Google Stadiaのパフォーマンスはインターネット接続のスピードでどう違う?

ゲームプレイを双方向ストリーミングで提供するGoogleのクラウドサービスStadiaは、米国時間6月6日のローンチに際してさまざまな情報や資料が提供された。バイスプレジデントのPhil Harrison氏が提供してくれたのは、ユーザーのインターネット接続のクオリティの違いによる、このサービスのパフォーマンスの違いに関するデータだ。そのトップにあるのは、4Kの解像度+HDRのカラー+60fpsのフレームレート+5.1サラウンドサウンドで、このクォリティを得るためには少なくとも35Mbpsの接続が必要だ。

4KでなくHD1080pでよければ、HDR+60fps+5.1サラウンドのままで20Mbpsもあれば十分だ。そしてGoogleはストリームの円滑性の最適化を60ftpの前提でずっと下のほう、10Mbpsからさらにその下まで行っている。そのレベルではストリームの解像度は720pとなり、サウンドはサラウンドではなくステレオになる。

Harrison氏は「Staidaではゲームを誰でも楽しめるようにしたかった」という。誰でもというのは、インターネットの接続のスピードだけでなく、使えるデバイスのこともある。今回のローンチの時点でStadiaは、テレビ(+Chromecast Ultra)、デスクトップ、ラップトップ、タブレット(+ブラウザー)、スマートフォンで使えるが、最後のスマートフォンは当面、Pixel 3とPixel 3aのみ(+Stadiaアプリ)のみだ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google Stadiaプラットフォーム向けゲームの予告編一挙紹介

ゲーム専用機というのはゲームがなければただの箱だということは誰もが知っている。ストリーミング・サービスであっても事情は同じだ。

世界最大のゲームカンファレンスのひとつ、E3 2019を控えて、GoogleはStadia Connectを発表した。これはNintendo Dirctと真っ向から激突することになるクラウドゲームのプラットフォームだ。今回の発表で4K動画であることや料金プランなどやや詳しい情報が得られた。中でも重要なのはこのプラットフォームに投入されるゲームの予告編が公開されたことだ。

リストには有名シリーズに加えてGoogle独占のタイトルも含まれる。個別ゲームは月額10ドルからサブスクリプションできる。

こちらは Moonshine Studios/Coat SinkのGet Packedだ。Stadiaで独占公開されるゲームは引っ越しのための家具の荷造りを一連のゲームにしたものだ。誰もが経験するとおり、家具をパネルパネルバンに積み込むのは非常に苛立たしい作業だが、Get Packedでは細部の物理特性を維持したままシチュエーションを大いに過激化している。4人まで参加できるゲームが加わる予定だ。家具の荷造りは友達に参加を呼びかけるのに格好のテーマだからこれは巧妙な戦術だ。

ActivisionからDestinyシリーズのライセンスを取り戻したBungieは続編をStadiaで公開する。これはスーパーヒーロー的な一人称シューティングゲームで月面で戦うShadowkeepも含まれる。

もうひとつのStadia独占ゲームはGyltというタイトルの単一プレイヤーによるパズルアドベンチャーだ。主人公の若い女性が謎の失踪を遂げた従姉妹を探す。開発元はTequila Worksで、暗い舞台で超自然的な現象が起きる。

Baldurの Gate IIIはダンジョン&ドラゴン系のRPGでStadia版の他にパソコン版も用意される。

Googleは各種ゲームタイトルのいいところを見せるStadiaのプロモーションビデオも製作した。ゲーム開発元にはUbisoft、Take 2、SquareEnix、Warner Bros、Bandai Namco、Bethesdaといった有名メーカーが含まれている。

Googleでは「Stadiaをプレイするには専用機もパソコンもCDもいらない」とストリーミングの利点を主張している。Stadiaは11月にスタートする予定。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Stadiaを実機プレイ、多少の遅延が起きるが優秀なプラットフォーム

Googleの新しいゲーム・ストリーミングのプラットフォームであるStadiaだが、発表会場でレイテンシー、価格、サポート予定のデバイスなどについてうるさくスタッフに質問した後、新しいゲームコントローラを実際にテストしてみることができた。短時間だが大画面テレビでプレイしたのはクラウド版のDoom 2016だった。

最初のトライはさんざんだった。フレームレートが極端に遅くなり、まるでPowerPointのスライドの早送りみたいになった。4K映像が表示されたかと思うと何が映っているかわからないほどぼやけた。最長で0.5秒くらいのレイテンシーが感じられた。このありさまにGoogleの社員は不安げに顔を見合わせていたが、やがて私のコントローラをひったくって再起動をかけた。

再起動後は状況は大きく改善された。しかしひと言で要約するなら、ストリーミングゲームには「何が起きるか予想がつかない」不安定さが残っている。Googleの名誉のために付け加えておくと、Stadiaの実機テストは強力なネットワークが張り巡らされたマウンテンビューの本社キャンパスではなく、発表会場のホテルのWi-Fiで行われた。これは現実の使用条件にずっと近いはずだ。

StadiaはGoogleのクラウドゲームストリーミングサービスだ。テクノロジーの詳細についてはまだ不明な点が多々あるが、基本的な方向性ははっきりしている。ハイレベルの専用機ゲームをオンラインに移行させることだ。Chromeブラウザからアクセスできれば強力なゲーム用GPUを持たないスマートフォンなどのデバイスでハイレベルのゲームがプレイできるようになる。

最初のトライでつまづいたものの、その後Stadia体験は全体としてポジティブなものだった。Doom 2016の画像は鮮明な4Kで、プラットフォームを特に意識せずゲームに集中できた。新しいプラットフォームが導入された場合、「意識しないですむ」というのは大成功を意味する。

カジュアル・ゲームにはStadiaは素晴らしいプラットフォームになると思う。。ただし高度なマルチプレイヤーゲームを楽しむ筋金入りユーザーには最適ではないかもしれない。理論上は、YouTubeのフィードから直接にスポーツ系ゲームを起動できる。しかしこういう使い方には向いていない。インプットから画面上にその効果が出されるまでのレイテンシーがそれなりにあるからだ。しかし(私も含めて)多数のユーザーにとってStadiaの能力は十分だ。なんといってもこのレベルのユーザーがゲーム市場の大部分を占めるのだから、Stadiaは十分に価値があるテクノロジーだ。

Google Stadia担当のバイスプレジデントであるPhil Harrison氏は、レイテンシーがどれほどの範囲になるか正確な数字を挙げることは控えたが、「人間が何かを知覚してから反応するまでの時間よりも短い」と述べた。Googleのスタッフによれば、この時間は(個人差はあるものの)70ミリ秒から130ミリ秒程度だという。つまりStadiaのレイテンシーはネットワーク接続が最良であれば70ミリ秒未満ということになるのだろう。

レイテンシーはネットワークの状態だけでなく、ユーザーとデータセンターとの物理的な距離によっても変化する。つまり固定した数字はあまり意味がない。テスト時点で私はサンフランシスコにおり、およそ80キロ離れたサンノゼのデータセンターにアクセスできた。Googleは「Stadiaがサポートされている国のユーザーであっても、僻地に居住しているような場合、サービスの開始時点で必ずサインアップできるとは限らない」と認めたが、その理由がここで述べたような事情だ。

その他の興味ある点。

  • Googleはサポートされるデバイスについて「後日正確な情報を発表する」と述べたが、iOSデバイスをサポートするのかという質問に対して「スタート時点ではPixelデバイスに焦点を当てていく」と強調した。.
  • 別のプラットフォームで購入ずみのタイトルであってもStadiaではプレイできないようだ。当然だが、Stadiaのゲームはこのプラットフォーム上で改めて購入する必要がある。
  • ユーザーはYouTubeのストリームからゲームにアクセスすることができるが、すべてのコンテンツをまとめたハブとなるサイトも用意され、URLでゲームにアクセスすることもできる。
  • コントローラ(トップの写真)はよく出来ている。デザインはソニーのDualShockとよく似ている

Stadiaについては今年の夏のGoogle I/Oでさらに詳しい点が判明するはずだ。私の最初の実機テストではサービスがGoogleの主張どおりに作動し、専用機クラスのゲーム体験を与えることができると確認できた。そこで現在、最大の疑問は価格だ。ハードコアなゲーマーしか手が届かない価格になるのか、カジュアル・ゲーマーにも手頃な価格になるかがこのプラットフォームの性格を決める。ビジネスとしての成否もおそらくはこの価格設定にかかっているだろう

原文へ

(翻訳:Umihiko Namekawa、滑川海彦@Facebook

Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」へのアクセス方法

Googleはゲーム機を発売するわけではない。その代わりに同社は、Stadiaというサービスを立ち上げる。ゲームはサーバーの上で動き、ユーザーは自分のデバイスにそのビデオをストリーミングする。Stadiaにアクセスするために新しいハードウェアを買う必要はないが、ただし、いきなりどんなデバイスからでもStadiaを使えるわけでもない。

ゲームデベロッパーカンファレンス(Game Developers Conference)の開会直後に、GoogleのCEOサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)氏はこう言った。「Googleでは、ChromeブラウザーやのChromebook、Chromecast、Pixelなどのデバイスで、20億の人びとがゲームをすぐに見つけられる。ほかのブラウザーやプラットホームをサポートする計画もある」。

おわかりのように、ラップトップやデスクトップコンピューターでこのサービスにアクセスするためには、Chromeブラウザーがメインのインタフェイスになる。コントローラーはユーザーの既存のコントローラーを使える、と言っているから、PlayStation 4やXbox One、Nintendo Switchをお持ちの方はそのコントローラーで大丈夫だろう。Googleにも、独自のコントローラーがある。

テレビにChromecastをつけてる人は、それがStadiaマシンになる。Bluetoothをサポートしているのはいちばん新しいChromecastだけだから、手持ちのコントローラーを使うにはそれが必要かもしれない。GoogleのコントローラーはWi-Fiを使うから、古いバージョンのChromecastでもいいはずだ。

さてモバイルだが、Googleは最初からどんなAndroidデバイスでもこのサービスを使えるようには、していないらしい。最初はピチャイのスピーチ(上記)で具体的に名前が挙がったPixelのスマートフォンとタブレットだけだ。いずれは、すべてのAndroidデバイスでStadiaをプレイできるようになる、と思うけどね。そうしない理由も、思い当たらないし。

しかしなぜか、アップルのデバイスの名前はまったく出てこなかった。だからiPhoneやiPadをお持ちの方は、待たされるのだろう。アップルではサードパーティのデベロッパーがデジタルコンテンツを売るには必ずApp Store経由だから、これがGoogleにとって問題になるかもしれない。

Stadiaはまだ、一般公開されていない。それは、今年の後半だ。よく分からないことが山ほどあったが、カンファレンスではすべての答えは得られなかった。Googleにとってはまったく新しい業態を構築していくわけだから、ビジネスモデルも流通の形も、これから徐々にかたまっていく、としか言えない。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa