AWSのグラフデータベースNeptuneが一般公開、既存の主要なグラフAPIもサポート

AWSが昨年のre:Inventカンファレンスで紹介したグラフデータベースNeptuneが、今日(米国時間5/30)から一般公開された。それはあのとき発表された数十ものプロジェクトのひとつだから、思い出せない人がいても不思議ではない。

NeptuneはTinkerPop GremlinSPARQLのグラフAPIをサポートしているので、いろいろなアプリケーションと互換性がある。AWSによるとこのサービスはエラーから30秒以内に復旧し、99.99%の可利用性を約束する。

AWSでデータベースとアナリティクスと機械学習を担当しているVP Raju Gulabaniは次のように語る: “世界がますます接続された世界になるに伴い、互いに接続された大きなデータセットをナビゲートするアプリケーションが顧客にとってますます重要になる。そういう時期に、スタンダードなAPIを使って何十億もの関係性を数ミリ秒でクェリできる高性能なグラフデータベースサービスを提供できることは、たいへん喜ばしい。これにより多くのデベロッパーが、高度に接続されたデータセットを扱うアプリケーションを容易に作って動かせるようになるだろう”。

Neptuneに好適なアプリケーションといえば、ソーシャルネットワーク、リコメンデーションエンジン、不正行為検出ツール、エンタープライズのインフラストラクチャの複雑なトポロジーを表現しなければならないネットワーキングアプリケーションなどだ。

Neptuneにはすでに、有名企業のユーザーがいる。それらは、Samsung, AstraZeneca, Intuit, Siemens, Person, Thomson Reuters, そしてAmazon自身のAlexaチームなどだ。AlexaのディレクターDavid Hardcastleが、Neptuneの発表声明の中でこう述べている: “Amazon Neptuneは、Alexaの数千万の顧客のためにAlexaの知識グラフを継続的に拡張していくための欠かせないツールキットだ。今日はその正式スタートの日だが、これからもAWSのチームと協力してさらに良いユーザー体験を顧客に提供していきたい”。

今このサービスは、AWSのU.S. East(N. Virginia), U.S. East(Ohio), U.S. West(Oregon), EU(Ireland)の各リージョンで利用できる。そのほかのリージョンでも、今後随時提供されていく予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オープンソースの分散グラフデータベースDgraphが$3Mを調達しv.1.0にやっと到達

【抄訳】
このところ人気が盛り上がっているDgraphは、オープンソースの分散グラフデータベースで、デフォルトのクェリ言語としてFacebookのGraphQLをベースとする同社独自のGraphQL+-を使用する。今日(米国時間12/19)同社は、Bain Capital Venturesらから300万ドルの資金を調達したことを発表した。そのほかの投資家として、Atlassianの協同ファウンダーMike Cannon-Brookes, Blackbird Ventures, AirTreeなどの名が挙げられている。同社はこれを機に、その主製品であるデータベースがバージョン1.0に達したことを発表した。なお、300万ドルという額面には、昨年のシード資金110万ドルも含まれている。

DgraphのファウンダーManish JainはこれまでGoogleでWeb検索と知識グラフ(ナレッジグラフ)プロジェクトを担当していた。【中略】〔資金調達の経緯〕

Jainによると、グラフデータベースは長年、既存のリレーショナル・データベースを補完する二次的なデータベースとみなされていた。しかし最近では、アプリケーションがますます複雑になるにつれて、いろんなものともののあいだの、大量の関係を表現し追跡する必要性が生じてきた。となると当然、グラフデータベースの出番だ。Jainの予想では、今後ますます、多くの企業がDgraphのようなプロダクトをメインのデータ格納庫として使用するようになるだろう。グラフデータベースは、速さでリレーショナル・データベースに負けないだけでなく、いろんな形の関係性を表現できる柔軟性があるからだ。

DgraphがNeo4などの競合製品より優れているとJainが信ずるのは、それが最初から分散データベースとして構築されているからだ。投資家も同意見で、Bain Capital Venturesの専務取締役Salil Deshpandeは、昨年同社のシードラウンドに参加したとき、こう述べた: “今あるグラフデータベースは本物の分散ではない。それらはノードが一つなら立派に動くが、ノードが複数になると、いろんなアーキテクチャ的ハックに頼らなければならないから、スケールしない”。

Dgraphのプロジェクトは2015年にスタートし、これまでバージョン1.0に達していなかったが、それでもかなりの数のデベロッパーがプロダクションで(本番で)使ってきた。現在のユーザーは、ゲームサービス、広告、フィンテック企業などで、ユースケースは不正ユーザーの検出などだ。このほか、検索エンジンやIoT、医学研究、機械学習、AIなどのユースケースも多い。

Jainによると、プロジェクトをオープンソースにしたのは熟考を重ねた結果だ。Apacheライセンスにしたのは、エンタープライズユーザーに受けが良いからだ。彼によると、このようなプロジェクトが十分な採用数に達するためには、オープンソース以外の道はない。“Uberが使い始めたら、新しいユーザーがどっと増えるだろうね”、と彼は言う。

収益源としては、近くリリースするDgraphのエンタープライズバージョンが軸だ。それはクローズドソースで、同社がホストするバージョンだ。Jainは冗談半分で、それぞれの顧客のそれぞれ独特な環境の面倒をいちいち見てあげるよりも、サービスをこっちでホストした方が楽だ、と言う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa