買収から4年、旅行メタ検索エンジンのHipmunkがまもなくサービス終了

旅行の計画にまだHipmunkを使っている人は、そろそろほかのサイトを探したほうがいい。遅かれ早かれ、ほんとに。

Hipmunkは米国時間1月14日、一週間ほどでサービスを終了することを発表した。1月23日、Hipmunkはウェブサイトとアプリのいずれも停止する、とブログに書いている。

こんなツイートも発信している。

今回の閉鎖は、企業の出張・旅費精算プラットフォームであるConcurが 2016年9月にHipmunkを買収してから4年足らずの出来事だった。

Adam J. Goldstein(アダム・J・ゴールドスタイン)氏とReddit共同ファウンダー、Steve Huffman(スティーブ・ハフマン)氏が共同設立したHipmunkは、世界初のよくできた「メタ検索」トラベルサイトのひとつだった。Expedia、Pricelineなど無数のサービスからフライト(ホテル、レンタカーも)を見つけ出し、日時、価格とともにまとめて表示するインターフェースを提供していた。

買収を発表した当初の投稿でゴールドスタイン氏は「Hipmunkはどこへも行かない」と上機嫌に宣言していた。しかし、4年のうちに状況は変わった。ゴールドスタイン氏は2018年末にチームを離れた。

Hipmunkは発表のFAQで、1月23日に「全」アカウントが停止されることを明言している。完了している予約は影響を受けないが、今後は同サイトが紹介した最終プロバイダーが対応することになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Hipmunkの創業者たちは閉鎖前に会社を買い戻そうとしていた

今から一週間ほど後、米国時間1月23日に旅行メタ検索エンジンのHipmunkは閉鎖される。SAPグループのConcurが3年半前に買収した同サービスにとって、突然かつ残念な結末だ。

しかし、こうならない道もあったようだ。情報によると、Hipmunkの共同ファウンダーであるAdam Goldstein(アダム・ゴールドスタイン)氏とReddit CEOのSteve Huffman(スティーブ・ハフマン)氏(いずれもすでにHipmukを離れている)は同社が閉鎖される前に買い戻そうと試みたが失敗に終わったという。

Skiftが最初に報じ、後にTechCrunchが独自の筋に確認したところによると、Hipmunk社員らが本日、米国時間1月14日の全社ミーティングで買い戻し提案について質問したところ、それが実行されることはないと告げられたそうだ。

SAP Concurが、なぜHipmunkを閉鎖し、買い戻しに応じなかったかは明らかではないが、それは親会社が「買い戻したいって? もちろん、どうぞ!」と言えるような単純な話でないことだけは間違いない。

買収から数年後、HipmunkのDNAはConcurとそれなりに絡み合っていた。中小企業向けの「Concur Hipmunk」というそのままの名前のサービスもできた。つまりSAP Concur側には関連するコードベースに詳しいエンジニアを残す理由があったとも考えられる。Hipmunkは買収で権利が移った 特許も保有しており(買収後さらに認められた)、SAPがそれを手放したくなかったこともありうる。あるいは単に買収提案が遅すぎたか、SAPのように大きな会社が急ブレーキを踏んでやりなおすほどの条件ではなかった可能性も十分ある。

SAP Concurの広報担当者は、コメントを拒否した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ホテルおよび旅行情報検索のHipmunk、「当日宿泊ホテル検索」機能を追加

Hipmunkが、新しいサービスを開始した。旅行中に、当日のホテルを探す人のためのサービスだ。名前はTonight Only(当日宿泊専用)で、より効率的に、お得な部屋を見つけることができるようになった。

このTonight Onlyエリアでは通常価格の60%引きの部屋なども紹介されている。こうした情報は、通常の(72時間以内宿泊用というディスカウント情報もある)検索画面にも表示される。ただ、急ぎでお得情報を探すのなら、やはりTonight Onlyセクションを探す方が効率的だ。

共同ファウンダー兼CEOのAdam Goldsteinによると、Hipmunkでホテルを探す人には大きく2種類の人がいることがわかったのだとのこと。今回のサービスリリースも、その情報にもとづいてのものだ。その2種類とは、検索日と実際に宿泊する日までの時間についてのこと。しっかりとした予定を立ててずいぶん先の日程で予約する人と、そして宿泊当日になってホテルを探すというのが代表的2パターンであったのだそうだ。中間というのはあまりなく、また後者の割合がかなり高いことから(モバイルアプリケーションからの比率を見ると50%以上のにぼる)、ぜひともこうしたニーズに応える必要があると判断したのだそうだ。

読者の皆さんも御存知のように、当日ホテル予約の機能を提供するというのは新規なアイデアというわけではない(Hotel Tonightなどはこれに特化している)。しかしGoldsteinもいうように、Hipmunkのアプローチは他社サービスとは異なる。すなわち自社でキャンペーンサービスを提供するのではなく、多様なソースから集めた情報を再構成して提供するというスタイルなのだ。

「ビジネスモデルの違いということになります」と、Goldsteinは言う。「従来型ビジネスでは、旅行関連サービスといえば、結局のところ消費者にいくら金を使わせるかというところでビジネスをしていたと思うのです。私たちは、自分たちで直接的に何かを売るのではない、ある種のメタビジネスを展開したいと考えているのです」。

Hipmunkからしてみると、宿泊施設や関連サービスが、キャンペーンを行うことはむしろプラスになるわけだ。そうした情報を収集再構築して、そして利用者に提供するのだ(但し特定のホテルについては、自前で用意したキャンペーン等もサイトを通じて売り出している)。

もちろん、情報をただ並べ替えて提示するわけではなく、検索機能などで他との差別化を行おうとしている。たとえば、リストアップされるそれぞれのホテルから、会議などの開催地までの距離がわかりやすく掲載されるという機能は、ビジネス利用の人たちに人気だ。あるいはヒートマップ形式で「人気地域」の表示も行なっていて、こちらはレジャーで利用する人にとって便利な機能となっている。

今年になってGoldsteinは次のように述べていた。すなわち「私たちは旅行者にとってベストのサイトないしはアプリケーションを提供したいと考えています。ホテル検索だけでなく、航空券情報や他の旅行関連情報なども提供して行くつもりです。但し、小規模サービスであることもあり、まずはホテル関連情報のさらなる拡充を心がけて行きたいと考えています」といった内容だ。今回の機能拡張も、この方向性に基づくものということができるだろう。また、現状ではホテル情報を扱う方が、航空券情報などよりも利幅も大きくなりがちなのだそうだ。

Hipmunkはそもそも、航空券情報の取り扱いがサービスの肝となる予定だった。こちらの方面でのサービス拡大もまだまだ諦めてはいない様子。こちらの方でもFare Alerts機能をリリースしている。これは予め登録しておいたルートにおける安売り情報が登録された際に、メールなどでアラートを受け取るためのサービスだ。

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(翻訳:Maeda, H)