サムスンとグーグル、GoogleアシスタントとPlayアプリの到来でWear OS提携を拡大

Google(グーグル)とSamsung(サムスン)が、圧倒的なシェアを誇るApple(アップル)に対抗するため、共同でウェアラブル製品を開発すると発表してから1年弱が経った。このような取り組みが一朝一夕に達成されるものではないことは、当初から明らかだった。2021年8月には、Galaxy Watch 4の発表の一環として「Wear OS Powered by Samsung(Samsungの新しいWear OS)」を初めて見ることができた。

関連記事:サムスンは「Galaxy Watch 4」でWear OSに回帰、ヘルスケアにもフォーカス

米国時間2月9日に開催されたUnpackedイベントでは、Samsungのウェアラブル製品はあまりハイライトされなかったが、同社はモビリティ分野で十分な話題を提供した。しかし、Samsungが現在開発しているTizen / Wear OSハイブリッドのウェアラブル製品については、今後の展開がもう少し見えてきた。

9日、Googleは、Samsungの最新のウェアラブルにGoogleアシスタントが「数カ月後」に搭載されることを発表した。これはおそらく、同社の「Bixby」の野望がゆっくりと悲しい終わりを迎えることを示す最新のデータポイントと言えるだろう(ただし、このアシスタントはデバイスの中で生き続けている)。しかし、率直に言って、はるかに強力でユビキタスなGoogleアシスタントを採用することは、ハードウェアメーカーであるSamsungのプラットフォーム全体で非常に理に適っている。

画像クレジット:Google

Galaxy Watch 4では「Hey Google(日本では『OK Google』)」と声をかけて音楽を再生したり、タイマーを設定したりすることができる。このアプリは、Galaxy Watch 4ではGoogle Playストア経由でアクセスできる。統合の一環として、接続されたAndroid端末にダウンロードされたPlayアプリは、Galaxy Watchにも表示されるようになる。そこからユーザーは、アプリをタップしてスマートウォッチにインストールできる。

現在、Galaxy Watch 4はオンラインでのYouTube Music Premiumに対応しているが、今回のアップデートでは、Wi-Fiおよびセルラーでの楽曲配信が可能になるため、ユーザーは携帯電話を家に置いたままでも新しい曲を聴くことができるようになる。この機能は、Galaxy Watch 4およびその他のWear OSデバイスにも搭載される予定だ(時期は未定)。

今回の統合はまだ小さな一歩であり、このカテゴリーにおけるAppleの優位性をすぐに打ち破ることはできない。しかし、GoogleとSamsungの提携、前者によるFitbit(フィットビット)の買収とWear OSのさらなる拡大計画など、ウェアラブル分野にとっておもしろい1年になりそうだ。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

サムスンが2021年「Unpacked」イベントで発表した新製品まとめ

最近の記憶の中では大げさな前宣伝が控えめなガジェットの発表会の1つではあったが、Samsung(サムスン)は先週米国時間8月11日の朝早くから、恒例の「Unpacked(アンパックド)」イベントで、一連の新製品を公開した。

忙しくて見られなかった人、まだ寝ていた人のために、知っておくべきことを簡潔にまとめて一挙にご紹介しよう。

Galaxy Watch 4(ギャラクシー・ウォッチ4)

画像クレジット:Brian Heater

サムスンがまた新たなスマートウォッチを発表した。ただし、今回はこれまでの製品とは少々異なる。近年は独自OS「Tizen(タイゼン)」に力を入れていたサムスンだが、この最新ウォッチではGoogle(グーグル)のOSに戻っている、というか、少なくともGoogleの「Wear OS(ウェアオーエス)」を採用している。そのソフトウェアは「Wear OS Powered by Samsung」と呼ばれ、Wear OSを核としながら、Tizenの良いところを取り入れたものになっているのだ。

サムスンは今回、健康指標の面に力を入れており、Galaxy Watch 4の発表では、血圧、血中酸素、身体組成などを継続的にモニターできる機能に焦点が当てられた。

2021年のサムスンの時計は「Galaxy Watch 4」と「Galaxy Watch 4 Classic」という2種類が用意されている。標準モデルのGalaxy Watch 4は、やや薄くて軽量で、ベゼルにタッチセンサーが搭載されており、インターフェースを操作できるようになっている。Galaxy Watch 4 Classicはやや大きくて重く、物理的に回転するベゼルを備えている。Galaxy Watch 4は40mmと44mmという2種類のサイズから選べ、米国での販売価格は249.99ドル(約2万7600円)から。Galaxy Watch 4 Classicは42mmと46mmが用意されており、価格は349.99ドル(約3万8600円)からとなっている。

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Galaxy Z Fold 3(ギャラクシーZフォールド3)

画像クレジット:Brian Heater

初期の折りたたみ式スマートフォンは、価格も高く、問題も多かったため、世界を席巻するまでには至っていない。それどころか、おそらくほとんどの人は、まだ折りたたみ式スマートフォンというものを実際に見たことがないだろう。しかし、サムスンはまだこの分野で終わっていない!

今回、同社が発表した「Galaxy Z Fold 3」は、ホットドッグスタイルの折りたたみ式携帯電話に対するサムスンの3度目のアプローチだ。価格は先代「Galaxy Z Fold2」の1999ドル(約22万円)から1799ドル(約20万円)へと少し下がっている一方で、全体的な製造品質は向上している。Galaxy Z Fold 3は、より強固なアルミニウムフレームと、耐久性が改善された折りたたみ式ディスプレイ、そしてIPX8等級の防水性能(折りたたみ式携帯電話では世界初!)を備えている(1つ注意:この「X」とは、もし誤って浴槽に沈めてしまっても大丈夫という意味だが、粉塵やゴミが内部に侵入しないように気をつける必要はある)。

Galaxy Z Fold 3は、サムスン初のアンダーディスプレイカメラを搭載したデバイスとなる。これは凄い仕掛けだが、一般的に写真の画質は犠牲になることが多い。背面には超広角、広角、望遠の3つのレンズが(隠されずに)搭載されており、それぞれ1200万画素となっている。さらにサムスンのスタイラス「Sペン」にも遂に対応した。

米国では8月26日に出荷が始まる予定。

関連記事:サムスンの最新フォルダブル「Galaxy Z Fold3」はスタイラス対応、防水仕様、アンダーディスプレイカメラ追加

Galaxy Z Flip 3(ギャラクシーZフリップ3)

画像クレジット:Brian Heater

今回発表された折りたたみ式スマートフォンで、注目を集めているのはフラッグシップモデルのFold 3だが、サムスンの相対的にエントリーレベルに位置づけられる折りたたみ式(クラムシェル!)スマートフォンも、Galaxy Z Flip 3へとアップデートされた。

Flip 3は、前述のFold 3と同じように、強固なアルミニウムフレームの採用、耐久性が増したディスプレイ、IPX8防水など、耐久性の面で多くの改良が施されている。内側には10MPのセルフィーカメラ、外側には2つの12MPカメラ(超広角と広角)を搭載。価格は999ドル(約11万円)と、先代よりも400ドル(約4万4000円)近く安くなっている。サムスンが折りたたみ式スマートフォンを初めて1000ドル以下の価格帯に引きずり込んだのだ。カバースクリーン(デバイスを折り畳んだときに表示されるスクリーン)は、前世代の1.1型に対して1.9型と大きくなっている。

今回発表された他の製品と同様、Galaxy Z Flip 3は米国では8月26日に発売される。

関連記事:値下げされ(相対的に)手を出しやすいサムスンの新フォルダブル「Galaxy Z Flip」は約11万円から

Galaxy Buds 2(ギャラクシーバッズ2)

画像クレジット:Brian Heater

サムスンは今回、エントリーレベルのワイヤレスイヤホンの新世代モデルも発表した。必要な情報はすべて次の1文に含まれる。より小さく軽くなり、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、8月26日に149ドル(約1万6500円)で発売される。

もっと詳しく知りたい? それならこちらの記事に書かれている

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プラスティック削減!

これは最後に少しだけ紹介されたことだが、注目に値するものだ。サムスンは、2025年までに携帯電話のパッケージから使い捨てのプラスチックをすべて排除することを約束し、同年までに携帯電話製品全般におけるリサイクル素材の使用を大幅に増やすことを計画しているという。サムスンは、地球上の他のどの企業よりも、四半期あたりの携帯電話出荷台数が多いことを考えると、これは非常に大きな意味がある。他の企業が追随することを願いたい。

カテゴリー:ハードウェア
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画像クレジット:Brian Heater

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

サムスンが8月11日に新型折りたたみスマホを発表、「Unpacked」では新Galaxy Watchも登場!?

Samsung(サムスン)は、次回イベント「Unpacked」の招待状を送った。その中にヒントを忍ばせるのが好きな企業もあるが、Samsungもその1社だ。招待状の冒頭には「Get ready to unfold」と大きな太字で書かれており「Galaxy Z Fold」と「Flip」の形状を模したといっても過言ではない2つの平らなモノが描かれている。

この1年半の世界の状況に合わせて、このイベントは米国時間8月11日にバーチャルで開催される。興味深いことに、同社は「次のフラッグシップ」の予約を開始している。早期予約の特典としては「Samsung Care+が12カ月間無料で利用できる他、最大200ドル(約2万2000円)の下取りクレジットが追加され、予約特典も用意されています」という。

しかしながら、正直なところ実際に製品を見て、さらにレビューを読んでから予約したほうがいいだろう。

イベントに向けて、解き明かしておくべきことがたくさんある。次のビッグイベントでは、Galaxy Watchに焦点を当てるのではないかと予想したのは、おそらく私だけではないだろう。MWCで行われたビッグイベントは、(MWC自体とは違い)ちょっとした不発に終わり、ハードウェアの代わりに、Googleとの提携による次期ウェアラブル製品に関する発表が行われた。

その際、同社は「次期One UI Watchは、2021年夏の終わりに予定されているUnpackedイベントでデビューし、新しいUIと、来るべきSamsung / Google共同プラットフォームを搭載する予定です」と述べている。

次のイベントは、たとえトップバッターでなくても新しい時計のイベントになる可能性が高いと思われる。1つには、夏が終わってしまうということ。また、新しいGalaxy Watchが8月下旬(27日)に発売されるという噂もある。

今夏のUnpackedは2020年のようにバーチャルインベントで次々とデバイスを発表するのではなく、夏のイベントとしてはかなり大規模なものになると思われる。噂ではGalaxy Watch 4、Galaxy Z Fold 3、Galaxy Z Flip 3、Galaxy S21 FE(Fan Edition、基本的には同社の低価格フラッグシップモデルの最新版)、さらにはAirPods Pro対抗のGalaxy Buds Proなどが登場する可能性があるという。

ここに欠けているものは何だろうか?「Note」と答えた人にはポイントはない。サムスンの人気ファブレットは、チップ不足が続いているため、2021年は発売されないといわれている。これは、サムスンの6カ月サイクルに大きな打撃を与えることになるが、その結果はすぐにわかるだろう。

8月11日のイベントは、米国東部時間午前10時(日本時間8月12日午後11時)に開始される。

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)