2019年のスマートスピーカー出荷量は70%アップの1億4690万台で新記録

2019年の世界のスマートスピーカー市場は対前年比70%拡大し、1億4690万台の出荷だったとStrategy Analyticsが発表した。アメリカでは依然Amazonが大きくリードしているものの、世界では中国メーカーの進出が目立った。

もちろん世界市場でもトップはAmazon Echoであり、2019年のシェアは26.2%だった。ただしこれは2018年の33.7%というシェアからはダウンしている。Amazonがダウンした分をGoogleが奪ったというわけではなく、Googleも2018年の25.9%というシェアを2019年には20.3%に落としていた。

このようなトレンドはあるものの、AmazonとGoogleが北米、ヨーロッパ市場のリーダーである状況は変わっておらず、合計シェアは4分の3を超えている。

3位から5位は中国のBaidu、Alibaba、Xiaomiで、それぞれシェアを拡大している。Appleは 4.7%という低いシェアで引き続き6位にとどまった。

統計数値を眺めるとやはり第4四半期の成績が良かったが、これはクリスマス商戦でメーカーが入門機の価格を大きく引き下げたためだ。首位のAmazonは1580万台、2位のGoogleが1390万台を出荷している。中国のBaiduが590万台で3位だった。

第4四半期におけるスマートスピーカーの出荷は合計5570万台と過去最高を記録した。この好調さはアメリカとヨーロッパのクリスマス商戦が追い風となっている。またレポートによれば、Googleは新製品の投入、部品供給が軌道に乘ったこと、マーケティングの成功などによりスマートスピーカービジネスが大きく改善されたという。

Strategy Analyticsのディレクター、David Watkins(デビッド・ワトキンス)氏はレポートを発表した際の声明で「スマートスピーカーに対する消費者の需要は2019年第4四半期でもまったく減少を見せず、クリスマス商戦に新たに投入された新機種も好調だった。新機能が追加され、音質も改善されたことと合わせ、出荷は新記録を達成した。世界中の消費者はGoogle、Amazon、Baidu、Alibabaなどの主要ブランドが競って提供した『お得なセールス』に魅了された。中でもGoogleはYouTubeやSpotifyなどのサービスと提携してデバイスを無料配布するという大胆なプロモーションを展開した」と述べている。

現在、新型コロナウィルス感染症が需要、供給の双方に陰を落としているものの、Strategy Analyticsは2020年も通年でスマートスピーカーが記録を更新するだろうとみている。

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滑川海彦@Facebook

Pixel 4やPiexbook Goの登場は確実か、来週のGoogle新製品発表イベント予測まとめ

米国ニューヨークでは紅葉も始まり、すっかり秋の気配。つまり新ハードウェアがお披露目される季節だ。マンハッタンでは来週水曜の10月15日(日本では10月16日)にハードウェアイベントを予定している。

例年どおり、メインとなるのは同社のハードウェアのフラグシップであるPixelシリーズだが、Google Nest(Google Home)のアップデートも多数登場するだろう。スマートディスプレイ、Google Nest Hubが発表されたのは昨年のこのイベントだった。

Google(グーグル)の新しいハードウェアについての予測や噂はしばらく前から渦巻いている。Pixelシリーズに加えてPixelbookシリーズがアップデートされるだろう。Pixel Budsの新製品も発表されるかもしれない。現在判明していることをことをまとめてみた。まずはメインテーマから見ていこう。

最新スマートフォンのPixel 4とPixel 4 XLが発表されるのは間違いない。 グーグル自身が上のビデオのように新製品を予告している。この間のリーク写真で一貫しているのはiPhoneに似た四角い枠の中に2台のカメラを水平に並べた三角形のアレイというデザインが採用されていることだろう。Evan Brassの新たなリーク写真でもカメラが2台になっていることがわかる。

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グーグルはこれまでの「カメラは1台で十分」という方針を捨ててメインカメラ2台方式とした、Pixel 3ではカメラは1台だったがAI画像処理ソフトが駆使され夜景モードなど非常に高い画質を実現していた。今回はソニー製の1600万画素で望遠レンズ搭載のカメラが追加されており、写真性能が驚異的なものになっているのではないかと期待されている。

赤外線ビームにより撮影した画像の各ピクセルごとに光の反射時間を計測して一挙に3次元マップを生成できるToF(Time of Flight)センサーについてはまだ情報が少ない。ユーザーの顔でロックを自動解除する機能や手のジェスチャーで楽曲をスキップしたりボリュームを下げたしする3D認識機能が追加されることも予想されている。

OSはAndroid 10がプリインストールされる。5Gモデルも以前から噂に上っているが、今回登場する確率は低い。録音の自動文字起こし機能も噂されており、実現すれば私のようにインタビューを職業の一部としている記者にとってはこのうえなくありがたい。

まとめると、Pixelは5.6インチ標準サイズと、縦長6.3インチのXLの2シリーズとなる。カラーバリエーションにはホワイト、ブラックに新しくオレンジが加わる。

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ChromeOS搭載デバイスではプレムアムモデルとして新しいPixelbook Goが発表されるはずだ。 9to5Googleの記事によれば、これは現行Pixlebookのアップデートというよりまったくの新製品と考えたほうがいい。ストレートなノートパソコンというより、軽量化や携帯性に重点を置いたMacbook Air的な製品となるようだ。

GoogleはPixelbookシリーズの今後の展開について詳しいことは明かしていないが、Chromebookカテゴリーの製品が全体として大きな成功を収めている以上、なにか計画していることは間違いない。高性能化して低価格化するというのが順当な方向だが、そうなるとライバルと同程度の価格帯になるかもしれない。

リーク情報によれば13.3インチ、4Kのタッチスクリーン、ポートはUSB-Cが左右に設置される。ポート数が少なすぎるというのが前モデルに対する最大の不満だったから、2基のまま変化なしというのはやや不満が残る。

新しいスマートイヤフォン、Pixel Budsは出るだろうか?出てもいいはずだ。オリジナルのGoogle Budsは市場では空振り気味だった。しかしアップルやBeats(ビーツ)、Samsung(サムスン)、ソニーなどライバルがそろってスマートイヤフォンに力を入れているのだからグーグルが単に眺めているということはないだろう。同社のソフトウェア能力をもってすれば、他社と差別化できるような製品を開発できるのではないか?

来週のイベントにはGoogle Nest/Homeシリーズの製品が多数登場するはずだ。長くベストセラーを続けているGoogle Home Miniもとうとうアップされるらしい。Google Home MiniもNestファミリーのメンバーになったのだから、それらしい製品名に変える必要もある。音質を改善しカラーバリエーションを増やすなどが考えられる。本質的な部分に大きな変化はないだろうが、あの低価格なら気にすることはない。

もうひとつ以前から期待されているのがGoogle Wifiのアップデートだ。これもHomeからNestに分類が変わるはず。噂によればGoogleはスマートハウス、スマートディスプレイなどNestシリーズの各製品とのスマートシナジーを期待しているというのだが、どんなものだろう。

TechCrunchはGoogleのイベントをライブ(日本時間10月15日午後11時から)でカバーする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook