みんなでわいわいゲームを作っていくゲーム, MicrosoftのSparkプロジェクトはとても新しい

人間は、自分でものを作ることが好きだ、とやっと気づいたMicrosoftは、たぶんPlayStationのLittleBigPlanetの成功に刺激されたのだと思うが、Project Spark(プロジェクトSpark)なるものを立ち上げ、6月にはそれをE3カンファレンスでプレビューした。Sparkは、相当自由な形式のゲームクリエーションエンジンで、ゲームをプレイすることと作ることが同時に進行する。また友だちや家族との共有も簡単にできる。

そのProject Sparkのベータが今日(米国時間12/3)、Windows 8.1で立ち上がる。まだユーザ人口の少ないデスクトップOSをすでに使っているラッキーな人は、Project SparkのWebサイトで登録すればベータに参加できる。来年からはXbox Oneでもこのベータを試せるようになるから、このプロジェクトが本当におもしろくなるのは、それからだろう。ユーザ数は、W 8.1よりXbox Oneの方がずっと多いはずだし、Sparkは最終的にクロスプラットホームになる、とMicrosoftは言っているから。

MicrosoftはSparkを、友だちやインターネット上でつながった人たちとコラボレーションしながら、実質的には終わりのないゲームを作れる、と宣伝している。これは、ゲームがソーシャルメディアになる、という新しくておもしろい切り口だ。そもそも、ゲームにはもともと、ソーシャルな側面がある。対戦ゲームや複数プレイはもとより、一人プレイでも、友だちが集まってわいわい言いながら遊ぶ。そしてその頂点が、画面分割ゲームだろう。N64のGoldeneye 007なんか最高に楽しいし、Call of Dutyシリーズはシューティングゲームをやりながらのふざけ合いに新時代をもたらした。

Sparkの、みんなで世界を探検しながら世界を作っていくという‘共同創造’の形は、ゲームのソーシャル性/参加性をさらに深める。面倒なコーディングなどはSparkがすでにやり終えているから、ユーザはシナリオとキャラクタを指定して、ランダムに作り出されるゲームの世界に飛び込んで行くだけだ。しかしKinectやXbox Oneのコントローラなど、多様な入力を使うと、もっと細かい、新しいジャンルのゲームも作れる。モーションキャプチャや音声吹き替えなども使って独自のアニメや対話を盛り込むと、さらにおもしろい。Sparkのゲームエンジンはユーザの自由度が信じられないぐらい大きいようだから、既成概念にとらわれないアマチュアが、とんでもない新しいゲームを生み出す可能性もある。

SparkのベータはWindows Storeからダウンロードできるが、実際に使うためにはベータキーというものをもらう必要があり、しかもこれはまだ、地域が限定されている。でも、ぼくの感想としては、Microsoftからこれだけおもしろいものが出てくるのは、ほんとに珍しい。ゲーム作家志向の人でなくても、今後を見守る価値は十分にあると思う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))