VMware第3のKubernetes、完全にオープンで全部位を顧客が自由に選べる

VMwareが米国時間の2月26日、VMware Essential PKSと呼ばれる新しいKubernetesプロダクトを発表した。それは、2018年末に5億5000万ドルでHeptioを買収したことの成果だ。

VMwareにはすでに、2つのフレーバーのKubernetesがある。ひとつは完全な管理を伴うクラウドプロダクト、もうひとつはエンタープライズバージョン。後者にはVMwareがあらかじめセレクトしたレジストリやネットワークなど、すべての部位がある。そして今回の新しいバージョンは、「Kubernetesの完全にオープンなバージョンを提供し、すべての部位を顧客が選べるため柔軟性が高い」と、VMwareでクラウドネイティブアプリケーションのプロダクトマーケティングを担当しているシニアディレクターのScott Buchanan氏は語る。

Buchanan氏によると、この新製品は買収前のHeptioがKubernetesを売っていたやり方そのものだ。「今度の新製品VMware Essential PKSは、Hepatioの人気の源泉だったやり方をパッケージ化したものであり、VMwareにおけるこれまでのKubernetesプロダクトの、足りない部分を自然に補完する」と彼は説明する。

同氏も認めるように、この市場の大半は完全に管理され完全に構成された方式に向かっているが、逆にもっと選択の幅の大きいKubernetesの実装系を求めるユーザーもいる。

彼はこう説明する。「大企業のインフラストラクチャは複雑だから、そのアーキテクチャの作り方にもきわめてカスタマイズされたやり方が求められる。彼らは自分が何かに統合されることを嫌う。むしろ彼らは、自分がその上で何かを自由に構築していける基盤を求める。大きくて複雑な組織では、各部署で社内的なDevOpsやSREOpsの連中がその日その日のオペレーションを彼らなりのやり方でこなしているからだ」(SRE、Site Reliability Engineering)。

いろいろやり方の違うDevOpsたちは導入する実装系に柔軟性を求めるから、その目的のためにも、VVwareのようなシステム屋の営業にはコンサルタント的な役割が期待される。Heptioには40名のフィールドサービスチームがいて、彼ら全員がVMwareに来た。彼らは顧客にコンサルティングを提供して、それぞれの部署がKubernetesのインストールのためにそのニーズに応じて選ぶべき部位を推薦できる。

Buchanan氏もまさに買収でVMwareにやってきた一人だが、今やDell系列の企業であるVMwareで気づいたことは、営業に複数の層があることだった。VMware、Pivotal、そしてDellの各層がそれぞれのプロダクトをそれぞれの顧客に売っているのだ。

HeptioはCraig McLuckie氏とJoe Beda市が創業したKubernetesスタートアップであり、さらにこの二人はGoogleにいたときKubernetesを開発した。Heptioは2016年の創業で、Crunchbaseによると、買収前には350万ドルを調達していた。

関連記事: Kubernetes誕生後の最初の4年(未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

HeptioがKubernetesとOpenStack用のロードバランサーをオープンソースでローンチ

Heptioは、コンテナのエコシステムの中でおもしろい企業のひとつだ。まず同社は、Kubernetesを作った三人の技術者のうちの二人、Craig McLuckieとJoe Bedaが作った企業だ。しかしそれだけでなく、同社が開発している技術と、これまで調達した巨額の資金も、注目に値する。

同社の今日(米国時間4/23)の発表によれば、2018年第一四半期の売上は前四半期比で140%増加した。さらにまた、社員数は2017年の初めに比べて4倍に増加した。元の数の発表がないから、これらが実際にどれだけすごいことかよく分からないが、なにしろ同社が好調で、今急成長中のKubernetesのエコシステムに自分の足場をしっかり築きつつあることは分かる。

これらの数字の発表と並んで同社は今日、新しいオープンソースプロジェクトのローンチを発表した。それは、クラスターリカバリツールArkや、KubernetesのクラスターモニタリングツールSonobuoyなど、同社の既存のツール集合に、新たに加わるものだ。

そのHeptio Gimbalと呼ばれる新しいツールは、そのユースケースが非常に特殊で、少数のユーザーにしか関心がないと思われるが、でも彼らにとってはライフラインだ。GimbalはYahoo Japaの子会社Actapioとの共同開発で、エンタープライズがトラフィックをKubernetesのクラスターやOpenStackのデプロイへルートするタスクを助ける。多くのエンタープライズが今ではこれらの技術を並列で動かしていて、一部はOpenStackを超えてもっとKubernetes中心のアーキテクチャへ移行しつつあるが、でもOpenStackへのこれまでの投資の成果を今すぐ完全に捨て去る気はない。

ActapioのCEO Norifumi Matsuyaはこう述べている: “われわれがHeptioにアプローチしたのは、OpenStackなどのバックエンドシステムへのこれまでの投資を無駄にすることなく、自分たちのインフラストラクチャをKubernetesで現代化したかったからだ。アプリケーションを大きなスケールでデリバリすることが、うちのビジネスにとってもっとも重要だ。そのためには、より高速なサービスディスカバリーと、即時のロールバックとパフォーマンスの測定を可能とするカナリア分析を伴う、デプロイメント能力が必要だった。Gimbalはわが社のデベロッパーたちに、これらのチャレンジへの対応能力を与え、彼らの生産性を上げるとともに、システムのパフォーマンスを最適化する”。

GimbalはHeptioの既存のオープンソースツールの多くを利用し、またCloud Native Computing Foundationのクラウドネイティブプロジェクト群の一つであるEnvoyプロキシも使っている。今のところGimbalは、OpenStackの2016年のMitakaリリースのみサポートしているが、今後はVMwareやEC2もサポートしていく予定だ。

〔・Heptio関連記事:
Kubernetesによるコンテナクラスターのプロダクションレベルのデプロイを「安全化」するHeptioのオープンソースプロジェクト
Kubernetes展開お助けサービスで起業したHeptioが創立1年足らずでシリーズB $25Mを調達
オープンソースのライセンスをレビューするOpen Source InitiativeにMicrosoftが参加
HeptioとMicrosoftが共同でKubernetesのバックアップ/災害復旧ソリューションに取り組む

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

HeptioとMicrosoftが共同でKubernetesのバックアップ/災害復旧ソリューションに取り組む

オープンソースのツールKubernetesがコンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードになるにつれて、当然ながらそのまわりには、さまざまな新進企業からなるエコシステムが形成されてきた。Heptioもそういう企業のひとつだが、創業者がKubernetesの協同ファウンダー(Joe BedaとCraig McLuckie)であることがとくに関心を招(よ)んでいる。そのHeptioが今日(米国時間12/7)、この夏ローンチした同社のHeptio ArkプロジェクトでMicrosoftと協働する、と発表した。

Heptio Arkはバックアップと災害復旧を管理するユーティリティで、データセンターで大きな問題が起きたときに、Kubernetesのクラスターとボリュームをバックアップする。

計画では、Arkの能力の強化で両社は協働するが、並行してKubernetesを使っているアプリケーションをオンプレミスや、当然ながらMicrosoft AzureとAzure Container Serviceへ移すためのツールも作る(Microsoftはまだ後者を、‘Azure Kubernetes Service’に改名していない)。

HeptioのCEO Craig McLuckieはこう言う: “パブリッククラウドだけで生きてるような企業は、実はほどんどいない。だからワークロードをパブリッククラウドとオンプレミスに正しく振り分けるためのツールと方法がきわめて重要だ。Microsoftが今回のようにオープンソースのコミュニティと本気で協働することは、Azureの顧客の利益になるだけでなく、Kubernetesのコミュニティも強くする”。

さらにおもしろいのは、この共同事業が、Kubernetesの協同ファウンダーたちの同窓会になることだ。HeptioのBedaとMcLuckie、そしてMicrosoftのBrendan Burnsは、共にGoogleでKubernetesプロジェクトをオープンソースで立ち上げ、その後もしばらくGoogleで、その開発とメンテを担当した。

そのBurnsは曰く、“HeptioとMicrosoftが一緒になって、Kubernetesのエコシステムが抱える未対応のニーズを満たす強力なソリューションを作っていくことは、すごくワクワクする。Heptioと共同でArkとAzureを統合すればそれは、オンプレミスのKubernetesクラスターをクラウドへバックアップするための由緒正しいソリューションに、確実になるだろう”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Kubernetes展開お助けサービスで起業したHeptioが創立1年足らずでシリーズB $25Mを調達

オープンソースのコンテナオーケストレーションツールKubernetesの協同ファウンダーCraig McLuckieとJoe Beda〔共に元Google〕が創業したHeptioが今日(米国時間9/13)、Madrona Venture Partnersが率いるシリーズBのラウンドで、2500万ドルを調達したことを発表した。Lightspeed Venture PartnersとAccel Partnersもこのラウンドに参加したが、同社はシリーズAで850万ドルを調達してからまだ1年経っていない。ただしこのシアトルのスタートアップは、シード資金を獲得していない。なお、Kubernetesのもう一人の協同ファウンダーBrendan Burnsは、今Microsoftにいる…MicrosoftからGoogleに来たBedaとは逆だ。

HeptioのCEO McLuckieは、“短い8か月だったが、すばらしい体験をした”、と語る。“シリーズAのときは、次の資金調達がこれほどすぐだとは、想像もしなかった”。Kubernetesやそのほかのクラウドネイティブ技術のエンタープライズへの導入を支援する彼らのビジネス機会が、これほど急速に大きくなるとは、彼らも予想しなかった。そして今彼が強調するのは、その機会が単にKubernetesの機会ではないことだ。

McLuckieは語る: “Kubernetesは核であり、それを取り巻くようにしてこの会社を作った”。そしてさらにそのまわりには、クラウドネイティブコンピューティングをエンタープライズが容易に採用できるようにするためにやるべき仕事が、山のようにある。また、さらにそれに伴って、デベロッパーの新しいワークフローも生まれる。Kubernetesはコンテナオーケストレーションツールだが、McLuckieによると、ほかに大量の関連ツールも作らなければならない。

“Kubernetesの人気が盛り上がるのを見て、われわれにはこれをビジネス機会として捉える資格がある、と感じた”、そうMcLuckieは述べる。

では、Heptioは実際に何をやっているのか? 企業向けの、Kubernetesお助けサービスがビジネスになる、と確信していたが、最初はプロダクトの具体的なイメージはなかった。でもその後の数か月で、徐々にビジネスモデルがはっきりしてきた。要するにHeptioは、Kubernetesを採用したがっている企業にプロフェッショナルなサービスを提供し、教育訓練やサポートも提供する。McLuckieが強調するのは、それが企業のKubernetes利用を助けるだけでなく、彼らをオープンソースのコミュニティに接近させる意味合いもあること。そのためにチームは、Kubernetesのいくつかの具体的な特性と、それがオーケストレーションするコンテナクラスターを管理するための、独自のオープンソースプロジェクトも作っている。

新たな資金はヨーロッパとアジアへの進出に充てる予定だが、さらにチームを拡大するとともに、新市場開拓に役に立ちそうな買収を検討するかもしれない、という。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Kubernetesによるコンテナクラスターのプロダクションレベルのデプロイを「安全化」するHeptioのオープンソースプロジェクト

シアトルのHeptioは、Kubernetesの協同ファウンダーCraig McLuckieとJoe Bedaが最近立ち上げた会社で、企業におけるKubernetesの本格的な利用(プロダクションレベルでの利用)を、より容易にすることをねらっている。2016年に創業したこの資金豊富な会社はこれまで、鳴り物入りの新製品発表などはまったくなかったが、でも今日(米国時間8/3)同社は、二つのオープンソースプロジェクトArkSonobuoyリリースした

Kubernetesの人気は急成長し、それは今やもっとも人気のあるコンテナオーケストレーションシステムだと思うが、でもその周りにできるエコシステムは、誰もが認めるように、今でも未発達だ。Kubernetesをサポートするサービスやオープンソースのプロジェクトは山ほどあるが、現状はまだまだ、成熟期というより成長期だ。Heptioがその二つのプロジェクトで解決しようとする問題は、Kubernetesのクラスターのステートをバックアップすること(Ark)と、これらのクラスターのテストと診断(エラー検出)だ。

Arkのようなツールの標準的なユースケースといえば、インフラストラクチャやデータが落ちたときの災害復旧だ。同社の今日の発表では、こう言われている: “われわれの顧客がKubernetesのプロダクションユースに向かうに伴い、彼らの多くが、クラスターのバックアップとリストアの管理、という難題に直面する。そんなときデベロッパーは、(etcdで)クラスターのステートの直接的なレプリカからクラスターをリカバリしようとするが、うまく行かないこともある”。そこでArkはすべてのクラスターオブジェクトのバックアップを作り、ボリュームのスナップショットを作らせ、クラスター全体を前のステートへリストアする能力を与える。

一方Sonobuoyは、災害の防止だ。それはデベロッパーとオペレーションのチームが彼らのKubernetesのデプロイをテストし、それらが想定通り動いていることと、正しく構成されていることを確認する作業を支援する。

二つのプロジェクトはどちらもGitHubから入手でき、オープンソースなので多方面からのフィードバックやコードの寄与貢献を歓迎している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))