電力消費モニタリングデバイス「Nature Remo E」シリーズの予約受付開始、発売は12月17日から

スマートリモコンのNature Remoシリーズを開発・販売しているNatureは12月10日、同社の新製品である「Nature Remo E」と「Nature Remo E Lite」の先行予約受付を開始した。同社は2014年12月設立の

税別価格と発売日はそれぞれ、2万9800円で12月17日発売、1万4800円で2020年3月予定。先行予約特別価格として、Remo Eは5000円引きの税別2万4800円、Remo E Liteは2000円引きの1万2800円で予約できる。

Remo Eシリーズを使えば、電源コンセントに接続した各種家電の総電力量をリアルタイムに把握できる

Remo Eシリーズは、家庭の電源コンセントに接続することで各種家電の電力消費量をスマートフォンアプリで確認できる電力管理機器。スマートメーターが設置されており、Bルートでの通信が可能な家庭などで利用できる。

Remo Eでは、発電量や蓄電量もモニタリングできる。グラフの黄色が太陽光発電の発電量、黄緑色が家庭用蓄電池の蓄電量

スマートメーターはここ数年の新築マンションや一軒家では最初から備わっているほか、2024年度をメドに電力会社各社が既存の電力メーターとの交換を順次進めている。また、大手電力会社以外と電気を契約しているユーザーにはおなじみの電力計だろう。

Bルート通信とは、Nature Remo Eとスマートメーターが直接通信して電力量などのデータをリアルタイムに取得するために必要な通信網。スマートメーターには最初からこの通信網が備わっているが、各地域の電力会社へ郵送で申請しないと利用できないので注意。

これまで家庭内で使う電力を機器ごとに個別に確認するには、スマートメーターとBルート通信が可能なHEMSと呼ばれる規格に対応した家電を取りそろえる必要があったが、対応家電は少なく価格も高価だった。 政府は2030年までにすべての住居にHEMSを設置することを目指しているものの、現状ではあまり普及していない。しかしNature Remo Eシリーズを導入すれば、HEMS対応機器以外の家電、つまり電源コンセントに接続して使う家電の総電力量の変化を確認できる。

スマートリモコン「Nature Remo」の操作画面。Nature Remo Fと一緒に使えば、家電の操作から消費電力量までをスマホやタブレットで一元管理できる

なお、Remo E Liteは各種家電の電力量のみをモニタリングできる製品だが、Remo Eはそのほか、太陽光発電の発電量、家庭用蓄電池の電力量もチェックできる。

日本国内では、太陽光の固定買い取り制度(FIT)の保証期間が2019年11月から終了する家庭で出始め、2019年内だけで59万件という調査結果もあるそうだ。保証期間が過ぎると、買い取り単価は10円程度に下がり「電気を売って節約する」ことは難しくなる。一方で、太陽光発電にかかるコストは10年に10分の1ほど下落しており、一般家庭でも導入しやすくなっている。

Nature代表の塩出晴海氏

同社代表の塩出晴海氏によると、現在のRemo Eは電力量や発電量、蓄電量を確認できる機器だが、今後はRemo Eを活用してP2Pでの電力売買が可能になる未来を目指したいと語る。Remo Eでは家庭内ので電力の消費量と発電量などがわかるので、すでに個人間で電力売買できる環境は整っているが「問題は送電コスト」と同氏。「現在の送電コストは一律料金のためにP2P売買で利益を得るのは難しいが、送電の料金帯系が距離など勘案したものになり、隣家や近隣に安価に送電できるようになれば市場が活性化する」と期待を寄せる。

Nature社としては、関係各省などを巻き込んで、個人での電力売買のルール作りを目指す方針だ。さらに同社は、家庭向けソーラーパネルの販売を手掛けるハンファQセルズジャパンと連携して、自然エネルギーの普及も進めていく。

MITの研究者たちが低コスト家庭内電力モニターデバイスを開発

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MITの研究者のチームが持ち家のオーナーたちのために、個々の家電がどの位の電気を消費しているかを知りやすくするためのデバイスを開発した。IEEE Sensors Journalの最新号で発表された論文で概説されたガジェットは、電力線の上に結束して固定する単純な手順で導入することができる。

切手サイズのセンサーは自身でキャリブレーションを行い、チームによって開発されたソフトウェアを使って個々の家電をモニターし、例えば冷蔵庫が霜取り動作に入った、といった時間セグメントを分離することさえできる。

またこのデバイスはユーザーのプライバシー保護の増強や、大量の情報のやり取りで帯域幅が消費されてしまうことを防ぐことを意識して、クラウドベースのサーバーに最小限の依存をするだけだ。これは大企業によって提供されるものに比べ、目立った特徴である。

このプロダクトが商品化されるのか、またそれはいつ頃かについての明確な言葉はないが、MITはこのセンサーが商品化されるときのコストは35から30ドルの間だと見積もっている。

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(翻訳:Sako)