Google Cloudがゲームのためのマネージドクラウドバックエンド「Game Servers」を立ち上げ

Google Cloudが3月13日、ゲーム開発者がゲームを動かすための日常的なバックエンドをクラウドで提供するマネージドサービス、Game Serversのベータ版をローンチしたことを発表した。マルチプレイヤーのゲームもサポートするが、ゲームストリーミングサーバーではなく、ゲーム開発者がゲームのバックエンドサービスを制作、拡張、管理する作業を楽にしてくれる。

このサービスは、GoogleとUbisoftが2018年に発表したオープンソースのゲームサーバープロジェクトAgonesと、コンテナオーケストレーションプラットホームKubernetesがベースとなっている。Google CloudのプロダクトマネージャーであるScott Van Woudenberg(スコット・ヴァン・ウーデンバーグ)氏によると、このサービスはマルチクラウド上のKubernetesクラスターを管理するGoogleのサービス、Anthosも部分的に使用している。そしてGame Serversは目下Google Kubernetes Engine上でのみ動くが、年内にはハイブリッドクラウドやマルチクラウドもサポートされる予定だ。

すでにかなり多くのゲーム企業が、独自のオンプレミスサーバー集団を構築しているから、エンタープライズの場合と同様、このようなツールもハイブリッドクラウド対応であることが必須だ。またGame Serversの外ですでにAgonesを使っているデベロッパーも、そのサーバーをGame ServersのAPIで登録すれば、Game Serversのマネージドサービス下に置くことができる。

ヴァン・ウーデンバーグ氏が指摘するとおり、今では事実上ほとんどすべてのゲームが、何らかのクラウドバックエンドを必要としている。例えばマルチプレイヤー機能や対戦相手の組み合わせ(マッチメイキング)、長期保存性のあるゲームデータなどは、多くの場合でクラウドを利用している。それは大手のゲームスタジオだけでなく、インディーの開発者でも同様だ。Game Serversを利用すれば、それらの開発者は必要に応じて容易にクラスターのスケールアップしたり、ダウンできるようになる。Game Serversにはまた、A/Bテストやカナリアテストの機能もあり、将来的にはマッチメイキングフレームワークであるOpen Matchの統合も予定している。

利用には、ゲームサーバーがコンテナ化されていることが必要だ。すでにAgonesを利用している企業なら、それは単純な作業だろうとヴァン・ウーデンバーグ氏は言う。その他のさらに助けを必要とする企業には、Googleがそのパートナーと一緒に導入支援をを行う。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MicrosoftがSyntaxTreeを買収してUnity用プラグインUnityVSをVisual Studioに統合

Microsoftが今日(米国時間7/2)、フランスのSyntaxTree社を買収したことを発表した。SyntaxTreeが作っているVisual StudioプラグインUnityVSはとても人気があり、クロスプラットホームなゲームエンジンUnityを使ってVisual Studio上でゲームを作る場合には、欠かせないツールだ。

MicrosoftのDeveloper Divisionの企業担当VP S. “Soma” Somasegarによると、同社はUnityVSをVisual Studioに統合することによって、Visual Studioのゲームデベロッパ向けのサポートを強化する動きを、今後も継続していく、ということだ。

UnityVSを使用するとデベロッパはUnityスクリプトのデバッグがやりやすくなり、また サンプルコード集やウィザードなどのツールも併せて提供される。さらにUnityのコンソールとVisual Studioが統合される。Unity自身はデフォルトでVisual StudioのC#の統合をある程度サポートしているが、UnityVSのそれは、もっと本格的だ。

これまでこのプラグインは、パーソナルライセンス99ドル、プロフェッショナルライセンス249ドルというお値段だったが、今後はMicrosoftのダウンロードサイトで無料で提供される。SyntaxTreeによると、既存の顧客のサポートをどうするか、などについては近日中に詳細を発表するそうだ。UnityVSの現在の企業ユーザには、Microsoft Studios、Electronic Arts(EA)、 Blizzard、Valve、Rovioなどがいる。

Unityのユーザ数(デベロッパ数)は現在200万あまりだが、その多くはVisual Studioのユーザでもある。そこでMicrosoftは、買収に踏み切ったわけだ。Unityゲームエンジンは主なデスクトッププラットホームのすべてと、モバイルやゲーム専用機のプラットホームまでサポートしているが、Microsoftとして関心があるのは当然ながら、 Windows、Windows Store、そしてWindows Phoneのアプリだ

今日の買収はVisual StudioでUnityをサポートすることにMicrosoftが相当本気であることを、示している。しかしUnityと競合するUnrealにも独自のVisual Studioプラグインがあり、またCryTekのCryEngineは、ユーザがIDEとしてVisual Studioを使っていることを、最初から意識した作りになっている

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))