スーパーボウル2022に登場したテック広告のベストとワースト

米国資本主義を理解するために、スーパーボウル中継で見たCMについて翌日語り合う井戸端会議以上のものがあるだろうか。フード・デリバリー・アプリから、なんとApple製ではないスマホまで、昨日の夜数々のテック企業が視聴者の注目を集め、おかげで我々は、友人たちにNFT(非代替性トークン)は暗号資産と同じではないことを説明しなければならなくなった。

イタさと有効性で測った、2022年のスーパーボウルのベスト(とワースト)テック広告を以下に紹介しよう。

Coinbase(コインベース)

QRコードがDVDのスクリーンセーバーのように黒い画面を跳ね回り、ジェネリックなテクノ・ソングが流れる中、原色を切り替えていく。私はスマートフォンを取り出しQRコードをスキャンした、やらない理由がないから。部屋の向こうから友人が叫んだ「やっちゃだめだ!ウイルスかもしれない!それどころか暗号かも!」。もちろん、そのQRコードは私の端末でCoinbaseのウェブサイトを開き、新規ユーザーには購入義務なしで15ドル(約1733円)のBitcoin(ビットコイン)を提供していた。Coinbaseの最高プロダクト責任者、Surojit Chatterjee(スロジット・チャタージー)氏によると、このCMの人気は絶大で、Coinbaseは過去に類を見ないトラフィックを経験した。

有効性:6/10

このCMに効果があったことは明らかだ、なぜなら集中したトラフィックでウェブサイトがダウンしたのだから。ただし、ウェブサイトがダウンしたということは、失ったものもあるはずだ。

「暗号資産について語る代わりに、いくらかプレゼントすることにしました」とい彼らのマーケティング戦術も私は買っていない。どんな投資でも同じだが、自分が何に投資しているかを知っていることが、おそらく良いことだ!状況を把握するためには市場に参加しなければならないのは確かだが、消費者に投資して欲しいものが何であるかを、どの暗号資産CMも説明していないのは実に不可解だ。

イタさ:7/10

このレトロ美は実際どこかクールだ。弾むQRコードはリスキーだが、私は他のどれよりもこのCMを覚えている、ということはうまくいっている。しかしQRコードの行き先は、特典情報が書かれたウェブサイトで、そのウェブサイトが少々イタい。Coinbaseはサイトに「WAGMI」と書いていて、これは暗号資産界のスラングで、「we are gonna make it」(私たちは成功します)のことで「我々は数年のうちに燃え尽きて多くの人々に損をさせるスタートアップではありません」という意味だ。しかし、WAGMIと言っているということは、実はNGMI(not going make it、うまくいくわけない)を恐れていることを暗示しているのかもしれない。

関連記事:CoinbaseがNFT市場参入を発表、OpenSeaに対抗するマーケットプレイスを準備中

FTX

 

これもまたもう1つの暗号資産交換プラットフォーム。カリブ諸島、バハマ拠点のFTXは、先月4億ドル(約462億円)の資金調達を完了し、企業価値が320億ドル(約3兆7000万円)に達した。資金のいくらかはマーケティングに使うことになるのだから、著名な気難しいLarry David(ラリー・デヴィッド)監督に初めてのスーパーボウルCM制作を依頼したのも当然だろう。

CMの設定は「Curb Your Enthusiasm(邦題:ラリーのミッドライフ★クライシス)」のスターが何事にも懐疑的なあまり、大きな投資のチャンスを逃したというもの。彼はEdison(エジソン)に、彼の電球はNGMI(直接の引用ではない)だと言い、さらに食洗機なんて使う意味はない、なぜなら食器にシャワーを浴びせればいいのだから、という。

ラリー・デヴィッド監督は暗号資産を理解していないので、それはこの先端産業が実に、実に、実にすばらしいに違いないことを意味している。

有効性:6/10

The New York Times(ニューヨーク・タイムズ紙)によると、FTXと広告代理店のdentsuMBは、80本の脚本を検討し、分散型金融を電球の発明に位置づけるこのコンセプトに決定したそうだ。そして、「Seifeld」(となりのサインフェルド)の共同クリエイターでもあるデヴィット監督による4日間の撮影と、280時間にわたる編集の結果、7時間半の撮れ高を60秒に凝縮した。そして、さらに200時間を費やしてこのCMのティーザーを制作した。

というわけで、この努力には敬意を払わなくてはならない(加えて、ラリー・デヴィッドは私の問題含みのお気に入り)。でもだめだ。膨大な時間とお金をかけたこの広告は、暗号資産の仕組みを何1つ教えてくれない。

イタさ:10/10

CMにはラリー・デヴィッド氏が登場する。

Crypto.com(クリプト・ドットコム)

これまたもう1つの巨額なマーケット予算の暗号資産取引所Crypto.comはFTXとよく似たアプローチをとった。彼らはスターのパワーを使って、暗号資産はテクノロジーの次の段階に過ぎないことを視聴者に信じ込ませようとした。しかし選んだタレントは、どちらかというとスポーツファンの方が馴染みがあるだろう。この30秒のスポットCMで、LeBron James(レブロン・ジェームズ)が若き日の自分に向かって「歴史を作りたかったら自分で指揮を取らなくてはだめだ」という。次にCrypto.comのロゴが画面に現れる。

有効性:7/10

みんなスポーツ界のスターをテレビで見るのが好きだ。しかしこのCMは暗号資産について、CoinbaseやFTXよりも説明していない。そしてこのCMは、FTXのCMよりはるかに予算が少なく、衣装とセットの切り替えと特殊効果がまん延している。

イタさ:8/10

私はここに関わっている物理学についてもっと知りたい。レブロンはどうやって時間内に戻ったのか? 若き日の自分に我々の時代の暗号ブームについて話しているということは、レビロンはNBAに行けなくて、ということは21世紀にフロリダ州南部で成功したプロスポーツチームは現れなかったといこと?あまりにも疑問が多い。

Meta Quest 2(メタ・クエスト・ツー)

 

Facebook(フェイスブック)は自らをMeta(メタ)に再ブランドしただけではなく、自社のVRヘッドセットもOculus Quest(オキュラス・クエスト、同社が買収したVR会社の名前)から、単にMeta Questへと変更した。

このCMは、まぎらわしくてうっとうしい。要するに、何人かのアニマトロニックミュージシャン(ピザチェーンのChuck E. Cheese[チャッキーチーズ]風の店で一緒に働いている)が職を失い、一緒に集まることができなくなった。しかしMeta Quest 2を使うことで、人生の苦難を忘れソーシャルVRアプリ、Horizon Worlds(ホライゾンワールド)で足のないアバターとなって集合する。

有効性:3/10

目的がブランド認知であるならば、まあいいだろう。しかしこのCMは「現実世界に不満ですか? メタバースをやってみましょう」的にやってくる。しかも、Horizon Worldは、CMで見せているものとは程遠い洗練度なので、完成度で減点された。

イタさ:9/10

ラリー・デヴィッド監督を雇うべきだったがそうははしなかった。

関連記事:かつてフェイスブックと呼ばれた会社が「Oculus」ブランドをさりげなく抹殺

Google Pixel 6(グーグル・ピクセル・シックス)

同社のスマートフォン、Pixel 6の魅力を披露するために、GoogleはスーパースターのLizzo(リゾ)と組んでReal Tone(リアル・トーン)機能にスポットを当てた。

「子どもの頃から、卒業アルバムの写真は残らずひどいものでした」というナレーションが、卒業衣装をまとった友人たちの写真に重ねられる。顔色が暗く写った人たちが写真の背景に溶け込んでいる。

次にGoogleは、同社のReal Tone機能をつかって撮影した写真を見せる。コンピューター処理写真技術を使ってさまざまな肌の色の人たちの写真を正確に表現する技術だ。華麗な写真が、ラゾの未公開トラックが流れる中で映し出される。

有効性:10/10

GoogleはCMにリゾの新曲を持ってきた。TechCrunchのAnnie Saunders(アニー・サンダーズ)記者のことばを借りると「私はスーパーボウルを見なかったけれど、リゾのPixelの広告はInstagram(インスタグラム)で見ました。リゾのやっていることはすべてが正しくて善です」。

イタさ:2/10

CMにイタいところはまったくないのだが、スマートフォン・ビジネスにおけるApple(アップル)と比べたGoogleの市場シェアは彼らにとって少々イタいかもしれない。

関連記事:あらゆる肌色の顔を美しく見せるPixel 6カメラのReal Tone、多様性を広げるAI技術

T-Mobile

Miley Cyrus(マイリー・サイラス)氏と彼女の名付け親、Dolly Parton(ドリー・パートン)氏が、揃ってT-Mobile(ティー・モービル)の5Gネットワークを2本の30秒スポットで宣伝した。最初の1本でドリー・パートン氏はPSA(公共サービス広告)風に登場し、自分たちの携帯電話のためにAT&T(エーティーアンドティー)やVerizon(ベライゾン)から乗り換えましょう、と人々に推奨する。次に彼女はマイリーを呼び、あなたの声で携帯電話を救うように促す。次のCMでは、マイリーが録音スタジオで「携帯電話たちのために行動しましょう / 彼らはとても多くのことをしてくれました」といった心のこもった歌詞を大きな声で歌っている。彼女はさらに、黒のブレザーと革手袋姿ではっきりと「T-Mobile」の名前も歌った。

有効性:7/10

私は注目した、なぜならドリー・パートンとマイリー・サイラスは楽しいと思っているからだ。ふたりは他社ネットワークのよくないといわれる5Gカバーエリアを強く叩いたかもしれないが、フットボールの精神に則ってタックルなりなんなりして攻めて欲しい。

イタさ:9/10

Uber Eats(ウーバー・イーツ)

Uber Eatsでは、アルミホイルやスポンジ、キャンドルなどの生活必需品も注文できる、食品だけではない。そこでこのCMは、Jeniffer Coolidge(ジェニファー・クーリッジ)氏やGwyneth Paltrow(グウィネス・パルトロー)氏、Trevor Noah(トレバー・ノア)氏、Nicholas Braun(ニコラス・ブラウン)氏といったセレブたちが、何が食べ物で何がそうでないかに困惑するとどうなるかを見せている。

有効性:8/10

これで困った時にUber Eatsでアルミホイルを変えることがわかった。しかしこれは、この会社のマーケティングのしくじりを覆い隠そうとしているように感じる。おそらく、Uber Eatsをスタートする時「eatsとnot eats」の両方を示す名前を選ぶべきだったことを。

イタさ:8/10

使われている、Capone(カポーン)の「Oh No(オー・ノー)」は、1年ほど前にTikTok(ティックトック)で流行った曲だ。すでに話題性のないトレンドを利用して若い世代にアピールしようとすることは、ある種のイタさだ。

Amazon(アマゾン)

音声コントロールデバイスのSmart Homeを発売して以来、Amazonは消費者の間で繰り返される恐怖を緩和しなければならなくなった。Alexa(アレクサ)は私を見張っているの? 知り過ぎじゃない? 彼女が強くなりすぎたらどうなるの?

しかしAmazonは、もしAlexaが人の心を読めたら何が起きるかを数百万人の視聴者に見せることにした。女優のScarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)氏が夫で”Saturday Night Live”(サタデー・ナイト・ライブ)のColin Jost(コリン・ジョスト)氏の横で目を覚ました時、Alexaは彼の心を読んでマウスウォッシュのエクストラ・ストロングを注文した。ヨハンソン氏がジョスト氏にしゃべるのをやめて欲しいと思った時、Alexaは大きな音のするブレンダーを動かした。

有効性:6/10

最終的にジョスト氏とヨハンソン氏は、この心を読むマシンはやっぱり良くないという結論を下すが、私が思うにこのCMの目的は楽しませることであって、製品が何をするかを説明することではない。それでもジョスト氏はスマート・デバイスを使ってテレビをつけることに成功し、Alexaのあまり怖くないスキルを見せた。怖くないのは、Alexaが心を読める「ように」見えて、「実際には」心を読んでいなからだ。

イタさ:7/10

このCMはどこかおもしろい!しかし、Amazonの作った広告を見て笑うことはイタい。イタいものを持ってきてしまったのは、我々の失敗だ。

 

AmazonはPrime Video(プライム・ビデオ)がサーズデー・ナイト・フットボールの独占中継局になることを予告し、AmazonとNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)が結んだ11年契約の始まりを飾った。

有効性:9/10

9月15日から、フットボールファンは木曜夜のゲームをPrime Video独占中継で見ることができる。わかりやすい!簡潔だ!これはフットボール・ファン視聴者に特化してつくられた広告だが、誰がスーパーボウルを見るのだろう?フットボールファンだ!

イタさ:5/10

「私たちは来シーズンまでずっと、この世界をゲームなしで生きていかなければなりません」というナレーションが、フットボールロスのために巨大なあごひげを伸び放題にしている人物を背景に流される。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【レビュー】グーグル「Pixel 6 Pro」、ハード面でも真のブレークスルーを達成

家電製品の領域では、ヘイルメリーパス(アメフトで逆転勝利を狙って行ういちかばちかのロングパスのこと)を何度も出すことはできない。それがたとえ大企業であってもだ。例えば、Microsoft(マイクロソフト)の携帯電話に対する長年の思いを見てみよう。かつて圧倒的な強さを誇ったNokia(ノキア)を72億ドル(約8200億円)で買収しても、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)と肩を並べることはできなかった。


初期の失敗を除けば、Google(グーグル)のモバイルハードウェアの野望は、全体的に見てより成功しているほうだ。しかし、Pixelシリーズは、このカテゴリーに費やされたリソースを正当化するのに必要な大ヒットを記録していない。これらのデバイスは、よくいえば、Googleがモバイルソフトウェアや機械学習で取り組んでいるクールなものを紹介するためのショーケースであり、悪く言えば、一種の劣等生のようにも感じられてきた。

スマートフォンのような混雑した分野に参入することは決して容易ではなかったが、同社が波風を立てずに奮闘している姿は、正直なところ奇妙なものだった。また、他社フラッグシップスマートフォンがどれも全体的に非常に優れており、この分野での継続的な優位性が主にこれまでの前進する勢いの結果によってもたらされている場合、これを達成させることは二重に困難だ。さらに面倒なことに、Googleは、真のブレークスルーはすべて「ソフトウェア側」で起こっていると長年執拗に主張してきた。

AppleやSamsungなどがスペック競争に明け暮れるのは時間の無駄だというのは、確かにおもしろい命題だ。確かにその通りだと思うが、少なくとも現状では、ハードウェアに依存しないことは不可能だ。人工知能や機械学習の重要性が増していることは間違いないが、カメラレンズ、ディスプレイ、プロセッサーのすべてが重要であることに変わりはない。少なくとも、今のところは。

Google Pixel 6 Pro

2020年5月、Pixelチームの主要メンバーが会社を去ったことが明らかになった。これは、大きな見直しの一環であり、その再考はさらに進むことになる。2021年の8月には、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOが、同社が4年前から自社製の半導体を開発していることに言及した。Qualcomm(クアルコム)のようなチップメーカーからの脱却は、ヘイルメリーパスを出す(リスクをとる)上で、大きな意味を持つ。そして、それには大きな携帯電話が必要になってくる。

2020年の同時期に発売された「Pixel 5」は、旧来の方法の最後の名残となった。大きな変化は一夜にして起こるものではなく、ましてや主要な家電製品ラインに関しては1年で起こるものでもない。Googleにとっては残念なことに、小規模なリストラのニュースが発売前に流れてしまい、Googleでさえ、より良い時代が来るのはまだ随分先だということを認めざるを得なかった。今回の「Pixel 6」が、Googleの製品ラインを決定するものではないが、何世代にもわたって刺激のない販売を続けてきたGoogleは、物事が正しい方向に向かっていることを証明する必要がある。

その基準からすれば、本モデルは大成功といえるだろう。

Google Pixel 6 Proレビュー

スペックにこだわらないGoogleの姿勢とは対照的に、優れたソフトウェアにはやはり優れたハードウェアが必要だということを証明している。Pixel 6は、決してオーバークロックされた最先端のスペックマシンではないが、適切なハードウェアを与えられたときに、Googleの優れたソフトウェアにどんなことができるのかを示す例となっている。

しかし「Pixel 6 Pro」を手にした瞬間、何かが違うと感じた。この端末は、Pixelの系列というよりも、Samsungの製品のように感じられる。Galaxyシリーズを彷彿とさせるサイズ感と重厚感があり、曲面ガラスのエッジによってその美しさはさらに増している。

発表当日、正直なところ最も驚いたことの1つは、オンラインコミュニティで曲面ガラスについての意見がいかに二極化しているかということだった。今回の発表では、Samsungのようにエッジを用いた機能を盛り込むのではなく、主に美しい外観を重視した使い方がされている。私が耳にした曲面ガラスに対する最大の反論は、携帯電話の両脇をつまんだときに誤ってタッチスクリーンを作動させてしまうリスクだ。この問題に関しては、私は経験していないし、正直なところ、私は全体的に曲面スクリーンには興味がない。

Google Pixel 6 Proレビュー

6 Proのディスプレイは6.7インチで、512ppiのQHD+(3120×1440)OLEDだ。最大リフレッシュレートは120Hzで、大きくて明るいのがいい。一方、スタンダードのPixel 6は6.4インチ、411ppi、90Hzのディスプレイだ。どちらを選んでも間違いではないが、Proはこの点で優れたアップグレードといえる。前面のカメラはピンホールデザインで、デフォルトの壁紙では見えづらくなっている。

また、下部にはディスプレイ内蔵指紋認証リーダーがあり、すばやくロックを解除することができる。ディスプレイはGorilla Glass Victusで覆われており、背面にはGorilla Glass 6が使用されている。背面の上部3分の1は、大きくてはっきりとしたカメラバーで独占されている。デザイン的には気に入っている。競合他社がこぞって採用している標準的な四角いカメラバーからの良い変化だ。

しかし、このカメラバーにはかなりの高さがあるため、背面に置いたときに携帯電話が斜めになってしまう。しかし、標準的なケースを装着することで、この影響はほとんどなくなるだろう。カメラの配置でもう1つ気になるのは、ランドスケープモードで撮影する際に、手の位置を少し気にしなければならないことだ。この点については、私は特に問題を感じなかったしし、もし問題があったとしても簡単に正すことが可能だ。

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カメラバーの上下のガラスにわずかな色の違いがある。これは、Pixelの旧モデルで電源ボタンに採用されていたような、ちょっとした遊び心だ。Googleが、どれも瓜二つの競合製品との差別化を図る方法をいまだ開発し続けてくれていることは明らかだ。ありがたいことに、これはほんの些細なポイントだ。デザイン言語全体は、退屈さと突飛さの間のちょうどよいラインだ。

カメラシステムは、優れたソフトウェアとハードウェアが互いに影響し合うことを示す究極の例といえる。「Surface Duo」と同時にPixel 6 Proをテストしていたのだが、特に光が混ざった状態や光量の少ない状態では、Microsoftのデバイスがしっかりとしたカメラリグを持っているにもかかわらず、(いわば)昼と夜のような違いがでた。

何世代にもわたって独自のカメラシステムを開発してきたことが功を奏したのだと思う。私は、このカメラで撮影できた写真がとても気に入っている。Proに搭載されている4倍の光学ズームもいい感じだ。デジタルでは最大20倍まで可能だが、Googleのコンピュータ写真処理を使っても、すぐに画像にノイズが入るようになってしまう。

標準的なPixelカメラの機能に加えて、いくつかのクールな新機能が搭載されている。「消しゴムマジック」は、Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」ツールと原理的には似ている。不要な背景画像の上に指を置くと、周囲の設定を使ってその部分を埋め、被写体を効果的に「消す」ことができる。しかし、完璧とは言えない。よく見ると、ムラのある部分が見つかるのと、周囲の環境が複雑であればあるほど、一般的に出来栄えは残念なものになる。それでも、アプリに搭載された新機能としては、すばらしい働きをしてくれている。

「アクションパン」も同様だ。この機能は、ポートレートモードと同様に、被写体の背景に擬似的なぼかし効果を加えてくれる。車のような大きくて幾何学的にシンプルな形状のものによく合う。一方、自転車に乗っている人などは、ポートレートのように輪郭周辺部が気になる。「長時間露光」はその逆で、動いているものをぼかし、背景は静止したままにしてくれる。

正直にいうと、私はパンデミックで閉じこもりがちな生活を送っているため、ヒトを撮影する機会があまりなかった。また、2台のカメラと顔検出機能を使って、動いている被写体にシャープな画像を合成する「フェイスアンブラー(顔のぼかし解除)」機能も注目されている。「リアルトーン」機能については、近日中にもう少し詳しく紹介する予定だが、幅広い肌色をよりよく撮影できるようになったことは、大いに歓迎すべきことだ。ただし、この機能も顔検出に依存しているため、問題が発生することもある。

また、Pixelに搭載された一連のテキストツールも印象的だ。私の限られたテストでは、リアルタイム翻訳がうまく機能し、テキスト入力にすばらしい効果をもたらしてくれた。アシスタントの音声入力はうまく機能しているが、音声による絵文字の追加など、時々問題が発生した(おそらく私の発音が悪いのだろう)。また、ドイツ語や日本語に対応した「レコーダー」などの既存の機能に加えて、このような機能が追加されたことは歓迎すべきことだ。

Google Pixel 6 Proレビュー

もちろん、今回のショーの主役はTensorだ。Googleは、現在増えつつあるQualcommの半導体の独占状態を避けて独自のチップを採用する企業の仲間入りを果たした。これは、4年前から計画されていたもので、GoogleがPixelシリーズに今後も力を入れていくことを示す良いサインといえるだろう。今回、同社はPixel 6の新機能の多くが自社製SoCによって実現されているとしている。同社は、最近のブログ記事で次のように述べている。

Google Tensorによって、モーションモード、フェイスアンブラー、動画のスピーチエンヘンスメントモード、動画へのHDRnetの適用など、最先端の機械学習を必要とする驚くべき新しい体験が可能になります(詳細は後述)。Google Tensorは、スマートフォンにおける有用性の限界を押し広げることを可能にし、スマートフォンを画一的なハードウェアから、多種多様なスマートフォンの使い方を尊重し、それらに対応することができるほど大きな知能を持つデバイスへと変えてくれます。

Geekbenchテストでは、シングルコアで1031点、マルチコアで2876点を記録した。これは、Pixel 5の平均値である574と1522を大幅に上回るものだが、Pixel 5はSnapdragon 765Gというミドルレンジのプロセッサーを採用していた。フラッグシップモデルとは言えない。Snapdragon 888を搭載したSamsungの「Galaxy S21」の1093と3715と比較すると、処理能力の点でGoogleの自社製チップにはまだまだ課題があることがわかる。「iPhone 13 Pro」のテストで得られた1728と4604と比較すると、結果はさらに悪くなる。

Google Pixel 6 Proレビュー

バッテリーは、従来のモデルの最大の難点の1つだったが、Googleはこの点を大きく改善した。6には4614mAh、6 Proには5003mAhのバッテリーが搭載されており、Pixel 5の4080mAhからしっかりとアップグレードされている。それがPixel 4からのすばらしい飛躍だった。Googleによると、満充電で24時間使用可能とのことだが、私の適度な使用で26時間ほどもったので、その点では朗報だ。

ここ数年、Pixelのハードウェアと売上は中途半端だったため、Googleは、低迷するモバイル部門を前進させるためのデバイスを本当に必要としていた。これまでの4年間にわたるプロセッサーの開発、6世代にわたるソフトウェア、そしてピカピカの新しいハードウェアが、1つのパッケージにうまくまとめられている。Googleはこれまで、Pixelシリーズは単に新しいAndroidソフトウェアをアピールするだけのものではないと主張してきたが、今回はそれが現実のものとなった。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Pixel 6 / 6 Proでグーグルはスマートフォンラインナップを刷新する

2020年5月、Pixelは1つの時代の終わりを迎えた。Googleのチームは、変革的な未来に向けて前進する一方で、何人かの重要なプレイヤーを失った。それは当然のことだ。Pixelは決して悪いスマートフォンではなく、(長年にわたって苦戦を強いられてきたが)むしろ目立たないスマートフォンだった。しかし、悪いフラッグシップスマートフォンの購入が難しい時代に「なかなか良い」という評価は十分でなものではない。

関連記事:Google Pixel開発チームから二人の主要エンジニアが離脱、チーム内の争いが原因か

世界のAppleやSamsungとの差別化を図ろうとするGoogleの試みは、ほとんど失敗に終わっている。廉価版のAシリーズではそれなりの成功を収めているが、プレミアムメーカーと真っ向勝負するという夢は、今のところ実現できていない。2020年のPixel 5は、製品ラインの刷新に時間がかかるため、ファンが期待していたようなものではなかった。

画像クレジット:Brian Heater

しかし、先に開催されたバーチャルハードウェアイベントにおいて、Googleはついに「手に取って、もう一度やり直す」ことの意味を私たちに示してくれた。Pixel 6は、さまざまな意味においてGoogleのフラッグシップデバイスの歴史の中で最もラジカルな出発点であり、SamsungやAppleに対抗する同社にとって最も真剣な試みでもある。

Googleは2021年8月に、Pixel 6を初披露したが、それは発表までにまだ3カ月半ほどもあるデバイスとしてはおどろくほど完全なものだった。

ハードウェア部門の責任者であるRick Osterlo(リック・オスターロー)氏は、主にチップや設計、そしてGoogleが自社でチップ「Tensor」を開発し、Qualcommへの依存から脱却しようとしている最新の企業になったという事実について語った。

「AIは当社のイノベーション活動の未来を担うものですが、問題は、当社のミッションを完全に遂行することを妨げるコンピューティングの限界に突き当たっていることです。そこで私たちは、最も革新的なAIと機械学習(ML)をPixelユーザーに提供できるよう、モバイル向けのテクノロジープラットフォームの構築に着手しました。私たちは、Pixel 6を動かすために、独自のSystem on a Chip(SoC)の開発を始め、数年後の現在、それはもうすぐ実現します」とオスターロー氏はいう。

画像クレジット:Google(画像修正済み)

そして、Google TensorはPixel 6と6 Proに搭載されている。私は後者を手にしているが(レビューは近日中)、Pixelシリーズが根本的に新しい方向性にあることがわかる。Googleはこの新しいデバイスで明らかにプレミアムな方向に進んでおり、これまでのどのPixelよりもSamsungなどのデバイスと共通したDNAを持っている。

Pixel 6は、6.4インチのFHD+有機ELディスプレイを搭載しており、その画素数は411ppi。Proでは、6.7インチのQHD+、512ppiにアップしている。これらのディスプレイのリフレッシュレートは、それぞれ90Hzと120Hzで、エッジ部分がカーブしたGorilla Glass Victusカバーで保護されている。

画像クレジット:Brian Heater

一方、背面はGorilla Glass 6で覆われており、上部3分の1には大きくて特徴的なカメラバーがある。ケースに入れていない場合(上の写真)、カメラバーが斜めになっているため完全ではないが、同じ高さになっている。これは、Pixelがポップなカラーの電源ボタンを廃したことで、デバイスにもう少し色味を加えようとするためのものだ。ハードウェアとしてのカメラにフォーカスしたこと事態、Googleにとって新たな試みだ。これまで同社はコンピュテーショナルフォトグラフィーに対して非常に力を入れており、ハードウェアはほとんど問題ではないと考えてきた。将来的には、AIやMLが写真撮影において大きな部分を担うといった説得力のある議論ができるようになるかもしれない。しかし現在のところ、カメラのハードウェアが重要であることには変わりがない。

新Pixelに搭載されているカメラを見てみよう。Pixel 6では50メガピクセルの広角カメラと12メガピクセルのウルトラワイドカメラ、6 Proではそれら2つのカメラとさらに48メガピクセルの望遠カメラを搭載している。望遠カメラは、光学4倍ズーム、または最大20倍の超解像ズームにも対応しているが、コンピュテーショナルフォトグラフィーを使用しても、かなり早く性能は劣化する。一方、前面カメラは、Pixel 6が8メガピクセル、6 Proが11.1メガピクセルで、視野角はそれぞれ84°と94°だ。

画像クレジット:Brian Heater

カメラ機能の詳細については、いくつかの記事で紹介しているが、ここでは両モデルでできることをリストアップする。

  • 消しゴムマジック
  • モーションモード
  • リアルトーン
  • 顔のぼかし解除
  • パノラマ
  • 手動によるホワイトバランス調整
  • ロックされたフォルダ
  • 夜景モード
  • トップショット
  • ポートレートモード
  • ポートレートライト
  • 超解像ズーム
  • モーションオートフォーカス
  • よく撮影する人
  • デュアル露出補正
  • Live HDR+

最も興味深い新機能は「リアルトーン」「モーションモード」「消しゴムマジック」「顔のぼかし解除」だ。最後の「顔のぼかし解除」はその名称のとおり、撮影後に被写体の顔をシャープにする。「モーションモード」は「ポートレートモード」と同様に、動いている被写体にモーションブラーをかける。「消しゴムマジック」は、Photoshopのようなツールを使って写真の背景から不要な被写体を取り除き、その隙間をAIが埋めてくれる。一方「リアルトーン」は、これまでのスマートフォンにはあまりなかった、肌の色に関係なく、被写体をよりきれいに撮影するための機能だ。

画像クレジット:Brian Heater

Pixel 6と6 Proには、ディスプレイ内に設置された迅速な指紋認証リーダーと、Pixelデバイスに期待されるあらゆる種類のファーストパーティソフトウェアが搭載されている。その中には「Live Translate」「Recorder」Androidの新機能である「Material You」が含まれている。Material Youは、壁紙やアプリに一貫した美しさを与えるものだ。前回のI/Oでは、この機能を次のように説明してた。

Material Youは、デザインに対してより人間的なアプローチを探求しています。デザインの感性と個人の好みとの間の緊張感を大切にし、感情から逃げないものです。アプリケーションの機能的な基盤を損なうことなく、Material Youは、あらゆるスタイルに対応した個性的なデザイン、あらゆるニーズに対応し、アクセシブルなデザイン、あらゆるスクリーンに対応する生き生きとしたデザインを目指しています。

関連記事:グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始

また、新機能の「Calling Assistance」は、Duplexと同様に、人間とロボットオペレーター間のやり取りを容易にするために設計されている。本機能では、日にちと時間に基づいて、フリーダイヤルの待ち時間を予測して表示する。一方「Direct My Call」は、Googleの文字起こし機能を利用して、ダイヤルパッドに直接入力される音声メニューをテキストで表示する。一方「Hold For Me」は、通話を待ち人間が電話に出たときに通知する機能だ。

また「Assistant Voice」の入力も改善されている。「ねぇ Google、タイプ」というと、アシスタントがテキストを入力してくれる。「Stop」すると機能がオフになり「Send」するとメッセージが送信される。難しい単語を1文字ずつ入力したり、絵文字を入力したりすることもできる。

画像クレジット:Brian Heater

Googleは、従来モデルで発生していたバッテリー問題の一部に対処している。Pixel 6と6 Proには、それぞれ4614mAhと5003mAhのバッテリーが搭載されており、Pixel 5の4080mAhから大幅に増加している(Pixel 4からも大幅に増加)。Googleによると、約24時間の使用が可能で、Extreme Battery Saverモードにするとほぼ約2倍になるとのこと。また、別売のGoogle 30W USB-C Chargerを使ったオンボードの急速充電では、30分間で半分の充電が可能。また、両モデルともQiによるワイヤレス充電にも対応している。

画像クレジット:Brian Heater

Pixel 6は、8GBのRAMと128または256GBのストレージを搭載し、Proは12GBのRAMと128、256GBのストレージを搭載している。Googleはそれでも価格を低く抑えることに成功しており、Pixel 6は599ドル〜(日本では税込7万4800円〜)、Pixel 6 Proは899ドル〜(税込11万6600円〜)となっている。現在、予約注文を受け付けており、10月28日に発売される。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

グーグルが「電話」をより快適に、待ち時間表示や音声ガイダンスの番号体系表示などの機能を追加

Google(グーグル)は、米国時間10月19日に発表した新しいスマートフォン「Pixel 6」と合わせて、デバイスの最も基本的な機能の1つだが見過ごされがちな、電話をかける機能を再びアップグレードした。これまでのGoogleアシスタントは、Duplex(デュプレックス)と呼ばれる技術により、通話スクリーニング電話による予約代行を学習した。さらに2020年は、電話の保留待ち機能も備えた。こうした既存の機能を拡張し、新しい機能も追加する。企業や店舗などの電話番号にかけるべき最適な時間帯を示すツールや、音声ガイダンスの番号体系を案内するDuplexの新機能などだ。

Pixel 6とPixel 6 Proの電話アプリでは「Wait Times(待ち時間)」という新機能により、フリーダイヤルに電話をかけたときに相手につながるまでの予測時間が表示される。これからの時間だけでなく、1週間先までの情報を、電話をかける前に確認できる。この情報により、電話をかけるタイミングをより適切に判断することができるようになる。

画像クレジット:Google

もちろん、この情報を表示するために、Googleはユーザーからデータを収集する能力を活用している。Googleマップで、マップユーザーに関する匿名化されたデータに基づき企業や店舗などが最も忙しい時間帯を表示するのと同様「Wait Times」は、電話アプリで得られる通話時間データから推測する。このデータは、個々のユーザーとはリンクしていないとGoogleは述べている。

もう1つの新しい機能は「Direct My Call」だ。これは、企業や店舗などに電話をかける際、音声ガイダンスが案内する複雑な番号体系を理解するのに役立つ機能だ。提示される多くの選択肢(例えば「営業時間、所在地を知りたい場合は1を押してください」)を聞いて覚えようとする代わりに、Googleアシスタントが自動メッセージを文字で見せてくれる。これにより、必要な情報を得たり、人間のオペレーターと話したりするためにどの番号を押せばいいのか、選択肢を読み返すことができるようになる。

画像クレジット:Google

以前は、難しいカスタマーサービスに不満を感じたユーザーは、GetHumanのようなサードパーティ製のアプリやウェブサイトを利用して、より早く人間のオペレーターと話す方法にたどり着いていたかもしれない。しかし、そうしたウェブサイトは常に最新の内容に更新されているとは限らない。「Direct My Call」はその代替手段を提供する。さまざまな選択肢が読み上げられている間は、マルチタスクをしたり、電話を置いたりできる。電話に戻ったときに、選択肢を読み、必要なものを選べばいい。この機能は、TTY(テキスト電話)を必要としないものの、耳が不自由な人も使える。

「Direct My Call」には、電話予約代行機能と同様、Google Duplexの技術が使われている。

Duplexは、電話予約代行機能と混同されることがある。デビュー当時は予約代行が大きな用途の1つだった。しかし、Duplex自体は、予約の際に自然な会話を可能にするだけではない。理解を深めるためにも利用できるのだ。例えば「Direct My Call」の場合、Duplexは高度な音声認識と言語理解モデルを用いて、相手が今、何をして欲しいと思っているのかを判断する。電話番号を押す「担当者」などの単語を発する、口座番号を入力するといったことだ。

Pixel端末で開始される「Direct My Call」と「Wait Times」に加え、Googleは当面「Hold for Me」へもアクセスを拡大する。

2020年の米国での開始以来、ユーザーはこの機能により月に150万分以上の時間を節約できた。今後数カ月のうちに、オーストラリア、カナダ、日本のPixelユーザーにも提供する予定だとGoogleは述べた。

画像クレジット:Google

一方、Googleの既存の通話スクリーニング機能もアップグレードされる。

これまでは、Google独自の発信者番号の機能により、ユーザーはスパムなどの知らない番号からの電話を識別できた。今回のバージョンアップでは、かかってきた電話に関するデータをユーザーが提供できるようになる。つまり、かかってきた電話の相手先の情報(請求、銀行、公共料金など)を提供し、今後同じ電話を受ける別の人が、どんな相手先からかかってきたかを知ることができるようになる。Googleによると、このデータを提供する際、個人を特定する情報は含まれない。これにより、今後、発信者番号情報がわかっている企業の数を2倍に増やすことができると同社は考えている。

通話スクリーニングはより多くの市場で導入される。米国、カナダ、日本では、現在月に3700万件の通話をスクリーニングしている。10月19日から英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、アイルランド、イタリア、スペインのPixelユーザーにも展開される。

通常、Googleは新機能をまず最新のPixel端末でリリースしてから、時間をかけてより多くのPixel端末やAndroidに広く展開する。つまり「Wait Times」と「Direct My Call」はしばらくの間、Pixel 6端末専用となる可能性が高い。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

あらゆる肌色の顔を美しく見せるPixel 6カメラのReal Tone、多様性を広げるAI技術

スマホメーカー各社が写真での顔の写り方に特別な注意を払っているのは、理に適っている。米国時間10月19日、Google(グーグル)が発表した新しいPixel 6には、人間をこれまで以上によく見せるための、AIを搭載した新しいツール群が導入されている。その中でも特に注目されているのが、動く顔のブレを軽減する「Face Unblur(顔のぼかし解除)」と「Real Tone(リアルトーン)」だ。後者は、Googleの新しいTensorチップを搭載したAIによる後処理機能で、あらゆる肌色の顔を可能な限り美しく見せることを目指している。

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スマートフォンで撮影される写真の大半は、自撮りであれ、他撮りであれ、人間が写っている。従来、複数の顔が写っている写真、特に顔の肌色がすべて異なる場合、露出をきれいにするのは非常に難しいとされてきた。新しいPixel 6では、コンピュテーショナルフォトグラフィーのレイヤーが加わり、写真に写っている全員ができるだけきれいに見えるようになっている。Pixelチームは、さまざまなエキスパートのイメージメーカーやフォトグラファーと協力して、ホワイトバランス、露出、アルゴリズムの調整を行った。同社は、これにより、どんな肌色の人でもうまく撮れるようになったとしている。

Googleは、リアルトーンをフォトグラファーが直面している課題に対する決定的な解決策ではなく、同社のカメラシステムの改善そして、1つのミッションとして捉えていると強調している。Googleは、すべての人々、特に有色人種が、カメラによる顔の撮影においてよりよく表現されるよう、多大な資源を投入している。

AndroidチームのAdvanced PhotographyプロダクトマーケティングマネージャーであるFlorian Koenigsberger(フロリアン・ケーニヒスベルガー)氏は、Pixel新機種の発売に先立って行われたブリーフィングインタビューで、次のように述べた。「私の母はダークな肌の黒人女性で、父は白人のドイツ人です。私の人生を通じて、ずっと疑問でした。どうしたらみんながきれいに見える写真が撮れるだろう。新しいカメラは、その道のりの一歩です。Googleの多様性の数値はもはやミステリーではありません。当社には、実体験や、この問題に関してオーセンティックに語ることができる人材という点で、明らかに不足しているものがあると理解していました」。

カメラチームは、フォトグラファー、カラリスト、シネマトグラファー、撮影監督、ディレクターなどと協力して、多様な肌色の人々、特により暗い肌色の人々に照明を当てて撮影する際の課題を深く理解しようとした。中でも、ドラマシリーズ「Insecure(インセキュア)」の撮影監督であるAva Berkofsky(アヴァ・バーコフスキー)氏、フォトグラファーのJoshua Kissi(ジョシュア・キッシー)氏、撮影監督のKira Kelly(キラ・ケリー)氏など、幅広い分野のプロフェッショナルの経験を活用した。

「エスニシティや肌の色だけでなく、さまざまな手法を含め、実に多様な視点を取り入れることに注力しました」とケーニヒスベルガー氏は語る。「カラリストたちは、映像制作の過程で起こるサイエンスとして考えているので、実際に話してみると最も興味深い人たちでした」とも。

Googleのプロダクトチームは、画像処理の専門家たちと協力して彼らにカメラを渡し、混合光源、逆光、室内、1枚の画像に複数の肌色を入れるなど、非常に難しい撮影状況に挑戦してもらった。

「私たちは、特にこのようなコミュニティにおいて、どこが問題なのかを学び、そこからどのような方向に進むべきかを考えなければなりませんでした」とケーニヒスベルガー氏は説明する。「イメージングのプロフェッショナルたちは非常に率直で、我々のエンジニアと直接会話をしていました。私はこの会話の進行を手伝いましたが、技術的な学びだけでなく、この空間で起こった文化的な学びも興味深いものでした。例えば粉っぽさ、よりダークな肌のトーン、質感などのことです。ミッドトーンのニュアンスはさまざまです」。

このプロセスは、カメラの顔検出アルゴリズムから始まる。カメラが顔を見ていることを認識すると、カメラはどのように画像をレンダリングすればうまくいくかを考え始める。複数のデバイスでテストを行った結果、Pixel 6は競合メーカーの製品や旧世代のPixelデバイスよりも一貫して優れたパフォーマンスを発揮していることが、Googleのチームによって明らかになった。

この機能が実際にどのように機能するのか、グローバルな編集(画像全体に同じフィルターを適用すること)を行うのか、あるいはAIが編集パスの一部として個々の顔を編集するのかは、すぐには明らかになっていない。近いうちに、カメラのこの特定の側面が実際にどのように機能するのか、より詳しく調べてみたいと思う。

カメラチームは、この分野での取り組みにより、カメラアルゴリズムを作成するためのトレーニングセットの多様性が25倍になったことを強調している。リアルトーン機能は、カメラアルゴリズムの中核をなすものであり、オフにしたり無効にすることはできない。

画像クレジット:Google

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)

Google Pixel 6のカメラはAIでスナップショットをスマート化する

Google(グーグル)の最新のフラッグシップモデルには、スマートブラー、オブジェクト除去、スキントーン露出などの写真をより美しく見せるための自動化されたAIツールが搭載されている。これらが宣伝通りに機能するかどうかは、実際に試してみないとわからないが、Pixelを気にしている人から気軽にスナップショットを撮る人まで、誰にとっても便利な機能となるかもしれない。

そもそも新しいカメラ自体が非常に印象的だ。Pixel 6とPixel 6 Proで共有されているメインのリアカメラは、そこそこの大きさのピクセルウェルとF/1.85相当の絞りを備えた5000万画素だ(デジタル一眼レフカメラのF/1.8ほどの光を取り込むことはできないが、それでも十分だ)。ウルトラワイドの方は、1200万画素とより小さなセンサーでF/2.2なので、圧倒的な画質は期待できない。6 Proには4800万画素の望遠があり、低照度能力は劣るが、4倍相当のズームが可能だ。いずれも手ぶれ補正機能とレーザーアシストオートフォーカスを搭載している。

基本的には、どんな状況でも最高の画質を求めるならメインカメラを使い、光量に自信があるならワイドやズームを使える。新しいカメラの機能はすべてのカメラで使えるようだが、一般的に、最初に良い写真を撮れば撮るほど、最終的な結果も良くなる。

最も簡単なツールは、「顔のぼかし解除」だ。完璧な写真を撮っても、シャープさに欠けることがあるだろう。Pixel Cameraでは、(今では普通の撮影プロセスの一部となった)自動的に常に多重露光撮影を行い、1つのカメラで撮影したメインショットと、別のカメラで撮影した顔の鮮明なショットを組み合わせる。そうするには、ギャラリーにあるシャープではない写真をタップし、「顔のぼかし解除」のオプションがあれば、すぐに実行できる。

画像クレジット:Google

確かに、上の画像のように、ぼやけた写真の中で顔だけがシャープになるのはちょっと変だが、この写真が欲しいのか欲しくないのか、と言われると欲しいと思う。

また、写真のボケに関しては、2つの新しい「モーションモード」を搭載している。1つは「アクションパン」で、背景を「クリエイティブ」にぼかしながら、通過する車などの動きのある被写体を鮮明に捉えることができる。つまり、通常の手持ちのボケではなく、演出されたズームのボケを適用するので、ちょっと「修正された」感じがするが、楽しいオプションだ。もう1つは長時間露光用ヘルパーで、背景をはっきりさせたまま動く被写体にボケを加えるものだ。三脚を使わずにヘッドライトの光を撮るときなどに便利だ。これらは、カメラアプリ内のモーションモードエリアにある。

画像クレジット:Google

「消しゴムマジック」は、最も明らかに「AI」なものだ。写真を撮ったときに、背景に人が入ってきたり、景色の良いところに車が止まっていたりしても、それらの厄介な現実世界の物体を消して、その存在を忘れられるようにしてくれる。ツールをタップすると、遠くにいる人や車など自動的に削除したいものがハイライトされる。さらに、例として挙げられているように、邪魔な丸太やその他のランダムな形状のものも削除できる。ビーチにある流木を消すなんて、本当に?幸いなことに、記憶の穴に捨てるものは選ぶことができ、無理強いされることもなく、認識できないものに丸を付ければ、最善を尽くして処分してくれる。

「スピーチエンハンスメント」は明らかに画像用ではないが、フロントカメラモードでは、デバイスが周囲のノイズを低減し、あなたの声に集中するよう選択できる。基本的にはGoogle版ノイズキャンセリングアプリKrisp(クリスプ)だ。これのような機能があれば、ずっと使っていたいと思うだろう。

「リアルトーン」は興味深い機能だが、危険をともなう可能性のある機能でもあるので、近々詳しく紹介する。Googleはこの機能について次のように説明している。「Googleのカメラや画像製品がすべての肌の色に対応できるようにAWB(オートホワイトバランス)、AE(自動露出)、迷光のアルゴリズムの調整を、画像制作者や写真家の多様な専門家と協力しました」。

確かにすばらしいが、彼らはモデルだ(画像クレジット:Google)

基本的には、彼らの「スマート」カメラのコア機能が、他の肌色よりも特定の肌色でより良く機能したり、より良く見えたりしないことを確認したかったのだ。このようなことは、これまでに何度も起こってきたことであり、10億ドル(約1140億円)規模の企業が何度も失敗することは、屈辱的で恥ずかしいことだ。リアルトーンがうまくいけばいいが、たとえうまくいったとしても、写真の中の人の肌を明るくしたり暗くしたりするだけなのかという多くの人にとってセンシティブな根本的な問題がある。Googleは「この機能はオフにも無効にもできません」と言っているので、よほど自信があるのだろう。我々は、この機能をテストし、開発者や写真家にこの機能について話を聞いてみる予定で、興味深いが複雑なこの分野をより深く掘り下げていく。

これらの機能のうち、どれだけのものがPixelラインの携帯電話以外でも利用できるようになるのか、また、いつ利用できるようになるのかについては、完全には明らかになっていないが、何かわかったらお知らせする。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Yuta Kaminishi)

Pixel 6のAI機能向けに設計されたTensor SoCで、グーグルは独自チップに賭ける

Google(グーグル)のPixel 6とPixel 6 Proほど、正式発表前に詳しい情報が得られたスマホは今までなかったのではないだろうか。しかし、同じようなAndroid携帯電話が多い中で、Googleは、特にそのすべてを動かすチップに関して、興味深い選択をした。Googleは今回、自社設計のSoCを搭載したスマートフォンを初めて提供する。

「Tensor」と名付けられたこのチップについて、Googleは2021年夏のはじめに初めて言及した。これはスマートフォンのすべてのオンデバイスAIを動かす。基本的には、Google独自のAI / MLアクセラレータに、比較的既製のArmのCPUコアとGPUコア、そしてGoogleの新しいセキュリティコアであるTitan 2を組み合わせたものだ。

画像クレジット:Google

Googleは、TensorがPixel 5に搭載されていたチップよりも最大80%高速なパフォーマンスを提供することを約束している。率直に言って、Pixel 5はよりミッドレンジのスマートフォンだったが、日常的な使用では完全にスムーズに感じられる。米国時間10月19日の発表に先立ってリークされたベンチマークでは、Qualcommの最新のSnapdragonモバイルチップと同等とされているが、これらのベンチマークにはGoogle独自のAI / MLコアは含まれておらず、Pixel 6のカメラとその複雑なコンピュテーショナルフォトグラフィーのキレを良くするためにこれらの専用コアが果たす役割は、標準的なベンチマークでは実際には捉えられない。

しかし、これらの初期のリーク情報からわかったことは、Tensorは、Armのパフォーマンス重視のモバイル設計のフラッグシップであるArm Cortex-X1チップを2つ搭載しているということだ。比較すると、Snapdragon 888は1つしか搭載していない。最近のSoCではほとんどがそうであるように、低パフォーマンスでバッテリーを節約するコアもある。噂によると、古いA76ベースのコアと最近の超高効率のA55コアが混在しているとのことだ(これらはすべて、Pixel 6が約束された24時間のバッテリー寿命を達成するのに役立っている)。Google自体は、これらの詳細については完全に沈黙を守っているが、これは、同社がこのシステムのAI機能に全面的に注力しようとしていることを考えると、理に適っている。

また、このチップには、低消費電力のAI「Context Hub」が搭載されており、デバイス上で常時稼働する機械学習機能の一部を支えている。

Googleのハードウエア部門責任者であるRick Osterloh(リック・オスターロー)氏は、19日の発表の中で、ライブ翻訳から携帯電話の写真・動画機能まで、これらのAI体験を強調した。

Google SiliconのシニアディレクターであるMonika Gupta(モニカ・グプタ)氏は、発表の中で次のように述べた。「Google Tensorによって、Motion Mode(モーションモード)、Face Unblur(フェイス アンブラー)、動画の音声強調モード、動画へのHDRnetの適用など、最先端のMLを必要とする驚くべき新しい体験を実現しています。Google Tensorは、スマートフォンの利便性の限界を押し広げ、画一的なハードウェアから、私たちが携帯電話を使用するさまざまな方法を尊重し、それに対応するのに十分な知能を持つデバイスにしてくれます」。

19日のイベントで同氏は、このチップがここ数年の間に開発されたものであることにも言及した。チームが行った設計上の選択はすべて、それらのAI機能を最大限に生かすことに基づいていたという。


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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)