Healthcare.gov:オープン前日には1100ユーザーしか扱えなかった

最近公表された文書によると、国の保険Eコマースサイトの失敗作、Healthcare.govは、公開前夜わずか1100ユーザーしか扱えなかった[PDF]。

「現在応答時間が長くなりすぎることなく扱えるユーザー数は1100人である」と、ウェブサイトチームの技術報告書は指摘している。最終的には1万人をサポートできるようにしたい、と同文書は記載している。

オープン初日、Healthcare.govには280万人が訪れた。USA Todayによると、管理者側の予想は同時ユーザー数5~6万人だったが、実際には25万人を受入れた。

改めて数字を見てみよう。

  • 収容能力:1100
  • 予想:5.5万
  • 実際:25万

この結果、開始当日に登録までこぎつけたのはわずか6名で、アメリカの消費者たちを高い保険料で脅かすことになった。管理チームは完全に準備不足だった。

「彼らは世界最大のスタートアップを経営していたが、誰ひとりとしてスタートアップはおろか企業を経営したこともなかった」とハーバード大学のDavid Cutler教授がWashington Postに語った。「法案を通すことに長けた人々が、この種の実装に長けているという状況は極めて考えにくい。両者は異なる種類のスキルだ」。

いったい、どうすすろ技術チームが需要の1/10も扱えないと考えている時にウェブサイトを公開できるのだろか? こうした無能さこそ、Eコマースサイトの構築はスタートアップに任せるべきだった理由だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Healthcare.gov、生年月日を聞き漏らして保険料を安く見積る

Healthcare.govの最新機能が、ひどく誤解を招く健康保険料金を消費者に提示している。CBSの報道によって、窮地にたたされている国営保険サイトが、保険料を実際より50%以上安く見積っていたことが暴露された。理由は ― 私の作り話ではない ― ユーザーの生年月日を聞き忘れたため。

CBSが発見(そしてTechCrunchが確認)したところによると、Healthcare.govは、48歳で政府補助対象外のノースカロライナ州在住者に、「シルバー」プラン料金を月額231ドルと見積った。しかし、実際の保険業者であるBlue Cross Blue Shieldのウェブサイトで見ると、料金は360ドルだった(下の画像で、最上段がhealthcare.govの最安値、最下段がBlue Crossの最安値)。

Healthcare.govの新しい “Shope and Browse” 機能を見ると、ユーザーは49歳未満かどうかを尋ねられるだけだ。問題は、高い割引率を受けられる人のいる20代消費者の料金が計算に組み入れられているらしいことだ。

このショッキングな見過ごしにはさらに続きがある。Healthcare.govは、料金が見積りにすぎないことを必要以上に注意深く警告しているが、そこには実際のプランはもっと安くなる可能性が高いとしか書かれていない。

Healthcare.govと国営ウェブサイトの数々は、今も続くクラッシュやログイン問題で連日見出しを飾っている。オバマ大統領はマスコミの性急さを指摘して、Appleでさえ初期不良はあると言った。確かに企業の立ち上げ時にトラブルは起きるが、Appleが実際には400ドルのiPhoneを、200ドルで買えるかのようにユーザーに思わせたことはないと私は断言できる。

以前本誌は、政府の計算システムには深刻な問題があり、個々のニーズを考慮した高度な計算機を提供するテク系スタートアップに任せた方がよかったと指摘した。しかし、医療保険改革制度は、各州がテク系スタートアップとの提携を選ぶことを認めている。カリフォルニア州とニューヨーク州は、2年近く提携を遅らせている。

毎日どこかで政府がやらかしている。

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(翻訳:Nob Takahashi)