【米国】Google Payによる駐車料金支払いを音声でできるようになった

筆者: Jaclyn Trop

米国のAndroidユーザーはこれで、これまでのように駐車違反切符を切られることがなくなるかもしれない。少なくともそれが、最新のアップデートでGoogleがユーザーに約束していることだ。

Googleは木曜日(米国時間03/10)に、その最新のソフトウェアアップデート新しい機能をたくさん発表したが、その中には、ParkMobileとのパートナーシップにより、音声で駐車料金を払える機能がある。これによって、寒すぎたり、会議が予定より長引いたり、カップ・ホールダーの小銭が少ないときにメーターで払う苦痛とおさらばできる。

このパートナーシップは、最近のGoogleが交通に力を入れていることの最新の例だ。これまでは、Googleマップに自転車やライドシェアを加えたり、デジタルキーを開発したり、自動車メーカーと共同でAndroidオペレーティングシステムを車に統合したり、などがあった。

消費者の日常生活を便利にしようとGoogleが志したとき、中でも駐車は同社にとって易しい問題だ。Parkmobileとのパートナーシップにはやや制限があるが、でも過去の例を見るかぎり、パートナーシップの拡大はすぐだろう。

音声による駐車機能は、読んで字のごとしの機能だ。どこかに駐車して「Hey Google, pay for parking」(ヘイ、グーグル、駐車料金を払って)と言うと、あとはGoogle Assistantのプロンプトに従うだけだ。その決済は、Google Payが処理する。

Googleのキャッチフレーズは、「硬貨と混乱にさようなら(No more coins, no more confusion)」だ。

混乱の原因は、ダウンロードして使える駐車アプリの不出来にもある。今回の駐車料金支払い機能は、使いづらいアプリを無視してデフォルトでParkMobileを使う。これは、米国の400以上の都市の駐車場に対応している、最上位のアプリだ。

そのアプリのAndroid用のアップグレードでは、残り時間をチェックしたり、時間を増やしたりが音声コマンドでできる。「Hey Google, parking status」とか、「Hey Google, extend parking」と言うだけだ。

これが重要なのは、Googleが車からユーザーの個人情報を知るためにも使えるからだ。たとえば、車の現在位置が分かる。そしてデータ収集に関しては、GoogleがAppleに勝ちとなる。

AppleやGoogleやAmazonにとって、ユーザーの車から得られるデータは、サブスクリプションサービスを売ったり、あるいはそのデータをサードパーティに売って広告の個人化に使わせたりすることに利用できる。そんなデータが多くなれば、テクノロジー大手の売り上げも増える。

昨年GoogleとParkMobileは路上駐車の支払いをGoogle Mapsからできるようにしたが、でも今回の音声による支払いはAndroidユーザーとGoogleとParkMobileにとって大きな進歩であり、さらに、ターゲティング用のデータに飢えているサードパーティの顧客にとっても、すごくありがたい。

(文:Jaclyn Trop、翻訳:Hiroshi Iwatani)
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ウクライナ侵攻に対する経済制裁により、ロシア国内でApple PayやGoogle Payなどが利用停止

ウクライナ侵攻に対する経済制裁により、ロシア国内でApple PayやGoogle Payなどが利用停止ロシアのウクライナ侵攻を受けて、米国政府およびEUはロシアの大手銀行5行に対して外国為替取引の制限を含む経済制裁を実施しました。その結果、現地の主要銀行口座と紐付けられたApple PayやGoogle Payなどのデジタルウォレットがロシア国内で利用停止となったと伝えられています。

ロシア中央銀行は25日、制裁対象となった銀行の顧客は海外でカードを使用できなくなり、制裁を支持する国に登録されている企業のオンライン決済ができなくなると発表しました。

公式声明によると、影響を受ける銀行はVTBグループ、ソブコムバンク、ノビコムバンク、プロムスヴィヤズバンク、オトクリティの5つ。これら5つの銀行が発行するカードは、Apple PayやGoogle Payで使えなくなったと指摘しています。

なおロシアの顧客は、ロシア国内では物理的なカードを使って非接触決済を行うことができるとのこと。現時点では、上記の5行と紐付けられたApple PayとGoogle Payの決済は同国内で無期限で停止されており、再開のめどは立っていません。

今回のできごとは、あくまで「Apple PayとGoogle Payと取引ある地元銀行が経済制裁の対象となった」ためです。しかし米バイデン政権は追加制裁として半導体などハイテク製品の輸出規制も決定しており、その範囲がうわさ通りソフトウェアや通信プロトコルにも及べば、ロシア国内でApp StoreやGoogle Playストアが使えなくなる事態もあり得そうです。

(Source:Bank of Russia。Via BusinessInsiderEngadget日本版より転載)

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Egor Lyfar on Unsplash

グーグルのArea 120、デジタルクリエイター向けウェブストアフロントを提供するサービス「Qaya」を開始

米国時間12月15日、GoogleのチームがQayaという名前の新しいサービスを立ち上げた。クリエイターはこのサービスを使ってウェブ上に店舗をオープンし、自分のプロダクトやサービスをオーディエンスに直接販売することができる。Area 120は、初期のプロジェクトの多くがGoogleのCloud、Search、Shopping、Commerceなどの部門に移管されたことを受け、地位を昇格させた会社の大規模な再編成の一環となる。

関連記事:「Google Labs」の名が復活、AR&VR、Starline、Area 120が新設された「Labs」チームに移動

新プロジェクトQayaは、Area 120の社内創業者であるNathaniel Naddaff-Hafrey(ナサニエル・ナダフ-ハフリー)氏らが共同で創業した。ナダフ-ハフリー氏は以前、求人のマーケットプレイスKormoに在籍し、インドやインドネシア、バングラデシュなどのいわゆる「次の10億人の」インターネットユーザーを狙っていた。

彼は何十人ものクリエイターから話を聞き、デジタルビジネスの構築は時間ばかりかかってたいへんであることを理解し、そこから、彼らがファンに直接販売できるサービスとしてQayaを考えた。Qayaのチームにも数名のクリエイターが在籍しており、既存のクリエイターツールを使った体験を貴重なものとしてQayaに持ち込んだ。彼らは自分の体験と他のクリエイターたちの話から、クリエイターが自分の作品でお金を稼ぎ、自分のファンともっと良好な関係を築ける、ワンストップショップのような、柔軟性に富んだノーコードのプロダクトへの需要があることを知った。

Qayaのソリューションでは、クリエイターが自らの店をウェブ上に開き、プロダクトやサービス、その他のダウンロード可能なデジタル作品を並べて販売する。そこには、彼らのYouTube Merch Shelfのリンクがあってもよいし、Google検索やGoogleショッピングを統合することができる。写真やファイル、eブック、デジタルアート、写真のフィルターやプリセット、各種の仕事の生産性を高めるためのテンプレート、編み物のパターン、フィットネスのビデオなど、扱える作品にはほぼ制限はない。Googleによると、1つの店で最大1000のプロダクトを取り扱うことができる。

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また、デジタル作品ではないリアルのグッズや他のプラットフォーム上のサービスを売りたいクリエイターは、それらをQayaのページ上にフィーチャーでき、それらを自分のブランドにすることもできる。

各ストアは「qaya.store/●●●」という形の独自のカスタムURLを持つ。そしてそれを、LinktreeBeaconsなどが提供しているソーシャルメディア上のいわゆる「リンクインバイオ(プロフィール上のリンク)」の代わりに使ってもよい。

そうしたストアのサービスを利用するとクリエイターは、自分のさまざまなオンラインプレゼンスを指すマイクロウェブサイトを作ることができる。そこで、ソーシャルメディアのチャンネルとかショップ、ブログ、音楽やポッドキャストなどを紹介し、リンクを張ればよい。

この種のサービスの慣行に倣って、Qayaのストアでもページ最上部にある名前と自己紹介の下に、クリエイターは他のオンラインプロフィールのリンクも置ける。しかし、ストアの本来の目的は、クリエイターが販売したいと思うコンテンツにファンを直接コネクトすることだ。ファンをクリエイターのプロフィールやその他のサービスにコネクトする、単なるランディングページではない。

QayaにはGoogle Payが組み込まれており、サブスクリプションやチップ、都度払いなど、いろいろなタイプの収益化方法をサポートしている。また、Qayaはクリエイターの商品の売れ行きに関するインサイトや分析も提供する。

現在、このプロダクトは無料で使用でき、マネタイズはトランザクションベースで管理されている。つまり、クリエイターはQayaにアップロードして販売した商品から得られる収益の「大部分」は、クリエイターの手元に残るとGoogleはいう。

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Googleは現在、Qayaのベータに参加した一部のYouTubeクリエイターに、YouTube Merch Shelfの統合を進めている。同社によると、そのうちQaya でも、もっと広い範囲のプロダクトを販売できるようにするという。「その他のタイプのデジタルグッズ」も含まれるとのことで、おそらくそれはNFTのことだろう。Googleは、この話題について無視しているが。

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Googleによると、この新しいサービスは米国では本日からローンチし、他の国のユーザーはこれからとなる。Qayaのベータにアクセスしたいクリエイターは、Qayaのウェブサイトで招待状をリクエストできる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルがpringを買収した理由とは? 「米IT大手が日本の決済市場を席巻」は本当か

グーグルがpringを買収した理由とは? 「米大手ITが日本の決済市場を席巻」は本当か7月13日、Googleはモバイル金融サービスを提供する「pring(プリン)」の全株式を取得するための契約に合意したことを発表した。

同社には親会社のメタップスをはじめ、ミロク情報サービス、日本瓦斯(ニチガス)、伊藤忠商事、ファミマデジタルワン、SBIインベストメント、みずほ銀行、SMBCベンチャーキャピタルなどメガバンクを含む複数の資本が入っており、株式譲渡が完了するとみられる8月中には実質的にGoogle傘下の企業となる。

Googleによる買収が発表された「pring(プリン)」

Googleによる買収が発表された「pring(プリン)」

pringでは買収後も既存のサービスに変更はないと説明しているが、同件の最初に報じた日本経済新聞では「Google、日本で金融本格参入へ 国内スマホ決済買収」のタイトルで、Googleがpringをベースに日本国内における送金・決済サービスの分野に本格参入することを伝えており、いわゆる「GAFA」などの名称で呼ばれる米IT大手の金融分野での日本進出が本格化しつつあることを予感させる流れになっている。

「pring(プリン)」とはどういうサービスか

pringの会社設立は2017年、サービス開始はiOS版アプリの登場した2018年3月と、「○○Pay」などが多数リリースされた時期に登場した金融スタートアップの1社となる。

pringに関してよく誤解されている1点を挙げれば、同社が志向しているのは「○○Pay」が提供しているような「QRコード(バーコード)決済サービス」ではなく、「送金」を中心とした「シンプルなお金の移動サービス」だ。

以前に筆者が同社代表取締役の荻原充彦氏にインタビューしたときに、同氏は「純粋に送金に特化しているサービスは少ない。目指すのは早くて便利でどこでも使えるSuicaのようなサービス」とpringの特徴を説明している。

JCBの提供しているSmartCodeの仕組みなどを通じてQRコード決済が行える機能もあるものの、主眼はあくまで「個人間送金」、あるいは企業が経費精算などで従業員への支払いなどに利用する「業務用プリン」といったサービスとなる。

「なぜGoogleはpringに興味を持ったか」「pringをどのようにGoogleの金融サービスに組み込んでいくのか」という2つの疑問があるかと思うが、後者については比較的簡単に説明できる。

pringをGoogle Payの「ウォレット(Wallet)」とし、ここを基点にして送金や、決済など他の金融サービスと連携していくのが将来的な計画だろう。

送金などで受け取ったお金はいったんウォレットにプールされ、再び他者に送金したり、そのまま買い物や銀行口座などから引き出すことができる。pringの場合は銀行口座と連携せずともセブン銀行ATM経由でウォレットへのチャージや現金の引き出しが可能なため、この仕組みを手軽に利用できる。

セブン銀行との提携で会見したpring代表取締役の荻原充彦氏(右)

セブン銀行との提携で会見したpring代表取締役の荻原充彦氏(右)

セブン銀行ATMでアプリから出金する

セブン銀行ATMでアプリから出金する

ただ興味深いのは、この送金機能が現在提供されているのは米国とインドの2ヶ国のみだ。Google Pay自体は本稿執筆時点で40ヶ国でのサービス提供が行われているにもかかわらず、2015年のサービス開始(当時は「Android Pay」の名称)から6年経過した現在においてなおこの状態となっている。

多くの国ではGoogle Payにカードを登録してオンラインやオフラインの店舗での支払いに利用できるのみだ。またインドで提供されているサービスは(2017年のサービス開始当初は「Tez」のブランド)、登録された銀行口座間の送金が基本となっており、いわゆるウォレット方式とは異なる。モバイル送金それ自体は非常に便利な仕組みだが、Google Payのような決済サービスと組み合わせることで残高の利用機会が増え、互いに相乗効果をもたらす。

日本におけるGoogle Payは登録可能な対応カードや決済手段が限られており、どちらかといえばFeliCaチップを使った「おサイフケータイ」に依存する部分が大きい。個人的意見でいえばGoogle Payを使う場面は自ずと限られているという認識だが、今後「送金」の仕組みが加わることで、より活用場面は増えるだろう。

Google Payの店頭決済において利用可能なカード一覧。選択肢としては決して多いとはいえない(出典:Google)

Google Payの店頭決済において利用可能なカード一覧。選択肢としては決して多いとはいえない(出典:Google)

金融端境期のGoogleによるpring買収

「送金」サービスと一口にいうが、実際に使い勝手のいいサービスを提供するのは難しい。「マネーロンダリング防止の観点から送金の監視が必要」という話に加え、「異なるサービス間でどのように送金を行うのか」という問題がある。

同一サービス間であればアカウント同士の残高を移し替えるだけなので問題ない。ところが送金先が同一サービスにアカウントを持っていない場合、異なるサービスのアカウントを指定して送金を行う必要がある。現状、そのような仕組みが実装されているケースはほとんどなく、例えば「割り勘」のような仕組みを実装する際の障壁となっている。

皆が皆使っているサービスなら問題ないが、そこまでユーザーを獲得しているサービスはそうない。Google Payがもし送金機能を標準で実装し、さらに日本において多数のユーザーが存在する“iOS向け”のGoogle Payアプリをリリースすれば、この問題を解消できるかもしれない。

pringアプリのメイン画面

pringアプリのメイン画面

送金サービス提供にあたってもう1つの問題が振込手数料の存在だ。前述のように同一サービス間であれば残高の付け替えだけで済み、ほとんどコストのかからない作業だが、アカウントへの出入金や他のサービス(あるいは銀行口座)への送金が発生した場合、振込手数料が必要となる。

pringを含む“送金”や“出入金”の機能を提供する「○○Pay」の金融サービス事業者は改正資金決済法における「資金移動業者」と定義される。資本規制を含むさまざまなルールが規定される免許事業者の銀行と比べて参入障壁は低いものの、100万円以上の資金の移動に制限を受けたり、「預金」にまつわるサービスが提供できないなど、決済や送金に特化した認可事業者の扱いだ。

位置付けとしては、資金移動業者は特定の銀行の支店に口座を持ち、そこを通じて他のサービスや銀行と精算業務を行っている。銀行間の資金決済処理は全銀システムを通じて行われているが、その際に必ず手数料が発生する。

一般に、銀行口座振込で1回あたり2百数十円の振込手数料が要求されるが、これは全銀システムを経由していることによる。近年、この全銀システムの手数料の高さや、システムへの接続が銀行以外のサービス事業者(資金移動業者など)に開放されていないことが問題視されており、手数料値下げや緩和の方向に向かいつつある。

また、全銀システムなどの利用料が1回利用あたりの一律料金で設定されていることにより、特に小額送金や決済において「手数料が相対的に非常に高くなる」という点も、キャッシュレス化の進展において小額決済が現金からキャッシュレス決済に移行する際の障害になっていると考えられている。

小額決済や送金を可能にする「ことら」という仕組みがメガバンクらを中心にJ-Debitの仕組みをベースに検討されており、こうしたニーズとのギャップを埋めるべく金融業界の新しい動きとなっている。つまり、オンラインシステムが稼働を開始してから長らく変化の少なかった銀行業界だが、ここ最近になり急速な変化が起きつつある。

これはインターネット事業者など業界外からの参入が増え、競争が激化しつつあることと無縁ではない。Googleのpring買収はこの日本での金融端境期の中で起きた大きなイベントの1つであり、2016年のApple Payの日本でのサービスインと合わせ、少なからぬ影響を業界に与えることになると考える。

米IT大手が日本の金融市場を席巻するという話は本当か

この手のニュースが報じられると、毎回話題になるのが「米国のIT大手が日本の金融市場も席巻し、銀行は過去のものになる」というテーマだ。

実際のところ、金融業界は規制に大きく縛られた業界であり、国ごとにルールや商習慣も大きく違う。仮に先進的で革新的なサービスであっても、そう簡単に複数の地域や国に一度に展開が可能なほど甘い世界でもない。

例えば、Googleがpringを買収したところで銀行の代わりにはなれないし、Google自身が銀行免許を取得して日本で自ら本格的な金融サービスを提供するような面倒な道は選ばないだろう。それよりは、すでに日本ですでに地場を固めている複数の金融機関と手を組み、すばやく必要で手軽なサービスを展開する方が効率がいい。

Appleがあくまで既存金融機関などとの提携で「Apple Pay」を日本に持ち込んだように、方法としてはそちらの方が圧倒的にスマートだ。一方で、今後給与デジタル払いが解禁されたタイミングで、pringのような仕組みを利用するケースはさらに増えるとみられ、“地ならし”という点で今回の買収は大きな意味を持つ。

実際のところ、こうした地域間でのルールや文化の違いが金融サービスの提供にあたっては大きな障壁となる。例えば、先日ゴールドマン・サックスの日本支社が国内で銀行業免許を取得したことが話題になったが、これが必ずしも「日本でのリテールバンク参入」や「Apple Cardの国内発行」に即つながるわけではない。

ゴールドマン・サックスは「Marcus」ブランドで2016年に米国でリテールバンク市場に参入しつつ、2019年にはカード発行の外販事業で初の顧客として「Apple Card」の発行を請け負った。

Apple Cardはスマートフォン(iPhone)利用に特化した分かりやすいUIと、最大3%の“キャッシュ還元”が特徴のクレジットカードだが、日本と米国でカード利用のビジネスモデルが大きく異なっていることから、同じ商品性で日本にサービスを投入するのは難しいと考えられている。将来的には分からないが、この仕組みが日本の消費者に受け入れられるかも含め、参入に時間のかかるビジネスと思われる。

Marcus by Goldman Sachsのページ

Marcus by Goldman Sachsのページ

また、Appleについては米国で「Buy Now, Pay Later(BNPL)」への市場参入が米Bloombergによって報じられている。これはApple Payの支払いオプションとしてクレジットカードやデビットカードによる一括決済だけでなく、「4回払い」の指定が可能になるもの。市場背景などの詳細は筆者の別の記事を参照いただきたいが、米国のクレジットカードでは一括決済後に弁済金を自ら少しずつ返済していく仕組みが一般的であり、指定期日を過ぎるとその分が利息として請求される。

「ミニマムペイメント」とは毎月やってくる返済期日に最低限弁済しないといけない金額のことであり、早めに返済すればするほど手数料は低くなる。いわゆる「リボ払い」と呼ばれるものだが、日本では分割払いの回数や手数料は最初の決済時に決定されるものなので、BNPLのような仕組みは馴染みにくいだろう。

近年、米国を含め欧米を中心にBNPLの仕組みがブームになっているが、その理由として「クレジットカードの与信枠が少ないので、それを超える買い物をしたい」「そもそもクレジットカードを使いたくない」といったユーザーのニーズを反映したものとなっている。

小売店側も販売機会の増加や決済単価を増やすため、本来のカード決済手数料よりも高い(米国ではクレジットカードと比較して1.5-2倍程度とされる)BNPLをあえて導入し、売上全体を伸ばすことに利用している。

BNPL市場興隆の例。オーストラリアでの調査報告で、クレジットカード発行枚数の減少とともにBNPLの決済額が増えつつある(出典:ネットプロテクションズ)

BNPL市場興隆の例。オーストラリアでの調査報告で、クレジットカード発行枚数の減少とともにBNPLの決済額が増えつつある(出典:ネットプロテクションズ)

このように、「GAFAが日本金融を席巻する」という話はそう単純なものではなく、これまで変化の少なかった金融業界のビジネスモデルに影響を与えつつも、あくまで相互関係に則って展開されるものだということが分かるだろう。

過度な警戒は必要ないが、これら米IT大手が日本の金融市場にサービスを提供することでどのような影響を与えるのか、自分の生活をどう変化させるのかを考えつつ、今後の思索につなげていきたい。

(鈴木淳也。Engadget日本版より転載)

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Googleが新型コロナ「デジタルパス」をAndroid標準機能としてサポート、「Google Pay」で接種情報表示可能に

Googleが新型コロナ「デジタルパス」をAndroid標準機能としてサポート、「Google Pay」で接種情報表示可能に

Google

Googleは6月30日(現地時間)、Android端末上で新型コロナウイルスのワクチン接種証明書を保存・表示が可能になったと発表しました。まずは米国で提供され、今後他の国でも提供予定です。

海外では、ワクチン接種を条件にマスクの非着用や経済活動の再開などの規制緩和も行われていますが、そこで問題となるのがワクチンを接種したという証明です。

紙の証明書が発行される場合も、常にそれを持ち歩かなければいけないというのがデメリット。一部では専用アプリ、いわゆるワクチンパスポートなどを利用するケースもありますが、個人情報を含めプライバシーの問題も懸念されています。

このため、AppleはiOSで利用できるワクチンパスポートアプリを、公的な保健医療機関に認められた組織またはその組織と提携する開発者に限定しています。

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これに対してGoogleは、OSの標準機能としてサポートする形となりました。Google Payで会員カードなどを表示するのに使われるPasses APIをアップデートして対応します。ワクチン接種の情報はクラウドには保存されず、端末内にのみ保存されます。

自分が所有する複数デバイスへの保存も可能ですが、同期はされないため、各デバイスで手動で保存する必要があります。なお、当然ながら、この情報をサードパーティと共有したり、ターゲッティング広告に利用することはないとしています。

これを利用するには、当然ながら医療機関等の情報提供側でも対応が必要です。情報提供側がWeb上に公開しているワクチン接種情報の仕組みをAPIに対応させると、その情報を端末上に保存可能になります。

この機能はセキュリティの観点から、利用できるのはAndroid 5.0以上でPlay Protect認定を受けている必要があり、加えてパスワードやPIN、生体認証などの登録が必要です。なお、Google Payアプリのインストールは必須ではないとのことです。

ちなみに、日本でのワクチン接種証明書は、現在議論が進められており、7月の中旬から下旬を目途に、まずは書面での交付が開始される予定。将来的にはアプリの利用も検討されています。

iPhoneユーザーはどうするのかという問題はありますが、接触確認アプリの場合と同様、AppleとGoogleで歩調を合わせて、利便性の高い仕組みを提供してほしいところです。

(Source:GoogleEngadget日本版より転載)

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Google Payがアップデート、食料品セール情報・交通カード・家計管理機能を追加

Google Pay(グーグル・ペイ)の2020年11月の大規模なリニューアルで個人向け会計サービスに進出したGoogleは、本日米国時間4月29日、Google Payをユーザーの日常生活の一部にするための新機能を公開した。このアップデートによって、食料品のセール情報や公共交通機関の支払い、支出の分類などに利用できるようになる。

大手スーパーのSafeway(セーフウェイ)とTarget(ターゲット)との提携を通じて、Google Payユーザーはこれらの店のセール内容が書かれたチラシを見ることができる。Safewayは500以上の店舗にGoogle Payプラットフォームを導入し、Targetも全米の店舗で同様の機能を提供する予定だ。Google Payユーザーは、おすすめのお得情報をお気に入りに登録して後で見ることができる。さらに、近々Google Payは、位置情報が有効になっていれば、ユーザーが参加店舗の近くに行くとその週のセールを通知する機能も導入する。

関連記事:Google Payがリニューアル、オプトインで支出履歴の把握など家計簿サービス的に進化

画像クレジット:Google

今回拡張されるGoogle Payの交通機関機能は、現在すでに米国内80以上の年で乗車券の購入と使用に対応している。近々新たに加わる中には、シカゴとサンフランシスコ・ベイエリアという主要市場がある。これは、Apple Pay(アップル・ペイ)が最近提供を開始して大いに歓迎されたベイエリアのClipper(クリッパー)カードへの対応を追うものだ。GoogleはToken Transitとも統合して、全米の小都市の交通機関へも対応範囲を広げる。

関連記事:iPhoneやApple Watchでベイエリアの公共交通機関支払いが可能に

近々、Googel Payアプリを利用しているAndroid(アンドロイドユーザー)は、アプリのホーム画面から「Ride Transit(交通機関を利用する)」ショートカットから乗車券を使えるようになる。ユーザーはそこで交通カードを購入したりチャージしたりできる。カード購入後は、スマホをリーダーにかざす(あるいはリーダーがなければチケット画面を見せる)だけで乗車できる。

画像クレジット:Google

最後に紹介するのは、Google Payを使って家計を管理する機能だ。2020年の大改訂で、Googleは11社の銀行と提携し、Plex(プレックス)という新しいタイプの銀行口座をスタートさせることを発表した。増え続けるモバイル専門デジタルバンクのライバルとなるGoogle Payアプリは、Citi(シティ)、Stanford Federal Credit Union(スタンフォード連邦信用組合)などの提携銀行が実際に運用している口座の窓口として機能する。

新機能の一環として、Google Payユーザーは、自身の消費行動や残高、請求書などを「Insights(インサイト)」タブを通じてこれまで以上に便利に確認できるようになる。これを使えば、残高はいくらか、期限が迫っている請求書は何かを見たり、大きい取引のアラートを受けたり、分類別や店舗別に消費状況を追跡することができる。Googleは取引を自動的にカテゴリー分けしているので、一般的な分類(「食料」など)でも特定の店名(「バーガーキング」など)でも検索できる、とGoogleは説明している。

画像クレジット:Google

これらの機能は、決済アプリを使ってユーザーのデータをさらに集めようとするGoogleの計画の一部でもある。そのユーザーはGoogle Payパートナーからの売り込みターゲットになる。

2020年改定されたアプリが公開された時、ユーザーはカスタマイズ機能へのオプトインを勧められた。ユーザーにとって意味のあるよりよいセール広告をアプリが表示するためだ。Googleはユーザーのデータを第三者のブランドや小売店に直接提供することはないと述べているが、追跡業界がAppleのプライバシー方針変更に振り回されている中、同アプリは企業が潜在顧客とつながるパイプを提供することになるだろう。

そうなるために、今後Google Payがもっと便利な、あるいは「必携の」機能を出してくることが予想される。

カテゴリー:フィンテック
タグ:GoogleGoogle Payアメリカ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナで非接触モバイル決済が浸透、米国の小売店頭での使用は2020年の29%増

新型コロナウイルスパンデミックによってテクノロジーのトレンドが強まったが、その中でも2020年は非接触モバイル決済の使用増が顕著だった。分析会社eMarketerの最新レポートによると、米国では店舗でのモバイル決済使用が2020年29%増えた。パンデミックにより人々は店頭におけるより安全な決済方法として、現金やクレジットカードからモバイル決済へと移行したからだ。

14歳以上の米国の消費者9230万人が2020年、近接ベースのモバイル決済を6カ月の間に少なくとも1回は使った。2021年はその人数が1億120万人に増えるとeMarketerは予想している。そしてモバイル決済を使用する消費者は今後も順調に増え、2025年までにスマホユーザーの半分を超えるとしている。

画像クレジット:eMarketer

2020年、モバイル決済はZ世代とミレニアル世代を含む若い消費者の間で最も浸透した。2021年から2025年にかけて、年間新規モバイルウォレットユーザー650万人のうちZ世代は400万人超を占めると予想される。一方、モバイルウォレットユーザー10人のうち4人が引き続きミレニアル世代だと見込まれる。

いくつかの業界レポートがすでにモバイルウォレット産業全般へのパンデミックの影響を指摘した。金融・投資会社Finariaが2021年3月初めに出したレポートでは、モバイルウォレット産業は2021年に前年から24%成長し、2兆4000億ドル(約264兆3684億円)に達すると予想している。アジアマーケット、特に中国がモバイル決済の浸透に貢献してきた一方、米国は小売店舗におけるモバイル決済テクノロジーの展開が遅かったために苦戦していたと指摘した。しかし現在、米国のモバイル決済額は4651億ドル(約51兆2349億円)と世界で2番目の規模に成長し、2023年には6980億ドル(約76兆9115億円)に達する見込みだ。

パンデミックにより、遅れをとっていた小売業者はようやくモバイル決済を導入することになった。全米小売業協会が2020年に発表した中間調査では、小売での非接触決済が69%増え、小売業者の67%がモバイル決済やコンタクトレスカードなど何かしら非接触の決済を受け入れていることが明らかになった。

画像クレジット:eMarketer

業界の変化の結果として、モバイルウォレット使用が増えただけでなく、ユーザー1人あたりの平均年間使用額も増えているとeMarketerは指摘する。2020年に1973.70ドル(約21万7400円)だったのが2021年には23.6%増の2439.68ドル(約26万8800円)に成長し、2023年までに3000ドル(約33万500円)を超えると予想する。

米国では引き続きApple Payが最も使用されているモバイル決済で、2021年のユーザー数は4390万人だ。そして2020年から2025年にかけて1440万人増えると予想されている。StarbucksがApple Payに続き、ユーザー数は3120万人だ。そして同期間にユーザー1020万人を獲得すると見込まれるGoogle Payが続く。一方、Samsung Payのユーザー数は伸び悩んでいて同期間に200万人しか増えないと予想されている。

画像クレジット:eMarketer

カテゴリー:フィンテック
タグ:新型コロナウイルスモバイル決済アメリカApple PayGoogle PaySamsung PayeMarketer

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

LINE PayでVisaタッチ決済可能に、「Google Pay」対応でLINEアプリの起動不要

LINE Payが「Google Pay」対応開始、LINEアプリ起動せずにかざして支払い

LINE Payは2月4日、LINE(ライン)のモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」において、「Visa LINE Payプリペイドカード」対応非接触決済サービスの追加および「Google Pay」対応開始を発表した。「iD」「Visaのタッチ決済」「オンライン支払い」の3種のGoogle Payによる支払い方法をサポートしている。

ユーザーは、LINEアプリ上でバーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」を発行しGoogle Payに登録することで、国内121万カ所以上(2020年9月時点)のiD設置店舗、Visaのタッチ決済加盟店においてGoogle Pay対応Android端末をかざすだけで、QRコード決済と共通のLINE Pay残高での支払いが可能になる(LINEアプリを起動する必要はない)。

Android 5.0以降かつiDを利用の場合、おサイフケータイのバージョン6.1.5以降が必要。

またオンライン支払いは、Google Pay公式サイトの「お支払い方法を追加」タブからも登録設定できる。

「Visa LINE Payプリペイドカード」概要

  • 正式名称:Visa LINE Payプリペイドカード(カード番号のみ発行。プラスチックカードの発行はない)
  • 国際カードブランド:Visa
  • 年会費・発行手数料:無料
  • 有効期限:5年
  • 対象:年齢制限なし(未成年者は、親権者など法定代理人の同意を得た上で申し込み)
  • バーチャルカード:オンラインのVisa加盟店で利用可
  • Google Pay:iD加盟店、Visaのタッチ決済加盟店で利用可
  • Apple Pay:iD加盟店で利用可
  1. LINE Payが「Google Pay」対応開始、LINEアプリ起動せずにかざして支払い

 

  1. LINE Payが「Google Pay」対応開始、LINEアプリ起動せずにかざして支払い

 

  1. LINE Payが「Google Pay」対応開始、LINEアプリ起動せずにかざして支払い

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タグ:Google Pay(製品・サービス)Visa LINE PayプリペイドカードLINE(企業・サービス)LINE Pay日本(国・地域)

​LINE PayがApple Pay対応開始、バーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」も発表

​LINE PayがApple Pay対応開始、バーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」も発行

LINE Pay​は12月22日、コミュニケーションアプリ「LINE」(ライン)上で展開するモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」において、「Apple Pay」に対応開始したと発表した。

また同社は、三井住友カードビザ・ワールドワイド・ジャパンの2社とともに、LINEアプリ上からワンタップで発行できるバーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」の提供開始も明らかにした。手数料、年会費とも無料。

Apple Payに対応開始

LINEアプリのユーザーは、アプリ上の「LINE Pay」のメインメニューにある「Apple Pay」ボタンをタップするだけで設定可能。

支払い時は、LINEアプリを起動する必要はない。Touch ID搭載の「iPhone」の場合はホームボタンを、Face ID搭載の「iPhone」および「Apple Watch」の場合はサイドボタンをダブルクリックし、「iD」端末にかざすだけで、QRコード決済と共通の「LINE Pay」残高での支払いが可能になる。2020年9月時点で国内121万ヵ所以上の店舗に設置された「iD」端末で利用できる。

​LINE PayがApple Pay対応開始、バーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」も発行

バーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」

​LINE PayがApple Pay対応開始、バーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」も発行

Visa LINE Payプリペイドカードは、LINE Pay残高をiDとして決済できるようにする仕組み。LINEアプリ上でカード番号のみ発行するバーチャルカードとなっており、プラスチックカードの発行はない。

LINEサービス内からVisa LINE Payプリペイドカードを発行することでVisa加盟店でのオンラインショッピングが可能になる。同プリペイドの発行により、オンライン・オフラインともに事前にチャージした「LINE Pay」残高で支払える箇所が大幅に増えるとしている。支払いと同時にLINEで利用通知を受け取れる。

またApple Payを設定することで、iD加盟店でiPhoneやApple Watchをかざすだけの支払いを実現できる。Google Payは順次対応予定。

なお2020年12月22日をもって、JCBのプリペイドカード「LINE Pay カード」の新規発行を終了し、QUICPay+への新規登録は順次終了する(既存会員は有効期限までは利用可能)。

  • 正式名称:Visa LINE Payプリペイドカード(LINEアプリ上でカード番号のみ発行するバーチャルカード。プラスチックカードの発行はない)
  • 国際カードブランド:Visa
  • 年会費・発行手数料:無料
  • 有効期限:5年
  • 対象:年齢制限なし(未成年者は、親権者など法定代理人の同意を得た上で申し込み)
  • 利用できる加盟店:iD加盟店およびオンラインのVisa加盟店、Apple Pay:iD加盟店、Google Pay(順次対応予定) :iD加盟店およびVisaのタッチ決済加盟店

​LINE PayがApple Pay対応開始、バーチャルカード「Visa LINE Payプリペイドカード」も発行

LINE Payは、LINEのモバイルペイメントプラットフォームとして、決済ポートフォリオの拡充や決済箇所拡大を通じて、お金の流通で生じる時間や手間をなくし、人とお金・サービスの距離を近づけるとしている。キャッシュレス・ウォレットレス社会において、モバイルペイメント領域をリードする存在になることを目指す。

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Google Payがリニューアル、オプトインで支出履歴の把握など家計簿サービス的に進化

米国時間11月18日、Google(グーグル)はAndroid版、iOS版のGoogle Payアプリのメジャーアップデートを行った。他のスマートフォンベースの非接触型決済サービスと同様、Google Pay(以前のAndroid Pay)は、クレジットカードを代替するサービスを目的としてスタートした。その後、さらに機能が追加されたが、基本的な狙いは変わらなかった。

5年後の現在、Google Payには30カ国で約1億5000万人のユーザーがいる。今回のリニューアルでグーグルは従来のコア機能を維持したまま、個人の財政管理を助けることに重点を置いた新しい方向を打ち出した(新機能の詳細は下記に)。

またグーグルはPlexとよばれる新しい種類の銀行口座を2021年にスタートさせるために11の銀行と提携した。Plexはモバイルファーストの銀行口座で利用は月額使用料、当座貸越手数料はなく最低残高などの制限もない。口座は銀行に開設されるがGoogle Payアプリが管理の主要なチャンネルとなる。Plexのスタート時のパートナーは、Citi(シティ)とStanford Federal Credit Union(スタンフォード連邦信用組合)だ。

画像クレジット:Google

グーグルのプロダクトマネジメントディレクターのJosh Woodward(ジョッシュ・ウッドワード)氏は私に新アプリについてこう説明してくれた。

新しいGoogle Payアプリは3つのタスクを1つにまとめます。3つのタスクはアプリの3つのタブに対応します。1つは友人や企業に簡単、迅速に支払を行う能力です。2つ目は、ショッピングで料金を節約できるようセールスや特典を見つけることです。3つ目は、支出を記帳、管理して自分の財政状態を常に把握しておくことです。

友人や店舗などへの支払は、これまでもGoogle Payのコア機能だったが新アプリでは重点の置き方が少し変化している。グーグルの支払プロダクトの責任者であるCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏はこう説明した。

ここではすべてがユーザーとの関係に基づいて整理されます。取引記録の数字が延々と並ぶ無味乾燥なリストではありません。すべての活動は相手となる人や会社が中心となります。

アプリの中心となる新機能は友達とのピア・ツー・ピア決済だ。いままでどおりに支払いや請求を行うこともできるが、リニューアルの目玉はレストランへの支払い友人とワリカンにしたり、家賃や公共料金をルームメイトと分割したりできるようになった点だ。誰がもう支払っているのか、誰が滞納しているのかもすぐわかる。ウッドワード氏によれば、ユーザーアンケートの結果、請求書の分割が非常に大きな問題であることがわかったため、グーグルはこの機能をシステムに導入したという。

Google Payからタップで直接支払をした場合であれ、クレジットカードまたはアプリにリンクされた銀行口座であれ、このタブから、最近の取引のリストを見つけて詳細を確認することができる。

画像クレジット:Google

上でも触れたが、このリニューアルで銀行口座とクレジットカードをGoogle Payに接続し、支出に関する情報を取得できるようになった。これが最も重要な変化かもしれない。簡単にいえばGoogle Payアプリ内に簡易版のMintが導入されたことになる。これによりGoogleアプリで多彩な財政管理機能を提供できるようになった。グーグルはこの機能を有効にするために「いくつかのデータソース」と協力していると述べているが、アグリゲーターとなるパートナーが具体的にどこであるかは明かしていない。他の新機能と同様に、デフォルトではオフで、利用するためにはオプトインが必要だという点は強調しておくべきだろう。

基本的には他の個人財政情報サービスと似ている。最も初歩的な機能は一定期間にどれだけ支出したか、手持ちの残高はどれほどかを確認できる点だ。しかしグーグルは強力な分析力によりユーザーの消費習慣に対して興味深い洞察をいくつか示すことができる。例えば月曜日にはその週末に費やした金額が表示される。ウッドワード氏に次のようにいう。

データをストーリーとして読めます。スワイプして最近の大口支出や今週の支出額を確認して通常の週と比較することもできます。今月、友達に送金した金額、その相手、お金を払った店舗なども簡単にわかります。

こうした情報の確認がすばやくできるのは、グーグルだからだ。強力な検索機能を使用して特定のトランザクションを発見できる。開発チームは「トルコ」で検索すると店名に「トルコ」が含まれていなくてもケバブレストランを利用したことを発見できるところをデモしてくれた。ユーザーがレシートをスキャン、もしくは撮影している場合はGoogle Payからそうした画像を検索して、購入した商品やGmailの受信トレイで受け取った領収書、請求書に遷移することもできる。.

Google Payの新機能として、割引クーポンを仮想的に「切り取って」クレジットカードにリンクすることができる。リンクされたクレジットカードを使用して特定のトランザクションを実行すれば自動的に所定の割引を受けられる。ユーザーは他に何もする必要はない。オプトインすればこうした機能を利用し、さらにカスタマイズすることもできる。

画像クレジット:Google

開発チームGoogle Lensのチームと協力し、プロダクトやQRコードをスキャンして割引を発見できるようにした。

これまでアプリのコアとなってきた決済機能については3万カ所のガソリンスタンドで非接触型決済が使用できるようになるという(多くの場合、割引が適用される)。スタート時のパートナーはShell、ExxonMobil、Phillips(66、76)、Conocoだ。

また近く400以上の都市の駐車料金の支払いも、このアプリからできるようになる。現在でもポートランド市ならかわいいネコのアイコンのParking Kittyアプリから払えるが、私たちはいつもポートランドにいるわけではない。駐車料金支払に参加する都市は当初オースティン、ボストン、ミネアポリス、ワシントンDCだが、他の都市も続くという。

Google Payを使って支払いをすることと、すべての資金移動データ(極めて個人的な情報だ)を提供することはまったく別物だ。開発チームも強調していたとおり、Google Payは、例えば広告ターゲティングのためにデータを販売することはしない。サードパーティの企業はもちろんグーグル社内の他部署に対しても一切データを流用をすることはないという。付加機能もすべてデフォルトでオフになっておりユーザーはオンにして3カ月試用することができる。3カ月後に改めてオンにするかオフにするかを決定することになる。

つまり今回追加されたオプション機能を利用し、財政データをグーグルに保存するかどうかは個人の選択となる。グーグルに財政データへのアクセスを許すことを望まないユーザーも当然いるだろう。いずれにせよ、Google Payのその他の主要機能は変更されていない。クレジットカードからの支払いもできるし、スーパーなどでスマートフォンのNFC機能を使った支払いもできるのは以前と同様だ。

【編集部追記】11月19日現在、日本版最終更新は11月3日。

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タグ:GoogleGoogle Pay

画像クレジット:dowell / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Payがリニューアル、オプトインで支出履歴の把握など家計簿サービス的に進化

米国時間11月18日、Google(グーグル)はAndroid版、iOS版のGoogle Payアプリのメジャーアップデートを行った。他のスマートフォンベースの非接触型決済サービスと同様、Google Pay(以前のAndroid Pay)は、クレジットカードを代替するサービスを目的としてスタートした。その後、さらに機能が追加されたが、基本的な狙いは変わらなかった。

5年後の現在、Google Payには30カ国で約1億5000万人のユーザーがいる。今回のリニューアルでグーグルは従来のコア機能を維持したまま、個人の財政管理を助けることに重点を置いた新しい方向を打ち出した(新機能の詳細は下記に)。

またグーグルはPlexとよばれる新しい種類の銀行口座を2021年にスタートさせるために11の銀行と提携した。Plexはモバイルファーストの銀行口座で利用は月額使用料、当座貸越手数料はなく最低残高などの制限もない。口座は銀行に開設されるがGoogle Payアプリが管理の主要なチャンネルとなる。Plexのスタート時のパートナーは、Citi(シティ)とStanford Federal Credit Union(スタンフォード連邦信用組合)だ。

画像クレジット:Google

グーグルのプロダクトマネジメントディレクターのJosh Woodward(ジョッシュ・ウッドワード)氏は私に新アプリについてこう説明してくれた。

新しいGoogle Payアプリは3つのタスクを1つにまとめます。3つのタスクはアプリの3つのタブに対応します。1つは友人や企業に簡単、迅速に支払を行う能力です。2つ目は、ショッピングで料金を節約できるようセールスや特典を見つけることです。3つ目は、支出を記帳、管理して自分の財政状態を常に把握しておくことです。

友人や店舗などへの支払は、これまでもGoogle Payのコア機能だったが新アプリでは重点の置き方が少し変化している。グーグルの支払プロダクトの責任者であるCaesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏はこう説明した。

ここではすべてがユーザーとの関係に基づいて整理されます。取引記録の数字が延々と並ぶ無味乾燥なリストではありません。すべての活動は相手となる人や会社が中心となります。

アプリの中心となる新機能は友達とのピア・ツー・ピア決済だ。いままでどおりに支払いや請求を行うこともできるが、リニューアルの目玉はレストランへの支払い友人とワリカンにしたり、家賃や公共料金をルームメイトと分割したりできるようになった点だ。誰がもう支払っているのか、誰が滞納しているのかもすぐわかる。ウッドワード氏によれば、ユーザーアンケートの結果、請求書の分割が非常に大きな問題であることがわかったため、グーグルはこの機能をシステムに導入したという。

Google Payからタップで直接支払をした場合であれ、クレジットカードまたはアプリにリンクされた銀行口座であれ、このタブから、最近の取引のリストを見つけて詳細を確認することができる。

画像クレジット:Google

上でも触れたが、このリニューアルで銀行口座とクレジットカードをGoogle Payに接続し、支出に関する情報を取得できるようになった。これが最も重要な変化かもしれない。簡単にいえばGoogle Payアプリ内に簡易版のMintが導入されたことになる。これによりGoogleアプリで多彩な財政管理機能を提供できるようになった。グーグルはこの機能を有効にするために「いくつかのデータソース」と協力していると述べているが、アグリゲーターとなるパートナーが具体的にどこであるかは明かしていない。他の新機能と同様に、デフォルトではオフで、利用するためにはオプトインが必要だという点は強調しておくべきだろう。

基本的には他の個人財政情報サービスと似ている。最も初歩的な機能は一定期間にどれだけ支出したか、手持ちの残高はどれほどかを確認できる点だ。しかしグーグルは強力な分析力によりユーザーの消費習慣に対して興味深い洞察をいくつか示すことができる。例えば月曜日にはその週末に費やした金額が表示される。ウッドワード氏に次のようにいう。

データをストーリーとして読めます。スワイプして最近の大口支出や今週の支出額を確認して通常の週と比較することもできます。今月、友達に送金した金額、その相手、お金を払った店舗なども簡単にわかります。

こうした情報の確認がすばやくできるのは、グーグルだからだ。強力な検索機能を使用して特定のトランザクションを発見できる。開発チームは「トルコ」で検索すると店名に「トルコ」が含まれていなくてもケバブレストランを利用したことを発見できるところをデモしてくれた。ユーザーがレシートをスキャン、もしくは撮影している場合はGoogle Payからそうした画像を検索して、購入した商品やGmailの受信トレイで受け取った領収書、請求書に遷移することもできる。.

Google Payの新機能として、割引クーポンを仮想的に「切り取って」クレジットカードにリンクすることができる。リンクされたクレジットカードを使用して特定のトランザクションを実行すれば自動的に所定の割引を受けられる。ユーザーは他に何もする必要はない。オプトインすればこうした機能を利用し、さらにカスタマイズすることもできる。

画像クレジット:Google

開発チームGoogle Lensのチームと協力し、プロダクトやQRコードをスキャンして割引を発見できるようにした。

これまでアプリのコアとなってきた決済機能については3万カ所のガソリンスタンドで非接触型決済が使用できるようになるという(多くの場合、割引が適用される)。スタート時のパートナーはShell、ExxonMobil、Phillips(66、76)、Conocoだ。

また近く400以上の都市の駐車料金の支払いも、このアプリからできるようになる。現在でもポートランド市ならかわいいネコのアイコンのParking Kittyアプリから払えるが、私たちはいつもポートランドにいるわけではない。駐車料金支払に参加する都市は当初オースティン、ボストン、ミネアポリス、ワシントンDCだが、他の都市も続くという。

Google Payを使って支払いをすることと、すべての資金移動データ(極めて個人的な情報だ)を提供することはまったく別物だ。開発チームも強調していたとおり、Google Payは、例えば広告ターゲティングのためにデータを販売することはしない。サードパーティの企業はもちろんグーグル社内の他部署に対しても一切データを流用をすることはないという。付加機能もすべてデフォルトでオフになっておりユーザーはオンにして3カ月試用することができる。3カ月後に改めてオンにするかオフにするかを決定することになる。

つまり今回追加されたオプション機能を利用し、財政データをグーグルに保存するかどうかは個人の選択となる。グーグルに財政データへのアクセスを許すことを望まないユーザーも当然いるだろう。いずれにせよ、Google Payのその他の主要機能は変更されていない。クレジットカードからの支払いもできるし、スーパーなどでスマートフォンのNFC機能を使った支払いもできるのは以前と同様だ。

【編集部追記】11月19日現在、日本版最終更新は11月3日。

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画像クレジット:dowell / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook