フリマアプリFril運営のFablicがクックパッド、コロプラ、ジャフコから10億円調達–まもなくテレビCMも

フリマアプリ「Fril(フリル)」を手がけるFablicは9月25日、クックパッド、コロプラ、ジャフコを割当先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。出資比率やバリュエーションは開示していないが、関係者などの話を総合すると、金額的には3社がおおよそ3分の1ずつ出資しており、バリュエーションは100億円程度になるという。

Frilは2012年7月にサービスを開始したフリマアプリ。ユーザーを女性に限定しているのが特徴で、ファッションアイテムやハンドメイドの小物などが個人間で売買されている。現在のダウンロード数は200万件弱。ユーザーは都市部に住む10代後半から20代の女性が中心となっている。売買される商品の平均単価は2000〜3000円程度だという。月間の物流総額(実際に売買されている金額)は7月時点で5億円と発表されていたが、現在は「5億〜10億円のあいだ」(Fablic代表取締役社長の堀井翔太氏)だそうだ。

割当先に事業会社が2社いるが、この理由について堀井氏は、「特にクックパッドなどはユーザー属性も近いためシナジーもある。だがそれ以上にいい応援をしてくれる人、熱い思いを持った経営陣が居るから」と説明する。

フリマアプリのプレーヤーを見てみると、メルカリの手がける「メルカリ」が500万ダウンロードを達成。これまでの資金調達ではグローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、GMOベンチャーパートナーズ、ユナイテッド、イーストベンチャーズなど、ベンチャーキャピタルを中心に広く資本を受け入れて“応援団”を作っている状況だ。またテレビCMを展開して大きくユーザー数を伸ばした。

こういった状況を踏まえて、堀井氏は「今はプロダクトを磨くだけでなく空中戦(マーケティングなど周辺領域での勝負)になっている。いかに周囲が応援してくれるかが重要。そんな中で『燃料はどんどん投下するから戦え』と言われることも増えたが、それとは違ったアドバイスをもらえる会社に出資してもらっている。優秀な経営者に気軽に相談できるし、IRやマーケティングにも強いチームがいる」と語る。

今後Frilは、CtoCをビジネスの中心にしつつ、BtoCの事業も強化する。8月からは「公式ショップ」という形でアパレルブランドが出店し、商品を販売できる仕組みを開始している。「現在は検証もかねてサービスを始めたところ。将来的には会員への課金や広告など、マネタイズの方法はあると思っている」(堀井氏)

前述のメルカリやLINEの手がけるLINE MALL、さらにはヤフオク!まで、(広義で)競合が多いスマホ向けのフリマ市場。Frilでは、今後も女性に特化したサービスを展開していく。「彼ら(競合)はオールジャンル、オールカテゴリ。そこはポジショニングを分けて差別化していきたい。お金(手数料のこと。ちなみにメルカリはこれまで手数料無料でサービスを展開してきたが、10月からFrilと同様に商品価格の10%の手数料を取得する)がかかっても使ってもらえるのはそこがあるから。これからも独自の世界を作っていきたい」(堀井氏)。サービスを支える約30人のカスタマーサポートは全員がFrilのユーザーで、きめ細かい対応を実施。さらにはバックグラウンドでのスパム検知、本人確認の仕組みにも注力しているという。

Fablicでは2015年度の物流総額200億円を直近の目標とする。また将来的には海外展開も検討しているようだが、「やるのであれば台湾などアジア圏。法律や物流の違いもあって翻訳だけして展開できるとは思っていない。場所によって戦略やアプリそのもののチューニングが必要だと思う」(堀井氏)とのことだった。


Frilの月間物流総額は5億円–「空中戦」も必要になったフリマアプリ市場

スマホ向けフリマアプリの元祖であるFablicの「Fril」。若い女性に特化したこのアプリだが、現在の月間物流総額は5億円以上、アプリのダウンロード数は150万件以上になっているという。

福岡で7月17〜18日に開催されている招待制イベント「B Dash Camp 2014 in Fukuoka」の2日目のセッション「新興eコマース〜新たなトレンドを作り出せるか?」に登壇したFablic 代表取締役社長の堀井翔太氏が明らかにした。

このセッションでは堀井氏のほかにアクティブソナー 代表取締役社長の青木康時氏、BASE 代表取締役鶴岡裕太氏が登壇。それぞれのビジネスについて語った。

「空中戦」も必要になったフリマアプリ市場

Fablicは、これまでほとんどメディアでビジネスの話をしたことがなかったし、アプリのダウンロード数をはじめとした情報を発信してこなかった。しかしここに来て数字を公開した堀井氏は、「今は競合も十数個ある。そういう(情報を非公開にする)フェーズではない」と語る。

競合とされる後発の「メルカリ」は、14億円超の大型調達、テレビCMなども奏功して大きくユーザーを拡大。1周年を迎えた2014年7月時点で、月間流通総額は10億円、ダウンロード数350万件という数字を発表している。

こういった状況に対して堀井氏は、「メルカリやGunosyなどは大きな資本を調達して勝負している。今まではプロダクトを磨いて、リテンション伸ばして…としてきたが、最近の戦い方はテレビCMなども含めて『空中戦』もするような状況にシフトしている」と語る。

Open Network Labのインキュベーションプログラム出身のスタートアップということで、デジタルガレージグループからシードマネーを調達しているFablic。1期目から黒字化して資金調達の必要もなかったとのことだが、今後は資金調達してテレビCMを放送することも検討しているという。さらに、ユーザーのニーズも多いことから、一部のユーザーに限定してフルフィルメントサービスを試験的に提供していることも明かされた。

BASEは「カート」ではなく「決済」

手軽にウェブショップを構築できる「BASE」を提供するBASE。個人だけでなく、中小企業を中心とした法人もサービスを利用している。最近では芸能人やニコニコ生放送の“生主”のような売り手も登場しており、数千万円から億単位の売上を実現しているショップもあるそうだ。

サイバーエージェントやグローバルブレインなどから資金を調達し、現在はユーザーの拡大フェーズにあるという。クレジットカードの決済手数料などは徴収しているものの、サービスの利用手数料は無料。「売上はゼロと言っていい」(鶴岡氏)状況だそうだ。「(調達によって)うちのようなところがどんどん攻めていけるのはありがたいし、EC(領域)自体を評価して頂いていると思っている」(鶴岡氏)

鶴岡氏はBASEについて、「本質は決済を提供するサービス」と語っている。カート機能でのマネタイズはあまり考えていないそうで、将来的には、決済、金融といった領域でのマネタイズをやっていくそうだ。

サービス開始当初は、ブラケットの「STORES.jp」と比較されることが多かったBASE。「初期はSTORES.jpもあったことで認知度が上がった」(鶴岡氏)とも語るが、スタートトゥデイがブラケットを買収したこともあって状況は変わったという。「最近は自社でどれだけがんばれるか。突き抜けないといけない」(鶴岡氏)将来的には世界展開で100万店舗を目指す。さらには日本から海外に商品を売るための支援もしていくそうだ。

プラットフォームを目指すアクティブソナー

CtoBtoC型のブランド商品委託販売サービス「RECLO」を提供するアクティブソナー。

こちらの記事にもあるように、米国ではCtoBtoC型のECサイトが複数登場しており、ユーザーのニーズも見えている状況だという。日本では(米国でも先行する)「RealReal」などのプレーヤーはいるが、まだデファクトスタンダードたる位置にあるサービスはない。そこで自らこの領域に挑戦したそうだ。

今後は海外向けに商品を販売していくほか、家具や中古車の販売なども視野に入れるという。また、CtoBtoCは言ってしまえば「小売り」だが、1つ1つの商品を売るということではなく、あくまでプラットフォームとして成長していきたいと語った。

この領域に大手企業が参入することについて尋ねられたところ、「大きいプレーヤーが来るのは脅威だが、狙っているのは(大きいプレーヤーがチャレンジできない)隙間でのおもてなし。ネットサービスでは実現できないフルフィルメントを全部やるというところ」(青木氏)とした。