プログラミングなるもの、大統領もしてみんとてするなり

いよいよ大統領もプログラミングをする時代になった。

もちろん、RubyとPythonのどちらが良いのかなどという議論に加わるのはまだ当分先のことになるだろう。今回は、子供たちにプログラミングへの関心を持ってもらうためのイベントであるHour Of Codeの一環として、大統領自らもプログラミングをしてみたというわけだ。書いたのはJavascriptを使ったプログラムだ。

おそらく、TechCrunchの読者の方々は、何らかの形でプログラミングを経験してみたことがおわりだろう。しかしもしも全く経験がないということであれば、ぜひともやってみるべきだ。皆がプログラマになるべきだと言っているわけではない。ほんの少しでも経験してみれば、身の回りに形作られつつある「デジタルワールド」を見る眼が変わってくると思うのだ。大工でなくても金槌が使えるのと同様に、ちょっとしたプログラミング技術はぜひとも身に着けておきたい。

そう言われるならやってみるかと思った人には、たとえばKhan Academyの入門講座などもある。実際のプログラミングを通じていろいろと試してみることができる、1時間程度の講座だ。

ちなみに、オバマ大統領が書いたのはライバルたちとの支持率の違いを表示するプログラム…ではない。スクリーン上に四角形を描くプログラムだった。もちろん小さなステップだが、皆、こうしたところからスタートするのだ。

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(翻訳:Maeda, H


Appleが世界中のStoreで今年の‘Hour of Code’イベントのための学習会を開催

Appleは、今年のHour of Codeに参加する。世界中の若者と児童生徒たちにプログラミング教育への関心を喚起し、教育へのアクセスの機会を提供するこのイベントも、今年で第二回になる。Appleの参加は同社の小売部門Apple Storeで開催する1時間の無料ワークショップの形で行われる。各店では来場者に、基礎的なコンピュータ科学の入門編を提供する。

Houe of Codeを主催している非営利団体Code.org*は、今年もさまざまな企業の協力を得ながら、イベントを展開している。資金はMicrosoftなどから獲得し、年内に世界中で1億人の子どもたちが参加することを、目標にしている。〔*: Code.org過去記事(日本語)。〕

Appleのワークショップは12月11日に、合衆国とそれ以外の国のストアで行われる。昨年は合衆国のストアだけだった。またAppleは一週間にわたるComputer Science Education Weekを賛助して、さまざまな講演会などのイベントを展開する。そして未来のプログラマたちに、App Storeや同社のデベロッパポータルにある各種のリソースを、新しい学習スペースから紹介してイベントを盛り上げる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


マーク・ザッカーバーグとジョン・ドーア、”Hour of Code” に100万ドルを寄付


IndieGogoキャンペーンが始まってから3週間で、Code.orgによる、Hour of Codeに参加する生徒を増やすための指導者教育をクラウドファンドするプロジェクトは、約29万4000ドルを集めた。キャンペーンが掲げる目標額500万ドルの6%だ。

この数字がまもなく飛躍的に増える。FacebookのCEO Mark Zuckerbergと妻のPriscilla Chanが50万ドルを寄付する。John DoerrとAnn Doerrの夫妻も50万ドルを支援し、Code.orgがTechCrunchに伝えたところによると、連続起業家のRich Bartonが2万5000ドルを寄付するという。

Code.orgは、目標達成までの期間をかなり長くとっていた ― IndieGogoのキャンペーンは12月14日に終了する。これで47日を残して100万ドルの壁を越え、しかもこれに、Microsoftのビル・ゲイツ、Reid Hoffman、Salesforce、Google等からの同額寄付が加わる。Code.orgは、もし500万ドルを達成した場合は、Hour of Codeを1億人に広げめられると言っている。それは恐ろしく高い目標と思われ、同NPOがキャンペーンによって教育する先生の数が約1万人であることを踏まえるとなおさらだ。しかし、殆どの生徒にとって小中学校でコンピュータサイエンスに触れる機会がないことを考えれば、たとえ部分的な成功であっても感動的だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Code.orgの提唱した「Hour of Code」、2週間で2000万人が学び、生まれたコードは6億行

一年ほど前、Hadi PartoviとAli Partoviの兄弟がCode.orgを立ち上げた。目的はアメリカにおけるコンピュータサイエンスやSTEM教育の普及を支援するためだ。合衆国中でSTEMに力を入れる学校やコースを増やすことを目指している。どうやら、このCode.orgの動きは大きな流れとなり始めているようだ。

12月9日、Code.orgはHour of Codeという全国キャンペーンをスタートさせた。Code.orgにあるコーディングコースやチュートリアルを使って、アメリカ中の先生に初歩のコンピューターサイエンスの授業を1時間行ってもらおうとするものだ。Computer Science Education Weekと時を同じくして開催された。キャンペーンの具体的な目的は、現在までのところ10校中9校ではコンピューターサイエンスに関わる講座が設けられていないというアメリカ教育会の現状に変革を迫ろうとするものだ。

こうした全国を巻き込んだキャンペーンやロビー活動が、どうやら実を結びそうな展開となっている様子だ。政策面でもコンピューターサイエンスの重要性が各地で認められつつあるようであるし、またHour of Codeのキャンペーンも大きな注目を集めた。たとえばアラバマ州、メリーランド州、そしてウィスコンシン州は、州内の教育ポリシーの変更をアピールした(ないしアナウンスする予定となっている)。またChicago Public SchoolsおよびNew York City Department of Educationもコンピューターサイエンス授業の採用を予定していることが発表された。

さらに、Partovi達によれば、Computer Science Education Weekの期間に1500万以上の学生がHour of Codeに参加して、トータルで5億行ものプログラムを書いたのだとのこと。Computer Science Education Weekは12月16日に閉幕したわけだが、Hour of Codeの方は続いていて、参加者数は2000万を超え、書かれたコード行数も6億7500万行となっているのだそうだ。

ちなみに、このHour of Code参加者には海外からの参加者も含まれている。参加者の国数を数えると170ヵ国にのぼるそうだ。それでも海外からの参加者と、大人の数を覗いてカウントすると、アメリカ国内のK-12段階の生徒の4人に1人がHour of Codeに参加したのだとのこと。また学校単位でHour of Codeに参加しているところから、この2週間のうちに参加した女子の数が、公立学校生徒に通う女子でコンピューターサイエンス授業を受けた女子の総数(全歴史)を上回ることにもなったのだそうだ。

Hour of Code参加者の数値をもう少し詳細に見ておこう。Code.orgの発表によれば、参加者総数は2000万以上で、83%がアメリカからの参加だった。74%がK-12レベルの生徒たちで、51%が女子だったようだ。アフリカンアメリカンの率は8%で、ヒスパニック率は14%だった。この数字がこれをきっかけに伸びていくのか、また1時間のプログラミング教育の効果のほどがどの程度のものであるのかといったことは、今後検証していくことになる。しかしHour of Codeはかなりの成果をあげたということができるのではなかろうか。

これだけ大きなムーブメントとなるために、キャンペーンで行ったことはなんだっただろうか。

まず、Hour of Codeは数々のビッグネームによる支援されていた。TechCrunchでも記事にしたようにMicrosoftやAppleも、自らの小売店舗にてHour of Codeのクラスを開催した。また、Appleはこの催しについてホームページを通じて広く告知してもいた。さらにGoogleはアメリカのコンピューターサイエンティストでCOBOL言語の開発者であるGrace Hopperを偲ぶGoogle DoogdleにてComputer Science Education Weekの幕を開けた。また、このGoogle Doodleの下にはHour of Codeキャンペーンへのリンクも掲載していた。

さらに、YouTube、MSN、Bing、Yahoo、Disney(などなど)で広くフィーチャーされ、有名な政治家、ミュージシャン、スポーツ選手なども支援を表明していた。たとえば芸能人でいえばシャキーラ、アシュトン・カッチャー、アンジェラ・バセット、またアスリートで言えばクリス・ボッシュ、Warren Sapp、あるいはドワイト・ハワードなどだ。テック界からもスティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、およびSusan Wojcickiなどが支援者に名前を連ねている。

政治家も党派を問わず賛意を示していた。名前をあげればオバマ大統領や多数党院内総務を務めるEric Cantor、Cory Booker上院議員、ニュート・ギングリッチ、合衆国教育省の長を務めるArnie Duncanなどだ。

生徒たちにプログラミングを指導するのを支援するためにCode.orgは、企業、非営利組織、ないし大学などの協力を仰いでオンラインチュートリアルを用意した。こうしたチュートリアルを求める動きも活発で、たとえばAll Things Dの記事によれば、Khan Academyで用意したビデオを見るトラフィックが増大し、サイトが一時的にダウンしてしまうほどだったとのこと。

キャンペーン自体は大いに注目を集め成功であると評価して良いものと思う。しかし今回の2000万人はあくまでもスタート地点だ。興味をもった人は、自身でもHour of Codeのサイトから面白そうなコースを見つけて参加してみては如何だろうか。また先に示した記事の中にも、オバマ大統領などからのメッセージビデオも掲載している。またComputer Science Education Week期間中の動きについてのインフォグラフィックを下に掲載しておこう。

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(翻訳:Maeda, H