消費者製品としてデビューした3DスキャナのFuel3D、$6.4Mを獲得して企業利用も視野に

3Dスキャナって、何に使うのか? それは3Dプリンタにデータを提供するだけじゃない、と考えるオックスフォード大学のスピンアウトFuel3Dは、消費者向けの高精度で手持ち型(ハンドヘルド)の3Dスキャナで、昨年、Kickstarterに登場した。

そのFuel3Dが今日(米国時間11/4)は、Chimera Partners率いる拡張ラウンドにより、640万ドルを調達した。それを同社が“プレIPOラウンド”と自称しているのは、2015年の初頭に実際にIPOを予定しているからだ。資金は、3Dスキャナのアプリケーション開発の拡大に充てられる。

Fuel3Dは昨年Kickstarterで30万ドルを獲得し、その次に260万ドルの資金をVCたちから調達した。そのほかに医療用画像処理の分野で110万ドルの開発契約を某社と交わしている。

今回得られたキャッシュで同社は、新しい垂直市場…眼鏡のカスタム化とバイオメトリクス…をねらう。

それは同社によると、“眼鏡屋さんが眼鏡の‘試着’を仮想化できて、お客に合わせた眼鏡のカスタム化を容易にできるようにするもの”、だ。

バイオメトリクスに関しては具体的な話は得られなかったが、同社は今、“人間の顔専用の270度のスキャナ”を開発中だから、おそらく相手は顔認識の分野だと思われる。

それは複数のカメラを使って人間の顔の耳から耳までのデータを捕捉し、当面は小売企業における仮想試着(眼鏡など)に利用するためのプロダクトだが、バイオメトリクスにも十分応用できるはずだ。

Fuel3DのハンドヘルドスキャナはKickstarterの出資者たちにベータテストのために送られたが、来年は本格的な商用生産に入る計画だ。

CEOのStuart Meadは、声明文の中でこう言っている: “今回の資金によってFuel3Dは来年、スキャナの本格的な商用生産を開始でき、また新たな人材とインフラストラクチャにも投資ができる。合衆国への進出も、可能になるだろう”。

“消費者製品と並行して、いくつかの国際的企業から寄せられている関心にも対応し、3Dスキャナ技術の3Dプリンティングを超えたアプリケーションの開発にも、資金を投じていく”、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Fuel3Dは1000ドル以下でテクスチャーも取り込める高速立体スキャナ―Kickstarterで予約募集中

3Dプリンタのメーカーやユーザーは、上の動画で紹介されているガジェットを使えば現実世界の対象を簡単に3Dデータ化することができる。形状だけでなく、表面の色やテクスチャーも同時に取り込める優れものだ。このFuel3Dは高精細度のハンドヘルド3Dスキャナーだ。現実世界の対象を3D写真に撮り、クリエーターの使用するソフトと連動して、フルカラーの正確な3Dモデルを作り上げる。

3Dプリンターが離陸しつつある現在、3Dスキャナの需要はかつてなく高まっている。特に一般ユーザーでも手が届く低価格製品は有望な市場だ。Fuel3Dのチームはこのハイレゾ3Dスキャナーを1000ドル以下で市場に出そうと努力している。そのため7万5000ドルを目標にKickstarterで資金集めをしているところだ。キャンペーン期間はあと31日残っているが、もうあと 1万ドル集めればよいところまで来ているという。

1000ドル以下という価格帯はわれわれが4月に紹介したPhoton 3Dスキャナーなどに比べると安くはない。こちらはIndiegogoプロジェクトで、予定価格は399ドルだった。 だがこのデバイスは比較的小さな対象をターンテーブルに載せてスキャンするタイプだった。Fuel3Dはもっと自由が効くデザインで、たとえば人間の顔をキャプチャーすることもできる。Fuel3Dを構えて写真を撮るだけでよいという手軽さだ(小さいマーカーを顔の横にセットする必要がある)。

利用しているカメラは高精細度で表面形状の3Dデータに加えて詳細なテクスチャー情報もキャプチャーされる。これによって3Dプリンタからの出力ばかりでなく、アニメーション、ゲーム、製品開発など3Dイメージが必要とされるさまざまな場面で利用することができる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+