インターネットを使わないローカルな通信ネットワークを作るgoTennaがシリーズBで$7.5Mを調達

インターネットを使わない通信を指向して2012年に創業されたgoTennaは、今や社員が23名にもなり、専用ハードウェアを発売するまでに成長した。今日同社は、Union Square Ventures率いるシリーズBのラウンドで、新たに750万ドルの資金を調達した。

goTennaのアプリ等を使うとスマートフォンがウォーキートーキー(トランシーバー)になり、同じくgoTennaを使っている近くのスマートフォンと通信できる。ニューヨークのブルックリン出身の同社は、消費者と企業団体の両方をターゲットにしているが、より将来性があるのは後者の方だ。自分たちだけの独自の通信ネットワークは、週末のピクニックなどには便利だが、行政機関などの災害対応チームにとっては、人の命にかかわるほど重要だ。

goTenna team at REI

goTennaのチーム(アウトドア用品ストアREIの店頭で)

今日(米国時間4/13)のラウンドも含めて合計わずか1680万ドルの調達資金で、同社はこれまで3つの製品を作った。goTennaとgoTenna Mesh、そしてgoTenna Proだ。そのうちgoTennaはアメリカの消費者が対象、Meshは国内と海外のユーザー、そしてProは行政や企業が対象だ。goTenna Meshはこの春発売予定で、Proは秋以降になる。

goTennaは基本的にはハードウェア企業だが、これまでずっと、収益源の多様化に努めてきた。昨年の秋には、goTenna Plusというサービス製品を立ち上げた。このサービスは、オフラインの地図検索や、受信確認、位置追跡などの機能がある。

また、国際化にも熱心だ。CEOのDaniela Perdomoによると、国際展開によって、応答性の優れたサプライチェーンを構築できる、という。

“これまではずっとR&Dモードでやってきたけど”、とPerdomoは語る。“それでも数百万ドル相当の製品を無理せずに売れたから、今後もR&D企業のままでいたい”。

資金調達があまり好きではないPerdomoは、それに臨む姿勢もかなり保守的だ。つまり、向こう1年半から2年のあいだに必要と思われる金額の50%増し、という額の調達をねらうのだ。その後は、外部資金に依存しなくてもやっていける、と彼女はきっぱりと言った。

今日のシリーズBには、goTennaの既存の投資家たちも参加した。それらは、Walden Venture Capital, MentorTech Ventures, Bloomberg Beta, BBG Ventures, そしてCollaborative Fundだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インターネットも携帯ネットワークも衛星通信もない数マイル離れた場所で自力で通信できるGoTenna MeshがKickstarterで予約受付中

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今日(米国時間9/28)からgoTennaが、新製品goTenna Meshの予約販売を開始する。これを使えばスマートフォンのユーザーが、インターネット接続のない、相手と何マイルも離れた場所にいても、テキストメッセージを送受したり、GPSの位置データを共有することができる。

通常の携帯や衛星やWi-Fiなどのサービスのないところで使える、という点ではgoTennaの旗艦製品と同じであり、やはりスマートフォン同士がBluetoothで通信し、goTennaのアプリを使ってメッセージの作成や送信ができる。

しかし前の製品と違って今度のgoTenna Meshは、UHFの公共的に使える周波数で通信し、そしてメッシュネットワークを作る。

この新製品のハードウェアには外部アンテナがないのでコンパクト、同社はgoTenna Meshをグローバルに売ることができる。

The goTenna Mesh for off-grid communications.

goTenna Meshでオフグリッドの通信ができる。

goTennaの協同ファウンダーでCEOのDaniela Perdomoは、こう語る:

“携帯電話やインターネットなど、従来的な通信手段が使えない、あるいはそれらの信頼性が低い場所や機会がある。嵐のあととか、混みあったイベント会場などだ。旅行中や、お金のないときも、そうだ。そんなときのためにわれわれは、草の根的でボトムアップな通信システムを作っている。”

同社は今日、有料のgoTenna Plusサービスを立ち上げる。このサービスを利用するとユーザーは、自分が今いる場所の地図をオフラインで見れたり、送ったメッセージの受信確認をもらったり、各種の統計データを見たり、自動的に位置を調べたり、メッセージを従来的なSMSネットワークにリレーしたりできる。最後のSMS云々は、gTenna自身も携帯等の従来的な通信ネットワークの圏内にいる必要がある。

さらに同社は今日、SDKをリリースした。

同社の発表声明はこう述べる: “goTenna SDKを使えば、デベロッパーが作ったアプリケーションがgoTennaのハードウェアとプロトコルを使って、安全なデータの小さなバーストを、広い範囲にわたって、しかも完全にオフグリッド*で送信できる”。このSDKは今、アメリカ海軍や、健康テクノロジー企業がパイロットテストをしている。〔*: オフグリッド、off-grid、携帯やWi-Fi等の圏外。〕

goTenna Meshのペアは、今日Kickstarterで予約購入すると129ドル、一般発売されると178ドルだ。会員登録などは、要らない。またgoTenna Plusサービスの利用料金は最初の年が9ドル99セント、その後は年額29ドル99セントだ。

これらの金額は、軍用や業務用の製品/サービスに比べると相当安い。そういう高価な製品は、災害時などに相当長時間、通信インフラのないところや状況で、継続的に通信できなければならない。

Perdomoによると、そういう製品は通常、数千ドルもする。

goTennaの本社は、ニューヨークのブルックリンにある。そんな彼らの経験では、混雑の激しい場所でもgoTenna Meshは最大1マイルぐらいの距離までの通信が可能。完全に開けた場所なら、最大3マイルはいける。

いずれにしても携帯やWi-Fiなどの通信が使えない僻地や災害時で、自力で通信するための手段がgoTenna Meshだ。だから最小限、ペアで使用する。3マイルといえば、山岳地帯で怪我人が出た場合でも、十分役に立つだろう。そして、あたりにgoTenna Meshを持ってる人が多ければ多いほど、その利便性は増す。

GoTennaは、兄のJorge Perdomoと妹のDaniela Perdomoの二人が協同ファウンダーで、ニューヨークがハリケーン・サンディにやられて通信が死んだときに、発想した。同社には今、Walden Venture Capital, MentorTech Ventures, BBG Ventures(Verizonの子会社), Bloomberg Betaなどが資金を提供している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))