アップルがiOS 13.2をリリース、低照度で低ノイズの写真を撮れるDeep Fusionあり

Apple(アップル)は、iPhoneとiPadに向けてiOS 13.2、iPadOS 13.2をリリースした。このアップデートは通常のバグフィックスとセキュリティの改善が主だが新しい機能もいくつかある。

まず、iOS 13.2には大量の絵文字が加わった。同社はこのバージョンからUnicode 12.0を公式にサポートする。手をつないだカップルはどんな性や肌の色でも作れる。アクセシビリティ指向の介護犬とか、車椅子に乗った人、義手や義足、目の不自由な人が使う杖などがある。動物の種類が増え、あくびをしている顔や新しい食べ物もいろいろとそろっている。

iPhone 11やiPhone 11 Proでは、iOS 13.2が機械学習で画像の質、特に暗い画像の明るさをアップするDeep Fusionが使える。ビデオは「カメラ」アプリから直接、解像度やフレームレートを変えられようになる。

iOS 13.2では、アップルの社員とSiriの録音を共有することをオプトアウトできるほか、Siriの命令履歴の削除も可能だ。「設定」→「プライバシー」→「解析と改良」で切り替えればいい。

関連記事:アップルはSiriの音声録音のグレーディングのオプトインと履歴の削除をベータ化

そしてiOS 13.2は、HomeKit対応カメラでHomeKit‌ Secure Videoを有効にできる。新たに発表されたAirPods Proのサポートも加わった。

iOS 13.2にアップデートする前に、必ずデバイスをバックアップすること。iCloudのアップデートが最新であることを「設定」アプリで確認しよう。具体的な手順は、トップのアカウント情報とデバイス名をタップ。iOSデバイスをPCにつないで、iTunesで手作業でバックアップしてもいい。macOS Catalinaの場合はFinder上でバックアップ可能だ。

iTunesやFinderでバックアップするなら、暗号化を忘れないように。暗号化しておけば、誰かがコンピューターをハックしても安全だ。暗号化したバックアップには、保存されていたパスワードや健康データも含まれる。そのため、すべてのオンラインアカウントに再接続しなくてもいい。

バックアップを終えたら、iOSの「設定」アプリ→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く。「アップデートがリクエストされました」と表示されて、ダウンロード可能な場合は自動的にダウンロードが始まるはずだ。

画像クレジット: TechCrunch

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蜘蛛の目の原理を借りて奥行き感知カメラを超小型化へ

ロボットや各種自動化装置の普及とともに、それらに3次元の視力を持たせることがますます必要になってきた。しかし、iPhoneのノッチが示すように奥行きを感知するカメラはどうしてもかさばる。ここでご紹介する蜘蛛が獲物までの距離を検知する仕組みは、この状況を変えるかもしれない。

ハエトリグモの小さな頭には、光を照射する仕組みなどを収めるだけのスペースはない。それでも彼らは、巧妙な捕食動物として獲物を正しく見つけて、そっち方向へ正しく進み、正しく獲物を捕らえる。どうやっているのだろう?節足動物の例に漏れず彼らもまた、非常に不可思議なおもしろい方法でそれをやってのける。

人間などは、複数の目が捉えた画像から立体像を作っているが、蜘蛛の目はひとつひとつが奥行きを感知する。個々の目が多層構造になっていて、透明な網膜がそれぞれの層の、距離によって異なる像のぼけ具合を見分ける。蜘蛛の小さな神経系は複数の目の複数の層を比較して距離を正しく測る。そのとても小さなハードウェアで。

ハーバード大学の研究者たちは、蜘蛛のこのやり方を真似たハイテクのレンズシステムを作り、これまでのような光学系がなくても奥行きを感知できるようになった。

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電気工学のFederico Capasso(フェデリコ・カパソ)教授らが作ったその「メタレンズ」は、蜘蛛の目のように、入力視像をぼけ具合の異なる2つのほぼ同じ像として捕らえる。そして同じく蜘蛛の目のようなアルゴリズムで2つの像を素早く瞬時に比較する。それにより、リアルタイムで像全体の奥行きが計算される。

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必要な計算力とそのためのハードウェアが微小である、という意味では効率的な処理だが、それだけでなく視覚系もとってもコンパクトだ。実験に使われたメタレンズは直径がわずか3mmだった。

小さいから、自動運転車や工業用ロボットだけでなく、小さなガジェットやスマートホームのアイテム、それにもちろんスマートフォンなどにも楽に組み込める。Face IDを駆逐することはないだろうが、でもその始まりかもしれない。

このメタレンズシステムを記述している研究論文は、米国時間10月28日に発行される「Proceedings of the National Academy of Sciences」(米国科学アカデミー紀要)に掲載される。

画像クレジット: Harvard SEAS

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NASAが月の南極の地表下で結氷水を探すVIPER探査車を2022年に打ち上げ

NASAは月に、黄金のように貴重な液体を探している。それは石油ではなく、ごく普通の水だ。水が恒久的にあれば我々にとっても必要だから、それを知ることはきわめて重要だ。そこでNASAは、VIPER(バイパー)と呼ばれる探査車を月の南極へ送り込もうとしている。それは1972年以来最も長期の月面ミッションになる。

VIPERは、Volatiles Investigating Polar Exploration Rover(揮発性物質調査用極地探検探査車)の頭字語で、計画では2022年12月に月面へタッチダウンする。そのミッションは、極地域の恒久的に影の部分に水の存在を直接目撃して、その量を求めること、だ。

月のその年中暗い部分は、何百万年もかけて氷結水を集めてきた。陽が当たらないので、溶けないし蒸発もしない。NASAはすでにこれまで、一般的な領域で探針を地表下に差し込み、結氷水の存在を確認したが調査としての精度は低い。ロボットを送って正確な測定をすべきだ。

VIPERはゴルフカートぐらいの大きさで、探査用の機器を積んでいる。その中のNeutron Spectrometer System(中性子スペクトル分析システム)が、地表下の水を見つける。それに関してはNASAのアドミニストレーターであるJim Bridenstine(ジム・ブリデンスティン)氏が昨日、少し言及している

関連記事:NASA Administrator Jim Bridenstine explains how startups can help with Artemis Moon missions(人間の月滞在事業にスタートアップも貢献できる、未訳)

VIPERが水の上に来ると、TRIDENT(The Regolith and Ice Drill for Exploring New Terrain、新たな地質構造を探求するための表土と氷用ドリル)が展開される。それは文字どおりTrident(三叉鉾)のようだが今週出会った最高の頭字語だ。そのドリルは長さが1mで、スペクトロメーター(分光器)が月の土壌を分析するための試料を掘り取る。

試料採掘とスペクトル分析を大面積にわたって行うと、地表下の水の所在を地図に落とし、大きなパターンを掴めるだろう。月の上の、人間が大好きな物質の存在をもっと体系的に理解できるかもしれない。

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探査車VIPERがマップした月の表面下の結氷の視覚化

トップの画像でおわかりのように、この探査車は目下開発途上だ。まだ、その動き回る部分をテストしているにすぎない。それは探査車本体の一番肝心な部分だけど。

月の南極の陽が射さない部分でのミッションだから、ソーラーパネルなどはなく今回積む電池で100日しか仕事できない。しかしそれでも、米国が月面で過ごした日数の記録を更新する。最近の数年間で大量の探査車を月面の至るところに展開した中国の場合はどうだろうか。

おもしろいことに、この探査車の展開は外部契約プロジェクトであるCommercial Lunar Payload Services(月面商用荷重サービス)の一環だ。つまりこのペイロードサービスに参加するどこかの企業がたぶん、VIPERを軌道から月面へ着地させる着陸船を作るのだ。打ち上げが近くなれば、もっと詳しい記事を書けるだろう。

関連記事:NASA calls for more companies to join its commercial lunar lander program(商用月面着陸船に多くの企業の参加をNASAは求む、未訳)

画像クレジット: NASA

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Sense PhotonicsのフラッシュLiDARが量産体制に移行

自動運転車やドローンやロボットの界隈では、まだ理論の段階のものも含めてLiDAR(ライダー、自動運転用センサー)によるさまざまなソリューションがある。しかし、理論から大量生産への移行は、まず最初に理論を生むことよりも困難だろう。Sense Photonicsは、どうやらその部分を終えて、今ではその高度なフラッシュLiDARの予約販売を開始している。

LiDARはさまざまなタイプがあるが、これまで多く見られた回転式のタイプはその時代を終え、もっとコンパクトで信頼性も高い平面型タイプが主流になりつつある。LiDAR大手のLuminarもこちらへ乗り換えつつあるが、しかしSense Photonicsも静観はしてはいない。ただし、両社は長所がそれぞれ異なる。

Luminarや一部の企業は、狭い視界で数百フィート先の形状を検出する前向きタイプのLiDARを作っているが、Senseはもっと短い距離で物を広角で捉える。そしてそれは通常のカメラと相性がいいので、RGBの画像に奥行きデータをマップするのも朝飯前レベルに容易だ。

Sense Photonicsは従来のカメラの視野と奥行きデータを容易にマッチできるようにした

車の後部や側部に搭載したいLiDARはこういうタイプだ。そして、環境を広い視野で捉えて動物や子どもや自転車などを迅速にそして正確に検知する。でもこういう技術的な話は、同社がステルスを脱したときに記事にした

関連記事:28億円調達でライダーシーンに登場した新しいアプローチ

本日のニュースは、製品がプロトタイプを脱して生産のための設計になったこと。頑丈になったので埃や雨の環境でも外部に取り付けられる。性能もアップして状況によっては最大距離が40mを超えた。前より相当大きい。

2900ドルの基本製品は視野角が80×30度、もっと広い95×75度のもある。LiDARの標準より相当大きく、しかも他社のフラッシュLiDARよりも精度が高い。ただしワイドにするために犠牲にした部分もある。同社の特許技術により、LiDARの検出器はレーザーのエミッター以外ならどこにでも取り付けられる。車全体の設計も多少やりやすくなるだろう。

当然ながらこれは、ネットで気軽に買うというものではなく、自動運転車の本格的な研究開発やテストをしている企業がバルクで買う。

自動運転車の大量生産時代になったとき、LiDARはSense Photonicsとなるのか、それとも幸運な他社製品になるのか、今から予見することはできない。でも同社の強みは、製品が今すでに現存していることだ。同社のLiDARについてもっと知りたい人は、こちらへどうぞ。

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リチウム充電池を作った3名がノーベル化学賞を共有

毎朝メールをチェックしたりInstagramを見たり友だちにテキスティングしたりするたびに、スマートフォンに新しい単3形電池を2つ入れなければならないとしたら、モバイル革命はちっとも革命にならなかっただろう。しかし運よく充電できるリチウムイオン電池が発明された。そしてそのための、3人の男の何十年にもおよぶ労苦にノーベル化学賞が贈られた。

今年の受賞者である、M. Stanley Whittingham(マイケル・スタンリー・ウィッティンガム)氏、John Goodenough氏(ジョン・グッドイナフ)氏、そして吉野 彰氏らは全員が現在の最も一般的な可搬性電源の開発に貢献した。彼らとその先人たちおよび後続者たちがいなければ、私たちはもっと無駄の多い、あるいは定置型のエネルギー源に縛られていただろう。

電池の進化には1世紀近くという長い時間を要した。電池の次のレベルとして、リチウムという軽量で電気特性のいい金属に着目するまで私たちはほぼ1世紀近く、鉛と希硫酸を使った電池(鉛酸蓄電池)を使用していた。しかしリチウムは空気や水とすぐに反応するので、それと組み合わせる適切な基材を見つけることが難題だった。

50年代と60年代の実験が、その後のもっと的を絞った研究、とくにウィッティンガム氏の研究の基盤を築いた。彼とパートナーのFred Gamble(フレッド・ガンブル)氏は1976年に、リチウムイオンは電子を与えて充電状態にすると二硫化チタンの格子中へ完全にフィットすることを示した。それらはそこ(そのファンデルワールスギャップ)におとなしく、充電で電子が供給されるまで座っていた。しかしこの設計はリチウムの陽極を使うので、曲げたりつぶしたりするとすぐに反応して発火のようになった。

グッドイナフ氏と彼のチームは、リチウムイオンがより安定し、たくさんの電力を取り出せる陰極素材を開発し、実用化のための新しい可能性を開いた。ただしこの時点では、金属リチウムの陽極が曲げたりつぶしたりするとすぐに反応してしまう性質はそのままなので、電池をさらに安全で使いやすくするための研究が進んだ。

yoshino battery

1985年に、吉野氏の研究から、高性能かつ物理的にも丈夫で安定性の高い素材がいくつか発見された。それらの名前は、化学の知識のない人にとってはどれも、ちんぷんかんぷんである。

その後、数多くの改良が加えられたが、技術の必要不可欠な基礎を作ったのがこの3名だ。そしてリチウムイオン電池が安全で容量が大きく何百回も充電できるとわかってからは、ラップトップや医療機器、そして最終的にはモバイルの電話機に採用された。リチウム電池の開発の初期から30年以上経つ現在では、運輸交通のためのエネルギー保存媒体としても選ばれ、ガソリンに代わりつつある。

今年のノーベル化学賞の賞金は、この技術を理論から商業的現実へと最も強力に前進させた3名の研究に3等分された。しかし重要なのはその賞金の金額ではなく、人類の歴史に名を残す非凡な栄誉を獲得したことだ。

画像クレジット: Niklas Elmehed. © Nobel Media.

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わずか数滴の母乳で健康診断が可能な検査キット「MyMilk Labs」

赤ちゃんを母乳で育てることは誰にでもできると言われるが、でもそれは実際には不安やわからないことの多い体験だ。特に生後の数週間が難しい。赤ちゃんの栄養は足りてるか、母乳の量は十分かなどと親の悩みは尽きない。そこでMyMilk Labsが開発したセンサー器具「Mylee」は、わずか数滴の母乳をスキャンしてその組成に関する情報を同社のモバイルアプリに渡す。本日米国時間10月2日にDisrupt Battlefieldでプレゼンした同社は、Startup Alleyで選ばれた2つのワイルドカード企業のひとつだ。

DisruptでローンチしたMyleeは、予約価格が249ドル、小売定価は349ドルだ。イスラエルに本社を置くMyMilk Labsは、2014年にRavid Schecter(ラヴィド・シェクター)氏とSharon Haramati(シャロン・ハラマーティ)氏の両氏が創業した。2人はワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)で神経免疫学と神経生物学の博士課程にいたときに出会った。

Mylee device

Battlefieldのプレゼンテーションでシェクター氏は、このデバイスは母親や授乳相談員などに母乳に関する客観的な情報を提供することが目的だと語った。

母乳は生後数日から数週間の間に初乳から成乳へと変わっていく。Myleeは乳の電気化学的な特性をスキャンしてそれらを同社の研究結果と対照し、変化の過程のどのあたりかを計算する。そしてその分析結果に応じて母親には、乳の実際の日齢や週齢と対比して変化が遅いか早いかを告げる。

デバイスの最初のバージョンは目下パイロット中のベータで、テストに参加した授乳相談員たちがこれまで500名の母親からの乳の標本をスキャンした。

MyMilk Labsにはすでに消費者向けの母乳検査キットがあり、母親は自宅で乳の少量の標本を採取してMyMilk Labsに送って分析してもらう。結果はアプリの画面のパネルに表示され、栄養パネルでは乳のビタミンB6、B12、Aのレベル、カロリー、脂肪のパーセンテージなどが表示される。また、母親の食生活のアドバイスもある。もうひとつのパネルでは、母乳保育で一番の悩みである乳房痛の対策が表示される。細菌などによる感染症が疑われたら菌種などにより最適の抗生剤が推奨される。

母乳で育児をしている母親のほとんどにとって検査キットなんか要らないと主張する医師もいるが、母乳による子育てに関しては母親の知識不足の不安もあるため、すでに複数の企業が母乳検査キットを発売している。それらは、Lactation Labs、Everly Well、Happy Vitalsなどだ。ハラマーティ氏はDisrupt Battlefieldのステージで、将来は検査の一部をMylee自身ができるようにしたいと述べた。

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富士フイルムの今度のX-Pro3カメラはフィルム写真的機能が山盛り

富士フイルムが近く発売するX-Pro3は、同社の人気のデジカメであるミラーレスのレンジファインダーカメラ(X-Pro2)の後継機で、10月23日の発売日の前にたくさんの情報や写真がリークされた。それは米国時間9月20日に開催されたX Summitイベントでのことで、同社はFujirumorsからたくさんの詳細画像を流し、初めてその革新的なリヤディスプレイのデザインを披露した。

X-Pro3は液晶が背面にある。今のレンズ交換式デジタルカメラの多くがそうだが、でもかなり独特だ。ふつうに使ってるときはスクリーンは隠れていて、表示面をカメラの背中に向けている。そしてそのときのドアの外向きの面には小さなOLEDの「ミニスクリーン」があり、カメラのごく基本的な設定が表示されている。

その小さな背面ディスプレイには、シャッタースピードや絞り、ISO、そしてフィルムシミュレーション(フィルム的色調)やファイルサイズの設定がある。そしてファインダーから見えるものがどんな画像になるか見たかったら、ドアを下に開けると通常の液晶画面になる。そのようにディスプレイが下に見えると、ローアングルの撮影のときにはほぼ真正面に見ることになり便利だ。昔のフィルムカメラに、腰の高さで見られるファインダーがあったように。

  1. shows-film-simulation

  2. X-Pro3-mini-LCD-2

  3. X-Pro3-hidden-LCD

  4. X-Pro3-screen-tilted-down

X-Pro3には電子ファインダーもあるが、でもそれはフィルム写真とデジタル写真の違いに近くて、カメラを使うフォトグラファーはファインダーを使うか、下に開くスクリーンを見ながら腰の高さで撮るかのどっちかだろう。ただしカメラの背面の画面をよく見ると、もっといろんな設定があるのがわかる。

富士フイルムのレンズ交換式デジカメのAPS-Cシリーズは、そのフィルムシミュレーションによりすでに多くのファンを獲得している。それは同社がこれまで提供してきたいろんなタイプのフィルムを真似するから、フィルムシミュレーションと呼ぶのだ。X-Pro3では、そんなフィルム的体験が、最新のデジタル写真技術によりもっと強力にできる。真似するフィルムのタイプにも「Classic Negative」(昔のネガ風)というやつが増えた。

Classic Negative

そして、カメラの骨格はチタンだ。超丈夫だけど超軽い。色は3種類ある。

New X Pro3 colors

まだ価格の発表はないが、もちろんそのほかの詳細とともに10月23日にはわかるだろう。

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ミシガン大学が釘打ち機能内蔵ドローンを開発中

FAA(米連邦航空局)は、ドローンに火炎放射器や拳銃などの武器を装備することに罰則を設けた。でも、ネイルガンは武器だろうか?シューティングゲームのQuake以外でも?そうではないことを望みたい。ミシガン大学のロボット工学者たちが、屋根板を屋根に釘打ちする機構(ネイルガン)を備えたドローンを開発した

大学のドローンテスト施設で撮られたビデオを見ると、離陸した同機は屋根の先端へ接近し、慎重にネイルガンを打ち込み、やや後退してからさらに二度釘を打ち込んだ。

現状は単なるデモンストレーションで、改良の余地は大きい。ドローン自身がカメラを搭載せず、位置を固定したカメラのシステムと近くのマーカーでドローンの位置を知り、次の場所を指示している。

現在のところ開発のごく初期段階だが、いずれはこういったドローンが内蔵カメラなどを使って、次にタッチダウンする場所を見つけるだろう。コンピュータービジョンの技術は今とても進歩しているから、屋根瓦のコーナーを見つけるなんて朝飯前だろう。

いまはまだ、ドローンは自由飛行しているし電動ネイルガンを使っているので、10分ぐらいしか飛べず、数ダースの釘しか打ち込めない。電力を本体外部からケーブルで供給すれば、もっと長く飛べて、しかも強力なエアネイルガンを使えるだろう。

関連記事:That night, a forest flew(山火事の跡地にドローンで植林する、未訳)

ドローンはすでに、いろんな産業で使われている。ビルを検査し、木を植えている。そしてこの実験で、また1つ用途が広がった。屋根葺きは単調でしかも危険な作業だから、エキスパートが監視しコントロールするドローンにやらせるのがベストだろう。

ミシガン大学のMatthew Romano(マシュー・ロマーノ)氏らが書いたこのドローンの研究論文(PDF)は、今年のInternational Conference on Robotics and Automation(ロボティクスとオートメーションに関する国際会議)にも提出された。

画像クレジット:ミシガン大学

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FarmWiseの全自動除草ロボットが脱プロトタイプに向けて15億円を調達

農業の自動化は作業が多様だから難しいが、そんな中で良い仕事をしているロボット企業や自動操縦企業もいくつか存在する。例えば、投資家たちに関心を持たれたFarmWise(ファームワイズ)はこのたび1450万ドル(約15億円)を調達して、その自動運転除草車の開発を継続している。

今はまだプロトタイプだが、その車は大量の材木伐採労働者を運ぶ車両のように見える。でも実際にはかなり精密な装置で有害な雑草と作物を見分け、雑草だけを慎重に引き抜く。

FarmWiseのCEO Sebastien Boyer(セバスチャン・ボイヤー)氏は最新の資金調達を発表するプレスリリースで「1台のFarmWiseのロボットが1日に人口40万人ぐらいの中都市の人びとを養えるだけの作物の農地を除草できる。これからは、弊社の特許である植物検出技術をさらに拡張強化して、農家の除草処理量と作物の収量を増やしたい」とコメントしている。

おそらくこのロボットは最初、概念実証(Proof of concept、POC)も兼ねて、特定の作物向けに開発されデモされたのだろう。

そして今や概念実証には成功したようだ。Calibrate Venturesがリードした1450万ドルのラウンドは、そういう初期の成功の賜物。除草の自動化は決してやさしい問題ではないから、3年足らずで商用化にこぎつけたのはすごいことだ。農家も、テクノロジーが嫌いではない、実際に仕事をしてくれるならば。しかし、広大なモノカルチャーが大半を占めるアメリカの農家では、ちょっとした問題やエラーが大損害をもたらすこともある。

関連記事:自動運転除草機のFarmWiseがプロトタイプ製造パートナーにミシガン州の自動車企業を選ぶ

同社は以前、シードラウンドで570万ドルを調達した。それは2017年のAlchemist Acceleratorのデモデーでデビューした直後だった。ロボットは、なにしろお金がかかる!

今度の新たな投資でFarmWiseの脱プロトタイプと商用化に一層拍車がかかることが期待される。でもこれぐらいの金額では大量生産はまだまだだろう。どこかから大口注文を受けて、それが弾みになるといいのだが。

そしてまた、このずんぐりしたかわいらしい車は、AIの開発も重要だ。ボイヤー氏はこう述べる。「今後は、弊社のさまざまなロボットが作物のための専門医として活躍し、健康状態を常時モニターして適切な対策を教えるだろう」。

というわけでこの巨大林業マシンのようなプラットホームは除草を繊細に行うだけでなく、今後はアブラムシやカビもチェックして必要な治療を施すだろう。

そして作物に対する多様な検査ができるためには、同社はデータのエキスパートにもならなければならない。究極的に、農地の全作物の個体チェックができるなら、農家にとってこんなに嬉しいことはほかにない。

画像クレジット: FarmWise

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Googleが10月15日にPixel 4発表へ、そのほかのハード新製品も登場か

Googleは10月15日にニューヨークで行われるイベントで次期Pixelを詳しく紹介する。同社は米国時間9月16日、メディア各社に送った招待状でそのことを確認した。GoogleはすでにPixel 4の画像や機能の詳細を公表しているが、招待状には「新しいMade by Googleがたくさん」とあるから、もっといろいろあるのだろう。

Pixel 4についてわかってることは、そのすべてだ。というか、すでに多くのことがわかっている。たとえ、GoogleのクールなSoliレーダーによる、顔認識めのアンロックやモーションコントロール。次々と出てくるリークの中には、単色単一テクスチャの背面、カメラがワイド、標準、ズームと3つあるような背面の盛り上がり、XLのOLEDディスプレイは3040×1440ドット、アニメーションとスクロールを滑らかにする90Hzモードなどがある。

unnamedGoogleが送った2019ハードウェアイベントへのアニメーションによる招待状

上部と下部のベゼルが大きいのは、今どきのスマートフォンにしては珍しい。でもGoogleは、スクリーンの中にノッチがあるよりまし、と判断したのだろう。また顔でアンロック用のSoliの技術とドットプロジェクター用には、上部にスペースが欲ほしいのだ。

そのほかの噂のハードウェアとしては、ChromeOS搭載のPixelbookやGoogle Hhiwaomeスマートスピーカーの新製品がある。11月に立ち上げたクラウドゲームサービスであるStadiaも、何かの発表があるだろう。そして、さらなるサプライズとしては、Chromecastのアップデートとか、新たに認証されたWi-Fi 6スタンダードによるGoogle Wifiがあるかも。

要するに、Pixel 4がネタとして安定しすぎていても、そのほかのサプライズがたくさんあるということだ。10月15日にはTechCrunchも頑張って、それらすべてをお伝えしよう。

関連記事: Google Pixel 4は顔認証とレーダー利用の「モーションセンス」を搭載

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人によるコントロールと機械学習を融合したスマート義手

義肢は年々良くなっているが、それらの強度と精度が使いやすさや能力(実際にできること)に貢献していないこともあり、とくに手足を切断手術した人たちがごく初歩的な動作しかできない場合が多い。

スイスの研究者たちが調べた有望と思われるやり方では、手動では制御できない部分をAIが引き受ける。

問題の具体的な例として、腕を切断した人が膝の上でスマート義手を制御する場合を考えてみよう。残存する筋肉に取り付けられたセンサーなどからの信号で、義手はかなり容易に腕を上げ、ある位置へ導き、テーブルの上の物をつかむ。

でも、その次はどうなる?指をコントロールするたくさんの筋肉と腱はない。そして義手の人工的な指を、ユーザーが望む曲げ方や伸ばし方ができるように解析する能力もない。ユーザーにできることが、単に総称的な「握る」や「放す」の指示だけなら、実際に手でできていたことを実行するのほぼ不可能だ。

そこが、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(École polytechnique fédérale de Lausanne、EPFL)の研究者の出番だった。義手に「握れ」と「放せ」と命令したあと、それから先の動作を特に指示しなくても最良の握り方を見つけられるなら問題はない。EPFLのロボット工学の研究者たちは長年、「握り方の自動的な見つけ方」を研究してきた。だから今の義手の問題を解決するには、彼らがうってつけなのだ。

epfl roboarm

義手のユーザーは、本物の手がない状態でさまざまな動きや握りをできるだけうまく試みながら、そのときの筋肉信号を機械学習のモデルに解析・訓練させる。その基礎的な情報で、ロボットの手は自分が今どんなタイプの把握を試みているのかを知り、目的物との接触領域を監視して最大化することによって、手はリアルタイムで最良の握りをその場で作り出す。落下防止機構も備えており、滑落が始まったら0.5秒以内に握りを調節できる。

その結果、目的物はユーザーが基本的には自分の意思でそれを握ってる間、しっかりとやさしくその状態を維持する。目的物の相手をすることが終わってコーヒーを飲んだり、ひと切れのフルーツをボウルから皿に移したりするときは、その目的物を「離し」、システムはこの変化を筋肉の信号で感知して実際に離す行為を実行する。

関連記事:SmartArm’s AI-powered prosthesis takes the prize at Microsoft’s Imagine Cup【AIで動く義肢がMicrosoftのImagine Cupを勝ち取る、未訳)

MicrosoftImagine Cupを取った学生たちのやり方を思い出すが、それは手のひらにカメラを付けた義手の腕が目的物のフィードバックを与え、正しい握り方を教えていた。

一方こちらはまだまだ実験段階で、サードパーティ製のロボットアームと、特別に最適化していないソフトウェアを使っている。でもこの「人とAIとの共有コントロール」には将来性が感じられ、次世代のスマート義手の基盤になるかもしれない。チームの研究論文はNature Machine Intelligence誌に掲載されている。

画像クレジット:EPFL

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

世界のスマートスピーカー市場でグーグルはバイドゥに抜かれて3位に後退

Canalysの最新の調査報告書によると、世界のスマートスピーカーの市場は今年の第2四半期に55.4%成長し、2610万台が出荷された。トップは変わらずAmazon(アマゾン)で、この四半期に660万台を出荷した。しかしGoogle(グーグル)は、中国のBaidu(バイドゥ)に抜かれて3位に後退した。BaiduのQ2の成長率は3700%と大きく、450万台を出荷してGoogleの430万台を抜いた。

中国の市場は全体として倍増し、同四半期に1260万台が出荷され、アメリカの合計610万台の2倍になった。米国市場は全体として前四半期よりも2.4%とわずかに減少した。

Baiduの同四半期の成長は、積極的なマーケティングと売出しキャンペーンに依るところが大きい。中でもとくにスマートディスプレイの人気が高く、全売上の45%を占めた。

CanalysのリサーチアナリストCynthia Chen(シンシア・チェン)氏はこう述べている。「ローカルネットワークのオペレーターたちが最近この種のデバイスに強い関心を持つようになっている。スマートディスプレイで競合他社の少ないBaiduにとってこのことが大きく幸いし、オペレーターたちの市場をほぼ独占した」。

一方、GoogleはQ2にNestのブランド変更をしたことがマイナス要因になった、とCanalysは言っている。

Googleが消費者の関心を再燃させるためにはスマートスピーカー製品群の刷新が必要、とこの調査報告書は示唆している。そういえばGoogle Homeデバイスはローンチ以来一度もアップデートされず、2016年当時の空気清浄機のようなスタイルに今でも満足している。そしてGoogle Home miniは、色が変わったことが話題になった程度だ。

むしろGoogleの最近の関心は、デバイスのメーカーによるGoogle Assistantの技術の統合より容易にすることに向けられ、またスマートディスプレイへのフォーカスが増していた。

対してAmazonはEcho系列のスピーカーをこれまで何度もアップデートし、Alexa対応デバイスをEcho SpotやEcho Showなど画面のあるデバイスにも拡張し、また従来からの声だけの製品もEcho Plus、Echo Dot、Echo Autoなどと多様化してきた。時計や電子レンジにもEchoが載った。まるでそれは、音声コンピューティングの公開実験みたいだ。

それでもAmazonとGoogleはどちらも、Q2には焦点を米国以外の市場に移してきた、と報告書は言っている。たしかに、Amazonのスマートスピーカーの出荷は50%がアメリカ以外であり、それは前年同期に比べて32%増えている。Googleはアメリカ以外への出荷が全体の55%で、前年同期比42%の増だ。

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3位までを占めるAmazonとBaiduとGoogle以外でトップ5に残るのは、Alibabaの410万台とXiaomiの280万台だ。そしてApple(アップル)のHomePodを含むその他大勢は計370万台だ。

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米国でドローンを武器化したら被害者がいなくても罰金260万円超

血気盛んな米国人が初めて本物のドローンを手に入れて、火炎放射器を装着してみたくなったとしても、それは極めて自然な成り行きだ。でも、この人畜無害なホビーも、世界最大の文句屋である連邦政府は黙認してくれない。

米政府の重要メンバーであるFAA(連邦航空局)はこのほど、ドローンと武器は「危険な組み合わせである」と題する通達を発表した。本当にそうだろうか。とはいえ彼らは政府の監督機関だから、いちおうその通達を見てみよう。

通達では「ネット上の写真やビデオで、銃器、火器、爆弾、火炎放射器などを装備したドローンを見たことが、たぶんあるだろう。しかし、そのようなアイテムをドローンに付けることを考えてはいけない。なぜなら、そのようなアイテムを装備したドローンは、人間とあなたの銀行口座に多大なる被害をもたらすことがありえるからだ」。

上記の内、罰金の箇所はジョークではない。FAAの規則に違反したら最大2万5000ドル(約260万円)を没収される。中でも特に重い罪は、自分の攻撃ドローンをYouTubeにポストすることだ。

https://www.youtube.com/watch?v=07rtBip9ixk

ちなみに、上のビデオの主人公はThrowFlame TF-19だ。TechCrunchはこの極端に恐ろしいデバイスを、決して推奨も承認もしない。

でも例えば、あなたがどこかの軍需企業で対潜兵器を開発していたり、ドローンに支配された未来の地球を描く映画を制作していたらどうか。あるいは、とにかく十分に注意しますと約束したら。

そういう場合はFAAに正規に申請して、ドローンの武器化について認可を得る。そんなめんどくさいこと、どうでもいいや、誰にも見られなきゃいいんだろ!?この疑問にFAAはもちろん、イエスと言わない。絶対に。だから、無認可の実験やいたずらは、最初からやらないのがベストだ。

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画像クレジット: ThrowFlame

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アップルのLightningと一般的なUSB-Cの両方で使えるセキュリティキーをYubicoが発売

発表から2カ月近くも経った米国時間8月20日、YubicoがYubiKey 5Ciを発売した。これは、iPhoneやMacと、そのほかのUSB-C対応デバイスの両方をサポートするセキュリティキーだ。

最新のYubiKeyは、対応機種を広げようとしている同社の努力の一環でもある。その最初の成果は、1つのデバイスでApple(アップル)のiPhoneとiPad、そしてMacBookをサポートした。そして6月に同社は、特にApple以外の製品も使っているAppleユーザーのために、複数のプラットホームに対応するセキュリティキーを発表した。

そのセキュリティキーはキーリングに収まるほど小さくて、ネット上のアカウントにログインするときにはキーをデバイスに挿入すると、ユーザー本人が認証される。GmailもTwitterもFacebookも、この小さなデバイスをユーザー名とパスワードの後で使うニ段階認証用にサポートしている。ふつうのニ段階認証では、ユーザーの携帯に送られてくる短いコードを入力するが、セキュリティキーはそれよりもずっと強力な認証の仕組みだ。

だからセキュリティキーはほとんど全勝不敗のセキュリティとも呼ばれ、どこかの国家がやってるのも含めて、いろんな攻撃からユーザーを護る。

YubicoのチーフソリューションオフィサーJerrod Chong(ジェロッド・チョン)氏によると、今回の新しいセキュリティキーは「モバイルの認証システムが抱えている重要なギャップを埋める」という。特にユーザーが複数のモバイルデバイスを使ってる場合は、有効なセキュリティキーはそれ1つしかないから安全度が高い。

この新しいキーは、1PasswordやLastPassのようなパスワードマネージャーと一緒に使えるし、またセキュリティキーによる認証をサポートしているBraveのようなブラウザーでも使える。

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壁の向こうに閉じ込められている人を見つける軽量レーダーデバイス

災害時などのファーストレスポンダー(第一応答者)は、状況を知ることが何より重要だ。家庭内暴力の解決でも、人質の救出でも、人身売買の現場でも、ファーストレスポンダーは何よりもまず、閉まったドアの向こうに人がいることを素早く判断しなければならない。そのための有効なツールはないだろうか。

そこでMegan Lacy(メーガン・レース)氏、Corbin Hennen(コービン・ヘネン)氏、Rob Kleffner(ロブ・クレフナー)氏の3名は、Lumineye(ルーミナイ、照らす目)を開発した。この3Dプリントで作ったレーダーデバイスは、信号分析のソフトウェアを使って壁の向こうで人が動いていたり呼吸していることを検知する。

Lumineyeはパルスレーダーの技術を利用して、コウモリやイルカのようなエコロケーション(反響定位)を行う。信号を送り、そのパルスが返ってくる時間を計測するのだ。行きと帰りのパルスをソフトウェアが分析して、信号の運動特性、その大きさや範囲を判定する。

Lumineyeのソフトウェアは、壁の向こうで動いたり呼吸したりしている人までの距離も判定する。信号は一次元なので、壁の向こうのどこにいるかは特定できないが、野外では15メートル先までの人を検出できる。ただし、煉瓦やコンクリートなどの障害物が間にあれば、検出可能距離は短くなる。

チームは人質救出の例で、Lumineyeのアドバンテージを説明している。そのような状況では、ファーストレスポンダーは何よりもまず、部屋に閉じ込められている人質の数とその広がり(各人間の距離)を知る必要がある。どうするか? 複数のLumineyeを使って三角測量の計算をするのだ。それによって救出チームは、より効果的に行動できる。

このような検出のための今ある機械装置は、どれも重くて大きくて運びづらく使いづらい。そこでLumineyeのチームは、軽くてポータブルな器具を作るべきと考えた。救出チームの仕事は、12時間とか24時間続く場合もある。機器は軽い方が良い。プロトタイプは検出用のハードウェアにふつうのスマートフォンを組み合わせたもので、大きさは25×12cm、重さは600gぐらいだ。

チームは、Lumineyeをもっと世の中の至るところにあるデバイスにしたいと考えている。設計に改良を加え、消費者にも直接売りたい。

Lumineye Device BreathingMode

Lumineyeのデバイスは電波を使って壁の向こうの人間を見つける

Lumineyeはまだ、最初のパイロット事業を始めたばかりで、8月10日にFEMA(米国合衆国連邦緊急事態管理庁)のイベントに出て、瓦礫の下に埋まった人を見つけるデモをした。チームは全員アイダホ州ボイシの生まれだが、スタンフォード大学と国防総省の共同事業であるHacking4DefenseにもLumineyeを出展した。それは、米国の国防や諜報活動にシリコンバレーのイノベーションを結びつけようとするイベントだ。そしてこのアイダホのチームは目下、Y Combinatorの2019夏季クラスを受講中だ。

Lumineye TeamPicture 1

写真に向かって左から、Megan Lacy氏、Corbin Hennen氏、Rob Kleffner氏

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任天堂はSwitch用のスーパーファミコンコントローラーをリリースか

任天堂はNintendo Switch用のSNES(スーパーファミコン)ワイヤレスコントローラーをリリースするようだ。ということは、SNESの昔のタイトルが仮想ゲームライブラリであるNintendo Switch Onlineにやってくるのだ。

あの目ざといEurogamerが見つけたFCCへの提出文書には、スーパーファミコンのワイヤレスコントローラー以外の何物でもないと思われるデバイスの背面図があって図表まで載っている。

その図表に載っている「HAC」という型式は、Switch用のアクセサリーを指している。そして歴史が示すところによれば、Switch用にこんなレトロなハードウェアが登場したことは、昔のゲームが戻ってくるということだ。任天堂は9月にSwitch用のNES(初代ファミコン)コントローラーをローンチしたが、それと一緒にNintendo Switch Onlineには会員が無料で遊べるNESのゲームが登場した。

FCCの提出書類は任天堂が何かをリリースする証拠だが、あとは推測ばかりで公式発表は何もない。しかし特にSNESのゲームの再来は、過去にWiiバーチャルコンソールでもやったことだから、Switchにもやってくることは確実だろう。

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フランスの発明家がホバーボードで英仏海峡横断に成功

7月にトライして失敗したフランスの発明家Franky Zapata(フランキー・ザパタ)氏が、今週末、ホバーボードに乗って英仏海峡の横断に成功した。フランス北部のサンガットを出発した彼は、20分で英国のセント・マーガレッツ・ベイに着陸した。

ドーバーの近くに着陸したザパタ氏はロイターなどの記者たちにこう語った。「最後の5kmか6kmは本当に楽しかったよ。これが歴史的イベントであるかないか、それを決めるのはぼくではない。そのうち、時間が決めるだろう」。

ジェットスキーのレーサーだったザパタ氏は、このFlyboard Airを3年ほど前に開発した。7月14日にはフランス革命記念日の軍事パレードに、彼はAirに乗って参加した。その同じ月に海峡横断の偉業に挑戦したが、ボートの上に設けた給油用の台座に着陸しようとしたとき、海に落ちた。

今回も途中で給油のため駐機したが、今度は無事故だった。3機のヘリコプターが旅路に同行し、着陸地点では待機していた数十名のファンたちが歓呼の声で彼を迎えた。

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スマートフォンの近未来巨大市場はアフリカと中東、そしてほぼ中国の独壇場

アフリカの携帯電話産業はこのところ、深圳のTranssion(トランシッション)が支配している。アフリカ以外ではほとんど知名度のない企業だが、近く中国の市場でIPOを目指している。そして今度は中国の同業者Vivoがこの、成長著しい新興市場に低価格機を持ち込み、二匹目のどじょうを狙っている。

世界で5番目に大きなスマートフォンメーカーであるVivoの今週の発表によると、同社は懐に優しい機種であるYシリーズのスマートフォンをナイジェリアとケニアとエジプトの市場に近く投入し、モロッコでは一部がすでに市販されているという。

中国ではスマートフォンの売上が鈍化しているから、Vivoが自国以外に市場を拡大しようとするのは当然だ。世界的な市場落ち込みの中でアフリカだけは昨年、2015年以来初めてスマートフォンの出荷台数が増加した。調査会社のIDCによるとそれは、エントリーレベルの製品が市場に氾濫しているせいでもある。

アフリカ市場というパイのひと切れを狙うスマートフォンメーカーにとっては、価格が安いことが何よりも重要だ。Transsionがこの大陸でトップになったのも、フィーチャーフォンを20ドル未満で売っているからだ。VivoのYシリーズスマートフォンは170ドルという安値で、TranssionとSamsung(サムスン)とHuawei(ファーウェイ)に次ぐ座を狙っている。ちなみにこれら上位3社の昨年のアフリカにおけるシェアはそれぞれ、34.3%、22.6%、9.9%だった。

Vivoは並行して中東市場への進出も狙っているが、こちらは最近スマートフォンが伸び悩んでいる。Yシリーズには、画面本体比89%とか、AI駆動の3カメラ機などさまざまな機種があり、現在はアラブ首長国連邦で売っているが、近々にサウジアラビアとバーレーンでも発売する予定だ。

Vivoの国際進出の数か月前には、同じくBBK傘下の姉妹企業のOppoが、同様に中東とアフリカへ手を伸ばし、ドバイに支社のようなものまで作った。

Vivoの上級副社長Spark Ni氏は声明で「国際市場への参入を始めた2014年以来弊社は一貫して、詳細な調査により消費者のニーズの理解に努め、革新的な製品とサービスをライフスタイルのニーズの変化に合わせて提供してきた」とコメントしている。

そしてさらに「中東とアフリカは弊社の重要な市場であり、消費者のニーズをつねに心に置きながらこの市場へのアプローチを調整してきた。Yシリーズのローンチは、その始まりにすぎない。今後はYシリーズをさらに超えた人気製品を早期に中東とアフリカに投入したい」という。

関連記事:The intensifying battle for Africa’s burgeoning tech landscape(次にテクノロジー産業が栄えるのはアフリカだ、未訳)

画像クレジット:Vivo

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Siriの録音が定期的に契約企業に送られて分析されていた

内部告発者が持ち込んだその情報をThe Guradian紙に対して確認したApple(アップル)は、ユーザーの音声の録音を秘密裏に契約企業と共有していることにより、GoogleやAmazonなどのいかがわしい企業の仲間入りをしてしまった。その人物は、Siriのクエリは常時人間リスナーたちに送られ精査されていると告げた。そのことは、Appleのプライバシーポリシーに明記されていない。

それらの録音からAppleのIDはわからないそうだが、数秒間の中に個人的な内容が含まれていることもあり、誰であるかがバレてしまうこともある。たとえば位置情報やアプリのデータ、知人の詳細情報などだ。

ほかの企業と同じようにAppleも、このデータはサービスを改善するために収集し人間が分析していると言う。そして分析はすべて、安全な施設で守秘義務を負った者が行っていると表明している。そしてほかの企業と同じようにAppleも、それをやってることを開示を強制されるまでは言わなかった。

AppleはThe Guardianに、毎日のクエリの1%未満が送られていることを明らかにした。Appleはこれまで、Siriのクエリの量が多いことを常に自慢してきたから、1%という数字は慰めにならない。何億台ものデバイスがその機能を頻繁に利用しており、控えめに見積もってもその1%未満はたちまち数十万には達するだろう。

SiriのリクエストのAppleの言う「小部分」は、ランダムに選ばれているようだ。内部告発者が言うには「医師と患者の会話やビジネスの取り引き、犯罪臭のある取り引き、性的な関係などなど、プライベートな会話の数え切れないほど多くの断片が含まれている」そうだ。

リスナーは、Siriの起動が意図的でなく偶然だった場合を聴き分けるよう訓練されている。しかしそういう偶然の音声にも、IDは分からないけれども長くて大量の個人情報が含まれていることがある。

関連記事:Google is investigating the source of voice data leak, plans to update its privacy policies(Googleが音声データのリークを調査中、未訳)

つい先日も、Googleがクリップを分析していたことが明らかになった。そしてAlexaのクエリを録音しているAmazonは、そのオーディオを無期限に保存している

Appleのプライバシーポリシーは、Siriのクエリのような非属人情報についてこう述べている:

検索のクエリも含め、私たちのサービスに対するあなたの使い方の詳細を集めて保存することがあります。この情報は、私たちのサービスが提供する結果の適切性を改善するために利用することがあります。インターネット上の私たちのサービスの品質を確かなものにするための、ごく限られた場合以外には、そのような情報にはあなたのIPアドレスが付随しません。

上で「検索のクエリ」と言っているのは、おそらくクエリの録音も含むのだろう。そして上では、一部のデータをサードパーティと共有する、と言っている。しかし、「あなたがあなたのスマートフォンに尋ねる質問が録音されて第三者と共有されることもある」とは上のどこにも書いてない。ユーザーがそれをオプトアウトする方法も、明記されていない。

Appleはプライバシーと透明性の重視を常に力説しているから、これは重大かつ明らかに意図的な手抜きだろう。今Appleに問い合わせているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしよう。

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iPad用3DスキャナーStructure Sensor Mark IIは6年前の機種を大幅改良

それまでバーコードスキャナーアプリRedLaserで知られていたOccipitalは、2013年に、iPadを3Dスキャナーに変えてしまうStructure Sensorをリリースした。

それから6年が経ち、同社は次のバージョンであるStructure Sensor Mark IIで戻ってきた。サイズは半分になったが、能力は相当強化された。

初代のStructure Sensorをリリースしたあと、Occipitalは人気のユースケースが2つあることに気づいた。ひとつは人間を3Dスキャンすること(補助具を作るために足をスキャンするなど)、もうひとつは部屋を3Dスキャンすることだった。Mark IIの仕様とデザインは、とくにこの2つを念頭に置いて改良されている。

人をスキャンするときの精度を上げるために、解像度が初代の640×480から1280×960にアップし、カメラ間の距離も延びたので、接近して撮れる細部がより詳細になった。

higher res

部屋のスキャンのためには、魚眼レンズが導入された。これによって視野が広がり、とくに小さい部屋で使いやすくなった。

射程は4メートルから10メートルに延び、ジャイロスコープと加速度計が内蔵された。シャッターは回転シャッターからグローバルシャッターに代わり、2基のIR奥行きカメラにより屋外でもスキャンできる(初代は室内のみ)。

この分野を注視している方はご存知と思うが、同社は昨年後半にStructure Coreと呼ばれるデバイスをリリースした。初代のStructureがiPadにくくりつけるタイプで、iOS専用だったが、Structure CoreはLinux、MacOS、Windows、Androidなどプロジェクトに合わせて何でも使えた。またそのスペックも、初代に比べて相当強化されていた。

Occipitalの共同創業者Jeff Powers氏によると、Structure Mark IIはそのStructure Coreの設計をかなり引き継いでいる。主な違いは、コネクターがUSB 2.0/LightningからUSB 3.0になったこと、iPadに接続するので電源が必要ないこと、そしてiOSで使いやすいようにファームウェアを大幅に改良したことだ。

Structure Sensor Mark IIの価格は399ドル(約4万3000円)で、8月末には発売される。初代のStructureを良い状態で持ってる人は、下取りによりMark IIが100ドル値引きされる。

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