クックパッドの新サービス「Holiday」は、お出かけプランの投稿・共有サービス

クックパッドといえば料理レシピの共有サービスをすぐに思い浮かべるが、同社が9月11日から本格稼働する新サービス「Holiday」は、休日の「お出かけプラン」を投稿、共有できるというものだ。

Holidayでは、テーマを決め、登録されているスポット情報を検索し、一言コメントしていくことで、お出かけプランを作成し、投稿することができる。

スポット情報には住所やURLが付与されており、名前を検索して登録するだけで自動的に地図にマッピングされて表示される。スポット数は非公開だが、同社が独自に集めた上で住所やURLを付与しているという。もちろん登録されていないスポットを新たに追加することもできる。7月にPC版のみを公開してテスト的に運営してきたが、今回のタイミングでスマートフォン対応もした。現在数百件のプランが投稿されており、数週以内に1000件に達する予定だそうだ。

マネタイズやユーザー数の目標は現状公開していない。まずは外部APIに頼らないスポット情報のデータベース構築、質の高いお出かけプランが登録されるようなサービスの活性化などを進めるという。

主要メンバーは新卒、学生起業家をチーム採用

クックパッド Holiday事業室のプロジェクトリーダーである友巻憲史郎氏は、4月にクックパッドの入社したばかりの新卒だ(厳密には一度大学を退学し、現在は京都造形芸術大学に編入しており現在4年生だが、クックパッドでは新卒として採用したとのこと)。実は同サービスに関わる5人全員が新卒であり、さらに友卷氏を含む4人は学生起業を考えて活動していたチームなのだという。

友卷氏らが学生時代に提供していたのは、アクティビティの予約サイト。メンバーの拠点であった関西を中心に営業をかけたところそれなりの手応えもあったそうで、友卷氏は大学を中退して事業に専念。法人化してベンチャーキャピタルなどから資金調達を実施しようとしていたが、途中でエンジニアがチームから抜けてサービスの開発が続けられなくなってしまったのだという。

一時は就職活動もしたというメンバーだったが再度奮起。サービスもアクティビティ予約からお出かけプランの共有サービスへとピボットし、さらにはエンジニア任せだったコーディングも自ら行い、「心の底から作りたいものを作ろうとした」(友卷氏)という。そしてベンチャーキャピタルや事業会社と資金調達の相談をしている中でクックパッドから、「事業を譲渡して、チームでクックパッドの新卒でサービスを開発しないか」という打診を2013年末にもらった。

クックパッドで新規事業を手がける意味

「雑念を捨てて集中しないといけないと思っていたので、最初はまず調達から解放されて仕事できるのが嬉しかった」と本音を漏らす友卷氏だが、クックパッドに入社して半年。何よりも「ブレない」ということの大事さに気付いたのだそうだ。

「ブレがあると怒られる。目先のKPIより何より、いかにユーザーの課題を解決するか。派手なことをする、スピードアップのテクニックを考える、いろんな雑念が出てくるが、ユーザーの課題を解決することで価値を出せば結果は必ずついてくるものだとみんな本気で考えている」(友卷氏)。研修としてクックパッドのレシピを管理する部署の業務をした際にも、1つずつ投稿されたレシピを見て、情報不足や問題があればつどユーザーにコミュニケーションを取る姿勢に感動したのだという。クックパッドの月間利用者は約4500万人。それだけ利用されるサービスの理由はこういった姿勢や1つ1つの対応によるものだろうか。

実はクックパッドは「レター」を手がけるROLLCAKEのように子会社で新事業を作ったり、漢方デスクのように分社化を前提にクックパッド内でサービスを開発していたり、起業や新事業の立ち上げに柔軟な姿勢を見せる会社だったりする。ただし、学生起業家をチームで新卒採用したのは「結果的にではあるが、そういった取り組みは初めて」(クックパッド)だそうだ。

起業することと新規事業を社内で立ち上げることは、リソース面でもリターン面でも大きく違うので、どちらが正しいというものでもないし、むしろまったくの別物ではないかと思っている。ただ、クックパッドの姿勢は若い人がサービスを始める上で1つの選択肢を提示してくれているのは間違いないし、何より経験の少なかったHolidayのチームにとっては大きな価値になっているようだ。


不満だらけの十代も、テックで優しくなれる。ホリデーシーズンにはそんな甘い夢をAppleと

ティーンエイジャーの頃、年末年始のホリデーシーズンに、実家に帰省するのが大嫌いだったという記憶をもつ人は多いのではないだろうか。少なくともぼくはそうだった。不機嫌な顔をして友だちと田舎のつまらなさについてメッセージのやり取りをしたり、あるいはゲームに興じていたりしたものだ。最初はそういう不満だらけの十代少年の話なのかと思った。実はそうではなく、不満を感じてるように見える少年も、得意の「テック」を使って家族と愛で結ばれるという内容だ。

Appleは、たとえばAndroid陣営からプラットフォームが閉鎖的であるとか、あるいは何かおたく的視点から批判されることが多い。しかしテックの世界に人間味(人間的あたたかみ)を持ち込んでいるのがAppleなのではないかと思うのだ。テックを使って、よりヒューマンな存在になれる。Appleとはそういう企業であり、そして上に載せたCMはまさにそういうAppleの方向性を示すものであると言える。

現実の世界ではもちろん、CMビデオのような美しい結末を迎えることは少ない。ほのぼのと感じるような体験も非常にレアなものとなっている。ただしかし、そういう世の中でも、クリスマスシーズンにはほのぼのとしたビデオを見るのも良いのではなかろうか。Appleが提供する「夢」を、素直に感じてみたい。

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(翻訳:Maeda, H