キャデラックが同ブランド初のEV「LYRIQ」の生産を開始

Cadillac(キャデラック)は米国時間3月21日、同社初の電気自動車で6万ドル(約720万円)のクロスオーバー車「LYRIQ(リリック)」の生産を開始した。米国では5月19日に受注が始まる。

General Motors(ゼネラルモーターズ)の高級ブランドであるキャデラックは、2030年までに展開を予定しているバッテリー電気自動車ラインナップの最初のモデルとして、このSUVに大きな期待を寄せている。このクルマに対する需要の大きさから、キャデラックは予定していた2022年の生産台数を3200台から2万5000台に増やし、量産モデルの公開を9カ月早めることにした。

これはGMにとって心強い兆候だ。同社は今後3年間に全世界で30車種の新型EVを投入するために350億ドル(約4兆2000億円)を投資すると発表しており、その中から20億ドル(約2400億円)を、テネシー州スプリングヒルの製造施設(同社の北米最大の製造施設)に投じて、LYRIQやその他のEVを製造する準備を進めている。

この投資は、Tesla(テスラ)やVolkswage(フォルクスワーゲン)などの巨大なライバルに対抗するためのGMの全体戦略の一部だ。フォルクスワーゲングループは電動化を含む将来に向けた技術に1000億ドル(約12兆円)を投資すると発表している。しかし、半導体や電池のサプライチェーンの停滞が、世界的なEV生産の妨げになっている。

GMが今後投入するモデルは、LYRIQをはじめとする同社のEVを支える「Ultium(アルティアム)」バッテリープラットフォームがベースになる。このモジュラーアーキテクチャーは、19種類の仕様が異なるバッテリーと駆動方式の車両を製造でき、GMのバッテリーエレクトリック事業の拡大とコスト削減に貢献することになる。

スプリングヒル工場では、LYRIQの他「キャデラック XT5」および「XT6」「GMC Acadia(GMC アカディア)」など、内燃エンジンを搭載するSUVも生産している。GMのMark Reuss(マーク・ロイス)社長は21日、オンラインで行われたメディアへの説明会で、この工場の組立ラインにEVを増やすと述べたが、この工場がいつ、EVのみを生産するようになるのかについては、コメントを避けた。

「私たちには、どちらの道も進むことができる柔軟性があります」と、ロイス社長は語った。「私たちは完璧なところにいます。内燃機関も製造できるし、EVも製造できます。そして市場に追従することができます」。

画像クレジット:GM

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GMが自動運転の子会社「Cruise」のソフトバンク株を買い取りへ

General Motorsが、自動運転技術の子会社であるCruiseの持ち株を増やそうとしている。

米国時間3月18日の夜、同社は、Softbank Vision Fund 1のCruiseの持ち株を21億ドル(約2500億円)で取得すると発表した。またGMは、同ファンドが以前2018年に行ったコミットメントに代わり、Cruiseに対して13億5000万ドル(約1610億円)の追加投資を行う。

この発表の6週間前にCruiseは、一定の制約のある自動運転のロボタクシーサービスをサンフランシスコの公道で開始した。それはSoftbankにとっては、以前の13億5000万ドルの追加投資の約束を実行に移すすべきタイミングだった。

なぜ今、ソフトバンクが売却に踏み切ったのか、その理由は明らかではない。GMの広報担当者は、同社の出資比率が高まることで、クルーズの株主構成がシンプルなものになるだけでなく、GMとクルーズがAV技術の商業化と潜在能力を最大限に引き出すために最も価値のある道を追求するための最大限の柔軟性を提供することができると述べている。

GMのCEOで会長のMary Barra(メアリー・バーラ)氏は、これにより株主の価値が増大するという。

「GMがバランスシートの強みを生かし、Cruiseへの出資を増やし、当社の統合的な自律走行車戦略を推進する機会を得たことを発表できることを非常にうれしく思います。私たちの投資は、長期的な株主価値を創造するための特別な機会であると引き続き信じています」とバーラ氏は声明で述べた。「私たちの投資ポジションの拡大は、Cruiseの株主構成を簡素化するだけでなく、GMとCruiseがAV技術の商業化と潜在能力を最大限に引き出すための最も価値ある道を追求するための最大の柔軟性を提供します」。

GMの出資比率が高まることで、同社がCruiseをスピンオフさせたり、株式公開に踏み切ったりするといった可能性もある。GMは、短期的な計画としてIPOがあるかどうかについては明言しなかった。しかし同社の広報担当者は、GMが前進する際には「株主のために価値を創造するあらゆる機会を検討する」という。GMは、将来におけるCruiseのIPOを否定していないと広報担当者は付け加えた。

CruiseのCEOであるKyle Vogt(カイル・フォークト)氏の発表によると、GMの投資の増加に加えて、同社は反復性のある流動化機会プログラムをローンチした。それは、人材獲得および引き止めるための「目の前の人参」の1つだ。フォークト氏によると、このプログラムは従業員に流動性を与え、同社の上場に際してはIPOに参加しなくても株価上昇による利益が得られるようにするというものだ。

このプログラムでは、現在と過去の社員が権利の確定した株式の任意の量を、各四半期に売ることができる。フォークト氏によると、買うのはGMまたはその他で、その価値はサードパーティーの金融企業が会社の業績や財務予測、マーケットの条件、関連する取引や資金調達案件、そしてマーケットにおける他社との比較などによって決まる。

「私たちの技術のデプロイとスケールが順調であれば、従業員持ち株の価値は上がるはずだ」とプログラムを発表するブログ記事でフォークト氏で述べている。

画像クレジット:Cruise

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ウクライナ侵攻を受けた自動車メーカーの動きまとめ

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、世界各国がロシアに対する制裁を強化している。その結果、多くの自動車メーカーを含め、企業はロシアでの事業活動を制限、停止、あるいは完全に撤退している。

本稿では、ロシアからの撤退決定など自動車メーカーの対応を紹介する。

ロシアでの生産を停止している自動車メーカー

MSCやMaersk(マースク)など多くの海運大手や物流会社がロシア発着のコンテナ輸送を停止したため、自動車メーカーはサプライチェーンの混乱により生産停止を余儀なくされている。

直近ではトヨタ自動車が3月3日、ロシアの工場での生産を4日から停止すると発表した。同社はサンクトペテルブルクに工場を1つ持ち、主にロシア市場向けのRAV4とCamryのモデルを生産している。

Daimler Truck(ダイムラートラック)は現地時間2月28に、ロシアのトラックメーカーKamaz(カマーズ)との合弁事業を含め、ロシアでのすべての事業活動を停止すると発表した。これまでロシア市場向けに3万5000台のトラックを生産してきた同JVは、2009年にMercedes-Benz Trucks Vostok(メルセデス・ベンツ・トラックス・ボストーク)とFuso Kamaz Trucks Vostok(ふそうカマーズ・トラックス・ボストーク)の2つの独立したJVとしてスタートしたが、2017年にこの2社が合併した。そして今後はKamazとの提携によるトラックは生産されず、Daimlerもこのトラックメーカーに部品を供給しない、とロイターは伝えている

また、Daimlerがスピンオフする前の親会社Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)も、Kamazの株式15%を売却すると発表した。

スウェーデンのトラックメーカーAB Volvo(ABボルボ)はロシアでの生産をすべて停止し、Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)も現地時間3月1日、追って通知するまでロシアでの事業を停止すると発表した。Fordはロシアの自動車会社Sollers(ソラーズ)との合弁事業を除けば、ウクライナで重要な事業を展開していないが、Fordは2019年にSollersに支配権を譲渡した

フランスの自動車メーカーRenault(ルノー)は現地時間2月25日、物流圧迫により部品不足が生じたため、ロシアにある自動車組み立て工場の一部の操業を停止すると発表した。調査会社IHS Markitによると、Renaultはロシアの自動車生産の40%近くを占めている。

Renaultは減産の具体的な内容を明らかにしていないが、ロシアには3つの自動車組み立て工場がある。モスクワ工場で生産されているロシア人向けの主なモデルは、Kaptur、Duster、Nouveau Duster、Arkana、Nissan Terranoだ。Renaultは、日産および三菱と戦略的提携を結んでいる。また、ロシアの自動車メーカーAvtoVAZの支配的株式を持っている。

韓国のHyundai Group(現代グループ)はサンクトペテルブルクの工場で年間約23万台を生産しており、ロシアの自動車生産の27.2%を占めている。ウォールストリート・ジャーナルによると、同社はサプライチェーンの混乱により、3月1日から5日にかけてサンクトペテルブルクの自動車組立工場を休止するが、来週には操業を再開する予定だ。同紙は、今回の閉鎖は、ロシアのウクライナ侵攻や経済制裁とは関係がないものだと報じた。現代自動車にとってロシアは大きな市場であるため、できることなら操業停止しないよう試みる可能性もある。

Volkswagen(フォルクスワーゲン)傘下のチェコの自動車メーカーSkoda Auto(シュコダ・オート)は、供給不足のため国内工場の生産を一部制限すると発表したが、ロシアでの事業は継続されている。ロシアは2021年、Skodaにとって2番目に大きな市場だった。

「ロシアとウクライナでの販売戦略については、現在、集中的に議論しているところです。最近の情勢から、ウクライナとロシアの両方における販売台数は減少することが予想されます」とSkodaは述べ、ロシアまたはウクライナ市場から撤退するかどうかは、最終的にVWが決定することになると指摘した。

日本の三菱自動車は3月1日、ロシアでの生産を停止する可能性があると発表した。三菱はPSA Peugeot Citroën(PSAプジョー・シトロエン)と合弁事業契約を結んでいて、ロシア・カルーガの組立工場でプジョー、シトロエン、三菱の車両を生産している。

販売・輸出停止

欧米の対ロ制裁の一環として、ロシアの多くの銀行が、国境を越えた迅速な決済を可能にする安全なメッセージシステムSWIFT(国際銀行間通信協会)から締め出された。その結果、ロシア国内の自動車ディーラーやバイヤーが外国車を買えなくなり、外国企業は外国車を売れなくなった。

三菱自動車は、ロシアでの生産を停止する可能性に加え、同国での自動車販売も停止する可能性があると述べた。トヨタは、ロシアへの輸出を停止すると発表した。

米国の自動車メーカーGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ)とスウェーデンの自動車メーカーVolvo Cars(ボルボ・カーズ)は現地時間2月28日、追って通知するまでロシアへの自動車輸出をすべて停止すると明らかにした。Volvo Group(ボルボ・グループ)は、売上の約3%をロシアの購買者から得ており、同国に1つの工場を持っている。

国際的な自動車メーカーで初めてロシアへの自動車出荷を停止したVolvoは声明の中で「EUと米国による制裁を含め、ロシアとの材料取引にともなう潜在的なリスク」があるため、出荷を停止したと述べている。

GMはロシアで年間約3000台を販売し、現地に工場は持っていない。

Volkswagenのロシア部門は、追って通知するまで、あるいは欧州連合と米国が科した制裁が明確になるまで、ディーラーへの納車を一時停止する。

同じくドイツの自動車会社BMWは、3月1日時点でロシアへの輸出を停止しており、供給面での制約が予想されるため、同地での生産を停止すると明らかにしている。

Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)は同日、ロシアでの事業と、同国へのオートバイ出荷を停止したと発表した。このブランドは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が乗っているところを写真に撮られたことがある。ロシアは米国のバイク会社にとってあまり重要な市場ではなく、ロシアには10店舗ほどしかディーラーがない。

英国の高級車メーカー、Jaguar Land Rover (JLR、ジャガー・ランドローバー)とAston Martin(アストン・マーティン)も、取引問題を理由にロシアへの車両出荷を一時停止した。JLRは2021年にロシアで6900台を販売したが、これは世界販売の2%未満だ。Aston Martinは、世界販売台数におけるロシアとウクライナの割合は合わせたても1%だと述べた。

地政学的な状況や自動車メーカーの対応は常に変化している。最新情報については再びチェックして欲しい。

画像クレジット:Anton Vaganov / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

不振のEVスタートアップLordstown MotorsからGMが撤退

General Motors(GM、ゼネラル・モーターズ)は、電気自動車のスタートアップ、Lordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)の持ち株を売却した。同社は初の製品となる電動ピックアップトラック、Endurance(エンデュランス)の生産に向けて苦闘を続けている。Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)が伝えた。

GMが所有していた750万株の普通株式は、総株数の5%以下であり、当初の価値は7500万ドル(約87億円)だった。同社はこの持ち株を2021年第4四半期に、期間非公開の売却禁止期間経過後に売却した。

このニュースは、Lordstownが第4四半期決算で、損失が8120万ドル(約93億円)、1株当り0.42ドル(約49円)に拡大したことを公表した後にやってきた。米国時間2月28日の決算会見で同スタートアップは、Enduranceトラックの2023年までの生産、販売計画がわずか3000台で、うち500台を2022年中に販売する予定であることを発表した。それも、同社が追加資金を調達できた場合の話だ。同日Lordstownは、トラックを500台作るためにはさらに2億5000万ドル(約288億円)必要であることを投資家に伝えた。

追加の金の無心はそれだけでもよい兆候ではないが、さらに問題なのは更新されたガイダンスが、2020年10月のLordstownのSPACによる上場に向けて前経営陣が投資家に約束した3万2000台という数字よりはるかに少ないことだ。

LotdstownのGMとの関係は2018年にさかのぼり、当時GMは、同社のローズタウン工場を閉鎖するつもりであると言い、ドナルド・トランプ前大統領はそれに反対していた。その後GMは、工場を不振だったEV企業、Workhorse(ワークホース)に売却した(ちなみにこの会社も現在不調に悩まされており、Q4決算では1株当り1.13ドルの損失だった)。

Workhorseのファウンダーで前CEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏は、この旧GM工場で電動トラックを作るべく、Lordstown Motorsを立ち上げ、GMは750万ドルを投資した。Lordstownはこの工場に約2億4000万ドル(約277億円)を投じたが、離陸させることはできなかった。

生産問題の最中に経営陣の重要人物を失うなど幾多のドラマを経た後、Lordstownは2023年を迎えるための現金が足りないことを打ち明け、2021年9月に同工場をiPhone製造のFoxconn(フォックスコン)に2億3000万ドル(約265億円)で売却した。しかしその契約はまだ完了しておらず、Lordstown経営陣は28日、売買契約が予定どおりには進捗していことを発表し、これまた間違いなく投資家を不快にさせる発表となった。

画像クレジット:MEGAN JELINGER / AFP / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Cruiseとウォルマート、自動運転車による配送の試験地域拡大を計画中

GM(ゼネラルモーターズ)の子会社で自動運転車の開発を手がけるCruise(クルーズ)は、アリゾナ州でWalmart(ウォルマート)と共同で行っている自動運転配送の実証実験を拡大する計画を持っていることを、同社の政府関係担当シニアマネージャーが最近行われた州議会議員との公開ミーティングで明らかにした。

Cruiseは現在、カリフォルニア州における商用ロボットタクシーの試験的運用と、最終的にはサービス開始に向けて、力を入れているところだ。しかし、一方で同社は、ウォルマートとの限定的な実証実験プログラムの一環として、アリゾナ州で電気自動車「Chevrolet Bolt(シボレー・ボルト)」の自動運転車を数台運用している。

現在、この自動運転配送の実証実験は、スコッツデール近郊のソルトリバー・ピマ・マリコパ・インディアン・コミュニティの敷地内にあるウォルマートの1店舗のみで行われており、これらの自動運転走行車には、すべて安全のために人間のオペレーターが乗車している。Cruiseのシニア・ガバメント・マネージャーを務めるCarter Stern(カーター・スターン)氏は、今月初めに開催されたアリゾナ州上院交通委員会で、同社が2022年内に最大で8カ所のウォルマート店舗に拡大することを計画していると語った。

画像クレジット:Walmart

「まずはアリゾナで引き続き成長を見届けた後、国内の他の地域にも拡大していきます」と、スターン氏は、プログラム拡大の意思を語った。Cruiseはアリゾナ州で100人以上の従業員を雇用しており、その中には同社の自動運転車をグローバルで監視するチームも含まれている。このグループが増員されることになる見込みだが、スターン氏は、いつ、どのくらい雇用を拡大するかという数字やスケジュールについては、明らかにしなかった。

スターン氏が提供したこのコメントからは、Cruiseのアリゾナ州における活動と、今のところ同社の唯一の収入源であるウォルマートとの試験運用契約について、貴重な洞察を得ることができる。

Cruiseはサンフランシスコで自動運転車の運用を展開しているものの、カリフォルニア州公益事業委員会から適切な許可を得られていないため、今のところ同州で送迎サービス(あるいは配送でも)の料金を請求することはできない。なお、Cruiseは現在、San Francisco Marin Food Bank(サンフランシスコ・マリン・フード・バンク)とSF New Deal(SFニューディール)と提携し、無料の配送サービスを提供している。同社はTechCrunchに、これまでに11万3000件の配達を完了したと述べている。

Cruiseは、人間のドライバーが運転しない車両の運行と課金に必要な許可のほぼすべてを取得している。同社はカリフォルニア州自動車局から「運転手付き」および「運転手なし」の自動運転車を試験・展開するために必要な3つの許可を取得しており、そのうちの1つは一般人を乗せることができるものだ。同社はカリフォルニア州公益事業委員会に、乗車料金を請求するための許可も申請しているのだが、まだその許可は受けていない。

今月初め、Cruiseはサンフランシスコで無人ロボットタクシーのサービスを一般公開した。今のところ、このサービスは無料で、一般からの予約申込みをCruiseのウェブサイトを通して受け付けている。同社は以前、一般の申込者がサービスを利用する前に秘密保持契約に署名する必要はないと述べている。

Cruiseの無人運転サービスは、当初は午後11時から午前5時まで利用可能となっている。Cruiseはシボレー・ボルトの自動運転車をサンフランシスコの至る所でテストしているが、無人運転の乗車サービスは、ヘイト・アシュベリー、リッチモンド地区、チャイナタウン、パシフィック・ハイツ地区内の特定の地域や道路に限定されている。

画像クレジット:Walmart

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GM Venturesが急速充電対応バッテリー技術のスタートアップSoelectに投資

ノースカロライナ州に本社を置くバッテリー技術のスタートアップSoelect(ソエレクト)は、1100万ドル(約12億円)のシリーズAラウンドをクローズした。同社は、新たに調達した資金を、電気自動車の次世代バッテリーを可能にするかもしれない、急速充電が可能な電極技術の拡張に使う予定だ。

リードインベスターのLotte Chemicalと投資会社KTB Networkに加え、General Motorsのコーポレートベンチャーキャピタル部門であるGM Venturesも戦略的投資家として参加した。GM Venturesは、輸送の安全性や持続可能性に関するソリューションを提供する企業に投資する傾向があり、そうしたソリューションは将来のGM車や製造施設、事業運営に導入することができる、とGMの広報担当Mark Lubin(マーク・ルービン)氏は述べている。

「SoelectをGM Venturesのポートフォリオに加えることの競争上の優位性の1つは、急速充電が可能な電極技術であり、これは将来のリチウム金属電池と固体EVバッテリーの電極設計の両方を可能にするものです」と、ルービン氏はTechCrunchに語った。「今回の投資、そしてこの分野における他の投資は、将来のGM製品の航続距離の増加、効率向上、コスト削減を可能にするバッテリー技術の進歩を加速させるGM Venturesの取り組みをさらに拡大します」。

VCが最近投資したバッテリー会社はSoelectだけではない。バッテリー寿命を向上させ、バッテリーを2倍のエネルギー密度にする「電極なし」のリチウム金属電池を持つ、MITのスピンアウトスタートアップSolidEnergy Systems(SES)にも投資し、提携した。SESとGMは、マサチューセッツ州にプロトタイプ製造施設を建設し、2023年までに大容量の量産前バッテリーを作ることを目指している。

関連記事:GMがバッテリーのエネルギー密度向上でSolidEnergy Systemsと提携

GMは、パートナーのLG ChemとUltiumバッテリーのための2つのバッテリー製造施設を建設中だが、GMは他の実りあるバッテリー提携の可能性にもオープンだ。同社は2021年10月、長寿命で急速充電でき、そして持続可能なバッテリーを実現するためのバッテリー技術を開発する新しいバッテリー研究施設をミシガン州に建設する計画を発表した。GMは、1リットルあたり最大1200ワット時のエネルギー密度を持つバッテリーを製造し、コストを少なくとも60%削減したいと考えている。

関連記事:GMがより低コストで航続距離の長いEV用バッテリーの開発施設を建設中

画像クレジット:Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Cruise、サンフランシスコの公道で自動運転タクシーの一般乗車開始へ

GMの子会社で自動運転技術を手がけるCruise(クルーズ)は、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)から13億5000万ドル(約1546億円)の新たな投資を受け、商用化に向けてさらなる一歩を踏み出す。同社は米国時間2月1日、無人運転のロボタクシーサービスを、サンフランシスコの公道で一般向けに公開すると発表した。

ソフトバンクは以前、Cruiseが商業的に展開する準備を整えた時点で、当初の9億ドル(約103億円)に加えて13億5000万ドルを追加投資すると約束していた。

Cruiseは公式ウェブサイトを通じて一般からの乗車申し込みを受け付けている。今のところ、乗車料金は無料だ。同社は2月1日のブログ記事で、予約申し込みに参加した一般の人々は、サービスを利用する前に秘密保持契約に署名する必要はないと述べている。同社の広報担当者によると、1月27日に乗車を終えた友人や家族の少人数グループがいたが、彼らは今朝まで秘密保持契約の下にあったという。

Cruiseの広報担当者によると、無人運転サービスは当初、午後11時から午前5時までとなっているという。夜間の運転は、最もインパクトを与えられる場所から始めて、そこから計画的に拡大していくという戦略の一環であるとのことだ。Cruiseは「Chevy Bolt (シボレー・ボルト)」の自動運転車をサンフランシスコ市内で走らせてテストする。ただし、この無人運転サービスは、ヘイト・アシュベリー、リッチモンド地区、チャイナタウン、パシフィック・ハイツ地区内の特定の地域や道路に限定される。

Cruiseは、人間のドライバーが運転しない車両の運行および課金に必要な許可をほぼすべて取得している。カリフォルニア州自動車局からは、運転手付き車両と運転手なしの車両をテストおよび運用するために必要な3つの許可を取得しており、そのうちの1つは一般人の乗車を許可するものだ。同社はカリフォルニア州公益事業委員会に、乗車料金を請求するための許可証も申請しているが、こちらの許可はまだ取得できていない。

画像クレジット:Screenshot

この数週間、Cruiseの従業員が、安全のための人間の運転手が乗車していない無人運転車に乗っている様子を撮影した動画を投稿している。GMの会長兼CEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏は、最近になって乗車した。

同社では、社員が一般の人を指名できるようにしており、すでに何人かの人が乗車しているという。Cruiseはこのプログラムを「Cruise Rider Community(クルーズ・ライダー・コミュニティ)」プログラムと名付けている。社員から指名された人や、乗車予約を申し込んだ人は、最初の一般乗客となるパイプラインに組み込まれるという。

Cruiseは、Dan Ammann(ダン・アマン)CEOの突然の退任を受けて、このサービスの一般公開に踏み切った。同社の共同設立者であるKyle Vogt(カイル・ヴォクト)氏が、現在はCTOと同時に暫定CEOを務めている。

画像クレジット:Cruise

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

電動ピックアップトラックの戦いが過熱する中、GMがミシガンの4工場に約7970億円投資

General Motors(ゼネラルモーターズ)は、野心的なEV生産目標の達成を目指してバッテリーセルと電動トラックの製造に特化したミシガン州の4工場に70億ドル(約7970億円)超を投資すると発表した。ここにはパートナーのLG Energy Solutions(LGエナジー・ソリューションズ)との3つ目の工場も含まれる。

GMは、この投資計画で4000人の新規雇用を創出し、それとは別に1000人の雇用を維持するとしており、計画にはミシガン州ランシングにあるUltium Cellsバッテリーセル工場とミシガン州オリオンタウンシップのGMの組立工場の改造というすでに発表済みの2拠点への投資も含まれている。

3つ目の新しいUltiumバッテリーセル製造工場も、増え続けるEV特化施設のリストに加わる。26億ドル(約2960億円)が投じられるこのセル工場は、ミシガン州ランシングのGMから借りた土地に建設される予定だ。GMによると、280万平方フィート(約26万平方メートル)の施設の敷地造成が今夏開始され、工場は2024年後半にオープンする予定だ。この工場からミシガン州のOrion AssemblyおよびGMの他のEV組立工場にバッテリーセルが供給される。

LG EnergyとGMの合弁会社であるUltium Cellsは、この施設がフル稼働した場合、50ギガワットアワーのバッテリーセル容量になると予想している。2社はすでに、オハイオ州とテネシー州に建設中の2つのバッテリーセル製造拠点を計画している。

一方、オリオン工場はChevrolet SilveradoのEVと電動GMC Sierraの生産に使用される予定で、これはGMにとってフルサイズの電動ピックアップを生産する2つめの組立工場となる。GMのFactory Zero(旧称デトロイト・ハムトラック)は、GMC Hummer EVピックアップおよびSUV、Chevrolet Silverado電動ピックアップトラック、そして電動の自律走行ロボットタクシーCruise Originなど、GMが今後発売する一連のEVピックアップの生産も行う予定だ。

GMは、2025年末までに北米で100万台以上の電気自動車生産能力を持つことになると述べた。特に注力しているのはEVピックアップトラックで、これはGM、Ford(フォード)、そしてRivian(リビアン)のような新規参入企業が競合する分野だ。

画像クレジット:GM

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Blink Chargingが米国とカナダのGMのディーラーにEV充電器を供給へ

電気自動車用充電器メーカーのBlink Charging(ブリンク・チャージング)は、米国とカナダのGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)のディーラーにEV充電器を提供することを発表した。同スタートアップは設備ソリューション・プロバイダーのABM(エービーエム)と組んで、同社の新しいレベル2EV充電器IQ 200をGMに供給する。

Blinkは決して小さなEV充電器メーカーではないが、これまではChargepoint(チャージポイント)、EVBox(イービーボックス)、Tesla(テスラ)、さらにはShellと比べても市場シェアは小さかった。Blinkによると、同社は13か国に約3万台のEV充電器を展開しており、GMとの契約は、さらなる規模拡大とブランド認知度の向上という同社の目標にひと役買うだろう。

ただしこれはGMにとってBlinkとの初めての契約ではない。2021年4月、GMは充電ネットワーク7社(Blink、ChargePoint、EV Connect、EVgo、FLO、Greenlots、SemaConnect)をGMのモバイルアプリに統合し、顧客が容易に充電場所を探せるようにする計画を発表した。今回は、GMが2030年までにEV販売でTeslaのシェアを狙って売上を倍増する計画の中、Blinkが選ばれたようだ。

2021年5月にGMから最初の注文を受けたBlinkは、設置を担当するABMを通じて一部のGMディーラー向けに充電器の出荷をすでに開始している。今後数カ月間必要に応じて追加の充電ステーションに向けた準備ができていると同社はいう。契約には充電ステーション数の目標や大規模展開の日程は書かれておらず、これはディーラーからの注文ごとの設置が基本であるためだ。これまでにBlinkは「GMディーラーから1000件近く、計1505台の充電器の注文を受けている」と同社の広報担当者は述べた。

GMとの契約に同社からの出資は含まれていないとBlinkはいう。GMディーラーは、Blink製品を購買パートナーのABMを通じて、ディーラー機器購入価格で購入する。

BlinkのIQ 200充電器は、車両基地向けに設計されており、1つの共有回路上で最大20台の充電器を電力網に負荷をかけすぎることなく利用できる。80アンペアの充電器は、100アンペア回路上で高速レベル2充電が可能で、出力は19.2kW、充電1時間あたり最大65マイル(約104.6 km)走行できる。設置方法には壁かけ型、ポール型、および自立スタンドがある。

2022年のCESでBlinkは次世代レベル2充電器のMQ 200を発表しており、第1四半期末までに提供される予定だ。Blinkは、出荷可能になった時にGMがこの新型充電器を受け取るかどうかの質問には答えていない。MQ 200は高速かつ高機能で、Blink充電器をクラウドや、新しいBlink Fleet Management Portal(Blink車両管理ポータル)に接続するソフトウェアが付いてくるため、デーラー業務に最適だ。

関連記事:CESに登場したEV充電企業は家庭での充電を高速化、V2G、コネクティビティを推進

画像クレジット:GM

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

EVの販売拡大を目指すGM、カリフォルニア州独自の排出ガス規制に同意

General Motors(ゼネラル・モーターズ)が政治的にも経済的にも有利と思われる立場を表明した。この自動車会社は米国時間1月9日、カリフォルニア州の規制当局が大気浄化法に基づき独自の自動車排出ガス基準を設定する権限を認めると発表したのだ。GMはこれまで、カリフォルニア州が同州で販売される新車に独自の規制を課すことを妨げるTrump(トランプ)政権の取り組みを支持していたが、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領の当選直後にその立場を撤回していた。

GMがカリフォルニア州の厳しい炭素排出基準を認めたということは、他の州も同様の規制を採用できるということであり、また、カリフォルニア州はフリート車両の購入に同社を検討することができるようになるということを意味する。このリストにはGMの他にも、BMW、Ford(フォード)、Honda(ホンダ)、Tesla(テスラ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)、Volvo(ボルボ)の社名が挙がっている。

カリフォルニア州は全米で最も人口の多い州であり、国内総生産の14.8%を占めている。排出ガス量の多い自動車の生産を続けたいという厄介な理由で、この州からブラックリストに載せられるのは、経済的な自殺行為になるだろう。TechCrunchは、GMがなぜ今このような手紙を送ることにしたのか、そしてそれがGMの幅広い戦略とどのように関連付けられるのかを知るためにGMに問い合わせたが、同社はすぐには回答しなかった。

GMのVP兼グローバルパブリックポリシー責任者であるOmar Vargas(オマー・ヴァーガス)氏は、カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事に宛てた手紙の中で、カリフォルニア州の排出ガス統治に忠誠を誓っていると、The Detroit News(デトロイト・ニュース)は9日に報じたが、これは同社の商用電気自動車部門であるBrightDrop(ブライトドロップ)が、今後数年間にわたる大規模な成長計画を発表した数日後のことだった。

BrightDropは米国時間1月5日、Walmart(ウォルマート)を新たな顧客として迎え、5000台の電気自動車の予約を受注したと、CESで発表した。また、既存の顧客であるFedEx(フェデックス)は、2021年発注した電動商用バンの台数を、当初の500台から2000台に増やすと発表。その多くがまずはロサンゼルスの路上に現れるという。

GMはまた、1月9日にカリフォルニア州大気資源委員会のLiane Randolph(リアン・ランドルフ)委員長に宛てた書簡の中で、ゼロエミッション車の展開を加速させることを約束した。GMは先週、Chevrole(シボレー)ブランドで2023年までに生産を開始する2車種の電動SUVを発表し、同時に2024年モデルとして発売される電動ピックアップトラック「Silverado(シルバラード)EV」(2種類の仕様が設定される)も公開した。さらに同社は、2021年末に「GMC Hummer EV(GMCハマーEV)」のピックアップトラックの納車を開始しており、2023年にはHummer EVのSUVも販売が始まる。電動ピックアップトラック「GMC Sierra EV(GMCシエラEV)」は、同じく2023年に市場に投入されるようだ。

また、GMのグローバルレギュラトリーアフェアーズ&トランスポーテーションテクノロジーポリシー担当VPのDavid Strickland(デビッド・ストリックランド)氏が署名したランドルフ氏への書簡では、低所得者層が同社のEVを購入できるように専心することも約束している。この取り組みには、プリペイド式充電カードの提供による充電インフラへのアクセス改善や、特に恵まれない地域でインフラを整備するためのパートナーシップ構築などが含まれる。

「GMは、カリフォルニア州が追求するゼロエミッションの未来に向けた取り組みの一環として、クリーンな空気と排出ガス削減のための戦いに参加することになりました」と、ニューサム知事室は1月9日にツイートした。「この合意は、カリフォルニア州が率先する気候変動問題への取り組みを加速させることになるでしょう。我々のクリーンカー革命にGMを喜んでお迎えしましょう!」。

GMは、2040年までに全世界に向けた製品および事業においてカーボンニュートラルを実現し、2035年までに新車の排出ガスをゼロにすることを約束している。

画像クレジット:Shabdro Photo / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

シボレー・シルバラードがついにEV化、2023年に生産開始

General Motors(ゼネラルモーターズ)は、Chevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)のEVを発表した。航続距離は400マイル(約644キロメートル)、最高出力は664HP(馬力)、ベーシックなワークトラック版の価格は3万9900ドル(約462万円)からだ。フル装備で4輪駆動のRSTファーストエディションは10万5000ドル(約1218万円)となっている。どちらも2023年に生産ラインに載る予定だ。待てない方は、少し高価なGMC Hummer EV(GMCハマーEV)の列に並ぼう。ほぼ同じクルマだ。

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General MotorsのCEO、Mary Barra(メアリー・バーラ)氏は米国時間1月5日、CES 2022のバーチャル基調講演でこのクルマを発表した。同社は、Ford F-150 Lightning(フォード・F-150ライトニング)に対するChevy(シボレー)の答えの他に、複数の大衆向け電気自動車を発表した。また、2020年代半ばまでに個人向け自動運転車を販売する計画も発表した。

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Silverado EVは、Hummer EV、Sierra Denali(シエラ・デナリ)に続き、General Motorsが発表した3台目のEVピックアップトラックだ。同社はデナリのティーザー広告を2021年12月に発表したばかりで、それについてはほどんど何もわかっていない。しかし、Silveradoは、印象的なHummer EVと部品の大部分を共有しているようだ。Silverado EVが「付け足し」だと勘違いしないで欲しい。Silverado EVは、この3つの中で最も重要だ。Chevy Silveradoは長い間、主力製品であるFord F-150ピックアップの主要な競争相手だった。

画像クレジット:GM

発売時に用意されるのは、3万9900ドル(約462万円)のWork Truck(ワークトラック、WT)エディションと、フルスペックのRSTファーストエディション(約1218万円)の2種類。どちらも航続距離は400マイル(約644キロメートル)とされている。装備品を含めると、最終的には、5万〜8万ドル(約580万〜930万円)の価格帯になりそうだ。

Silverado RSTファーストエディションは、多くの技術的な改良が施されている。Hummer EVと同じ4輪駆動と適応性のあるエアサスペンションを使用している。中央には17インチの巨大な液晶画面、運転席には11インチの画面と巨大なHUD(ヘッドアップディスプレイ)が備わっている。このエディションには、Chevyのアドバンストトレーラリングシステムも搭載されている。

3万9900ドル(約462万円)のWork Truckエディションについて、公表された情報はより少ない。パワーはより小さく、510HP(馬力)、トルクは615ポンド・フィートだ。RSTエディションは664HP(馬力)、トルクは780ポンド・フィート。また、牽引力は8000ポンド[約3600キログラム](RSTエディションの1万ポンド[4500キログラム]より小さい)。インテリアも大きく変わり、ダッシュボードには10万5000ドル(約1218万円)のRSTモデルに搭載されている巨大な液晶ディスプレイがないのが特徴だ。

また、RSTエディションは、キャビンとベッドの間に取り外し可能なパネルがあるため、収納容量が大きい。また、センターコンソールも大きくなり、ルーフも固定ガラスになった。

WTとRSTエディションは、公共のDC急速充電ステーション対応機能(350キロワット)を備え、10分で100マイル(約161キロメートル)の航続距離が得られる。Silverado EVは、Ford Lightningと同様に110ボルトの発電機として機能するが、Chevyの最大出力は10.2キロワットで、Fordの9.6キロワットを上回る。

ChevyとFordの間には歴史がある。両社は長い間、互いの開発を追いかけてきた。2021年5月にFord F-150 Lightningを発表した際には、FordがChevyに数カ月先行した。それ以来、Fordに予約が殺到した。同社は今週初め、生産を倍増し、2023年半ばまでに年間15万台の生産を達成すると発表した。

General Motorsは米国時間1月5日、3万9900ドル(約462万円)のChevy Silverado Work Truckの生産を2023年春に開始する意向だと発表した。さらに、RSTファーストエディションは2023年秋から生産する。最終的には、同日プレビューされたオフロードをテーマにしたTrail Bossエディションなど、Chevyはより多くのモデルを市場に投入する見込みだ。

Ford F-150 LightningとChevrolet Silverado EVは、初めて根本的に異なる車種となった。これらは、それぞれ異なるアプローチをとった。Ford F-150 Lightningは、伝統的なボディオンフレーム・プラットフォームを採用している。これは、現在のFord F-150 LightningやChevy Silveradoなど、ピックアップ市場で採用されているものと同じアレンジだ。しかし、General Motorsは、ボディとフレームを一体化したユニボディを採用。Tesla(テスラ)のCybertruck(サイバートラック)にも採用されている構造だ。この構造により、剛性は向上するが、牽引力と積載力が犠牲になることが多い。

電動ピックアップトラック市場は急速に拡大している。Silveradoは一部の競合他社よりも遅れて市場に投入される予定だ。SilveradoのいとこであるHummer EVは生産中であり、一部の顧客には納車が始まっている。Rivian(リヴィアン)も同様で、最初のピックアップトラックであるR1Tの生産を開始した。2021年12月に予約したピックアップトラックを受け取った顧客もいる。

TeslaのCybertruckは、わかっていないことが多い。Elon Musk(イーロン・マスク)氏は2019年11月、このワイルドなピックアップを発表したが、多くの詳細がまだ明らかにされていない。Teslaのウェブサイトからは、生産予定時期が削除された。市場では、サイバートラックがまだ開発中であることはほぼ一致しているが、時期は不明だ。

General MotorsのEVへのアプローチは広がりつつある。2008年の自動車メーカー救済の暗黒時代に、Chevy Voltでスタートした。次に、2017年にChevy Boltで初の量産型EVを生産した。そして、新型コロナウイルスの数週間前の2020年3月4日、CEOのバーラ氏は、次世代EVプラットフォーム「Ultium(アルティウム)」を発表した。その後、チップ不足や世界的なパンデミックにもかかわらず、Hummer EV、GMC Sierra Denali、Cadillac Lyriq(キャデラック・リリーク)、シボレー・シルバラード、Chevrolet Blazer EV(シボレー・ブレイザーEV)、Chevrolet Equinox(シボレー・エクイノックス)を発表した。

画像クレジット:GM

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(文:Matt Burns、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMが次世代のハンズフリー運転支援システムにクアルコムの自動車用プラットフォームを採用

GMが2023年に、まずはCadillac(キャデラック)から導入を開始する新しいハンズフリー運転支援システム「Ultra Cruise(ウルトラクルーズ)」には、Qualcomm(クアルコム)の最新のSnapdragon(スナップドラゴン)システム・オン・チップ(SoC)が採用される。2022年のCESで行われたこの発表は、Qualcommが自動車分野、特にADAS(Advanced Driver Assistance System、先進運転支援システム)で多くの市場シェアの獲得に成功していることを示している。

「Snapdragon Ride Platform(スナップドラゴン・ライド・プラットフォーム)」と呼ばれるこのSoCは、ADASおよび自動運転向けに開発されたもので、Qualcommが提供する自動車用クラウド接続プラットフォーム群の1つ。自動車メーカーはこれらのプラットフォームの中から、使いたいものを選んで採用することができる。

GMのUltra Cruiseシステムは、2017年に初めて導入された同社のADAS「Super Cruise(スーパークルーズ)」をさらに高度化したものと考えられる。

GMによれば、Ultra Cruiseは運転中に予想されるあらゆる事態の95%に対応でき、最終的には米国とカナダのすべての舗装道路で使用可能になるという。これは大変な仕事だが、この目標を達成するために、同社はカメラ、レーダー、LiDARという3種類のセンサーを使用し、独自のソフトウェアとQualcommのプロセッサを組み合わせた。このシステムはまず、2023年に発売予定の高級電気自動車「Cadillac Celestiq(キャデラック・セレスティック)に搭載されることになっている。

もう少し掘り下げて説明すると、Ultra Cruiseのコンピュートユニットはノートパソコン2台を重ねた程度の大きさで、2基のSnapdragon SA8540P SoCと1基のSA9000P AIアクセラレータで構成されている。16コアのCPUで低レイテンシーの制御機能を提供し、カメラ、レーダー、LiDARの処理には毎秒300テラ以上のAIコンピュートを実行できるという。

このSnapdragon SoCは、5nmプロセス技術で設計されており、コンピュートユニットには、システムの安全性を確保するためのInfineon(インフィニオン)のAurix(オーリックス)TC397プロセッサも搭載されている。Aurix TC397は、自動車安全水準で最高レベルとされるASIL-Dに分類されている車載用マイクロコントローラーだ。

これらをすべて組み合わせると、数百台のパーソナルコンピューターに匹敵する処理能力を持つコンピュートシステムになる。GMの電気自動車・自動運転車・燃料電池車プログラム担当バイスプレジデントのKen Morris(ケン・モリス)氏は、このシステムが2017年に発表された同社の先進運転支援システムを「次のレベルに引き上げ、出発地のドアから目的地のドアまでのハンズフリー運転が可能なる」と述べている。

Qualcomm Technologies, Inc.(クアルコム・テクノロジーズ)のシニアバイスプレジデント兼オートモーティブ担当GMを務めるNakul Duggal(ナクル・ダガル)氏は、キャデラック車に搭載されるSnapdragon Rideを使ったUltra Cruiseシステムは「自動車業界にとって経験的にも技術的にも飛躍的な進歩となる」と述べている。

Super CruiseとUltra Cruiseの比較

Super Cruiseは、LiDARによるマッピングデータ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンサーを組み合わせて使用する他、運転者が注意を払っているかどうかを監視するドライバー・アテンション・システムを備える。Super Cruise使用中にドライバーはハンドルに手を置いておく必要はない。しかし、目線はまっすぐ前方に向けていなければならない。

Ultra Cruiseは、より安定性が高く、より多くの道路で利用できるようになるかもしれないが、ドライバーが常に注意を払う必要があることに変わりはない。つまり「完全な自動運転」が可能なレベル4のシステムではないということだ。レベル4システムとは、特定条件のもとであれば、人間の介入を一切必要とせず、すべての運転操作を自動で行うことができる機能レベルのことで、GMの子会社であるCruise(クルーズ)などの企業が、ロボットタクシーへの適用を通じて実用化に取り組んでいる。

Ultra Cruiseは、Super Cruiseシステムの能力をさらに高めるように設計されている。また、Ultra Cruiseはカメラ、レーダー、LiDAR(LiDARのマッピングデータだけではない)の組み合わせを通して、車両周辺の環境を正確に360度、3次元で統計的に把握し、重要なエリアには冗長性を確保している。GMによればこの新システムでは、マッピングよりもセンサー類に大きく頼っているという。

これによってUltra Cruiseのシステムは、信号機への反応、ナビゲーションルートへの追従、制限速度の維持・遵守、自動およびオンデマンドによる車線変更、左折・右折、物体の回避、住宅地のドライブウェイへの駐車などを自動で行えるようになるということだ。

画像クレジット:GM

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

キャデラックの新たな自動運転コンセプトは「車輪のついた高級ラブシート」

2021年に6人乗りの自動運転ボックスや乗車可能なドローンのコンセプトを発表したGM(ゼネラルモーターズ)の最新の高級自動運転EVのアイデアは、より地に足の着いたものとなっている。InnerSpaceコンセプトは、外観は未来的なクルマのように見えるが、内部には、我々がこれまで見た中で最も広いスクリーンの1つに囲まれた2人がけのラブシートがある。もちろん、ハンドルやペダルはない。その代わりに、オットマンがビルトインされ、スリッパやブランケットを置くスペースがある。GMが目指すところでは、マニュアル操作の類は必要ない。

ドアが飛び出し、大きなフロントガラスとサンルーフが立ち上がる。クルマに乗り込むことさえもSFの世界のようだ。InnerSpaceのようなコンセプトは、例によってカーデザイナーが未来のクルマの姿を想像し、その力を発揮するための手段だ。確かに大半の人には手が届きそうにもないが、Cadillac(キャデラック)の裕福な顧客層なら、個人用の宇宙船を所有することに興味を持つかもしれない。少なくとも、フルサイズの高級SUVよりは環境にも優しい。

GMのグローバル・アドバンスド・デザイン担当エグゼクティブ・ディレクター、Bryan Nesbitt(ブライアン・ネスビット)氏は声明の中で「電動化と自律走行は、自動車の役割と顧客の乗車体験を根本的に変えるでしょう」と述べている。「私たちは、モビリティをウェルネスの味方として想定し、顧客に究極の贅沢を、そしてパーソナルな時間を奪うのではなく提供し、これらの革新的なコンセプトで行く末を模索しています」。

運転という行為が嫌いだが、運転が必須の場所に住んでいる者として、自動車メーカーがこれらの自動運転コンセプトカーをどのように現実のものにするのか、興味を持っている。そして、このような荒唐無稽なデザインを経て、さらに自動運転ファミリーEVのコンセプトカーが登場するかもしれない。

編集部注:本稿の初出はEngadget

画像クレジット:Cadillac

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(文:Devindra Hardawar、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMは2020年代半ばまでに自律走行車の個人向け販売を目指す

General Motors(GM、ゼネラルモーターズ)は「2020年の中盤」までに個人向けの自律走行車を販売すると、同社のMary Barra(メアリー・バーラ)CEO兼会長は米国時間1月5日に行われたCES 2022の基調講演で述べた。

同社は、自動運転子会社Cruiseが最初にロボットタクシーサービスを開始することを期待しているが、バーラ氏は個人向けAVも追求していると述べている。

「私たちは今後、消費者が期待する安全性と品質、そして複数の道を同時に追求することで、現在のオーナーシップ体験を変える最先端の自動運転車技術を使って、完全自動運転車技術を個人の移動手段にまで広げる機会を探しています。GMとCruiseは、重要な技術的専門知識と経験を獲得しており、個人向け自律走行車の小売販売で市場最速になるよう取り組んでいます。実際、私たちは2020年代半ばまでに、初のパーソナルな自律走行車を提供を目指しています」。

バーラ氏が個人向けAVの目標に言及したのは、これが初めてではない。バーラ氏は2021年5月の決算説明会で、自動運転子会社Cruiseの技術を活用して、個人向けAVを販売するアイデアを探っていることを初めて明らかにしている。

GMが支配的な株式を保有するCruiseは、密集した都市部で動作し、人や荷物の可能性が高いシャトルバスになる共有の電気自律走行車に取り組んでいる。同社は、サンフランシスコの公道でその技術をテストし、2021年末には従業員にドライバーレス(つまり人間なし)の乗り物を呼べるようにした。このサービスは、まだ一般には公開されていない。

どのような車両が自律走行するのか、さらにはGMが自律走行をどのように定義しているのか、そしてCruiseがこの取り組みにまだ関与しているかどうかは、正確にはわかっていない。Cruiseは、商業用ロボットタクシー事業を立ち上げようとする一方で、独自の経営陣の激変を経ている。

2021年12月、CruiseのCEOだったDan Ammann(ダン・アマン)氏が突然会社を去り、内部関係者は彼を追い出したと主張している。自律走行車の共同設立者で、同社の初代CEOだったKyle Vogt(カイル・フォークト)氏が暫定的にその役割を引き継いでいる。フォークト氏はCruiseの社長兼CTOを務めてきた。GMによると、Northrop Grummanの元会長兼CEOでGMの取締役を務めたWesley Bush(ウェスレイ・ブッシュ)氏がCruiseの取締役に就任するという。

詳細はわかっていないが、重要なピースが1つ明らかになった。バーラ氏はそのタイムラインを設定された。

画像クレジット:スクリーンショット

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Katsuyuki Yasui)

GMもCES出展を中止、主催者は今も対面式イベントを計画中

更新:CTAの責任者であるGary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏からTechCrunch宛に以下の最新情報が送られてきた。

2200社以上の企業がCES 2022に対面で参加することを確認しています。私たちの焦点は今も、テック業界が集結し、対面で参加できない人たちにCESの魔法をデジタルで体験してもらうことです。CES 2022は、世界中の企業、大企業にも小さな会社にも、プロダクトを発表し、ブランドを構築し、パートナー契約を結ぶ機会を提供します。CESにおける徹底した健康管理とワクチン接種義務、マスク着用、PCR検査の提供に加えた参加人数制限とソーシャルディスタンス対策を踏まえ、私たちは参加者と展示者がソーシャルディスタンスを保ちながら価値ある生産的イベントをラスベガスで、そしてオンラインでも体験できると確信しています。

過去数年、CESには自動車の存在感が急速に高まっている。ここは厳密には自動車ショーではないが、多くの自動車メーカーがテクノロジーファーストのアプローチを導入している今、まさにその方向に向かっていることを感じる。しかし、米国時間12月23日夜、General Motors(ゼネラル・モーターズ)は、多くの第一線企業に続き、Consumer Electronics Showへの対面式出展を中止することを決めた。

「当社は2022年1月のCES 2022にオールデジタル方式で参加することにいたしました」と声明で発表した。「1月5日に大きな発表を行い、Chevrolet Silverado EV(シボレー・シルバラードEV)を披露する予定は変わりません」。

これは大規模な展示を予定していた企業にとって大きな変更だ。イベントではCEOのMary Barra(メアリー・バラ)氏の注目の基調講演と電動のChevy Silveradoのリアルの場でのデビューが予定されていた。バラ氏は講演をリモートで実施する予定だと同社は言っている。GMは計画を変更した最初の自動車メーカーではないが、最大の会社だ。Mobieye(モービルアイ)で大きな注目を集めているWaymo(ウェイモ)とIntel(インテル)も、すでに同様の発表を行っている。なお現時点では、米国運輸長官Pete Buttigieg(ピート・ブティジェッジ)氏をQualcomm(クアルコム)のプレジデント兼CEO、Christiano Amon(クリスティアーノ・アモン)氏がインタビューする予定だ。

関連記事:グーグルがCES出展を取り止め、オミクロン株への懸念で

他に最近参加を取りやめた大物には、Google(グーグル)、Lenovo(レノボ)、T-Mobile(ティー・モバイル)、AT&T(エーティー・アンド・ティー)、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)、Casio(カシオ)他、大手メディアも数多くいる。NVIDIA(エヌビディア)のように、当初からバーチャル・ファーストの参加を予定していた会社もある。2020年初めに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第一波が迫ってきて以来、CESは最初の主要対面テックイベントの復活と期待されていた……かつてほどの勢いはないにせよ。

しかし、オミクロン株の感染力によって、大小数多くの企業が予定変更を余儀なくされた。TechCrunchが米国時間12月23日に主催者であるCTAと話した際、彼らはワクチン接種義務をはじめとする安全措置を強化して、まだイベント開催を決行する予定だった。

画像クレジット:GM/ Photo by Steve Fecht

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

FedExが初の完全電気自動車GM Brightdrop配送バンを受領、カーボンニュートラル実現に向けまた一歩

FedEx(フェデックス)は、500台の注文のうち、最初の5台のGM(ゼネラル・モーターズ)製電気配送バンを受け取ったと発表した。この動きは、2040年までに世界中で配送車両をすべて電気自動車にし、カーボンニュートラルを実現するというFedExの目標にとって重要なランドマークとなるものだ。

「初めてのBrightdrop(ブライトドロップ)EV600の納入は、米国を代表する2つの企業のコラボレーション精神から生まれた歴史的瞬間です」と、FedExのMitch Jackson(ミッチ・ジャクソン)サステナビリティ最高責任者は述べた。「当社の集配車両を電気自動車に切り替えることは、2021年初めに発表した当社の野心的なサステナビリティ目標の達成に不可欠です」。

画像クレジット:FedEx

FedExは、BrightDrop EV600バンの主要顧客として発表され、ここしばらくはBrightdropの電動パレットEP1をテストしてきた。Chevrolet(シボレー)とCadillac(キャデラック)を所有するGMは、2021年初めまでBrightdropのビジネスユニットを引き伸ばしていた。「EV600は、従来のバンとステップインバンの長所を1台にまとめ、ドライバーの安全性、快適性、利便性を第一に考えています」と、BrightdropのCEO、Travis Katz(トラビス・カッツ)氏は述べた。「また、GMの歴史の中で、コンセプトから市場に出るまで最も早く作られた車でもあります」。

全輪駆動のEV600は、600立方フィート(約17立方メートル)の荷室空間を持ち、一回の充電で最大250マイル(約400km)走行することができる。車内では、カーゴエリアのセキュリティシステム、オートロックドア、モーションセンサー付き室内照明が装備されている。また、自動緊急ブレーキや駐車支援機能も備えている。EP1は、店舗や倉庫でよく見られるトロリーの一種で、23立方フィート(約0.65立方メートル)のスペースと電気モーターを備えており、重いものを簡単に移動させることができる。

最初の5台のEV600は、カリフォルニア州イングルウッドにあるFedExのエクスプレス施設に導入される。FedExはこの車両をサポートするため、カリフォルニア州内にすでに設置されている500基の充電ステーションを含め、同社の施設ネットワーク全体に充電ステーションを建設中だ。また、電力会社と協力し、充電インフラに必要な電力網の容量を評価している。

FedExが、GMと共同で電動配送車を導入する一方で、ライバルのUPSは英国のArrival Ltd.(アライバル)に1万台の電動配送車発注している。一方、Amazon(アマゾン)はRivian(リビアン)の電動配送車10万台を発注し、さらに同社の株式を20%保有している。AmazonはFedExとUPSの両社に先駆けて、すでにロサンゼルスサンフランシスコの両都市でRivianの電動配送を開始している。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Steve Dentは、Engadgetの副編集長。

画像クレジット:FedEx

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(文:Steve Dent、翻訳:Yuta Kaminishi)

GMが米国のレアアース磁石生産を強化する2つの契約を締結

General Motors(GM、ゼネラルモーターズ)はこの1年間、2020年代末までに生産する数百万台の電気自動車のために、バッテリーセルの製造や正極活物質、リチウム、さらにはスクラップを原材料に変えるリサイクルなど、国内のサプライチェーンを確保してきた。

現在、GMC Hummer EC、Cadillac Lyriq、Chevrolet Silverado EVなど、今後発売される電気自動車のモーターに使用されるレアアースの鉱物、合金、完成品の磁石を、MP Materials(MPマテリアルズ)との提携と、ドイツのVACとの別の契約により、国内で調達しようとしている。その結果、米国内に2つの施設が新設され、レアアース磁石の国内生産が強化される。

GMは、自動車の車輪を動かすトルクを生み出す電気モーターの主要部品である磁石を大量に必要としている。GMは、2025年までに30台の新型EVを世界市場に投入し、2035年までにすべての生産車両をゼロエミッションにする計画だ。GMC Hummerだけでも、最大1万1500ポンドフィートのトルクを持つ3つのモーターが搭載される可能性がある。

提携により、GMとVACは、電気モーター用の永久磁石を製造する工場を米国内に建設する。VACとの合意は、現時点では拘束力がない。GMの幹部は、12月9日の手短な会見で、両社は2022年初めに最終的に合意する見込みだと述べた。工場の生産開始は2024年を予定している。施設の場所は後日発表されると両社は述べた。

MP Materialsとの契約は、鉱山から磁石への提携、という意味合いが強い。レアアースは、カリフォルニア州にあるMP Materialsの鉱山で採掘・加工された後、テキサス州フォートワースにある20万平方フィート(約1万8580平方メートル)の新施設で金属や磁石に加工される。MPによると、リサイクルは両拠点で統合されるとのことだ。

この施設では、年間約50万台のEV用モーターに使用可能なネオジム合金と磁石を生産する予定だ。2023年に段階的に生産を開始する。

画像クレジット: MP Materials

今回の契約は、米国で唯一のアクティブでスケールの大きなレアアース生産拠点を所有・運営しているMP Materialsにとって注目すべきものだ。 かつては世界最大のレアアース生産拠点であったマウンテン・パス・サイトは、過去数十年の間にいくつかの手を経てきた。2008年にChevron(シェブロン)がMolycorp(モリコープ)という会社に売却した。Molycorpは鉱山の再稼働、さらには拡張を意図していたが、最終的には破産に追い込まれた。

MP Materialsは2017年7月にマウンテン・パスを買収した。MPによると、現場は稼働しておらず、わずか8人の従業員が手入れやメンテナンスをするために残されていたという。その後、MPは操業を再開し、米地質調査所によると、下の写真のマウンテン・パス・サイトは2020年までに世界の生産量の15%超に相当する3万8500トン以上のレアアースが濃縮されて含まれていた。

画像クレジット:MP Materials

これはまた、米国でのレアアース生産を支持する人々にとっても、画期的な出来事だ。レアアースは世界中に存在し、かつては米国でも採掘されていた。しかし、企業は2003年までにレアアースの採掘をやめ、代わりに中国から購入するようになった。電気モーターに使用されるネオジム・鉄・ホウ素(NdFeB)永久磁石の開発は米国で始まったが、現在の主な生産国は中国、ブラジル、インドだ。中国はレアアース焼結磁石の生産量の約90%を占めている。

GMとMP Materialsは、フォートワース工場を他の磁石メーカーへのNdFeB合金フレークの供給拠点として活用し、多様で強靭な米国の磁石サプライチェーンの構築に貢献すると共同発表した。MP Materialsによると、フォートワースの施設は、マウンテン・パスで年間に生産されると予想される6075トンの酸化ネオジムの10%未満を消費するという。

GMは10月にも、General Electric(ゼネラル・エレクトリック)のクリーンエネルギー部門であるGEリニューアブルズとの間で、レアアース素材の供給について協力し、磁石、銅、電気用スチールの供給を改善する方法を検討するという非拘束的な合意を発表した。その際、両社は、銅や、自動車のトラクションモーターや再生可能エネルギーの発電に使用されるリサイクル素材を一部使用した「eSteel」の新たなサプライチェーンを検討する意向を表明していた。

この取引は現在も進行中のようだ。GMの広報担当は「北米を中心としたEVサプライチェーンを強固で弾力的、かつ拡張可能なものにするためには、コラボレーションが重要な要素となります。我々は正式契約を完了させている最中です」と電子メールで述べた。

画像クレジット: General Motors

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

GM、シルバラードEVの生産を2023年初頭に開始予定

GM(ゼネラル・モーターズ)はCES 2022でシルバラードEVを公開する予定だが、実際に手に入るまでにはかなりの時間がかかりそうだ。Automotive Newsによれば、GMはその主力電気ピックアップの生産を2023年初頭に開始し、その年の後半に販売を始めることを明らかにしたという。それは、2021年12月に出荷されるハマーEVピックアップよりもずいぶん遅れるし、現在は2023年初頭に出荷が予定されているハマー電動SUVにも数カ月遅れることになる。

GMはすでに重要な詳細のいくつかを小出しにしているが、それでも全体的な詳細に関してはまだ伏せたままだ。シルバラードEVは、ハマーやキャデラック・リリックと同じ駆動機構とUltium(アルティウム)バッテリー技術を利用し、400マイル(約640km)以上の航続距離と4輪ステアリングの採用を約束している。通常バージョンには目立つインテリアとしてガラスルーフが採用されているし、商用ユーザーのためのバージョンも用意されている。

登場のタイミングは理想的ではない。シルバラードEVは、主要なライバルになることが予想されるフォードのF-150ライトニングから1年以上後に登場する。Tesla(テスラ)のサイバートラックも、より早く到着するかもしれない。価格はまだ不明だが、新興EVであるリビアンR1Tが今後2年間、シルバラードの顧客の一部を吸収する可能性はあるだろう。CES 2022での発表は、関心を呼び起こし、期待を高める重要な役割を果たせるかもしれない。購入を検討している層は、シルバラードがさらに待つ価値があるかどうかを知りたいと思うだろう。

編集部注:本記事の初出はEngadget。著者のJon Fingas氏はEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:GM

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(文: Jon Fingas、翻訳:sako)

GMが新型シボレー・ボルトEVの生産を2022年1月末まで延期、リコール修理を優先

General Motors(GM、ゼネラル・モーターズ)は、ミシガン州にある同社のオリオン組立工場での新型Chevrolet Bolt(シボレー・ボルト)EVの生産を「2022年1月24日の週まで」延期すると、米国時間12月2日のTechCrunchへの電子メールで明らかにした。2021年初めにバッテリー内での発火の可能性があるとしてリコールされた数万台のChevrolet Boltについては「バッテリーモジュールの交換作業に引き続き注力する」と述べている。

同工場は8月23日から操業を停止しており、GMは新型Boltの生産時期を何度も延期してきた。

同社は10月、リコール対象の電気自動車Chevrolet Boltの交換用バッテリーモジュールのディーラーへの出荷を開始した。GMの広報担当は、出荷または交換されたモジュールの数について、具体的な情報は公表していないと述べた。

「当社は引き続き修理を強化しており、可能な限り迅速に修理を完了させることに注力しています」と広報担当は電子メールで述べた。「実際、BOLT EVの組立を行うオリオン組立工場の従業員には、リコールの修理を優先するために1月まで工場を閉鎖することを通知しました」。

5月には、当初、数件の火災が報告されてリコールとなった2017年から2019年のBoltに、火災を防止する新しいソフトウェアを追加する予定だった。このソフトウェアが有効でなかったため、Chevyは7月にリコールを発表した。そして新しい年式のBoltが発火し、8月にすべてのBolt EVをリコールした。ChevyのBoltバッテリーを製造しているLG Chem(LG化学)は、このリコールにかかった費用約20億ドル(約2260億円)を支払うことに合意した

GMは10月の投資家説明会で、2020年代末までに収益を倍増させ、EV市場シェアをTesla(テスラ)から奪うと述べた。GMは以前、2025年までに30種の新EVをリリースすることを約束したが、今のところ同社がスケジュールを発表しているのは、2021年末までに納車予定のGMCのHummer EVピックアップ、2023年発売予定のHummer EV SUV、そして2022年初めまでに市場に投入される予定のCadillac Lyricだけだ。

画像クレジット:General Motors

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMがポスコケミカルと合弁会社を設立、バッテリーの重要材料「正極活物質」を製造する新工場を北米に建設

General Motors(ゼネラルモーターズ)は、韓国のPOSCO Chemical(ポスコケミカル)と合弁会社を設立し、2024年までにバッテリーの正極活物質を製造する新工場を北米に建設すると発表。垂直統合型のバッテリーサプライチェーン運営への取り組みをさらに深めようとしている。

正極活物質は電気自動車用バッテリーのコストの約40%を占める重要な材料だ。Benchmark Mineral Intelligence(ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンス)によると、正極と負極(リチウムイオン電池のもう1つの構成要素)は、その大部分が現在は中国で生産されているという。GMは今回の発表により、2025年までにバッテリー生産の大部分を北米に移すという目標に一歩近づくことになる。これは現存のバッテリーサプライチェーンと比べると、地理的な大改革を意味する。

「特にバッテリーの生産に関して、我々は自らの運命をコントロールする必要があります」と、GMの役員であるDoug Parks(ダグ・パークス)氏は、米国時間12月1日に行われた記者会見で語った。「だから我々は、独自のプラットフォームのために、北米を中心とする垂直統合戦略を追求しているのです」。

GMはすでに、LG Energy Solution(LGエナジーソリューション)との合弁事業であるUltium Cells LLC(アルティウム・セルズ)によるバッテリーセル生産や、Li-Cycle(リ・サイクル)とのバッテリーリサイクル契約など、バッテリーサプライチェーンの他の部分を積極的にコントロールしている。この新工場で生産される材料は、GMが350億ドル(約4兆円)を投じる電動化戦略基盤となる新しいニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム(NCMA)電池である「Ultium(アルティウム)」バッテリーのセルに直接使用される予定だ。

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同社の幹部は、工場の場所や投資額については明らかにしなかったものの、これが多額の投資であることはほぼ間違いない。なぜなら、この新工場で生産される材料は、GMがUltium Cells合弁会社の下で計画している4つのバッテリー製造施設で必要となる正極活物質の「ほとんど」を供給することになるからだ。これによって、GMは最終的に米国内で合計140ギガワット時の電池製造能力を持つことになる。

2024年までに新施設を稼働させるのであれば、この合弁会社は迅速に行動する必要があるだろう。両社によると、早ければ来年の第1四半期には立地を発表できるとのこと。

GMの垂直統合戦略の背景には、自動車から家電までさまざまな業界に影響を与え続けているチップ不足の問題がある。

「半導体の危機は、むしろ私たちが機敏性を備える必要があることを教えてくれました」と、パークス氏は語っている。

さらに同氏は、原材料の調達を含むサプライチェーンの多くを北米に移すことで、コバルト調達における人権侵害や環境への影響など、バッテリー生産におけるより厳しい現実に対処するためにも役立つと語る。

「私たちは、サプライチェーンを現在よりも改善することができると考えています。セキュリティの観点、つまり私たちが北米アプローチと呼ぶ場所的セキュリティにおいても、そして同時に、環境面においてもです」と、パークス氏は語った。

画像クレジット:GM

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)