フェイスブックがGIFアニメのGIPHYを430億円相当で買収

Axiosによると、Facebook(フェイスブック)は米国時間5月15日に、ウェブ上のアニメGIFの検索エンジンでプラットフォームプロバイダーであるGIPHYを約4億ドル(約428億円)で買収することを確認した。その具体的な条件は公表されていない。GIPHYは現在、共有可能でエンゲージメントの高いコンテンツの中心的な発信源に成長しており、そのアニメーション化されたGIFは、フェイスブックのプラットフォームだけでなくウェブ上のその他のソーシャルアプリやサービスで幅広く利用されている。

特にGIPHYはInstagramに検索機能とステッカー機能を提供しており、今後もその機能を維持していずれはInstagramのチームの一部になるものと思われる。そしてGIPHYは既に行われた統合と今後の統合により、フェイスブックのその他のアプリでも利用できるようになるだろう。人びとは引き続き自分のGIFをアップロードすることが可能で、フェイスブックはGIPHYを自社ブランドで運営し、外部のデベロッパーもGIPHYを利用できるようにするだろう。

フェイスブックによると、同社はGIPHYの技術開発にも追加投資し、コンテンツとエンドポイント開発者レベルの両方で新たな関係を構築していくという。また、GIPHYが受信するトラフィックの50%はInstagram、Messenger、フェイスブック本体、WhatsAppなどフェイスブックのアプリからのものとのことだ。

GIPHYは2013年に創業され、最初は単なるGIFの検索エンジンだった。このウェブサイトの最初の重要な拡張がフェイスブック経由の共有を可能にする機能で、この機能は同社の創業年の後半に導入された。そしてその後すぐに第2の統合としてTwitterでも共有が可能になった。Crunchbaseの最新データによると、GIPHYはこれまでに5回のラウンドで1億5090万ドル(約162億円)を調達している。投資家はDFJ Growth、Lightspeed、Betaworks、GV、Lerer Hippeauなどだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GIFの生存戦略ー次世代ビジュアル言語編:大野謙介「GIF文化史」連載〜第2弾〜

「GIF文化史」/ 大野謙介 – 全3回連載概要

大野謙介/GIFMAGAZINE(GIFの人)

1987年に誕生し、インターネットのビジュアルコンテンツを支えた1990年代。FLASHによりミームとしての役割が弱まった2000年代。そして2011年、スマホ&SNSの爆発的普及によってサクッと手軽に楽しめるGIFは 「1) 次世代ビジュアル言語」また「2) 芸術、エンタメコンテンツ」として復活します。ファイルフォーマットの次元を超え、新たなポップカルチャーに変化しつつある「GIF文化」についてデータや事例と共に全3回で考察をします。

第1回 “1度死んだGIFが復活した理由”
第2回 “GIFの生存戦略 – 次世代ビジュアル言語編”
第3回 “GIFの生存戦略 – 芸術、エンタメコンテンツ編”

第2回 1分要約

世界中のチャットやSNSでGIFが送り合われています。スタンプや絵文字と共に表意文字として世界中に送られるようになった理由を、1to1のコミュニケーションツールの歴史と共に考察します。

以下、GIFアニメーションを中心に述べますが簡略化のため「GIF」という言葉を用います。

第1回の振り返り

第1回では、本当に「GIF」が流行っているのかを定量的に見てみました。そしてGIFが復活した理由は2011年以降のスマホ&SNSの爆発的普及であり、その背景には各国にそれを支えるカルチャライズされたGIFプラットフォームの存在がありました。

GIFの2つの役割

GIFの役割は大きく2つあります。

1) コミュニケーションコンテンツとしてのGIF

2) メディアコンテンツとしてのGIF

1) コミュニケーションコンテンツとしてのGIF、これは人に送るからこそ楽しいというスタンプと同じ楽しみ方で、超短尺動画ならではの楽しみ方の1つです。

2) メディアコンテンツとしてのGIF、これは芸術や新たなエンタメコンテンツとして、作品を見て楽しむという超短尺動画の楽しみ方の1つです。

第2回は、1) のコミュニケーションコンテンツとしてのGIFについて様々な事例やデータを元に見ていきましょう。

実際、世界では何人がコミュニケーションとしてGIFを送り合っているのか?

アメリカのGIPHYやTenor、中国の闪萌-weshine、インドのGIFSKEY、Googleなどが公表しているデータを元に算出すると、毎月約10億人がGIFを送り合っている可能性があります。

もちろん、複数ツールの利用による重複はあるかと思いますが。地球の人口が74億人、スマホ人口が約40億台とすると、世界のスマホを持つ4人に1人はGIFを送り合っていることになります。

しかしスタンプの台頭する日本においては、世界で10億人が送っているという実感が無いのが正直なところかなと思います。

世界の10億人がどのようなGIFを送っているのか?

実際にどのようなGIFを送っているのか、各プラットフォームが公表しているデータから見てみましょう。

◯アメリカで送られているGIFとは?

GIPHY(アメリカ)が公表しているデータによれば、2018年に最も閲覧されたGIFのベスト3は下記です。英語圏の芸能人やスラングを理解していないと送りづらいコンテンツです。日本の女子高生がこのGIFを送るようなイメージはありません。

GIPHY 2018年1位:Cardi B “Okurrrrr” by The Tonight Show Starring Jimmy Fallon

GIPHY 2018年2位:Colombia Futbol by Alkilados

GIPHY 2018年3位: Happy Party Gnome by Sherlock Gnomes, 268M Views

出典:GIPHY’s Top 25 GIFs of 2018

また、具体的な感情、挨拶で見てみると、例えば「Happy」は月間800万回、「Dance」は月間1290万回送られているそうです

送信回数が多く、好意的な会話で使われる「Happy」や「Dance」の場合、Amazonなどの大手企業もGIFを用意しています。広告色が強いと使いづらいですが、シーンにきちんと合っていて、コンテンツとして成立していれば送り合うことがあるでしょう。

Amazonの「Happy」GIF(GIPHYより)

Amazonの「Dance」GIF(GIPHYより)

◯インドで送られているGIFとは?

インドではどのようなGIFがコミュニケーションで送られているのか、事情を聞くためにインドのGIFプラットフォーム「GIFSKEY」の社長であるMahesh Gogineni(マヘシュ)さんにお話を聞きました。

右がGIFSKEY代表のマヘシュさん

第1回でも触れましたが、インドでは国内に多数の公用語が存在します。インドのGIFSKEYはヒンディー語やベンガル語などインドならではの9言語でGIFが探せるようになっています。

英語をメインの検索キーワードとしたGIPHYやTenorでは対応しきれないGIFを見つけることできます。また、宗教や独特なインド映画産業など、GIFSKEYは地元インドに好まれるGIFを提供しており、トップページの主要カテゴリには「Gods(神)」が存在しています。

マヘシュさんによると、インドで最も送られているのは「नमस्ते(ナマステ)」だそうです。ナマステは、おはよう、こんにちは、こんばんは、さよならといった、非常に沢山の意味を持つ単語なので、様々なシーンでナマステGIFが送られているのは想像ができます。

「ナマステ」GIF(GIFSKEYより)

また、マヘシュさんによると「Gods(神)」が重要なトップページのカテゴリとして存在している理由にはヒンドゥー教の習慣が関係しているそうです。

ヒンドゥー教では、月曜日は「シヴァ」、火曜日は「ハヌマーン」と曜日ごとに神様が決まっています。そのため、インドの方は曜日ごとの神様GIFをコミュニケーションで頻繁に送り合っているそうです。

「シヴァ神」GIF(GIFSKEYより)

◯日本で送られているGIFとは?

日本ではGIFMAGAZINEが、LINEのトークの「+」メニューの中からGIFを送れる機能「ジフマガ」を2019年2月に提供開始しました。日本のアニメ、映画、芸能事務所、クリエイターなどの公式GIFコンテンツがLINEの中で送れるようになっています。

第1回と繰り返しになりますが、アメリカのGIFではフェアユースという考えが比較的浸透しています。ディズニーを始め多くの大手コンテンツホルダーが自社の映像コンテンツをGIFにして世界中の人に送り合ってもらったり、二次創作を許容しています。アメリカも日本もコンテンツに対する愛や、クリエイターに対するリスペクトは非常に強い国だと思います。しかし、日本ではフェアユースという考えは浸透していません。

GIFMAGAZINEは、様々なクリエイターやアニメ、映画、芸能事務所の方々と共に、公式のGIFコンテンツを日本の方が楽しめるようにGIFを制作・配信しています。日本でGIFが日常的に送られるようになるのはこれからと言えそうです。

実際に日本では次の感情、あいさつのカテゴリのGIFが多く送信されています。

GIF送信カテゴリランキング(日本)

1位:OK

2位:うれしい

3位:ラブ(いいね)

4位:ダンス

5位:(笑)

© uwabami – GIFMAGAZINE

「Dance(ダンス)」のカテゴリは英語圏と共通しています。わたし自身が友人に「ダンス」のGIFカテゴリを送ってみて実感をしたことが1つあります。

同意したい時も、喜ぶ時も、「いいね」と伝えたい時も、会話を切りたいときも「ダンス」のGIFを送っておけば、テキストを送らなくても、ある程度どんな文脈でもポジティブな雰囲気で会話が成立してしまう点です。

時間や場所などの詳細情報をやり取りしたい場合は不向きですが、コミュニケーションをすること自体が目的になっている、信頼関係を確認することが目的になっている時のコミュニケーションにおいては「ダンス」は使いやすいのかもしれません。

ここまでアメリカ、インド、日本など国によって異なるGIFが送り合われていることを確認しました。

第1回では、GIFが、世界的に送り合われている理由として、2011年のスマホ&SNS、チャットの爆発的普及を挙げました。

それでは、いつまでGIFは送り合われるのでしょうか?

この連載を読まれている方はおそらくGIFになんらかしらの思い入れがある方だと思います。

ファイルフォーマットとしてのGIFは、Googleが開発を進めるWebPなどに取って代わる可能性はあるかもしれません。しかし超短尺のループ動画、体験としてのGIFが100年、1000年、愛くるしいインターネットのポップカルチャーとして存在し続けて欲しいと思っているのは、私だけでは無いと思います。

そこで、コミュニケーションにおいてGIFという表意文字がチャットアプリで送り合われるようになった理由をもう少し掘り下げてみながら、将来のGIFについて考察してみたいと思います。

そもそも、GIFという表意文字はどうしてスマホのチャットで送り合われるのか?

© HattoriGraphics – GIFMAGAZINE

人類は誕生以来、さまざまなツールを使ってコミュニケーションをしてきました。コミュニケーションをするデバイス次第で文字を送ったり音を送ったりと、送るコンテンツは大きく変わってしまいます。

ある時代では鳴声で味方にエサが良く取れる場所を伝え、ある時代では狼煙を上げて敵の襲来を伝えます。

馬に乗る時代では、手紙を届けて愛を伝え、車に乗る時代では、ブレーキランプを5回点滅させて愛を伝えることができます。

それではコミュニケーションに用いられたデバイスやツールの歴史の一部をみてみましょう。

・鳴声(発話)

・パピルス(紙)

・飛脚

・狼煙

・電話

・留守電

・LINE

コミュニケーションのツールが移り変わる理由は

音声、身振り手振り、狼煙など、そのツールの進化の歴史を調べていくと、次の3つの性質に変化が生じた時に、次のコミュニケーションのツールへ移り変わるのではないかと考えています。

1) 速さと距離

2) 保存(非同期コミュニケーションができる)

3) 伝達できる情報の量

1) 速さと距離の性質では、例えば鳴声よりも電話の方が地球の離れた場所でもコミュニケーションすることができます。

2) 保存の性質では、鳴声は受信者と時間を同期しなければ伝えることはできませんが、紙に文字を書くことで1時間後でも2時間後でも時間をずらして非同期的にコミュニケーションすることができます。

3) 伝達できる情報の量の性質では、紙に文字だけを書くと誤解が増えるから、絵文字やスタンプ、GIFなどで感情を付与して、単位時間あたりに受け取る情報量を増やしてコミュニケーションすることができます。

1) 速さと距離

2) 保存(非同期コミュニケーションができる)

3) 伝達できる情報の量

これらのいずれか1つの性質が著しく上回った時、または3つ全ての要素がわずかでも上回った時、次のツールに移りかわっていくのではないかと考えています。

もし仮に「速さと距離」「保存」「伝達できる情報の量」という仮説が正しいとするのならば、未来のコミュニケーションツールを予測することができるかもしれません。

数年後のコミュニケーションツールは?そこでGIFは送られるのか?

「速さと距離」「保存」「伝達できる情報の量」の3つの性質を現在のスマホのコミュニケーションから著しく成長させるとどうなるでしょうか?

伝えたい人に一瞬で誤解なく伝えることができる。それはまるでテレパシーのようなコミュニケーションかもしれません。

いちいち視覚情報に変換して電気信号に変換し直すのではなく、BMI(ブレインマシーンインターフェース)のように脳に直接送り届けるとするならば、その時、GIFは「見るもの」というよりは、「送り合われるデータ」としての役割を担っているかもしれません。

テレパシーの1歩手前のコミュニケーションツールは?そこでGIFは送られるのか?

テレパシーのような体験が将来的な理想の1つとした時に、テレパシーに至る途中のコミュニケーションツールについて先ほど説明した3つの性質を元に考えてみます。

「1) 速さと距離」は地球上ではLINEを使って日本とブラジル間を一瞬で伝えることができます。なのでこれ以上の改善は今すぐは難しそうです。「2) 保存=非同期」は紙からサーバーに変わり半永久的な保存は十分できています。しかし、「3) 伝達できる情報の量」つまり相手に誤解なく文脈や感情を伝えるという点では改良の余地がまだまだあるかもしれません。

現在、LINEなどのチャットでは文字とスタンプなどの静止画像を中心にやり取りをしています。しかし、自分自身の感情をより豊かに、楽しく伝えていくには動画コンテンツの方がリッチそうだと感じます。

しかし10秒〜15秒の尺ほどになってしまうと、情報量は確かに増えるのですが、今度は伝えたい内容を理解するまでに「速さ」を大きく阻害してしまい文字や画像に勝ることはできません。

改めてコミュニケーションコンテンツを歴史を追って見ていくと、静止画でない動きのある「動画」のコンテンツが1to1のコミュニケーションにスムーズに入ることができたのは、ガラケーの「デコメール」や「動く絵文字」、LINEの「動くスタンプ」の体験が挙げられます。それは短編、ループ、クリックレス再生する映像体験です。まさにGIF動画が満たす体験です。

デコメールの例(デコっち★えもっち webサイトより)

人類が視覚(目)を利用する限りは、超短尺の動画をコミュニケーションコンテンツとして利用し続けるかもしれません。

まとめ

第2回は「GIFの生存戦略 – 次世代ビジュアル言語編」と題して1) コミュニケーションコンテンツとしてのGIFについて触れました。世界各国で送られるGIFの違い、そしてコミュニケーションツールが移り変わる理由を 1) 速さと距離、2) 保存、3) 伝達できる情報の量の3つと仮設を立てました。また5G時代に向かい、より誤解なく情報量多く伝達するために「短尺、ループ、クリックレス再生」する体験をもつコンテンツが重要性が高まりました。

中国語、英語、日本語あらゆる言語を話す人が、たった一つの同じGIFを見ることで、「こんにちは」「好き」「具合悪い」という気持ちを伝えることができます。世界中のGIF作家やGIFプラットフォームによって新たな次世代のビジュアル言語が創られ、「ねこ」「楽しい」「素敵」といった名詞、形容詞、形容動詞にどのようなGIFがあてはまるかという壮大なGIFの辞書が創られていると言えそうです。

 

第3回は「GIFの生存戦略 – 芸術,エンタメコンテンツ編」です。2) メディアコンテンツとして、実際に芸術として評価されているGIFや政治、広告、エンタメに活用されるGIFについて、その理由を世界中の事例と共に考察してみましょう。Twitter(@sekai_seifuku)で感想やご意見いただけたら嬉しいです。DMもお待ちしています。ではまた次回お会いしましょう。

筆者

大野謙介 / GIFMAGAZINE 代表取締役社長 CEO

GIFの人。1989年、福島生まれ。2012年、横浜国立大学工学部卒。リクルート入社。2013年7月に「株式会社GIFMAGAZINE」を大学後輩の中坂雄平(CTO)と創業し、GIFプラットフォーム「GIFMAGAZINE」をリリース。世界中のチャットやSNSで頻繁に送り合われている「GIF」を通じて、絵文字やスタンプに続く「次世代ビジュアル言語の創造」を目指す。また「GIF」の芸術的側面とマスエンタメ側面(映画,アニメ)を両立した「新しいポップカルチャー」を創ることを目指している。Twitter(@sekai_seifuku)

 

第1回 “1度死んだGIFが復活した理由”
第2回 “GIFの生存戦略 – 次世代ビジュアル言語編”
第3回 “GIFの生存戦略 – 芸術、エンタメコンテンツ編”

(編集:Daisuke Kikuchi / TechCrunch Japan編集記者)

1度死んだGIFが復活した理由:大野謙介「GIF文化史」連載〜第1弾〜

「GIF文化史」/ 大野謙介 – 全3回連載概要

1987年に誕生し、インターネットのビジュアルコンテンツを支えた1990年代。FLASHによりミームとしての役割が弱まった2000年代。そして2011年、スマホ&SNSの爆発的普及によってサクッと手軽に楽しめるGIFは 「1) 次世代ビジュアル言語」また「2) 芸術、エンタメコンテンツ」として復活します。ファイルフォーマットの次元を超え、新たなポップカルチャーに変化しつつある「GIF文化」についてデータや事例と共に全3回で考察をします。

第1回 “1度死んだGIFが復活した理由”
第2回 “GIFの生存戦略 – 次世代ビジュアル言語編”
第3回 “GIFの生存戦略 – 芸術、エンタメコンテンツ編”

第1回 1分サマリー

本当に「GIF」が流行っているのか? 世界と日本それぞれ状況を定量的データや事例から考察します。そしてGIFが復活する理由となる2011年以降のスマホ&SNSの爆発的普及。また超短尺動画としての「GIF」の2つの役割 「1) 次世代ビジュアル言語」「2) 芸術、エンタメコンテンツ」について解説します。

「GIF(ジフ)」と聞いて一番に思い出すのは?

「GIF(ジフ)」と聞いた時にどんな映像が思い浮かぶでしょうか?いくつか代表的なGIFを見てみましょう。

インターネットのおもしろコンテンツとしてのGIF?

芸術として評価されるGIF?

出典:Ars Longa by Sholim © Sholim -GIFMAGAZINE

挨拶に使われるGIF?

© HattoriGraphics – GIFMAGAZINE

アニメや映画のワンシーンのGIF?

© 映画「アクアマン」【公式】-GIFMAGAZINE

 

現在、スマホでSNSやチャットを開けば、このように多種多様なGIFに簡単に出会うことができます。海外の方とFacebook Messengerでやり取りする人はGIFが送られてくるという経験をしているかもしれません。

しかし、日本で「GIF」と言うと、バナー広告としてのGIFや、どことなくギークな印象や古臭い印象を持たれている方が多いのではないかと思います。本当に世界でGIFは流行しているのでしょうか?

本当に世界でGIFは流行しているのでしょうか?

世の中の興味関心を定量的に表すデータとして、Googleトレンドを見てみましょう。Googleトレンドは、ある単語がどの国でどれだけ検索されているか、つまり興味関心を持たれているかを簡易的に知ることができるツールです。

「GIF」という言葉が「emoji(絵文字)」や「sticker(スタンプ)」と比べてどれほど検索されているのか、世界と日本のみで比較をしたグラフを見てみましょう。

2004年から2019年までの「GIF」の検索ボリューム推移:世界

グラフからわかること「世界のGIF」

  • 世界のGIFの流行は2010年7月頃から始まった。
  • 世界のemojiの流行は2014年2月頃から始まった。
  • 2019年2月時点でGIFはemojiの3倍検索されている。

2004年から2019年までの「GIF」の検索ボリューム推移:日本

グラフからわかること「日本のGIF」

  • 日本のGIFの流行は2014年6月頃から始まった。(※TwitterのGIF対応2014年6月と一致、世界から約4年遅れ)
  • 日本のスタンプの流行は2011年10月頃から始まった。(※LINEのスタンプ機能公開と一致)
  • 日本の絵文字は2012年3月頃をピークに大きく減少している(※LINEのスタンプ機能公開から5ヶ月後)
  • 日本の顔文字は2011年10月からピークに大きく減少している(※LINEスタンプ機能の公開と一致)

日本のスタンプの場合、Googleで探すというより、LINEで探す体験が主かと思いますが、上記の傾向自体は大きく間違いはないだろうと考えています。

またGIFとは別の話ですが、顔文字の検索数の大幅な減少タイミングとLINEのスタンプ機能が公開されるタイミングが一致していることを考えると「顔文字を衰退させたのはスタンプ」と言っても間違いはないかもしれません。

結論としては、GIFは、2010年7月頃から世界で流行し始めている。そして日本は約4年遅れで流行し始めていると言えそうです。また日本での流行は明らかにTwitterのGIF再生対応と一致してるのも面白いことだと思います。

ちなみに、アメリカでは2012年に「GIF」が流行語大賞に選ばれるほど一般的なコンテンツになっています。ここまでの事実から世界的にGIFは流行っているとは言えそうです。じゃあ2010年7月前後に何があったのかのでしょうか?

2011年、スマホ&SNSの爆発的普及

世界のスマホの出荷台数のグラフを見てみましょう。

出典:総務省 平成29年版 情報通信白書

2010年から2011年頃、世界的にスマホが普及していることがわかります。またそれに応じて、スマホのキラーアプリである、Facebook、TwitterなどのSNSのユーザー数も爆発的に増加します。

スマホが登場することにより、人が情報を得る体験が大きく変化しました。私自身も移動中の1分間、レジ待ちの2分間、トイレ中の3分間、スマホを反射的に開いてしまします。

就寝前の長時間スマホゲームやNetflixでの海外ドラマの長時間視聴を除くと、1) 非常に短い時間に、2) 何回もスマホを起動するので、1分の早回し料理動画を始め、サクッと短いコンテンツとしてGIFが好まれることは想像できます。

ちなみに、10代の女性は、1日あたり99回もスマホを起動するそうです。起きている時間を考えると10分に1回はスマホを立ち上げていると言えそうですね。

世界のGIF企業

ここまで、GIFが世界的に流行っていること、そしてその理由がスマホ&SNS、チャットの爆発的普及であることは説明をしました。すると、そのGIFを一箇所に集めたり、見やすくまとめられていると便利だと感じる人が増えてきます。

2013年ごろからアメリカ、中国、インド、日本、様々な国で各国ならではのGIFが楽しめるGIFプラットフォームが登場します。それぞれの名前と創業年、国を示します。

プラットフォーム名(創業年 国)

GIPHY (2013年2月 アメリカ)
GIFMAGAZINE (2013年7月 日本)
Tenor (2014年2月 アメリカ)
闪萌-weshine (2014年9月 中国)
GIFSKEY (2017年10月 インド)

GIPHY(アメリカ)はFacebook MessengerやInstagramなどを通じて毎日3億人が利用していると発表しています。また、2018年3月にはGoogleがTenor(アメリカ)を買収しました。

GIF検索はGoogle検索に現れない、感情検索エンジンとしても注目を浴びました。朝には「おはよう」のGIFを探します。昼には「ランチ」に関わるGIFを探します。告白したい人は「好き」のGIFを探します。

GIFを探すということは、Google検索ではわからない、毎日74億人が行う感情表現に貢献することにつながっていきます。

インドでは国内に多数の公用語が存在します。インドのGIFSKEYはヒンディー語やベンガル語などインドならではの9言語でGIFが探せるようになっています。英語をメインの検索キーワードとしたGIPHYやTenorでは対応しきれないGIFを見つけることできます。また宗教や独特なインド映画産業、国民的スポーツであるクリケットのGIFが人気で、GIFSKEYは地元インドに好まれるGIFを提供しています。GIFSKEYのトップページのカテゴリに「Gods(神)」が存在するのはインドならではと感じるおもしろい点ですね。

日本ではGIFMAGAZINEがLINEのトークの「+」メニューの中からGIFを送れる機能「ジフマガ」を2019年2月に提供開始しました。日本のアニメ、映画、芸能事務所、クリエイターなどの公式GIFコンテンツがLINEの中で送れるようになりました。

アメリカのGIFではフェアユースという考えが比較的浸透しています。ディズニーを始め多くの大手コンテンツホルダーが自社の映像コンテンツをGIFにして世界中の人に送り合ってもらったり、二次創作を許容しています。

日本はフェアユースという考えは浸透していませんし、コンテンツに対する愛や、クリエイターに対するリスペクトは非常に強い国です。

GIFMAGAZINEは、様々なクリエイターやアニメ、映画、芸能事務所の方々と共に、公式のGIFコンテンツを日本の方が楽しめるようにGIFを制作・配信しています。日本ではまさにこれからスタンプと並んでGIFが日常的に送られるようになるかもしれません。

GIFの本質は「超短尺動画」であるということ

ここまでの説明でGIFが復活した理由は、あくまでファイルフォーマットとしての魅力ではなく、「約3秒でループする動画」という「超短尺動画」としての性質がスマホ&SNSチャット環境にマッチしたからということは説明しました。

尺の違いによって動画の利用目的がどう違うのか実体験と照らし合わせて考えてみましょう。

“1分間”の早回し料理動画は自分自身が楽しむための目的として視聴します。しかし、URL自体を共有することはあっても、LINEの中で自分の感情表現として、コミュニケーションとして料理動画を送ることはなさそうです。

“3秒”のラッコのGIFを見てみてください。

©らっこの気持ち

「食後に自分で貝殻を返す健気なラッコがかわいい!」と自分自身が楽しむための目的として視聴することもできます。また、「ごちそうさまでした」という感情表現としてもLINEなどでコミュニケーションとして送ることはできそうです。

動画が超短尺(3秒前後)になると、コミュニケーションとしての役割が生まれることがわかる1つの事例です。

GIFの2つの役割

GIFの役割は2つあると考えています。

1) コミュニケーションコンテンツとしてのGIF
2) メディアコンテンツとしてのGIF

1) コミュニケーションコンテンツとしてのGIF、これはスタンプと同じ楽しみ方で、人に送るからこそ楽しいという超短尺だからこそできる動画の楽しみ方の1つです。

2) メディアコンテンツとしてのGIF、これは芸術や新たなエンタメコンテンツとして自分自身が楽しむという超短尺動画の楽しみ方の1つです。

まとめ

第1回では、本当に「GIF」が流行っているのかを定量的に見てみました。そしてGIFが復活する理由は2011年以降のスマホ&SNSの爆発的普及でした。それを支える各国にカルチャライズされたGIFプラットフォームの存在、そして超短尺動画としての「GIF」の2つの役割(送る楽しさ、自分で見る楽しさ)を解説しました。

第2回は「GIFの生存戦略 – 次世代ビジュアル言語編」と題して、1) コミュニケーションコンテンツとしてのGIFを見てみます。スタンプや絵文字と共に表意文字として世界中に送られるようになった理由を、1to1のコミュニケーションツールの歴史と共に考察してみましょう。

第3回は「GIFの生存戦略 – 芸術,エンタメコンテンツ編」として、2) メディアコンテンツとして、実際に芸術として評価されているGIFや政治、広告、エンタメに活用されるGIFについて、その理由を世界中の事例と共に考察してみましょう。

 

GIFって愛くるしいポンコツ感がたまらなくいいんですよね!Twitter(@sekai_seifuku)で感想やご意見いただけたら嬉しいです。DMもお待ちしています。ではまた次回お会いしましょう。

筆者

大野謙介 / GIFMAGAZINE 代表取締役社長 CEO

GIFの人。1989年、福島生まれ。2012年、横浜国立大学工学部卒。リクルート入社。2013年7月に「株式会社GIFMAGAZINE」を大学後輩の中坂雄平(CTO)と創業し、GIFプラットフォーム「GIFMAGAZINE」をリリース。世界中のチャットやSNSで頻繁に送り合われている「GIF」を通じて、絵文字やスタンプに続く「次世代ビジュアル言語の創造」を目指す。また「GIF」の芸術的側面とマスエンタメ側面(映画、アニメ)を両立した「新しいポップカルチャー」を創ることを目指している。Twitter(@sekai_seifuku)

(編集:Daisuke Kikuchi / TechCrunch Japan編集記者)

LINEでGIFスタンプを送信できる新機能「ジフマガ」の利用者が20万人を突破

日本最大級のGIFプラットフォーム「GIFMAGAZINE」運営のGIFMAGAZINEは2月4日、チャットアプリ「LINE」トークルームでGIFスタンプを送信できる新機能「ジフマガ」の利用者が、公開から約1ヵ月(12月12日〜1月24日)で20万人を突破したと明かした。ジフマガのベータ版は2018年12月に公開されている。

ジフマガはLINEのトークルーム上でGIFMAGAZINEに掲載されている200万点を超える作品の中から厳選されたGIFスタンプをLINEのトークルームで送れるサービス。

2019年2月時点で1500点以上のGIFスタンプが用意されており、常時追加される予定だ。これまでに「ファンタスティックビースト」や「グリンチ」など人気タイトルのGIFスタンプが追加されてきている。

GIFスタンプの送信方法は以下のとおり。

  1. LINEのトークルームで「+」マークからジフマガを起動させる
  2. メニューに表示される「ジフマガ」アイコンをタップする
  3. カテゴリ別に分類されたGIFを選択し、送信

なお「セリフメーカー」という機能もあり、GIFスタンプに好きなセリフを入れて送信することも可能だ。

2019年1月に3億円の調達を発表したGIFMAGAZINEは、資金をもとに「コミュニケーション領域におけるGIFコンテンツ配信サービスへ投資を行い、新たなビジュアルコミュニケーションのうねりを創り出す」と宣言していた。

現在、LINEのトークルームで「+」マークをタップすると、ジフマガ以外にも「QUICK GAME」、「JUNGLE PANG」そして「Tenor GIFs」といったマークが確認できる。

2018年3月にGoogleに買収された米最大級のGIF検索サイトtenorは2018年5月、「LINE向け初のGIFアプリ」Tenor GIFsを提供開始したと発表。ジフマガはLINEにとって2つめのGIFアプリという位置付けとなるが、ジフマガは日本でもなじみのあるアニメやイラスト、俳優を取り入れるなど、“日本人ユーザーにとって使いやすいコンテンツ”によりフォーカスしている。

WeChatのミニプログラムとは多少異なるが、ジフマガの提供開始は「トークのためのアプリ」という性質の強いLINEがミニプログラム領域に注力し始める兆候を示しているのかもしれない。LINE201811月、ミニアプリ構築サービス「Anybot」を運営するエボラニに出資している。エボラニへの投資はLINEにとってミニアプリ領域に対する初の投資だった。

GIFプラットフォーム「GIFMAGAZINE」が3億調達、コミュニケーション領域におけるGIF利用の加速を目指す

右がGIFMAGAZINE代表取締役社長の大野謙介氏、左がCTOの中坂雄平氏

日本最大級のGIFプラットフォーム「GIFMAGAZINE」運営のGIFMAGAZINEは1月30日、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資、ならびにみずほ銀行などからの借入により総額3億円の資金調達を実施したと発表。

GIFMAGAZINEはこれまで、gumi venturesおよびジャフコから資金調達を実施しており、今回の調達により累計調達総額は約7億円となった。

GIFはSNSやチャットとも相性が良く、アメリカや中国を筆頭に、海外では既にGIFを使ったコミュニケーションが広く普及している。たとえばアメリカではGIFのGoogleと呼ばれるGIPHYや2018年3月にGoogleに買収されたtenorなどのGIF検索サイトが有名だ。

ここ日本では盛り上がりにまだまだ伸び代がある状況。そんな中、「世に新たなポップカルチャーを生み出す」というミッションのもと、GIFMAGAZINEは国内を中心にGIFカルチャーのさらなる普及を目指している。

「映画やアニメはMP4でもMOVのファイルでも見られる。だがGIFは一種のカテゴリーだ。約3秒くらいの一瞬で終わる映像体験だからこそ見せられる表現やループの面白さがたくさんある」そう話すのは同社の代表取締役社長、大野謙介氏。

「GIFは非常に手作り感があり、長い間、紆余曲折ありながら生き残ってきた。その紆余曲折があったからこそ、ファイルフォーマットなのに人間味のあるストーリーが付与されている」(大野氏)

2013年7月設立のGIFMAGAZINEのメインの事業はGIFプラットフォームのGIFMAGAZINE。GIFクリエイターや一般ユーザーの投稿、企業やコンテンツホルダーが発信する公式動画など、200万点を超えるGIFが集まるエンタメ動画メディアだ。GIFMAGAZINEにはウェブ版iOS版アンドロイド版がある。

アート性の高いクリエイターによる作品のほか、映画、ドラマ、アニメ、スポーツなど、あらゆるジャンルの公式コンテンツを見たりシェアすることができる。最近だと映画「十二人の死にたい子どもたち」や奈良県マスコットキャラクター「せんとくん」の公式のものなども。

同社は加えて「GIFMAGAZINE STUDIO」という、100名を超える公式GIFer(作家)と共に企業のブランディングやプロモーションをサポートするサービスも展開している。

また同社は2018年12月に開催された「theGIFs2018」などのイベント開催にも注力。同イベントはGIFMAGAZINEとAdobeが共催というかたちで開催したGIFコンテストで、応募総数は1700点超。

渋谷HUMAXシネマで開催された表彰式は巨大スクリーンでGIFを鑑賞し日本一のGIF作品を決めるというものだった。最優秀賞を受賞したのはPercolate Galacticさんの「Ramen Stall」。

Ramen Stall

受賞理由は「ループ感すら感じさせない、ループしている事以上に勢いを感じる、LIVE感がある」作品であったから、など。

また、会場のロビーや階段には合計100台のiPadが配置され、合計500点を超えるGIFアニメが展示されていた。

「私たちが売り上げを伸ばしていくには、ユーザー、クリエイター、企業や広告主、そのコミュニティーを広げていくことが重要だ。企業がきちんとした価値を受け取れて、クリエイターがそれを通じて色んな仕事を受け取り、娯楽をユーザーに提供するというエコシステムを私たちは作っている」(大野氏)

そんな同社は調達した資金をもとに「コミュニケーション領域におけるGIFコンテンツ配信サービスへ投資を行い、新たなビジュアルコミュニケーションのうねりを創り出す」のだという。

同社は本日、GIFMAGAZINEに投稿されている200万点以上の作品の中から厳選したGIFを「LINE」のトークルームで送り合う事ができる「ジフマガ」というサービスに関しても発表している。LINEトークルームの「+」ボタンからGIFを呼び出しスタンプ感覚で送信することができる同サービスは、2018年12月よりオープンβというかたちで提供されているそうだ。

大野氏は「スタンプの次がGIFだとは思わないが、GIFには実写の持つ雰囲気やスタンプでは表現できない“間”があり、また、“ハロー”と“こんにちは”のあいだの絶妙な挨拶なども可能だ。そういう意味でGIFはスタンプよりもある意味で幅広いとも言えるのでは」と話していた。

Gfycatの「GIF」が音声付きにできるようになった

GIF作成ツールとオンラインコミュニティを提供するGfycatが、GIFを作成する新しい方法を提供している ―― 音声付きにすることができるようになったのだ。”Gfycat Sound”と呼ばれるこの機能は、”GIF”を作成する際に、GIF作成ツールが元の動画の音声を残すオプションを提供するというものだ。Gfycatは、これが特にゲーマーたちの間で人気が出るだろうと考えている。

同社はこれまでも既に従来型ではない様々なGIFの実験を行ってきた。例えば、より長いGIF、AR GIF、HD GIF、360 GIFなどを使って、古くゴツゴツしたGIFを進化させようとしていたのだ。

もちろん、結果として得られているGIFは、現時点では”.gif”ではない ―― それらは短い形式のビデオに他ならない。

これは”Gfycat Sound”にも当てはまる。だが、エンドユーザーがGIFの技術的な基盤を気にする必要はない ―― ユーザーたちは単に、長いコンテンツから取得した短いクリップを作成して共有したいだけなのだ。

(だがもし興味があるのなら…Gfycatは音声付き(モノラルでもステレオでも)のビデオをWebMとMP4に変換していると言っている。そして、1つのGfycat毎に生成される、14個のファイルのいずれとも合成できるように、音声は独立したファイルとして保存される)。

同社は、今年の初めに、コミュニティに対して最も欲しい機能を問いかけた結果を受けて、音声サポートを提供する決定を行ったと語る。「音声付きGIF」が、ユーザーからの最大の要求として戻ってきたからだ。

追加されたサポートを利用するためには、GIFの作成者はGIFを作成する前にGfycatのアップロードツールのスイッチを切り替えてサウンドを保持するか削除することを選ぶことができる。これまでと同様にアップロードしたビデオや、YouTube、Facebook、Twitchその他の場所からペーストしたリンクを通してGIFを作成することができる。また、ユーザーが無音の.gifファイルまたはビデオをアップロードした場合には、ソフトウェアがそれを検出する。

そのGIF編集ソフトウェアを使うことで、ユーザーはGIFの開始時間と終了時間を選択したり、共有する前にキャプションを追加したりすることもできる。

GfycatのサイトにアップロードされたGIFは、右上のアイコンをクリックすることで音声をオンして観ることができる(ありがたいことに、サイト上では音声はディフォルトでオフになっている。突然の大音響に晒される心配はないだろう)。

これらの新しい「音声GIF」は、開始時点で全てのモバイルならびにデスクトップブラウザー上で動作し、開発者向けのAPIドキュメントが提供されることはもちろん、2019年にはGfycatの対応するiOSならびにAndroidアプリも登場する。

「クリエイターたちがGfycat Soundをまずゲーミングに重用していることを知っています。eスポーツが世界的現象になっていることがその理由ですね」と説明するのはGfycatのCEO、Richard Rabbatだ。「いまや、ゲーマーは彼/彼女が勝利した「瞬間」を音付きで共有することができるようになって、自身のコンテンツのより高い拡散性を達成することが可能になりました」と彼は語る。「私たちのスポーツコンテンツもまたGfycat Soundの恩恵を受けています。観客たちの感情を共有できるようになったからです」とRabbatは付け加えた。

Gfycatより

実際のGIFファイルには音声を含めることはできないが、従来の.gifのコレクションと一緒に短時間のビデオを提供するように拡張したGIFツールメーカーは、Gyfcatが初めてではない。同じことをImgurが5月に提供している。その理由もGyfcatの挙げた理由と同様のものだ ―― コンテンツを本当に楽しむには、クリップの音を聞くことも必要なことがある。さらに言えば、広告主たちもビデオが大好きだ。

その単純な性質にもかかわらず、現在GIFは大きなビジネスだ。今年Googleは、トップGIFプラットフォームであるTenorを買収している。その買収時点で、Tenorでは毎月120億件以上の検索が行われていた。

4月にGfycatは、月間アクティブユーザー数が1億8000万人、ページビューが5億だったと発表している。

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(翻訳:sako)

GoogleはAndroidユーザー向けにWeb上のMessagesを提供

メッセージングに関するGoogleの多様な努力は、最近Alloを“休止”してMessagesに一本化されたようだが、そのMessagesが今日(米国時間6/18)からWebでも使えるようになる、と同社は発表した。全ユーザーへの展開は来週いっぱいかかるようだ。GIF検索やスマートリプライなど、GoogleがiMessageに対抗するために盛り込んだ機能は、すべて揃っている。

同社は今年初めにAlloのチームをAndroid Messageへ移し、そしてそのアプリはメッセージングのスタンダードRCSを使っている。世界中のモバイル企業の多くが採用しているそのスタンダードは、iMessageより機能が多く、開封確認やタイピングインジケーター、高解像度の写真共有、便利なグループチャットなどの機能もある。

今回Messagesは、iMessageにない機能をさらに増やした。それは、Webのサポートだ。

Appleのユーザーは今でも、専用のアプリケーションを使ってMacからiMessageの会話にアクセスできる。GoogleのMessages for Webもそれと似ていて、メッセージへのクロスプラットホームなアクセスを提供する。Androidユーザーは、スマートフォンを使っていなくても、メッセージを見たり、チャットに応答できる。

ただしMessages for Webの実装はWhatsAppのデスクトップと似ていて、スマートフォンと同期するためにはMessageのWebサイトでコードをスキャンしなければならない。

Googleによると、Messages for Webはローンチ時からすでに、ステッカー、絵文字、画像の添付などもサポートする。

来週中にサポートされる機能は、内蔵のGIF検索や、スマートリプライ(英語と絵文字による返事のみ)、会話中のWebリンクのプレビュー、タップしてワンタイムパスワードをコピーする、などだ。

ワンタイムパスワードのコピー機能は、iOS 12のiMessageにもある。ワンタイムパスワードを要求するアプリやサイトにログインするときは、それを入力すべき欄に一回のタップだけでコピーできるようになる。Googleのは一回じゃなく、コピーとペーストで計二回のようだ。それでも、十分便利だけどね。

試してみたい人は、Google PlayからMessagesアプリの最新バージョンを入手すること。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GIF業界がさらにヒートアップーGIFとスティッカーのプラットフォームEmogiが1260万ドル調達

ユーザーが簡単にGIFを利用できるようにするスタートアップへの資金流入が続いている。Emogiは今日、新たな投資ラウンドで1260万ドルを調達したと発表した。

GIF分野はすでに動きが活発だ。今年初めにGoogleが、いくつかのメッセージアプリにまたがって使える(最近LINEを追加)GIF検索エンジンのTenorを買収した。以前、Tenorは毎月120億回のGIF検索があると明らかにしていた。一方、クリエイターツールにフォーカスしているGfycatでは、毎月のアクティブユーザー数は約1億8000万人で、月5億件超の閲覧があるという。最大のGIFプラットフォームの一つ、Giphyの1日のアクティブユーザー数は3億人としている(最近、大規模な投資ラウンドの交渉を行ったと聞いている)。

つまり、全体的にかなりホットな業界といえる。これには理由がある。iMessageやその他のメッセージサービスが今や主要なコミュニケーション手段となり、ユーザーはその狭いスペースにたくさんの情報を詰め込む方法を探しているのだ。LINEのスティッカーやiMessageのアニ文字はさておいて、メッセージサービス企業は、ユーザーが大好きなゲームや映画、バスケットボールの試合のいい場面のクリップに感情を盛り込むのをサポートする新たな、またはクリエイティブな手段を探すのが不得手だったりする。

「私たちは消費者の行動を観察し、その結果、消費者はコンテンツを読んでいないことに気づいた」とファウンダーのTravis Montaqueは語る。「彼らは文字通り絵文字に反応している。それだけ。そうした行動は私たちにとって非常に興味深いものだった。私、そして何人かのエンジニアとデータサイエンティストによるチームだった当時、私たちは自分を表現する方法が求められていると判断した。そして、そうしたフォーマットに周囲がどう反応するか注意深く見ることにした。その結果、Emogiというビジネスに移行することになった。Emogiでは主要投資家とともに、カメラやキーボードのどんなアプリでもコンテンツ操作を充実させる手法の提供に取り組んでいる」。

協力する企業は、キーボードにEmogiのSDKを取り込み、それからユーザーの文脈についての情報を送る。タイピング内容や他の特質なことについての情報だ。それは、どんなGIFを一番使っているかを理解するのが目的だ。この点について、Montaqueは、ユーザーの会話をサーバーに送ることはなく、ユーザーのキーボードにモデルを送り、分析してきたと強調している。Facebookがプライバシー関連でかなりの混乱の最中にあるだけに、コミュニケーション企業はそうした点を強調しがちになっている。使用していた情報とは、意見やシェア、どんなコンテンツを何回も無視するのか、どんなタイプのコンテンツを扱っているのかといったものを含む。

Emogiのアプリにはコンシューマー向けの側面もあり、ユーザーはメッセージサービス内でスティッカーやGIFを動かせる。Emogiのゴールは、Tenorのような検索エンジン機能を提供するのではなく、文脈に基づいてコンテンツをカバーすることだ。GIF検索は、Googleが買収しただけあって、明らかに魅力的なものだ。ただ、そのTenorもまた、文脈にぴったりのGIFをいいタイミングで探し出せる方法を模索した。GIFを探すのにあちこちクリックするのを減らし、難なくGIFを引っ張ってくるというのはメッセージ分野では大事なことだからだ。

他のGIFプラットフォームのように(Tenor含む)、Emogiもブランドと協力している。Procter&Gambleのようなブランドに、広告以外のところでの消費者の行動を理解することができるマーケティングを目的とした縦断的手法を提供している。そうしたブランドのいくつかは複数のところと契約してマーケティングを行っているが、明らかにFacebookは含んでいないようだ。Emogiのようなアプローチはまだ実験段階ではあるものの、従来のやり方を展開してきた企業にとってこれまでリーチできなかった新しいユーザーを見つける、次なる手段となっている。

これが何を意味するかというと、Emogiが競争が激しくなっている分野へと進出しつつあるということだ。この分野における大手はそのことを用心し始めている。FacebookやLinkdInのようなプラットフォームがTenorのような企業をとりこもうとしているということは、つまり彼らは感情を狭いスペースに押し込むための方策を見つけることがメッセージ分野においてかなり重要であることに気づき始めている。TenorやGiphyはコンテンツのベースを構築するだけに終わるかもしれないが、Gfycatはまだ成長の余地を示している。Montaqueは、Emogiのコンテンツは1カ月に10億回もメッセージアプリに登場すると言っており、少なくともこれは今後サービスを展開するうえで幸先のいいスタートといえそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

Instagifは、GIFアニメを「プリント」できるカメラ

動く画像をプリントしたいと思ったことはないだろうか? 実はそれが(ほぼ)可能になった。Abhishek Singhというものづくり屋が作ったインスタントカメラは、Rapberry PiとPiTFT画面を組み合わせた小さな箱を吐き出す。このカメラで撮影すると、短いビデオがスクリーンに転送され、別の映像を撮るまで何度でも繰り返して再生できる。プロジェクトはすべて自分で設計して3Dプリントで作った。データは公開されているので自分で作ることもできる

Singhは自分のハッキングプロセスを真似したい人のために、ハウツー書も書いた。SinghのGIFプロジェクトはこれが最初ではない。彼の作ったPeeqoというロボットの返答はGIFで作られている。普通のAlexaの会話もできる。SinghはNYUのITPプログラムに属しており、このプロジェクトは彼が「ものと動画とGIFを作ること」が大好きなおかげで実現した。

3Dプリントしたカメラから、パラパラ漫画が出てきたら楽しいと思わないか? きっとそれはSinghの次のプロジェクトだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2億DAUのGiphy、スポンサードコンテンツ導入を検討中との噂

そろそろ、といったところか。

設立から4年が経ったGIF検索サービスのGiphyが、ついにマネタイズにとりかかろうとしている。

関係者によれば、Giphyはメッセージアプリ内でのスポンサードGIFのテストを近々始めるとのこと。つまり、今後メッセージアプリ内でGIFを検索したユーザーは、スポンサー付きのGIFを目にするようになるかもしれない。

ある程度のユースケースは容易に想像できる。例えば、「月曜」や「朝」といった単語が入力されたらスターバックスのGIFが表示される、といった具合だろう。その一方で、特に映画やテレビ番組(そもそもGiphyのコンテンツの大部分は映画やテレビ番組の切れ端だ)をはじめとするブランドが、既存のコンテンツを使ったGIFを配信するという可能性もある。

仕組み自体はGoogleの検索広告と大差ない。Googleで「Walmart」と検索すれば、恐らくWalmartやTargetの広告が表示されるだろう。

しかしGiphyが一般の検索サービスと違うのは、主な検索ワードがブランド名ではなく、動作やリアクション、感情に関連した言葉だという点だ。つまり、スポンサードGIFが導入されれば、「Wooo(やったー)」という検索ワードに対して、ショットグラスにJose Cuervo(テキーラ)を注ぐGIFが表示されたり、「Cheers(乾杯)」という言葉に、バドワイザーのボトルを打ち付け合うGIFが返ってきたりするかもしれないのだ(ここでNetflixが「Chill(ゆっくりする)」で広告を打たなければガッカリだ)。

また、Giphyのスポンサードコンテンツは、Snapchatのスポンサードフィルターのような形で機能することになるだろう。例え企業が裏についたコンテンツだとしても、友人から送られてきたということでユーザーがコンテンツを目にする確率は上がるため、ブランドは消費者にリーチしやすくなる。

先述の関係者によれば、GiphyのDAU(日間アクティブユーザー数)はAPI経由とウェブサイトを合わせて2億人に達し、Giphyが管理しているサービスとウェブサイトを合わせたMAU(月間アクティブユーザー数)は2億5000万人におよぶという。つまり、ほとんどのユーザーが毎日Giphyを利用しているのだ。

スポンサードコンテンツの配信がいつ頃始まるかについてはわかっておらず、Giphyもコメントを控えている。しかしGiphy COOのAdam Leibsohnは、同社がユーザー数を伸ばす段階から広告商品を開発する段階に移行したと語った(その広告がどのようなものになるかについては明かされなかったが)。

「GIPHY Studios経由で、すでにパートナー企業とは1年以上コンテンツ制作で協力してきました」とLeibsohnは語る。「その経験から、広告商品をどんなものにするべきかという方向性が決まってきました」

どんな企業が最初に広告をテストすることになりそうか尋ねたところ、「コンテンツやエンターテイメント、テクノロジー、広告の分野では、既に世界的に有名なブランドと一緒に仕事をしています」とLeibsohnは語った。「広告をローンチするとなると、既存のパートナーをビジネス相手として考えるのが自然な流れでしょうね」

テストに関しては、どのプラットフォームが実験台になるのかまだハッキリしない。さらに、自社のウェブサイトやアプリ以外のプラットフォーム上でスポンサードコンテンツを配信するとなった場合、ビジネスモデルはどうなるのだろうか。

Slack、iMessage、Facebook Messenger、Twitterといったサービスは全てGiphyにとっては大口のプラットフォームだが、初期テストには少し規模が大きすぎるかもしれない。ここで忘れてはいけないのが、Giphyは何がうまくいくのか試すためにスタンドアローンアプリを次々にリリースするような企業だということだ。

戦略的に言えば、スポンサードコンテンツの実験台にぴったりなのはTinderだと個人的には考えている。既にTinderにはGiphyが統合されており、ユーザーはかなり頻繁にGIFを使っている。実際に昨年の人気トップ25に入ったGIFの中には、Tinderユーザーのおかげでランクインしたものがあった。

このようにTinderとGiphyの相性は(エンゲージメントの観点から)抜群な上、TinderでのデビューはTwitterのようにパブリックなプラットフォームに比べればリスクが低く、仕事で使われることの多いSlackほどの不確実性ややりにくさもない。

本件についてTinderにコメントを求めたが、今のところ返答はない。

スポンサードコンテンツの他にも収益化のポイントはいくつも思いつく。まず彼らにはウェブサイトへの膨大なトラフィックがある。実際のところ、訪問者の50%以上はコンテンツを閲覧する目的でウェブサイトを訪れているとGiphyは語る。

つまり彼らは、検索ワードを使ったネイティブ広告をウェブサイト上でも販売できるのだ。

さらに現在Giphyは、アカデミー賞やゴールデングローブ賞といった大型イベントに合わせてライブGIFを公開している。今のところGiphyのチームは無料でライブGIFを制作しているが、これから各イベントとパートナーシップを結ぶというのは十分ありえる。『フルハウス』や『となりのサインフェルド』といった往年の名作を使って、大手テレビ・ケーブルテレビ局向けにGIFを作るというアイディアには触れるまでもないだろう。

P2Pのネイティブコンテンツが未来の広告の大部分を占めるようになると考えている人はたくさんいるが、実際にはそれがどのような仕組みになるのかというのは未だよくわかっていない。しかしGiphyは比較的短期間のうちに、iMessage上であれ、Twitter、Tinder、Slack上であれ、私たちのコミュニケーションの欠かせない一部となった。

なおGiphyは2016年10月に7200万ドルを調達しており、これまでの累計調達額は1億5000万ドル、評価額は6億ドルにのぼると言われている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

GIF30年の歴史を振り返る――圧縮フォーマットからコミュニケーションツールへの変遷

【編集部注】執筆者のDavid McIntoshはTenorの共同ファウンダーでCEO.

大きな変化を遂げずに5年以上――ましてや30年も――生き残れるテクノロジーはそう存在しない。過去10年間を振り返ってみても、携帯電話の情報処理能力は20倍近く向上し、マルチタスキングや視覚的なメッセージといった機能が追加された。HTMLの規格は5代目に突入し、ウェブ上の動画ストリーミングに使われるフォーマットはFLVからMP4へと移り変わった。IntelのファウンダーのひとりであるAndy Groveがかつて言ったように、「極度な心配性の人だけが生き残れる」のだ。そして進化しないテクノロジーは、いずれ時代遅れになっていく。

今年の夏で30周年を迎えたGIFは、変化の激しいテクノロジー界で長年生き残る、数少ないファイル形式のひとつだ。誕生時から技術的な変化はないGIFだが、これまでに3つの”人生”を経験し、今では過去にないほどの人気を誇っている。

第一の人生:画像ホスティングテクノロジー

GIFは、BMPをはじめとするファイル形式よりもサイズが小さい可逆圧縮フォーマットとして1987年に誕生し、それからすぐにウェブブラウザーを中心にサポートされていった。1989年にはGIFアニメも誕生したが、当時は単に効率的なファイルフォーマットして、静止画を中心に利用されていた。

 

第二の人生:ライトなエンタメ動画

初期のGIFアニメの多くは、Microsoftのクリップアートのような見た目で、ウェブサイトのナビゲーション要素として使われることもあった。ジオシティーズの登場で何百万人という人が自分のウェブサイトを作れるようになると、彼らは訪問者を楽しませようと、回転するメニューや燃えるビュレット、3DアニメーションなどのGIFアニメを使ってウェブサイトを自分流にアレンジしていった。この傾向はMyspace人気が高まるにつれてさらに加速していく。

Myspaceユーザーが自分のページを飾る”アクセサリー”を見つけるためのウェブサイトも、この頃大量に生まれた。しかし、YouTubeをはじめとする動画サイトの台頭とともにMyspace人気に陰りが見え始めると、GIF人気も落ち込み、そのうちGIFはニッチなネット掲示板でだけ使われるようになっていった。しかし、2009年頃からTumblrのユーザー数が増えるにつれて、GIFは復活を果たす。

Myspace同様、Tumblr上でGIFを使って自己表現を試みる人たちも出始めたが、彼らは点滅する文字の代わりに、お気に入りの映画やテレビ番組、オンライン動画のワンシーンを切り取ったものを共有した。これがBuzzFeedやImgur、GiphyといったGIFホスティングサービスへと繋がっていく。

第三の人生:コミュニケーションツール・ビジュアルランゲージ

モバイルメッセージが急速に普及する中、消費者のアテンションスパンとともに彼らが交わす言葉自体も短くなり、「lol(laughing out loud=爆笑)」や「jk(just kidding=冗談だよ)」といった略語が使われるようになる。こうして、かつては3〜5分かかっていたことも、3〜5秒間で行われることに。

今やGIFは文化的な文脈を使い、たった数秒間で感情をフルに表現できる、視覚的な略語のような存在になった。従来の略語よりも表現力が豊かで、広がりのある言葉だ。

例えば昨年だけでも、40億種類以上もの思いや感情、感覚がTenor(GIFホスティングサイト)の検索欄に入力され、検索ワード数は新たなニュースや文化、ミームの誕生に応じて日を追うごとに増えている。

モバイル界におけるGIFの転換期は、iOS8でカスタムキーボードがサポートされるようになった2014年秋までさかのぼることができる。コミュニケーションツールとしてのGIF第三の人生は、モバイルという史上最大のデジタルプラットフォーム、そしてその活動の中心がコミュニケーションであることを背景に、これまでの人生を大きく上回った。

誕生から30年が経ち、今やGIFはコミュニケーションとは切っても切れない関係性を構築し、モバイル界のビジュアルメッセージの新たなプロトコルへと進化したのだ。これ自体も素晴らしいことだが、GIFの人生はまだこれからだ。将来的には30億人ものモバイルユーザーが、1日に感じる何十種類という感情をGIFを使って表現するようになるだろう。

最後に先月の記念日を祝って、30年間の歴史の中でGIFの方向性を大きく変えた出来事を以下にリストアップした。

1987年:当時CompuServeのソフトウェアエンジニアだったSteve Wilhiteがグラフィックス・インターチェンジ・フォーマット(GIF)を開発
1989年:CompuServeがアニメーションをサポートしたGIFの改良版を発表
1993年:Mosaicブラウザのリリースにより、World Wide Webが一般公開される
1995年:NetscapeがNavigator 2.0にGIFアニメのループ機能を導入
2003年:Myspaceがローンチし、GIFを使ったウェブサイトの装飾が人気に
2007年6月:iPhone第一世代がリリースされ、iMessageをはじめとするメッセージングアプリが黎明期を迎える
2010年8月:新オックスフォード米語辞典第三版に「ギフ」と「ジフ」両方の発音が登録される
2014年10月:iPhone初となるGIFキーボードがローンチ
2015年6月:Facebook MessengerへのGIFボタン導入でトレンドに火がつき、その他の何百種類にもおよぶサービス(Twitter、Kik、WhatsApp、Discord等)にもGIFメッセージ機能が搭載される
2017年6月:世界中のモバイルユーザーがGIFの30周年を祝福

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Google、学術資金援助論争にGIFアニメで回答

先週、Campaign for Accountability(CfA)という権利擁護団体が、過去数年間にGoogleから資金援助を受けた学者および政策専門家のリストを公開した。これがちょっとした議論を巻き起こした。主としてそれは、リストに掲載された学者の数多くが自分はここに載るべきではないと考えているためだった ―― Googleから受けた資金がCfAのリストに書かれた研究と無関係である、あるいは、そもそもGoogleから資金を受け取っていない。

先週Googleが発表した最初の反応は次のような内容だ。「オープンインターネットの基礎をなす原理は、こうした課題に長年取り組んできた数多くの学者や研究施設の努力によるものであり、著作権、特許、表現の自由など多くの重要な分野にわたる。われわれは彼らが今後も研究を続け、そのアイデアを広めるための支援を行う」。

さらにGoogleはCfAを直接攻撃し、同グループは透明性を擁護していながら、グループ自身の資金提供者は闇に包まれていると指摘した。唯一わかっている支援者はOracleであり、様々な分野で明らかにGoogleと競合している会社だ。グループは最近SolarCityとTeslaも標的にした。さらにGoogleは自社のブログで、「AT&TMPAAICOMPFairSearchを始めとする数十もの会社」が類似のキャンペーンに資金提供していると主張した。

本誌がGoogleに追加のコメントを求めたところ、回答は以下の通りだった:

Googleのような会社が、コメント要求に対してGIFアニメーションで回答することは珍しいが、私が思うにGoogleはこの議論から早く抜けて学者たち自身に語らせたいということを示したのだろう。

CfAのやり方は理想とは言い難いが、たとえ少額でも資金提供が研究に影響を与えうることを指摘する正当な質問ではある。この種の公開議論は製薬研究に関わるものがほとんどだが、Googleを始めとする巨人IT企業が学術研究への資金提供を増やすにつれ(そしてロビー活動を強化するにつれ)、こうした行動が政策研究に与える影響についても議論する価値があるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple ARKitの可能性を感じさせるGIF動画13選

Appleの最新OSは、まだ開発者向けベータ版でしか提供していないが、すでに多くの開発者がiOSの拡張現実プラットフォーム「ARKit」を使ってアプリを開発している。

ARKitの開発者ツールは、ロケーション・マッピングという大変な処理を肩代わりするため、クリエイターは物理世界とデジタルの世界をどのように組み合わせたらもっとも自然な作品になるかという部分に注力できる。

開発者はこの新しい媒体を使って実験を始めたばかりだ。今後、AppleはさらにARを開拓していくことが期待される。Twitterアカウント@MadeWithARKitでは、ARKitで制作されたプロジェクトを見ることができ、この記事ではいくつか注目プロジェクトをGIFで紹介する。

ここで紹介するプロジェクトの中には、例えば、Microsoft HoloLensで見たようなデモと類似しているものもある。こうしたアプリで実現する機能は近いうちに何万台のiOS端末に届くことになるだろう。開発者は多くのオーディエンスにリーチでき、それはARKitで実験するインセンティブにもなっている。また、次世代のiPhoneにはディープセンシングが可能なARに特化したカメラセンサーモジュールを搭載するという噂だ。今後ARプラットフォームはますます面白くなるだろう。

確かにこれらのアプリはまだぎこちなく、「すごい、面白いね!」というフェーズだ。Zippoのライターアプリを初めてiPhoneにダウンロードして、友達に見せていた頃と同じだ。これらのユースケースからさらに発展したアプリが近い将来登場するだろう。その時、Appleのモバイルプラットフォームにおける拡張現実の発展が進むことになるだろう。

Appleがモバイル端末ベースのSLAM(ローカライズとマッピングの同期)において、技術的に洗練されたシステムを構築できたことを明らかだ。そしてこれは他のSnapやFacebook、Googleが提供するARプラットフォームより短期間で自社エコシステムに開発者を惹きつける理由になるかもしれない。

踊る登場人物
ARKitは視聴者にとって馴染みのある場所で物語を展開することができる。視聴者と物語との関わりを強めることができるだろう。

Source: Tomás Garcia

 

どこでも測ろう

デモの中でも実用的なアプリ。ARKitのツールで巻尺を作る。測定もかなり正確なようだ。

Source: Laan Labs

 

メニュー紹介

レストランがメニューに乗っている料理を全部3Dスキャンするのは難しいかもしれない。けれど、頼む前にメニューが見えるようになれば、注文の取り消しは随分と減らせそうだ。

Source: Alper Guler

 

仮想世界への入り口

このデモでは、ARKitでVRの世界をモバイルに取り込める可能性を示している。洗練されたトラッキング技術のおかげだ。

Source: Nedd

 

机の上でバスケの試合

ボリュメトリック(大容量での)キャプチャーは簡単にできることではないが、適切な機材とスタジオがあれば、お気に入りのアスリートやセレブを自宅で再現することもできる。

Source: 应高选

 

SpaceXロケットの着陸

すべてが正しい位置にある時、物理世界とデジタルのインタラクションが最も映える。

Source: Tomás Garcia

 

ARで塗り絵

Googleが発表したVRのTilt Brushは画期的だ。ユーザーは仮想空間内で色を塗ることができる。このデモでは、それと似た体験をスマホ端末ベースのARで再現している。

Source: Laan Labs

 

いつでもMinecraft

MinecraftはVRを含め、様々なプラットフォームで利用できる。このデモは、この人気シリーズをARの世界でも再現している。

Source: Matthew Hallberg

 

オフィスでスペースインベーダー・バトル

いつもと同じオフィス。AppleのARKitを通してみるとこうも変わる。

Source: Daniel Rodriguez

 

3Dモデルを見る

Sketchfabの開発者らは3Dオブジェクトの巨大なライブラリを作成した。ARKitを使うと、彼らのオブジェクトをAR空間で簡単に見ることができる。

Source: Sketchfab

 

ゴッホの世界

ARを通してみることで、私たちがどのように絵画を鑑賞するかが変わるかもしれない。

Source: Mark Dawson

ラクロワ三昧

説明は要らないよね。

訳注:ラクロワはアメリカで人気の炭酸水飲料。

Source: Aaron Ng

 

太陽系を見てみよう

ARKitを教育現場でも使える一例。現在、K-12(幼稚園から高校まで)で利用されているiPadの数を考えると、ARが教育に与える影響は少なくないだろう。

Source: @krutosh

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Facebook、コメント投稿時の「GIFボタン」を採用

Facebookの投稿への返信に、動きをもたせることができるようになった。GIF誕生30周年となる今年、Facebookは3ヶ月のテストを経てGIFアニメによる返信機能を実装したのだ。ちなみに、Messengerではこの1年で130億のGIFが送信されていて、2017年の元旦だけで4億のGIFがやり取りされたのだとのこと。

コメント時に表示されるGIFボタンを押すと、コメント画面から移動することなGiphyTenorのGIFを検索して使用することができるようになっている(デスクトップ環境では、Messengerの場合と同様に「トレンド」GIFも表示されるようになっている)。

訳者注:役者の環境では、現在利用可能なのはデスクトップのみで、スマートフォン(Android)上ではまだGIFボタンが反映されていません。

ちなみに、GIFが利用可能となったのは2年前のことだった。しかしこれまでは、他のGIFサイトに移動してGIFを検索し、そしてURLを貼り付ける必要があったのだ。GIFボタンを実装して、その場で探せるようになったことで、GIFの利用ははるかに容易になった。とくにモバイル環境で便利に利用することができるだろう。現在のところ、GIFボタンが利用できるのはコメントする場合のみだ。しかしいつでもGIFを使いたいと考える人はますます増えており、おそらくは自らの記事を投稿する際にもGIFをが使えるようになるのだろう。

Facebookは、今回の「正式サポート」前にも、GIFサポートを行なってきていた。しかしフィードが騒々しくなってしまうという考えもあり、なかなか広く採用するまでにはいたっていなかったのだ。しかしFacebookの意向に関係なく、利用者はGIFの利用方法を見つけ出して実践してきていたのだ。GIF採用を躊躇ううちに、Imgurなどにチャンスを与えることにもなっていた。本日をもってFacebookは、ニュースフィードをより「リッチ」(うるさい、と感じる人もいる)なものにすることとなったわけだ。他にも自動再生ビデオをサポートしたり、投稿の背景色を変えるような機能ももたせている。

CompuServeが1987年に生んだGIFの30周年にもあたっているし、タイミング的にも良いアイデアだといえるかもしれない。なおFacebookはGIFの読み方についての投票なども行ったりしている。GIF生みの親であるSteve Wilhiteの意向を無視する形で議論が繰り返されたりもしている。

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(翻訳:Maeda, H

NFL、各チームによるSNS投稿ポリシーを緩和

OAKLAND, CA - NOVEMBER 27:  Derek Carr #4 of the Oakland Raiders celebrates after a touchdown by Latavius Murray #28 against the Carolina Panthers during their NFL game on November 27, 2016 in Oakland, California.  (Photo by Lachlan Cunningham/Getty Images)

2ヵ月ほど前、NFLはチームによるゲーム中のソーシャルメディア投稿を厳しく制限するルールを定めた。当然のことながら、反対意見が相次いだ。チームはもちろんファンも、ソーシャルメディアの有効性を否定するかのような決定に不満をつのらせていた。NFLとしては、視聴率の低迷をなんとかしたいという判断で行ったものだった。

しかしどうやら、NFLは制限を緩和する方向に転換することとしたようだ。Yahoo Financeが入手した各チーム宛のメモには、ファンとの交流にソーシャルメディアを使うことを制限付きで認める旨が記されている。

以下にNFLのソーシャルメディア・ポリシーの変更点を記しておこう。これも先述のYahoo Financeが入手した情報によるものだ。

  • 各チームは試合中にも「non-highlight」ビデオをソーシャルメディアに投稿することができる。これまでは、試合中にはいかなるビデオ投稿も行うことができなかった。「non-highlight」とは、プレイの様子を映したものはNGであるという意味だ。ただ、ハーフタイムショーの様子や、ファンの姿などは投稿できるようになったわけだ。
  • 試合中に投稿できるビデオは、各ソーシャルメディア・プラットフォーム毎に16件ずつとなった。これまでは最大8投稿までとなっていたのが倍増したことになる。
  • 試合中であっても、独自のGIF画像を投稿できるようになった(プレイの様子を映したものは投稿できない)。これまではゲーム中の様子を示すいかなるGIFも投稿することができなかった。どうしてもGIFを投稿したい場合には、特定の試合に関連しないGIFを投稿することになっていた。
  • Snapchatへの投稿は、試合中5件まで認められることとなった。これまでは、ゲーム中の投稿は一切認められていなかったのが緩和されることとなる。これにどのような意味があるのかはまだわからないが、テレビおよびNFLの公式投稿以外では、Snapchatが唯一ゲームの様子を見られるメディアということになる。
  • ルール違反に対する巨額の罰金は継続される。すなわちプレイの様子をライブでソーシャルメディアに投稿するようなケースでは、10万ドルもの罰金を課される可能性がある。

なお、Yahoo Financeが入手したというメモにはGiphyとの「試験運用の同意」についても触れられている。NFLゲームの公式や、過去の名シーンのGIFなどを提供していく予定なのだとのこと。

この件についてはGiphyに詳細を確認しているところだ。NFLが制作したGIFを公開するプラットフォームとなるようで、新たにゲーム中の様子をGIF化して公開/保存するというわけではないようだ。

今回の新しいルールでも、各チームは試合中の様子をGIF化して公開するようなことはできない。ゲームの様子をソーシャルメディアに投稿するには、NFLが制作したものを投稿するしかない。NFLが「公式」コンテンツを投稿するまで各チームは何のアクションも取れないわけで、これは依然としてチームの不満をよぶ要素ではある。

NFLも1試合しかないような場合には、即座にゲームの様子をGIF化する努力を行なってはいる。しかし試合が8つも重なるような場合にはGIF動画をつくるのにも時間がかかる。また、チームが公開したいと思う場面が、NFLの意向と一致しないケースも多い。そのような場合には、NFLに依頼して作ってもらう必要がある。当然ながら時間がかかることとなるわけだ。

とにもかくにも、ルール変更により各チームはこれまでより多くの情報をソーシャルメディアに投稿できるようになった。今後の話し合い次第では、プレイの様子を投稿できるようにもなるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H

GIFをWebMに変換して共有するGfycatが1000万ドルのシード資金調達―ネット・ミーム拡散に最適

Gfycat (「ジフィーキャット」と発音)というスタートアップがなんと1000万ドルというシード資金を調達した。GfycatはすでにインターネットのGIF動画共有サイトとして大人気だが、巨額のシード資金を得ていよいよ収益化に向かうとみらる。

コンテンツの生成についていえば、250万人のユニーク・ユーザーが2500万のGfycats動画―つまり無音声でループを続ける短い動画クリップをこのサイトに投稿している。

月間アクティブ・ユーザー7500万がGfycatを訪問しており、再生回数は15億回に上るという。

ファウンダー、CEOのRichard Rabbatによれば、「われわれが再生するのは技術的な立場からいえばGIFではない。 ユーザーがこのサイトにGIF動画を投稿すると、われわれはWebMに変換して公開する。WebMはオリジナルのGIFよりはるかにサイズが小さく、読み込みも高速で共有も容易になる」と説明する。

「共同ファウンダー自身、熱心なGIF動画クリエーターだが、GIFは作成に手間がかかり、アップロードも難しく、共有して表示したときの画質にも満足できなかった。われわれはビデオのハイライト部分を簡単にアップロードして共有できるようにしたかった」とRabbatは説明する。

GfycatはすでにAlexaの全米トップ100サイトにランクインしている。ただし、まだ収入を得る仕組みを得ていない。メディアの連続起業家であるRabbatは2015年にDan McEleney、Jeff Harrisとともにこのサイトを開設した。

現在GfycatはAPIをデベロッパーに公開している。つまりデベロッパー(とそのユーザーは)自サイトからビデオやGIFファイルを Gfycatに直接アップロードして表示させるアプリを開発できる。【略】

Twitch.tvにいち早く投資したことで知られるAlsop Louie Partnersが今回のシード資金ラウンドをリードした。またPear VenturesYou and Mr Jones、スタンフォードのStartXファンドもラウンドに参加した。またこれ以外にGfycatへの個別の投資を行われている。【略】

ユーザー生成動画の共有分野は競争が激しく、Photoshop、Imgur、Giphy、CinemagramなどGfycatのライバルとなるプラットフォームややテクノロジー・ツールは無数に存在する。

しかしGfycatは主要なブラウザが標準でオンラインのGIF的フォーマットをサポートするのに合わせて絶妙のタイミングでWebM動画を共有するプラットフォームを公開した。

Rabbatによれば、 Gfycatでいちばん人気があり、何度も共有されるコンテンツはゲーム関係のクリップだという。つまりユーザーがハイスコアを記録した瞬間や、ゲームに関連したユーモアなどだ。また政治的メッセージの動画、動物のクリップも人気があるという。

画像: Gfycat

〔日本版〕 いちばん下のGfycatはサラリーマン風の男がポケモンGOに夢中になるあまり周囲に大迷惑をかけるというユーモア動画。WebMはGoogleが中心となって2011年頃から開発が始められたビデオフォーマット。GIFに比べてファイルサイズを最大10分の1程度に圧縮できるという。Wikipeidiaに簡単な解説がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

「GIFアニメのGoogle」、Giphyは評価額3億ドルで5500万ドルのラウンド完了

2016-02-17-giphyseriesc

GiphyはいわばGIFアニメの世界のGoogleだ。今日(米国時間2/16)、Giphyは5500万ドルのシリーズCラウンドを完了した。資金調達後(post-money)の会社評価額は3億ドルに上った。

今回のラウンドをリードしたのはLightspeed Venture Partnersで、General Catalyst Partners、RRE、Betaworks、Lerer Hippeau Ventures、CAA他、既存のGiphyへの投資家も参加した。

Giphyが正式にローンチしたのは2013年で、その目標は、Google風に表現すれば「世界中のすべてのGIFファイルを検索し、発見し、共有する」ことだった。実際、Giphyは多くの点でGoogleを見習っており、このシステムではユーザーはタグを付してGIFファイルをウェブにアップロードすることでGiphyから検索可能になる。またGiphyには検索機能をもつネーティブ・モバイル・アプリも存在する。

Giphyはスタート以來、飛躍的に成長してきた。これにはGiphyがメディア、サイトの運営者向けに提供する「ライブGIF化」ツールの力も大きい。このツールを使えば独自のコンテンツを簡単にアニメにできる。メディアではライブ中継(グラミー賞、エミー賞など)の際にリアルタイムで共有可能なGIF画像を作るなどしてきた。このような大イベントで検索可能なGIF画像ライブラリーを生成するにあたってはGiphyチームの全員が協力したという。

しかしなんといっても最大の話題はGiphyがSlackやFacebook Messengerといった主要なチャット・プラットフォームにアニメ化テクノロジーを提供したことだろう。

驚いたことに、 Giphyはまだ収益化されていない。それでもビジネスの現状をみれば3億ドルの評価額は納得できる。Giphyには多額の収入を産み出すに足るさまざまな技術とユーザーベースがある。

いちばん明白な収益化の道はアニメの「アドワーズ」となることだろう。Giphyで検索するとアニメ化ファイルが発見されると同時にスポンサーの広告も表示されるシステムだ。われわれはファウンダー、CEOのAlex Chungに電話でインタビューしたが、「Googleが〔アドワーズで〕あれほどうまくやっているなら、Giphyでもうまく行かないはずはないというのがChungの考えだった。Giphyが収益化に路線を切り替えたとき、この検索連動広告が売上の大きな部分を占めることになりそうだ。

しかしGiphyはさらに革新的な収益化の方法をいくつも考えている。

たとえば、もともと収益化が難しいメッセージ・アプリの世界でGiphyが初めて収益化に成功する企業になるかもしれない。

Giphyは現在SlackにTranslateツールを提供しており、Slack,で /giphy (プラス、キーワード)と入力すると驚くようなGIFファイルを発見できる。そこで、たとえば“/giphy hungry”とタイプしてメッセージを共有するとMcDonaldのハンバーガーのGIFのCMが表示される、あるいは“/giphy monday morning”で Starbucksのアニメが表示されるというような応用が考えられる。

こうした手法はGiphyにとって収益化のひとつの手段であるだけでなく、SlackやFacebookにとってもメッセージ・アプリの面白さを高め、利用を増やすという効果があるだろう。ここでGiphyが追求してきたユーザー制作になるGIFファイルを検索可能にするテクノロジーが生きるかもしれない。

Giphy Camは同社として最初のGIF生成アプリだが、たとえばStar Wars、Zoolander、 X-Filesなどの人気ブランドは簡単に多数のGIFアニメを制作してアプリに追加できるようになる。現在のところGiphyはこうした方面から収益を上げようとはしておらず、できるだけ多数の有力なパートナーを得て足元を固めようとしている。

しかしあらゆる人気ブランドにGiphyによるアニメと生成されたアニメを簡単に共有できるフィルターが装備されるようになれば、これをベースにGiphyがなんらかの方法で多額のキャッシュを得るようになるというシナリオは想像に難くない。

Giphyの今回の資金調達は数ヶ月後に予想される収益化の準備のために重要な役割を果たすことになりそうだ。ただしでChungは、われわれとのインタビューでも具体的なスケジュールを明らかにすることは避けた。

Giphyのサイトはこちら

〔日本版〕現在Giphyでhungryを検索すると腹ペコだったり何かを食べていたりするGIFアニメが即座に表示される。こちらはmonday morningで苦しんでいるありさま。GIFが動かない場合、マウスオーバーで再開すると思われる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、モバイルアプリケーションに専用「GIF」ボタンの搭載をテスト中

giphytweet

手軽にGIFを使えるようにして、Twitterの魅力を広げてみようとする動きがあるらしい。Twitterのモバイル版アプリケーションにGIFをシェアするためのボタンを装備する実験が行われているようなのだ。

Android版Twitterアプリケーションを使っている人の中に、カメラボタンと投票ボタンの間に新しいボタンが表示されたのだそうだ。TechCrunch内では誰も(Android版およびiOS版の双方ともに)ボタンを確認できていない。しかし例えばPhil Pearlmanなどによると、ボタンをタップすると人気のGIFを共有できるようになっていたり、またムードなどによって利用するGIFを選ぶことができるようになっていたとのこと。これはFacebookがメッセンジャー内にGIF用のボタンを配置したのと同様のアイデアだ。Facebookの方はRiffsyやGiphyと協力して機能を実現していた。今のところ、Twitterがどのような方法でGIFをシェアする仕組みを実現したのかはわかっていない。

先述のPearlmanはスクリーンショットを投稿しもしたが、ただしそのあとにGIFボタンはいきなり消えてしまったのだそうだ(にもそのような現象遭遇した人がいたようだ)。

Twitterはしばしば、小数の利用者に使わせる形で新機能や機能変更の実験を行なっている。すなわち今回も同じことが行われているのだろう。

もちろんTwitterには質問を投げかけてみた。すると以下の回答があった。

twitter

なるほど、これはつまりTwitterも、実験を行なっていることを認めたということなのだろう。

世界中にはPearlman以外にもGIFボタンに出会った人が大勢いる。かれらは新しい発見について(もちろん)GIFを添えてツイートしている。下のような具合だ。

いわば新機能のベータテストのようなものだったわけだ。このボタンが公式に採用されることになるのかどうかはまだわからない。

今のところはGIFは「愉快でツイートを派手にする」ためのツールといった扱いなのだろう。ただ、商業的なチャンスもあるのではないかと思われる。たとえばメッセージアプリケーションのKikは企業による「公式GIF」のサービスを導入したりもしている。またTwitter自身も絵文字の商用化を行っている(レポート参照)。GIFも収益化の可能性は十分に考えられるだろう。

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(翻訳:Maeda, H

Giphy、ビデオをGIFに変換する超簡単お手軽ツールをリリース

mario-gif

今月頭に、GiphyのCOOであるAdam Leibsohnは、簡単にGIFを作れるツールをいくつかリリースする予定だと述べていた。その第一弾となるGIF Makerがリリースされた。YouTubeはもちろん、手元のビデオファイルから簡単にGIFを生成できるサービスだ。

個人的にはこれまで、Macで利用できるGifGrabberを使ってビデオをのGIF化を行なっていた。これも十分簡単で使い安かった。しかし今回リリースされたGIF Makerはさらに簡単に操作でき、またMac以外からも利用できるのが便利だ。またGifGrabberの共同ファウンダーであるAndy HinがGiphyのシニアエンジニアとなっており、GifGrabberの良い点はそのままGIF Makerに受け継がれているとも言える。

サイトの見た目は以下のような感じだ。

gif maker giphy

ちなみにGiphyは1ヶ月ほど前に自分で写真撮影を行なってそれをGIF化するGiphyCamもリリースしている。これはGIF関連のポータル(閲覧・検索・作成など)として機能しようとするGiphyの戦略のあらわれであるということができよう。

「私たちはGIFの発見、共有、保管、製作まですべてを提供するワンストップサービスでありたいと思っているのです」と、Andy Hinは述べていた。

Giphyはベータワークス傘下で2013年にスタートしたサービスで、8000万ドルの評価額にて1700万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:Maeda, H

Google画像検索の結果のアニメGIFが実際にアニメするChromeエクステンションgoogle-gifs-chrome

chip

Giphy は大好きだけど、日常的にはGoogleの画像検索で楽しい画像、とくにアニメGIFを探すことが多い。問題はGoogleの場合、検索結果の画像がアニメしていないことだ。

どんだけ見つめても、動きません。

Screen Shot 2015-10-02 at 2.07.48 PM

典型的な第一世界問題*だろうけど、結果の画像をクリックしてみないと、アニメであるか・ないかが分からないのだ。ときには、アニメGIFから取り出した静止画像のこともある。困るよね。〔*: First world problem, 第三世界の問題と違って、‘贅沢な悩み’。〕

しかしこのChromeエクステンションを使うと、世界が変わる。検索をすると、じゃーん、アニメの花盛りだ:

687474703a2f2f692e696d6775722e636f6d2f435479416f59472e676966 (2)

これだけたくさんのアニメGIFがあれば、週末も悪いことをせずにすむ。そうだよね、諸君。

giphy (12)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa