8カ月で2倍の5億DL、仏モバイルゲームパブリッシャーHoma GamesがシリーズAで約56.7億円を調達

Voodoo(ヴードゥー)がBeach Bum(ビーチ・バム)を買収した数日後に、別のフランスのモバイルゲーム会社からニュースが入ってきた。Homa Gamesは、Northzoneがリードして5000万ドル(約56億7000万円)のシリーズAラウンドを実施することを発表した。同社は、インディーゲームスタジオと提携し、パブリッシャーとして活動している企業だ。

現地時間10月10日の資金調達ラウンドには、Singular、King、FuboTVの創業者たち、そしてSpotify(スポティファイ)の共同創業者兼CEOであるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏のファミリーオフィスなどが参加した。今回のシリーズAラウンドは、同社がシードラウンド(HeadlineとEurazeoが主導)を調達してからわずか7カ月後に実施された。

特筆すべきは、2021年2月に、同社は2億5000万ダウンロードを達成できたと述べていた。その数は今では倍になり、5億回のインストールに達したという。

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「スカイローラー」などのハイパーカジュアルゲーム開発Homa Gamesが15.7億円調達

Homa Gamesは、ハイパーカジュアル、カジュアル、ボードゲームに特化しており、それらはモバイルゲーム業界の中でも、技術に裏打ちされた秩序あるアプローチを必要とする分野だ。同社は、各ゲームのパフォーマンスを最適化する独自の技術スタックを開発している。

ゲームデベロッパーは、Unityを使ってプロトタイプを作り、Homa Gamesに提出する。その後、Homa Gamesは各プロトタイプの可能性をテストし、さらに検討する価値があるかどうかを判断する。

同スタートアップが開発したオールインワンSDKは、開発者が分析やA/Bテストを通じてモバイルゲームを最適化し、収益性の高い事業にするのを支援する。このSDKでは、ゲーム業界で最も重要な指標である獲得コスト、リテンション、セッション時間を追跡し、改善することができる。もちろん、これはユーザー1人当たりの平均収益の向上にもつながる。

その後、Homa Gamesは、App StoreとPlay Storeでのゲームの公開を担当する。収益を得るためには、同社は広告に大きく依存している。

興味深いのは、最適なモバイルゲームを作るために何カ月または何年も費やす必要がないということだ。ハイパーカジュアルモバイルゲームの現状では、ゲームデベロッパーはユーザーが何度もゲームを起動せずにはいられなくなるような、1つのキーコンセプトに集中している。App StoreやPlay Storeで最もダウンロードされたゲームのトップ20に入ったHoma Gamesの成功作は、すべて8日以内で開発されている。

NorthzoneのPär-Jörgen Pärson(ペール=イェルゲン・ピアソン)氏は、声明の中でこう述べている。「Homaのプラットフォームは、あらゆるゲーム起業家やインディースタジオにスーパーパワーを与え、パブリッシング、分析、マーケティングツールを利用して、世界中の巨大ゲームスタジオと互角に競争することを可能にします。ダニエル(Daniel Nathan、ダニエル・ナタン)とオリヴィエ(Olivier Le Bas、オリヴィエ・ル・バス)は、ビジョンを持っているだけでなく、より重要なのは、彼らがゲームの中でまったく新しいカテゴリーを定義し、構築するのに役立つすばらしいエグゼキューションを実現できるということです」。

同社はこれまでに40本のゲームをリリースしている。しかし、Homa Gamesは、2021年末までにさらに20本のゲームをリリースする予定で、リリースペースを上げている。

そして今、同社はハイパーカジュアルゲームのサブジャンルに取り組んでいる。Homa Gamesはこれを「アーケードアイドル」カテゴリーと呼んでいる。多くのハイパーカジュアルゲームと同様に、テクスチャーのない棒人間キャラクターをデジタルワールドで動かすのが特徴だ。アイドルゲームのように、プレイヤーはリソースを集めて富を増やし、新しいレベルをアンロックする必要がある。

「Craft Island」「Farm Land」「Harvest It」で見るとこんな感じだ。

画像クレジット:Homa Games

Homa Gamesのブログ記事によると、同社はこれらのゲームをインタースティシャル広告、アプリ内課金、サブスクリプションによって収益化することを計画している。プレイヤーは、広告を視聴してより速く進むことを選択することもできる。

このようなイノベーションを称賛すべきかどうかはわからないが、モバイルゲームにはまだまだ多くのビジネスチャンスがあることは明らかだ。そして、Homa Gamesは重要なパブリッシャーになるための準備が整っているようだ。

画像クレジット:Naser Tamimi / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

「スカイローラー」などのハイパーカジュアルゲーム開発Homa Gamesが15.7億円調達

フランスのスタートアップHoma Gamesは、e.venturesIdinvest Partnersが主導するシードラウンドで1500万ドル(約15億7000万円)を調達した。同社はゲームをプロトタイプからApp Storeで成功させるためのいくつかの技術を、社内で開発してきた。またHoma Gamesはサードパーティーのゲームスタジオと提携しており、社内にもいくつかのゲームスタジオを有している。

米国時間2月9日の資金調達ラウンドにはOneRagtime、Jean-Marie Messier、Vladimir Lasocki、John Cheng、Alexis Bonilloも参加している。これはかなり大きな資金調達ラウンドだが、Homa Gamesはすでにいくつかの印象的な指標を持っている。

同スタートアップのゲームは2018年に会社を設立して以来、全体で2億5000万回ダウンロードされている。またHasbroとIPパートナーシップを結び、Nerf(銃型のおもちゃ)をテーマにしたゲームを発売しているが、これはかなりうまくいっている。他にも「Sky Roller(スカイローラー)」や「Idle World」「Tower Color(タワーカラー)」などのゲームがある。

Home Gamesはモバイルゲーム制作を最適化するために、3つのプロダクトを開発した。1つはHoma Labではマーケットインテリジェンスとテストツールを使用して、競合他社の状況についてより詳しく学習できる。2つ目のHoma Bellyはゲームの反復と管理を支援するSDKだ。そして3つ目のHoma Dataはアプリ内購入と広告の両方のデータを使って収益化を最適化する。

サードパーティの開発者は自分のゲームを提出し、Homa Gamesをパブリッシャーとして選ぶことができる。両社は収益分配モデルで合意することになる。

サードパーティのゲームに加えて、Homa GamesはトゥールーズのIRL Teamを買収し、スコピエ、リスボン、パリに社内のゲーム開発チームがある。全体で80人がHoma Gamesで働いている。

Home Gamesの取締役にはIdinvest PartnersのBenoist Grossmann(ブノイスト・グロスマン)氏とe.venturesのJonathan Userovici(ジョナサン・ユーザーヴィッチ)氏が参加する。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Homa Games資金調達フランス

画像クレジット:Erik Mclean / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter