチェーンの最末端の問題も含まれていた。

BBCの報道は、Pegatronの社員寮の過密状態や、強制残業、未成年労働者、休日のない週、などの問題を詳細に報じている。インドネシアの鉱山では、鉱業として組織化されていない操業形態による錫鉱石の収集を描いている。彼ら未組織労働者たちが拾い集めた鉱石は一人々々ばらばらに精錬業者に売られ、サプライチェーンの上の方の部品メーカーに提供される原料が作られる。

これらの報道に対してAppleは公式の声明を発表し、その中で、供給業者の施設における条件改善に同社がこれまで努めてきたことを詳述し、今後もその取り組みを継続する、と述べた。Appleは、同社の対供給業者ポリシーを完全に遵守している、とは主張していない。むしろ同社はそのWebサイトを定期的に更新して、コンプライアンスの現状を報告している。そのサイトでは同社が供給業者のところで見つけた問題を同社自身の報告で詳述し、それらを解決するために同社がとっている対策を略述している。

The Telegraphが入手した長い社内メールは、本誌TechCrunchが別の情報筋から本物と確認したが、それにはBBCの結論に対するさらに詳しい応答がある。書いたのはAppleのオペレーション担当SVPのJeff Williamsで、自分もAppleのCEOのTim Cookも、あのイギリスの放送番組が行った告発に深い怒りを感じた、と言っている。

Williamsの書簡は、同社の製品に不法なソースからの錫が使われていることを、Appleが否定したことはない、と指摘している。そしてむしろ、同社がそれを認めたことは、以前の記録に残っている、と。これに関するAppleの考え方は、供給業者がインドネシアから買うことを許容し続けることによって、今後の労働条件の改善をプッシュできるが、その、鉱山の体をなしていないような鉱山を完全に閉山したら、そこが抱えている問題に対して何もできない。最終ユーザがAppleとは知らない部品メーカーは、また別の不法ソースから原料を入手し続けるだろう。

Pegatronの工場の労働条件についてWilliamsの書簡は、指摘されている問題はApple自身が行っているものではなく、むしろ、供給業者の設備施設の状況に対して行っている改善や監査の取り組みの一環だ、と言っている。彼は、週の最大労働時間を60時間とする、給与のピンはねをする労働者斡旋企業を解体する、などのポジティブな成果を強調している。

BBCが隠しカメラまで使った今回の報道は、たしかにアジアの供給業者の工場における労働条件を明るみにさらすことに成功している。問題は依然として深刻だが、しかしこれらの地獄のような映像の一部は、最近行われた改善を反映している。ただし欧米の一般人の目から見ると、それは改善とは見えないのだ。

たとえば作業現場で居眠りをしているシーンは、The Daily Mailが最近報じたように、仮眠をとってもよい、という最近導入された労働者福祉の一環なのだ。これまでは、長時間労働の挙句自分のデスクに向かったまま寝てしまうという同じ光景が、厳しく罰せられるだけだった。

結局のところ、そういう、ちまちまとした“改善”がいくつかあっても、これらの施設の労働者たちは、欧米の工場労働者に比べればはるかに酷い状態のままだ。しかしAppleがCookの下(もと)で最近行っている透明化努力は、継続的な改善に向けての本気の取り組みを示しているようでもある。CookがCEOになる前までのAppleでは、供給業者に問題があることの認識や、その名前すら、公式に発表されることはなかった。とはいえ、まだやるべきことは山のように残っているのだが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))