inbound insightはSNSの情報をもとに訪日外国人の行動データを可視化する

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2020年に開催される東京オリンピック。その需要を想定した新事業や新サービスが次々にスタートしている。昨日のニュースだけを見ても、楽天がVoyaginを買収してインバウンド(訪日旅行者向け事業)を強化するとしているし、MAU(月間アクティブユーザー数)1000万人という数字を発表したRettyも、訪日外国人満足度ナンバーワンのサービスを目指すと語っている

今日もそんなオリンピック需要を見越した新サービスを紹介する。ナイトレイは7月3日、訪日外国人の行動データ可視化ツールとデータを提供する「inbound insight(インバウンドインサイト)」の提供を開始した。

ナイトレイはこれまで、場所や店舗の情報に特化したソーシャルメディア解析エンジン「T-Rexa(トレクサ)」を提供するなど、3年以上にわたりSNSのデータを元にした位置・移動・行動データ解析を行ってきた。

今回のサービス提供にあたり、言語判定や国籍判定、入出国判定などを常時解析する技術を新たに開発。これにより、訪日外国人が観光をする際の行動データについて可視化が可能になったのだという。

行動データの解析対象となるのは、Twitterや新浪微博などのSNSのうち、一般公開されているユーザ投稿の情報。投稿内容から地名やランドマーク名や、緯度経度の情報などをもとに位置を特定する。現在1カ月あたり約6500人の訪日外国人旅行者のデータ解析を実現しているという。

inbound insightは、ブラウザから利用できる行動データ可視化ツールと解析データ購入プランの2つのサービスを提供。ツールには無料プランと月額10万円のPROプランの2つのプランを用意する。

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無料プランでは、地図上でのヒートマップ表示、人気エリアランキング表示、行動データのグラフ化が可能。PROプランではこれに加えて、地図上での行動ルート表示、国籍判定(中国、香港、台湾、韓国、タイ)、性別判定(中国、台湾、香港)、ポイントデータ表示、クチコミ詳細内容表示、投稿写真表示の機能が提供される。

また解析データ購入プランは1カ月のデータで50万円となっている。投稿日時、緯度経度、住所、プレイス名、ユーザID、性別、推定国籍、投稿テキスト、投稿画像URLなど、必要な期間の解析結果をCSV形式で提供する。

ナイトレイでは訪日外国人の誘致を進める官公庁や観光業、ホテル業、商業施設、商店街等に向けて導入提案を進める。2015 年末までに行動データ可視化ツールを100社、解析データ購入プランを20社に導入することを目指す。

ヤフーが位置情報共有サービスの米「Life360」と提携、日本向けにサービス開始


ヤフーは3月27日、米スタートアップのLife360との業務提携を発表した。この発表にあわせて、Life360は位置情報共有アプリ「Life360」のAndroid日本語版を公開。ヤフーは今後の国内展開を支援していく。なおiOS版は現在英語のみで提供されており、日本語版は近日公開予定。

Life360 は家族や友達などをグループとして登録し、お互いの居場所をリアルタイムで把握できるアプリだ。アプリ内の設定で位置情報共有のオンオフを切り替え可能。

グループは複数作成でき、「家族は常に共有をオンにして、友人は待ち合わせの時以外はオフにする」といった設定が可能。また、自宅や学校など、特定の場所やエリアを「通知エリア」として設定すれば、グループに通知する機能などを備える。さらに、グループメンバー全員に助けを求める通知を送れる「緊急通知」ボタンも備える。

今後は、警察機関などから提供されるデータをもとに、犯罪発生地点をアプリ内地図に搭載する機能も提供する予定(米国ではすでに同様の機能が提供されている)。有料版では、通常2点までの通知エリアの登録が無制限になるなど、追加機能を提供する。

そういえばGoogleも、友人とお互いの現在地を共有するサービス「Google Latitude」を提供していたが、現在はサービスを終了している。このLife360はGoogle Latitudeと比べると、「家族や知人の安全確認」といった方向でブラッシュアップしたサービスに思えた(ただ設定次第では家族間のプライバシーはあってないようなものになるのかも)。

ちなみにヤフーによると、米国では主に子どもの登下校時や1人での外出時に位置を把握する目的で利用されているとのこと。ファミリー層を中心にして、現在全世界5000万グループが利用している。