Amazonが本社の敷地に収容300名弱のホームレスシェルターを建設

巨大テクノロジー企業がますます大きくなるに伴い、ホームレスの人たちを助けろという業界の指導者たちの声も高まっている。高い給与水準に並行して生活費がかつてないほど高騰している地域では、とくにそうだ。例えば2019年1月には、Facebook(フェイスブック)とChan Zuckerberg Initiativeがそのほかの人びとと共に作ったグループであるPartnership for the Bay’s Future(ベイエリアの未来のための連携)は、数億ドルを投じて庶民に手の届く住宅を増やし、サンフランシスコ周辺の5つの主な郡で低所得居住者の保護を強化しようとしている。一方Microsoft(マイクロソフト)は昨年1月の発表で、高い家賃のために低所得や中所得の人びとが逃げ出しているシアトルとその郊外地区を再び多くの人びとが住める場所にするために5億ドルを拠出すると約束した。

Mary’s Placeのファミリーセンター(画像提供: Amazon)

Amazonも過去にCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が、ホームレス解消のために20億ドルを拠出し、同じ資金で教育などの行政サービスが行き届いていない地区にモンテッソーリ的な就学前教育施設を建設すると2018年の9月にTwitterで発表した。

しかし今回Amazonは、ホームレス救援事業のバーを他社に対して相当高く上げた。同社はシアトルの本社内のスペースにホームレスシェルターを作る。それは、ワシントン州で最大の家族向けシェルターになる。

Business Insiderが米国時間12月30日朝にこのニュースを報じている。そのシェルターのひと晩の収容人数は275名で、家族には個室が提供され、ペットを連れてきてもいい。業務用キッチンもあり、そこでは1年に60万食の食事を作れる。

その施設は新年の第1四半期にオープンし、長年Amazonとパートナーしている非営利団体Mary’s Placeとの提携事業の一環になる。同団体は2016年以降、Amazonのキャンパスにあるトラベロッジ・ホテルの外に、シェルターを運営している。Business Insiderの記事によると、その新しい施設には各年400家族向けのベッドと毛布が用意され、Amazonは施設のオーナーであるだけでなく、今後10年間、またはMary’s Placeが必要とする間、日常経費や修繕費、セキュリティ費用なども負担する。

ホームレスはシアトルのあるキング郡だけでも12500名と言われているが、Business InsiderによるとAmazonのシェルターは微々たる救いであるだけでなく重要な意義もある。それはAmazonが、自分の本社の敷地にシェルターを建設するからだ。

私たちの知るかぎり、ここまでやったテクノロジー企業はほかにない。この決定はまた、増加しているホームレス人口への支援策をめぐる他の都市の、あいまいな姿勢を際立たせる。記憶に残る1つの例は、3月にサンフランシスコ市長London Breed(ロンドン・ブリード)氏が、湾岸道路沿いの駐車場に市の7000名あまりのホームレス住民のうち最大200名を収容する案を述べたとき、周辺住民が反対の声を上げたことだ。その案は後日実現したが。

ニュースサイトのVoxによると、Microsoftの昨年の5億ドルの約束などの企業努力に対しては、賞賛と不満の2つの声がある。不満派は、そういう活動が受け取る無料のパブリシティを問題にしている。Amazonも、2018年の税前利益110億ドルに対して国税を一銭も払っていない。同社はまた2018年に、一般市民に手の届く住宅のために資金を調達しようとしている大企業に課税するなら、シアトルでの建設をやめると市を脅したことがある。

9150億ドルという世界最大の時価総額を誇るAmazonが、それにふさわしいことをしているか。これは確かに今後の探究を要するテーマだ。今や「世界を食べている」と称されるそのほかのテクノロジー企業にもれは言える。しかしそれでも、Amazonのような企業が会社の中心にホームレスシェルターを作ることは、肯定的に受け入れるべきだし見習ってもいいだろう。

Mary’s Placeの執行ディレクターであるMarty Hartman(マーティ・ハートマン)氏はBusiness Insiderに「1つの事業で解決する問題ではない。企業だけでは解決しない。団体でも政府でも解決できない。財団でもだ。全員が力を合わせる必要がある」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ホームレスを家族と再会させるMiracle Messages

サンフランシスコの住宅機器は痛々しいほど明らかだ。ホームレス人口は7499人に達していると2017年ホームレス調査が報告している。人が住まいを失う理由はさまざまある —— 失業、不当な立退き、過大な賃貸料の値上げなど。そして新しい住居を探すうえでの障壁には、情報不足、高額な賃貸料、友人や家族、パートナーとのつながりがないことなどがある。

後者の部分で力になろうと立ち上がったのが、Kevin Adlerが設立したNPO、Miracle Messagesだ。ホームレスの人たちが愛する家族に向けてショートメッセージを送れるしくみを提供する。

人が愛する人たちとのつながりを失う要因はさまざまある、とAdlerがCTRL+Tの最新エピソードで語った。

ひとつは官僚的障壁だと彼は言う。たとえば、保護施設はある人物が施設にいるかどうかを確認も否定もできない。これは「医療保険の携行性[相互運用性]と責任に関する法律」による。もうひとつが、デジタルリテラシーの問題だとAdlerは指摘する。

「多くの人々が携帯電話も電話番号も失くし、どうやって連絡すればいいのかわからない」とAdlerは言う。しかし、最大の問題は、「屈辱、困惑、恐怖、無気力」だとAdlerは言う。

Miracle Messagesは開始以来220件のメッセージを送り、118人がパートナーと再会した。そのうち80%が良い結果を生み、25%が安定した住居を得た。

Miracle Messagesを通じてAdlerは、人々が、住居のない人たちのことを単にホームレスとしてではなく、誰かの息子や娘、姉妹や兄弟として見るようになることを願っている。

残念ながら、家族とのつながりが途絶え、そのことが路上生活をする原因になった人たちもいる。同NPOが行っている月例の近隣夕食会はそのためにある。

大切なのは「近隣の人たちがホームレスの実態を知る機会を作ること」だとAdlerは言った。

「差し迫った問題を無視しているのではない。われわれが持つべき人間性、人間として必要な思いやりをあらためて強調するためだ」とAlderは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

救済資金提供者とホームレス個人を結びつけるHandUpが$850Kを調達

合衆国のホームレスは規模が大きく、しかもいろんな問題を含んでいるため、およそ一筋縄では解決できない。

しかしこのことは同時に、ホームレスの人たちを助けるための、いろいろな方法がありえることも意味している。国の補助から地域の非営利の取り組みまで。

サンフランシスコのHandUpは慈善的な寄付行為にテクノロジを組み合わせて、寄付提供者が特定の人に寄付をできるようにしている。彼らのことは、1月にも取り上げたk

協同ファウンダのRose Broomeは、彼女がまちで、サンフランシスコのおよそ1000人の慢性的ホームレスの、誰か一人を見かけるたびに、無力感に襲われていた。その人がどういう人か、どこから来た人か、どうやったら助けてあげられるのか、彼女には何一つわからなかった。

そこで彼女は地元のいくつかのホームレス対策NPOと仲良くなり、彼らの人物像とニーズを記録する仕事を始めた。そんな、人間に関する具体的な情報があれば、誰もが前向きに寄付する動機を持てる。つまりそれは、個々の人間に対するチャリティを募るためのKickstarterだ。

“最初は、片手間のプロジェクトで、ビジネスとは考えなかった。ただ、これをやろう、と思っただけ”、と彼女は言う。“でも、最初に考えたのよりも、ずっと状況は複雑だった”。

今では、HandUpは4つのNPOをサポートしておよそ200名のホームレスを、一人平均月額200ドルを投じて支援している。初期のサクセスストーリーの一つであるRodney Bellは、対麻痺患者のダンサーで、HandUpの支援で車いすを修理でき、その後一時保護施設へ入り、今では長期居住できる住宅に移っている。

このプラットホームは、人物像と彼/彼女のニーズを具体的にはっきりさせることを、寄付募集のための第一歩としている。寄付を実際に行うのは、パートナーのNPOで、お金の正しい使い方についても介助する。

“うち自体が支援NPOになるつもりはない”、と彼女は言う。“うちは、パズルの一つのピースでありたい、と努めている”。

[HandUpの5人のチーム、最近85万ドルの資金を調達した。]

BroomeyはHandUpを会社として育てるために、インキュベータTummlの助けを借りた。また最初の大型投資家として、Jason Calacanisが手を貸した。そしたさらにVersion One VenturesのBoris Wertz、1776、SV Angel、Urban.us、Cyan & Scott Banister、Arjun Banker、Marc Benioff、Michael Birch、Ron Conway、Karl Jacob、Thomas McInerney、Alexis Ohanian、Leah Pearlman、Ariel Poler、Eric Ries、Kathy Salmanowitz、Scott Wainnerなどなどのエンジェル投資家たちから、85万ドルの資金が集まった。

資金は、支援事業の全国展開と、全国のサンフランシスコ以外の都市で活動しているNPOたちとのパートナーシップ構築に充てられる。TwilioStripeが、支払い〜決済の面で無料で協力してくれる。Pivotalはオフィススペースを提供してくれた。 TwitterとSquareを創ったJack Dorseyが、寄付提供者としてこのサイトに関わった。

彼女は曰く、“これであと一年はやっていけるわ。それまでに、私たちのやり方の有効性を世の中に証明しなくちゃ。マラソンの出場チケットを、もらったようなものね”。

以下は、最近の支援例の一部だ。上はフルート奏者のJeff、彼の前歯は、路上で寝ているとき殴られて、失われた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))