スマホクーポンでオムニチャネル戦略を支援するグランドデザイン、トランスコスモスから5.4億円を調達

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グランドデザインは3月14日、トランスコスモスおよび創業者を割当先とした第三者割当を実施。総額約5億4000万円の資金調達を実施した。同社は2015年6月にもアイスタイル、アドウェイズ、トランスコスモス、ベクトル、リアルワールド、みずほキャピタルから約2億3000万円の資金を調達している。

同社が手がけるのはスマートフォンオムニチャネルプラットフォーム「Gotcha!mall(ガッチャモール)」。クーポンを軸にした来店支援向けのスマートフォンアプリだ。カプセルトイをスマートフォン上に再現し、アプリ上でカプセルトイのハンドルを回すとクーポンや景品などを発行。スポンサー企業の店舗へ誘導できる。位置情報と連動して近隣店舗のクーポン発行なども可能だ。企業への課金は「(CPP=Cost Per Purchase)」つまり来店ではなく、実際の購買による課金をおこなう。

クーポンと聞くと正直「ありがち」な集客手法にも思えるが、リアルな折り込み広告(市場規模で6000億円あるそうだ)をスマートフォンの世界に置き換えようとしたこれまでのソリューションでは、どうしてもバラマキ型の施策になりがちだったのだという。

スマートフォンでクーポンと言えば、凸版印刷の電子チラシ「Shufoo!」、LINEの「LINE@」や公式アカウントから配信するクーポンなどがあるが、これらは地域やファンなど、ある程度の属性を限定して配信できるものの、詳細な属性をもとにして特定セグメントにだけクーポンを配信するということは難しかった。ざっくり言えばテレビなどマス広告の延長線上の機能が中心だ。大してGotcha!mallではユーザーの属性やこれまでの利用履歴(POSデータとも連携可能)、位置情報などをもとに、セグメント化されたユーザーにクーポンを配信するとグランドデザイン代表取締役社長の小川和也氏は説明する。

Gotcha!mallは2014年10月にベータ版をローンチ。これまで100万人以上のユーザーが利用してきた。3月からはスマホブラウザ版を提供。4月にはアプリ版(iOS/Android対応)の全面リニューアルを実施する。リニューアルにともないローソン、カメラのキタムラ、ココカラファインなどがクーポンを提供する。「Gotcha!mallはレジ通過数の多い業態に強い。コンビニ、GMS、ドラッグストアはまず網羅していく」(小川氏)

また今回の資金調達をもとに、トランスコスモスとも組んでアジア全域で事業拡大を拡大するほか、最適なクーポンの配信に向けた人工知能(AI)の開発を進める。「各国へのインバウンドのニーズなども取り込み、アジアの国々で相互に利用できるようにしていきたい。アジア圏最大のスマホオムニチャネルプラットフォームを目指す」(小川氏)

グランドデザインが2億3000万円の資金調達—店舗送客支援の「ガチャアプリ」を提供

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ショッピングモールアプリ「Gotcha!mall(ガッチャモール)」を運営するグランドデザインは6月25日、アイスタイル、アドウェイズ、トランスコスモス、ベクトル、リアルワールド、みずほキャピタルから、第三者割当増資および株式譲渡により総額約2億3000万円の資金調達を実施した。トランスコスモスとはASEAN進出に向けた業務提携も締結している。

ちょっとややこしいのでグランドデザインの設立の経緯を先に紹介しておこう。同社は2014年11月にグランドデザイン&カンパニーから新設分割して設立した会社だ。グランドデザイン&カンパニー自体は2004年7月の創業で、これまでデジタルマーケティング支援を手がけてきた。

そんな同社を2014年10月にオークファンが買収。Gotcha!mall事業を切り出す形でグランドデザインを立ち上げるに至った。グランドデザインのファウンダーはグランドデザイン&カンパニーの創業者でグランドデザイン代表取締役社長の小川和也氏。そのほか役員数人とオークファンが出資している。

Gotcha!mallは、カプセルトイ(小型自動販売機、ガチャガチャやガシャポンなんて名称で商標登録されている販売機だ)の世界観を、スマートフォン上に再現したデジタルモールアプリ。企業は同サービス内に専用筐体を出店し、ゲーミフィケーションを活用したプロモーションや販促活動ができる。例えば電子カプセルトイでクーポンや景品などを発行し、企業の店舗誘導するということができる。位置情報と連動することで、近隣店舗のクーポンを発行するといった機能も備える。

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アプリのダウンロード数は約100万件。アクティブユーザー数は非公開ながら「非常に高い数字」(小川氏)だという。すでにドン・キホーテやサンリオ、高島屋など約20社が出店している。独自にDMPを構築しており、性別や年齢と言ったユーザー属性、プレイ回数や来店回数、利用時間や場所の観点を加味した各種データを蓄積・解析することで、ユーザーと出店企業の最適なマッチングを図るという。「『カプセルトイで当てた』という能動系なアクションがあるため、コンバージョン率も高い」(小川氏)とのことで、バラマキ型のクーポンと比較して3〜20倍のコンバージョン率を実現しているという。

同社では今回の調達を契機に、Gotcha!mallユーザーの獲得、運営体制の強化、新機能追加に伴うシステム開発などを進める。

トランスコスモスと業務提携では、Gotcha!mallのASEANにおける独占販売権をトランスコスモスへ提供する。今秋をめどにアジア展開を開始し、初年度5カ国300万ユーザーの獲得を目指す。