Google Slidesの解説ナレーションがリアルタイムで自動的に字幕表示される

GoogleのプレゼンテーションツールSlidesに、プレゼン中のリアルタイムの自動字幕というおもしろい機能が加わる。耳の不自由な人や、聴くより読んだ方がよく分かるという人には、とても便利だろう。

この新しい機能は、画面読み上げツールの改良や、Braille、Google Docs/Sheets/Slidesの拡大表示などを作った同社のアクセシビリティーチームの作品だ。この自動化字幕は社内のハッカソンで生まれ、それが今回からは、デフォルトの言語がアメリカ英語である人がChromeブラウザーを使ってる場合に利用できる。対応言語は今後徐々に増やしていく予定だ。

この機能はSlidesのナビゲーションボックスの“CC”ボタンを押すと使えるようになる。あとは、コンピューターのマイクロフォンに向かって、ふつうに話すだけだ。

これはアクセシビリティーの機能であるだけでなく、プレゼンのナレーションの書き起こしを作って、それを後で何かに利用するためにも使える。

なお、最近MicrosoftのTeamsにも、同様の字幕/書き起こし機能が加わった。GoogleとAWSとMicrosoftは、その音声書き起こし技術をAPIとして提供しているので、自分のアプリケーションにこの機能を組み込むデベロッパーも徐々に増えている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

HTML5はこれからのWindowsか?、普遍的なアプリケーションの普遍的な開発/利用ベースとして

html5-e1465389799109

[筆者: Paul Stannard](SmartDrawのCEO)

1990年代の初めには、MS-DOSからWindowsへという重要な移行が起きた。MS-DOS上の人気アプリケーション、Lotus 123やWordPerfectなどは、この地殻変動に対応できず、市場から姿を消した。Microsoft WordとExcel for WindowsがLotusやWordPerfectの座を奪い、ワードプロセッサーと表計算ソフトの分野でトップになった。ソフトウェアのそのほかの分野でも、同様の移行が生じた。

1990年5月にWindows 3.0がリリースされたとき、その革命が始まった。それは、5年という短い期間に、世界中の企業の、何百万台ものコンピューターで、DOSのプロンプトをアイコンやマウスで置換した。

Windows 1.0がリリースされたのは1985年だったが、アプリケーションメモリの640Kという制約と、とても遅いプロセッサーのため、本格的なアプリケーションをその上で使うのは無理だった。Windows 3.0がメモリ640Kの壁を破り、Intelの80386プロセッサーがスピードの限界を上げてから、ついにゲームが始まった。

WindowsのUIと、640Kという拘束衣が破られたことにより、オペレーティングシステムやユーザーインタフェイスだけでなく、日常的に使われるアプリケーションにも新しいスタンダードが生まれ、そして広まった。

Webブラウザーの中で動き、データをクラウドに保存するクラウドベースのアプリケーションは、今多くの人が使っているデスクトップ環境を大きく上回る利点を持ち、同様の移行を起こすだろうか? 実は、クラウドベースのアプリケーションの到来と、30年前のWindowsの到来は、互いに似ている点が少なくない。

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージ

私はごく最近、クラウドベースのアプリケーションを使い始めたばかりだが、たちまちファンになった! この川を渡ってしまったら、もう戻る気にはならない。どうしてか? 自分のアプリケーションとそのデータを、どんなコンピューターやどんなデバイスからでも、そしていつ何時(なんどき)でも使える。それは、ものすごく便利だ。これまでは、自分のメールを見るためには会社へ行って自分のコンピューターの前に座り、そのコンピューターの上にあるメールソフトを起動する必要があった。私も15年前までは、そんなサラリーマン生活をしていた。クラウドベースのアプリケーションがなければ、ドキュメントの操作に関しても同じだ。

HTML5が強力なアプリケーションをブラウザーに持ち込む

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージがそこまで強力なのに、なぜ私は、始めるのが遅かったのか? 同じ理由で、Windows 3.0の前には誰もWindowsアプリケーションを使わなかったのだ。それらは、ごみだった! 初期のWebアプリケーションは、それらがリプレースしようとしているデスクトップアプリケーションのコピーのようなものだった。Google DocstとGoogle Sheetsが最初無料だったのは、WordやExcelにはかなわないからだ。

HTML5はスタンダードを提供する … それにより高度なアプリケーションの構築が可能になり投資の対象にもなる。

しかし、昨年あたりから状況が変わってきた。1990年にWindows 3.0がWindowsへの移行の契機になったように、HTML5スタンダードの採用が広まり2014年には公的な規格がリリースされたことにより、それと同じような革命が始まっている。今では、デスクトップアプリケーション並に強力なWebアプリケーションを、書くことが可能だ。Microsoft Wordのブラウザーベースのバージョンは、ルックスも動作もWindowsバージョンと酷似している。

HTML5はHTMLとCSSとJavaScriptにスタンダードを提供する … それにより高度なアプリケーションの構築が可能になり、十分に投資の対象にもなる。

それはファイルへの普遍的なアクセスだけではない

ドキュメントにどんなデバイスからでもアクセスできるだけなら、アプリケーションの出番はない。Dropboxは、ファイルを複数のデスクトップPCでシンクする(同期化する)ソリューションを提供し、その後ほかのデバイスでもそれができるようになった。Dropboxは、アプリケーションを特定しない。ファイルを読むアプリケーションが、ユーザーのデバイスにあるだけでよい。たとえば職場でWordのファイルを保存し、家の自分のコンピューターの上のWordでそのファイルを開けばよい。

Microsoftの、Officeのアップデートも、これと似たやり方だ。そのOneDriveと呼ばれるプロダクトはDropboxに似ていて、Office 365の有料会員になるとOfficeのネイティブアプリケーションを複数のコンピューターにインストールできる。基本機能だけのOfficeアプリケーションなら、今ではWindows, Mac, iPad, それにAndroidにもある。Office自体にもクラウドベースのバージョンがあって、それはブラウザーの中で動く。無料だけど、ネイティブアプリケーションの機能の一部がない。

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージがそこまで強力なのに、なぜ私は、始めるのが遅かったのか?

どのデバイスからでもファイルにアクセスできることは、アプリケーションがブラウザーで動かずに各機の上にあることを擁護する理由になるだろうか? それとも、それはまだ道半ばか? 私の個人的な考えとしては、それは道半ばだ。アプリケーションがどのマシンの上にもインストールされていなければならないことは、“どんなデバイスからでも”というクラウドのアドバンテージを大きく制約している。自分のコンピューターにそのアプリケーションがない人と、そのドキュメントを共有しなければならない場合、困ったことになる。だから今の、データはクラウド、アプリケーションはネイティブ、というハイブリッドな形は、いずれ、データもアプリケーションもクラウド、という形に変わり、ますます多くの人がそのメリットを享受するだろう。

クラウドベースのアプリケーションの採用で世界が一変するか?

WindowsやMacのデスクトップからクラウドベースのファイルシステムへの移行は、25年前のWindowsの採用と同じぐらい、急速に進むだろう。機能が完全に揃ったアプリケーションをブラウザベースのアプリケーションとして提供しないソフトウェアベンダ、ブラウザーバージョンはごく一部の機能しかない、というベンダは、市場を失うおそれがある。

MicrosoftのWord, Excel, PowerPoint, それにOutlookを、OneDrive+Office 365という形で提供するやり方は、まさに上記のやり方だが、その、ネイティブプラットホームにこだわるやり方は、そのうち限界にぶつかるはずだ。

でも、そのほかのアプリケーションが、その隙(すき)に乗ずるかもしれない。人気の高いんグラフィクスアプリケーションのVisionやPhotoshopも、完全な移行を成し遂げていない。Accessなど単純なファイルマネージャーも、やはりそうだ。

デスクトップからクラウドベースのアプリケーションへの移行はしたがって、デベロッパーにすばらしい機会を提供し、マーケットシェアをこれまでのマーケットリーダーたちから奪っていくだろう。それは、落ちこぼれになりたくないと願っている今現在の勝者にとって、深刻な脅威にもなる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのBigQueryによる大規模データ分析をGoogle DriveやGoogle Sheetsのユーザーにも可利用に…CloudとAppsの融合を進める

cbf_009

Googleが今日(米国時間5/6)、Google Cloud PlatformとGoogle Appsのツールを部分的に接近させるような発表を行った。Googleの、サーバー不要(serverless)の分析型データウェアハウジングサービスBigQueryが、これからは、Google Driveからファイルを読んだり、Google Sheetsのスプレッドシートにアクセスできるようになる。

これまでは、Googleのクラウドコンピューティングサービスと、Google Appsの消費者ないし企業向けの一連の生産性ツールは、まるで両者間にファイヤーウォールでもあるかのように、互いに遮断されていた。しかし今日Googleのスポークスパーソンが述べたところによると、同社は今、両サービスを統合するためのより良い方法を模索しており、それにより今後はGoogle AppsとGoogle Cloud Platformの両方を合わせたような、統一的ソリューションを提供していく予定だ。

Screen Shot 2016-04-05 at 1.09.27 PM

そのスポークスパーソンはこう語る: “Diane Greeneが何度か指摘したように、顧客はGoogleの複数のプロダクトを使っているので、弊社としてもエンタープライズチーム全体との協働により統一的なソリューションを作り、最良のユーザー体験を提供していきたい。今回の統合によって、高度で大規模なデータ分析を生産性アプリケーションのエンドユーザーが気軽に利用できるようになり、データ主体のワークロードを単純化し、エンタープライズの顧客がGoogle Cloud PlatformとGoogle Appsの両方を容易に使いこなせるようにしていきたい”。

具体的にはこうなる: ユーザーはBigQueryによる分析結果を直接、Google Sheets(“GoogleのExcel”)にエキスポートできる。またBigQueryから直接、Google Driveのファイルにアクセスして分析を行える(データをいったんBigQueryにロードする必要がない)。さらにBigQueryは、編集中のGoogle Sheetsにも直接アクセスできる。

ユーザーはGoogle Driveに、最大5TBまでのファイルを保存できる。BigQueryはもっと大きなデータベースでも楽に扱えるが、でもGoogle Driveからのユーザーは、もっと小さなファイルを使用/保有しているだろう。非常に大きなデータベースともなれば、BigQueryの料金も必ずしもお安くはないが、各月の最初の1TBのデータ処理は無料だから、小さなデータ集合やGoogle Drive上の大きなスプレッドシートでBigQueryを試すぶんには、ふところもほとんど痛まないだろう。

Screen Shot 2016-05-03 at 2.13.42 PM

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iPad版Officeから遅れること1ヵ月、GoogleがiOS版生産性アプリを公開

Googleは、iOS用Google DocsおよびGoogle Sheetsの単体アプリを公開し、Slidesも近く公開予定だ。これらの生産性アプリは、従来Google Drive内のアプリとしてiPhoneおよびiPadから利用できた。文書、スプレッドシート、およびプレゼンテーション用の各エディターは、カリフォルニア州マウンテンビューのクラウドサーバーにあるGoogle Driveに保存されたファイルを作成、編集できる。

今のところ各アプリは、Google Driveのアプリ内エディターおよびビュワーと基本的に同じものと思われるが、即ちそれは様々なフォーマットの文書を作成、変更するために必要なものがすべて提供されていることを意味している ― Microsoft Officeのコンテンツを含め。このタイミングは興味深い。MicrosoftがOfficeアプリ一式をiPad向けに公開したのはつい1ヵ月前だ。Googleは、これらの単体アプリにオフラインでも利用できる機能を追加しているため、ネット接続がなくても使用できる。

統合アプリから機能を切り出し、特定目的のソフトウェアを複数作ることに力を入れる大企業が増えていることは興味深い。例えばFacebookは自社アプリでこれを進めており、それを会社の方向性であるとしている。

アプリはGoogle PlayおよびApp Storeで公開されており、Googleは今後しばらくの間、Driveアプリで「作成」ボタンを押すと、単独アプリをダウンロードするよう案内して、移行を促進する。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoogleのオンラインスプレッドシートGoogle Sheetsがバージョンアップ, オフラインエディットのサポートなど

昨年の12月にGoogleは、Google Driveの生産性ツールの一部としてオンラインのスプレッドシートを提供するGoogle Sheetsの、ニューバージョン発表した。これまでその新バージョンはオプトインだけだったが、今日(米国時間3/20)からは全ユーザにデフォルトで提供される。

Sheetsのニューバージョンはこのプロダクトのこれまでで最大のアップデートの一つだが、ユーザにとっていちばんうれしいのはオフライン編集のサポートだろう。使えるのはChromeだけだが、この機能があるとスプレッドシートをオフラインで編集しておいて、その結果を接続時に自動的にシンクさせられる。Google DocsとGoogle Slidesには、すでに前からオフライン機能がある。

今朝試してみたら、ニューバージョンでは使えない機能もいくつかある。今回のアップデートでGoogleは、あまり使われない機能を整理することに決めたのだろう。それらは、SheetsにおけるSolverツールのサポート、Google Setsを使うオートフィル、など計4つだ。

その代わり、複数のセルをセレクトしたり、ハイパーリンクを加えることがずっと容易になった。新たなFilterビューによって、みんなとコラボレーションしているシートをいろんなビューで見たり共有することも、楽にできるようになった(本体に影響を与えない)。また、セル数数百万という巨大なシートも、必要なら作れる。

今月初めに、Google Driveの一連の生産性アプリケーションでサードパーティのアドオンを使えるようになったが、それにはもちろん、Sheetsも含まれる。

ニューバージョンへのアップデートは、数週間かけて全ユーザに適用される。だから、待たされるユーザも何人かいることになる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))