Google、Androidからパソコンに接続して操作できるるリモートデスクトップ ・アプリをリリース

今朝(米国時間4/16)、GoogleはAndroidデバイスからパソコンにリモート接続するアプリ、Chrome Remote Desktop app for Androidをローンチした。

このアプリはGoogleがすでに提供しているパソコンの画面共有サービス、Chrome Remote Desktopをモバイル版に拡張したものといえる。

デスクトップ版の場合と同様、AndroidアプリもまずChrome リモートデスクトップというクライアントをパソコンにインストールする必要がある。このアプリはChromeウェブストアから入手できる(XP以降、OS X 10.6以降、 Linux)。これはGoogle Chromeブラウザのアプリだが、リモート接続の際にChromeを起動している必要はない。

アプリをインストールした後は、ユーザーはAndroidデバイスからマウスを動かし、フォルダやアプリを開き、キーボードから入力するなどコンピュータを自由に操作できる。以前のGoToMyPCの現代版のような操作感覚だ。.

われわれはChromeリモートデスクトップ・クライアントがしばらく前からテストされていることに気づいていた。1月には作動するバージョンも公開された。ただしこれはソースコードで提供されており、ユーザーがコンパイルする必要があった。iOS版も開発中ということだが、Android版に比べると進捗はかなり遅れているらしい。

今回のGoogleの動きは、Amazonがエンタープライズ向けに似たようなリモートデスクトップ機能を提供し始めたことに対抗する意味もありそうだ。3月に正式公開されたAmazon Workspacesは企業の従業員が他のパソコンやモバイルデバイス(Mac、PC、iPhone,、iPad、Android、Kindle Fire HDX)から会社のパソコンにアクセスすることを可能にする。Amazonの場合、タブレット(特にKindle)をビジネスの場に浸透させる助けとすることが狙いだ。

これに対してGoogleのリモートデスクトップは一般ユーザー寄りのプロダクトだ。Googleはリモートデスクトップ機能を使って息子が離れて住んでいるママのプリンターの設定を調整したり、パパのコンピュータから見失ったファイルを探し出したりするというストーリーでプロモーションをしたぐらいだ。

Chrome リモートデスクトップのAndroidアプリはGoogle Playのこちらからインストールできる。

〔日本版〕リモートデスクトップのChromeアプリもAndroidアプリも日本語化ずみ。ヘルプも日本語化されている。リモートデスクトップを有効にするには6桁以上の暗証番号を設定する必要がある。デスクトップがAnddroidから共有されているときはパソコンの画面の下部にその旨表示され、「共有を停止」ボタンから接続を切断できる。

AndroidからPCを操作する場合、画面を1本指でスワイプするのがマウスポインタの操作となるので画面が逆に動くように見える。その他、
・1本指タップ:左クリック
・2本指タップ:右クリック
・3本指タップ:中央クリック
・2本指スワイプ:上下スクリール
・3本指上スワイプ:キーボード表示
などのジェスチャーが用意されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GoogleのChromebook, 今年の市場でメジャーなラップトップに成長

MicrosoftがGoogleのChromebookプロジェクトを警戒したのは正しかったようだ。マーケティングコンサルタント企業NPDの最近の調査によると、Chromebooksは2013年に合衆国の企業が購入したコンピュータの10%近くに達し、ラップトップ分野の21%を占める。前年比は、と言いたいところだが、前年の数値は統計的有意に達していない。Appleは商用分野で影が薄い存在だから(驚くなかれそのシェアは1.8%だ)、 Chromebookのシェア拡大はWindowsのそれを奪った結果である。

数年前まで、Chromebookは笑いものにされていた。それは性能の悪い単能機のラップトップで、それにできる唯一のこと(Webを閲覧)すら、満足にできなかった。価格は安いのに、誰も関心を向けなかった。初期の売上は無に等しく、Googleのハードウェアパートナーたちも、Googleの機嫌を損ねないためにいやいや付き合っている、という風情だった。プロジェクト全体が、最初から死を宣告されているようだった。

しかし、なぜかGoogleはこのプロジェクトに固執し、そして2年前ぐらいからChromebookは、どうやらこうやら、ラップトップ市場に小さな歯型を残すまでになった。しかも、企業向けだけではない。Amazonの今週の発表によると、今年のクリスマス商戦におけるラップトップの、売上上位3機種のうち2機種が、Chromebookだった。

2年前のChromebookは、もっぱら学校向き、とされていた。たしかに、当時は学校にしか売れていなかった。しかし昨年になると、何かが変わった。Googleはハードウェアパートナーのより多様なエコシステムを構築し、その中にメジャーなラップトップメーカーのほとんどすべてが含まれるようになった。Lenovo、HP、Toshiba、そしてAcerだ。このうちLenovoだけが、製品を教育用に限定している。〔Dellも来年1月にChromebookを発売。〕

1300ドルのPixelでもってGoogleは、ハイエンドのChromebookもありえる、ということを身をもって示しさえした。ぼくの勘では、Pixelは売れた台数よりも今年のI/Oカンファレンスでデベロッパたちにおみやげした台数の方が多いと思う。Pixelは良くできたハードウェアだったが、いまどきラップトップに1300ドルも出すのはプライベートジェット族ぐらいしかいない。しかし、Pixelが出たことによって世間は、Googleはこのプロジェクトに本気だ、と感じた。そして、ハードウェアパートナーたちと企業顧客の心を、向けさせることに成功したのだ。

昨年は、ChromeOSも、芸が一つしかできないサーカスの子馬から、“本物の”オペレーティングシステムへ一歩近づいた(とくにUIが、Webブラウザ的からふつうのPC的に変わり、ブラウザしか動かせないラップトップという印象が薄れた)。Microsoftは執拗に、Chromebookはインターネットに接続してないと何もできないと指摘したが、Googleの技術者たちはオフライン機能の充実に力を注いだ。それに今では、どんなコンピュータも、インターネットなしでは何もできないだろう。

今のChromebookは、2010年にGoogleがブロガーたちに贈ったプロトタイプ機Cr-48とは似ても似つかない。MicrosoftがこのところテレビCMでしきりにChromebookをつっつくのも、企業の世界でマーケットシェアを失うことを、おそれているからだ。Microsoftが心配するのも、当然である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))