アップルの中国におけるスマホ売上回復、ファーウェイは王座を失う

中国におけるHuawei(ファーウェイ)のスマートフォンのライバルが、2020年失ったマーケットシェアを急速に奪い返しつつある。

マーケティングリサーチの企業Canalysの調査報告によると、2021年第1四半期で中国では9240万台のスマートフォンが購入され、トップのVivoは23%、姉妹企業Oppoは22%という僅差で2位になった。米国の制裁でサプライチェーンから重要なチップを失ったファーウェイは、スマートフォンの売り上げも落ち込み3位の16%に終わった。そしてXiaomiとApple(アップル)がそれぞれ4位と5位になった。

前年同期、すなわち2020年第1四半期と比べると、すべての大手スマートフォンブランドの中でファーウェイだけを除く全社がマーケットシェアを伸ばした。Appleの中華圏における売上はほぼ倍増し、2021年3月で終わる3カ月の売上は177億ドル(約1兆9287億円)となった。最新の決算報告によると、これまでのすべての四半期売上の中で断トツだ。

今週行われた決算報告でTim Cook(ティム・クック)CEOは「「iPhone 12ファミリーに対する中国のお客様の反応には特に満足しています。中国では、2020年の第2四半期に他の国よりも早くシャットダウンの段階に入ったことを忘れてはなりません。そのため、この四半期には比較的大きな影響を受けました。その点を考慮して結果を考慮する必要があります」と述べている

ファーウェイのシェアは同じ第1四半期で41%から16%へと落ち込んだが、通信機器大手である同社は主にコスト削減により利益率を上げている。2020年11月には低価格機Honorのラインを売却した

今期はまた、中国のスマートフォン市場が4年ぶりに成長した四半期でもある。Canalysによると、その成長率は27%だったという。

CanalysのアナリストであるAmber Liu(アンバー・リュー)氏は「有力ベンダーは市場トップを目指して競争しており、今期は2020年第1四半期、あるいは2020年第4四半期と比較しても、スマートフォンの発売数が異常に多かった。ファーウェイの制裁とHonorの売却は、消費者とチャネルが代替ブランドに対してよりオープンになる中で、この新しい市場成長の特徴となっています」と述べている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:HuaweiApple中国スマートフォンCanalysHonor

画像クレジット:Miguel Candela/SOPA Images/LightRocket/Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ファーウェイが低価格ブランド「Honor」を約1兆6000億円で売却の報道

数週間にわたって噂されていた売却の可能性について、Huawei(ファーウェイ)はHonorブランドを売却することで合意したと報じられている。​米国時間11月10日のReuters(ロイター)報道によると、苦境にあるこのハードウェアメーカーは、深圳市政府と携帯電話販売業者のDigital Chinaを含む買い手のコンソーシアムに、同ブランドを売却する予定だという。

「事情に詳しい人々」の引用によるレポートでは、Honorユニットの売却価格は152億ドル(約1兆6000億円)だとされている。​Honorの新しいオーナーは、ブランドの7000人もの従業員(管理職を含む)の多くを維持し、約3年間で上場する計画だと伝えられている。​Honorは中国、ヨーロッパ、米国で低価格デバイスを中心に展開してきた。今回の売却により、ファーウェイは自社ブランドのハイエンド製品に特化することになるだろう。

この取引はしばらく前から噂されていたが、どうやらその結論はJoe Biden(ジョー・バイデン)氏の大統領選勝利をきっかけに出てきたようだ。ファーウェイ​が現金による取引を継続すると決定したことからも、同社が米国の新大統領下で国際的な情勢がすぐに変わると考えていないことは明らかなようだ。

​このニュースは、米国による制裁に絡む困難が続いていることを受けて伝えられた。​Google(グーグル)のような企業の技術にアクセスできないことは、世界第2位の携帯電話メーカーにとっても大きな打撃であることが証明された。同社の​中国における販売は堅調に推移しているが、それでも打撃を受けている。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:HuaweiHonor売却

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter