一斉風靡したクイズアプリ「HQ Trivia」が買収中止で急遽閉鎖

HQ Triviaが終わった。米国時間2月15日に同社は25名のスタッフをレイオフし、トリビア、スポーツ、言葉を当てるゲームの運用を停止したことを、同社に近い筋が確認した。酒に酔った最終回の醜態はここで見ることができる

HQ Triviaは、買収交渉を続けていたが、2月14日に買い手が手を引き、投資家らには資金提供を延長する意志がないことを、CEOで共同ファウンダーのRus Yusupov(ルス・ユスポフ)氏は声明で語った。CNN BusinessKerry Flynn(ケリー・フリン)氏が報じた。

「我々は、著名企業からHQを買収し我々のビジョンをつくり続けてもいいという提案を受けていた。最終合意を見込み、法的文書も用意した。明日が契約締結予定日だったが、未だに不明な理由によって相手は突然態度を変え、最大限の努力を行ったにもかかわらず合意に達することができなかった」とユスポフ氏は記した。「残念ながら当社の主要投資家たちには資金を提供する意志がないため、本日付でHQは運用を停止し、会社を解散する。全従業員および契約者とは本日付で契約解除する。

HQ Triviaは、2017年10月に元Vineのファウンダー2名がスタートした12問からなるライブ・ビデオ・トリビアゲームで、TechCrunchは最初の紹介記事を掲載した。ユーザーは、毎日のゲームで全問正解すると現金を手にすることができた。HQ TriviaはFounders FundがリードしたシリーズAラウンドを含め、総額1500万ドル(約16億5000万円)以上を調達。一時期は230万人以上の同時プレーヤーがいた。

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しかし、その目新しさは薄れていった。不正行為が横行し、分割された賞金はわずか数ドルから数セントにまで減った。世界中で真似をするものが続出し、技術的問題でユーザーがゲームから追い出されることもあった。

そして悲劇が襲った。共同ファウンダーのColin Kroll(コリン・クロール)氏が逝去したのだ。これでHQ Trivia内部の問題が悪化した。プロダクト開発は遅く、主要ユーザーは飽きていた。新しいタイプのゲームやバイラル機能の実装も遅すぎた。

社内では反乱が起き、社員は取締役会にユスポフ氏の辞任を要求しようとした。計画を察知したユスポフ氏は首謀者らを解雇。社内の士気は低下した。2019年7月、ダウンロード数は1年前のわずか8%に落ち込み、社員の20%がレイオフされた。HQの総インストール数は1500万件を記録し、ピーク時の2018年2月には200件だったが、Sensor Towerによると2020年1月はわずか6万7000件だった。

HQ Triviaの凋落は、ゲーム業界およびスタートアップ全体の脆弱性を露わにした。一時的な人気は将来の成功を約束するものではない。プロダクトは常に進化を続け、存在感を維持するためにユーザーの希望に応える必要がある。経営チームは、不透明な状況の中、あるいは時の流れの速さに会社が弱っているときでも、チームとの対話を続けながら前へ進まなくてはならない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ハイテク業界の醜悪な真実を明らかにしたTechCrunch2019年調査レポートトップ10

Facebookがティーンエージャーをスパイしていたこと、Twitterアカウントがテロリストに乗っ取られたこと、そして児童性的虐待の画像がBingとGiphyで発見されたことなどが、2019年のTechCrunchの調査レポートで明らかになったもののなかでも、とりわけ醜悪な真実たちだ。安全性の欠陥や力の濫用が及ぼす影響が、ますます大きくなる中で、ハイテク業界はこれまで以上に多くの監視の目を必要としている。原因が悪意、無知、あるいは貪欲のいずれであろうとも、そこには嗅ぎつけられた数多くの不正行為があった。

TechCrunchは、セキュリティエキスパートであるZack Whittaker(ザック・ウィテカー)記者に率いられて、増大する問題に対処するために、より長期にわたる調査を実施してきた。実際、資金調達、製品発売、そしてすばらしいエグジットなどに関する私たちの記事は、物語の半分しか語っていないのだ。おそらくスタートアップ(と彼らのその後)に特化した、最大かつ最も長期間にわたって運営されているニュースソースである私たちは、そうした企業たちが誠実であり続けることや、技術に対するより倫理的で透明なアプローチを推進していくことに対して責任を負っている。

調査に値する潜在的なヒントがある場合は、TechCrunch(tips@techcrunch.com)に連絡するか、匿名のフォームから教えて欲しい。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

2019年に行われた調査レポートの上位10件と、その影響を紹介しよう。

1. Facebookはティーンエージャーたちのデータを覗き見するために、金を渡している。

Josh Constine(ジョシュ・コンスティン)記者の画期的な調査によって明らかになったことは、Facebookがティーンエージャーや成人に対して月額20ドル(約2200円)のギフトカードを支払い、VPNをインストールさせて、市場調査の名目ですべての機密モバイルデータをFacebookに送信させていたことだ。Facebook Researchが抱えていた問題として挙げられたのは、たとえば18万7000人のユーザーに「Project Atlas」に登録するまでデータがFacebookに送られることを通知しなかったこと、4300人以上の未成年者から適切な保護者の同意を受け取っていなかったこと、同プログラムに関して公言した場合、ユーザーに対して法的措置をとると圧力をかけたことなどだ。また、このプログラムは、App Storeのレビュープロセスを回避するために、企業内で従業員だけを対象にアプリを配布するためにデザインされた、Appleのエンタープライズ証明書プログラムを悪用していた。

影響は甚大だった。議員たちはFacebookに対して怒りの書簡 を送った。ほどなくTechCrunchは、同様の市場調査を行うScreenwise Meterと呼ばれるGoogle製のプログラムを発見した。Googleは直ちに同プログラムを中止した。Appleは、すべての従業員専用アプリを丸1日シャットダウンすることでGoogleとFacebookの双方を罰した。このことで、Facebookの従業員はシャトルスケジュールやランチメニューにアクセスできず、オフィスが混乱した。Facebookは、このプログラムが公明正大なものだと主張しようとしたが、最終的には反発に屈し、Facebook Researchと18歳未満のユーザー向けのすべての有料データ収集プログラムを中止した。最も重要なことは、この調査レポートによって、FacebookがそのOnavoアプリをシャットダウンしたことだ。このアプリはVPNを提供するという触れ込みだったのだが、実際はどのライバルを模倣すればよいかを知るために、大量のモバイル利用データを吸い上げるものだったのだ。Onavoは、FacebookがメッセージングのライバルであるWhatsAppを190億ドル(約2兆1000億円)で買収する必要があることをFacebookに認識させたものであったが、いまや同社に対する反トラスト調査の中心となっている。TechCrunchのレポートは、Facebookの搾取的な市場監視を弱め、技術の巨人同士を競わせ、データ収集に対する透明性と倫理の水準を引き上げた。

2. WannaCryキルスイッチの擁護

急速に広がるWannaCryランサムウェアから、インターネットを保護したヒーローたちのプロフィールを描いたザック・ウィテカー記者の記事は、サイバーセキュリティの不安定な性質を明らかにしている。WannaCryのキルスイッチ(停止スイッチ)を確立したMarcus Hutchins(マーカス・ハッチンズ)氏の善意の仕事を描いた魅力的な記事は、別件のティーンエイジャーでマルウェアを作成したという罪で彼を10年の刑務所送りにするのではなく、わずか1年の保護観察付きで釈放となった判決に、影響を与えた可能性がある。

3. イーロン・マスク氏のトンネルの危険性

TechCrunchの寄稿者であるMark Harris(マーク・ハリス)記者の調査レポートは、ワシントンDCからボルチモアへのトンネルを掘るという Elon Musk(イーロン・マスク)氏のBoring Companyの計画の中に、不適切な非常口やその他の問題があることを明らかにした。火災安全およびトンネルエンジニアリングの専門家たちに相談し、ハリス記者は、州および地方政府に対して、公共インフラに近道を導入しようとする破壊的テクノロジーに対して懐疑的であるべきだという強い証拠を提示した。

4. Bingの画像検索は児童虐待で溢れている

ジョシュ・コンスティン記者の調査は、Bingの画像検索結果が、子供の性的虐待画像がどのように表示されているかを示すと同時に、何も意識していないユーザーが、そうした違法コンテンツを呼び出しかねない検索ワードも示唆した。コンスティン記者の示したヒントは、反児童虐待スタートアップAntiToxin(現在はL1ght)によるレポートへと繋がり、Microsoftは英国の規制当局に対してこれを防ぐための大幅な変更の約束を強いられた。だが、TechCrunchのレポートを引用したNew York Timesによる追跡レポートによれば、Bingがほとんど改善されていないことが明らかになった。

ザック・ウィテカー記者の調査が、その追放に疑問があったタフツ大学の学生、Tiffany Filler(ティファニー・フィラー)氏による、成績改ざん疑惑の中にある矛盾した証拠を明らかにした。記事は告発そのものに大きな疑念を投げかけ、学生自身が将来の学術的または専門的努力を狙う際の、助けになる可能性がある。

6. 教育用ノートPCの発火

Natasha Lomas(ナターシャ・ロマス)記者は教育用コンピューターハードウェアスタートアップであるpi-topのトラブル報告を行った。記事には米国のある生徒を負傷させたデバイスの誤動作が含まれていた。分解できるように設計されたpi-top 3ノートPCによって、その生徒が「非常に厄介な指の火傷」を負っていたことを内部電子メールは明らかにした。信頼性が大きく問われ、レイオフが続いた。このレポートは、生徒のような特に傷つきやすい者たちを中心に置き物理的な世界で事業を展開するスタートアップたちは、いかに安全を最優先にしなければならないかということを強調している。

7.Giphyは児童虐待画像をブロックできない

Sarah Perez(サラ・ペレス)記者とザック・ウィテカー記者は、児童保護のスタートアップL1ghtと協力して、性的虐待画像のブロックに対するGiphyの怠慢を暴露した。このレポートは、犯罪者たちが違法な画像を共有するためにサイトをどのように使用し、それが検索エンジンによって、誤ってインデックスされたかを明らかにした。TechCrunchの調査が明らかにしたのは、自らのコンテンツに対してもっと警戒する必要があるのは、公的な技術の巨人たちだけではないということだ。

8.Airbnbの反差別に対する弱み

Megan Rose Dickey(ミーガン・ローズ・ディッキー)記者は、盲目で耳が不自由な旅行者の予約が盲導犬を連れていたためにキャンセルされた際の、Airbnbによる差別的ポリシーが現れたケースを調査した。ディッキー記者のレポートが1カ月の営業停止のきっかけになるまで、Airbnb は差別行為によって告発されたホストを単に「教育」しようとしただけだった。調査は、Airbnbが収益を生み出すホストを保護するためにどんなこと、そしてポリシーの問題によりIPOを損なう可能性があることを明らかにした。

9.期限切れのメールがテロリストたちにプロパガンダをツイートさせる

ザック・ウィテカー記者は、乗っ取られたTwitterアカウントを通じて過激派組織IS(イスラミック・ステート)のプロパガンダが拡散されていることを発見した。彼の調査により、Twitterアカウントに関連付けられたメールアドレスの有効期限が切れると、攻撃者はそれを再登録してアクセスし、Twitterから送信されたパスワードリセットを受信できることが明らかになった。記事は、ビッグテクノロジーのセキュリティ上の欠点を悪用する、巧妙だが決して高度ではないテロリストグループの手段を明らかにしただけでなく、すべてのサイトがふさぐべき危険な抜け穴を特定した。

10.ポルノとギャンブルのアプリがAppleを出し抜く

ジョシュ・コンスティン記者は、数十におよぶポルノおよびリアルマネーのギャンブルアプリが、Appleのルールを破りながらエンタープライズ証明書プログラムを悪用することでApp Storeのレビューを回避していることを発見した。それらのアプリの多くが中国を拠点にしたものだ。このレポートは、企業証明書が脆弱で簡単に詐取される要件を明らかにした。7カ月後、Apple は中国からのポルノおよびギャンブルアプリの削除リクエストが急増していることを明らかにした。この調査は、Appleが企業証明書ポリシーを厳しくする後押しをすることになり、さらにCEOのティム・クック氏が日頃他の技術大手のポリシーに対して頻繁にジャブを繰り出しているにもかかわらず、同社自身にも対処すべき問題がたくさんあることを証明した。

ボーナス:HQ Triviaの従業員たちがCEOを解任しようとして解雇された

『ゲーム・オブ・スローンズ』にも負けない物語は、その影響がすべてのスタートアップエグゼクティブへの警告であるにしても、除外するには興味深いものだった。ジョシュ・コンスティン記者は、ゲームスタートアップ、HQ Triviaの業績が急降下した際に、CEOの無能さと不作為に対して従業員たちが起こした反乱の物語を明らかにした。CEOを解任するために、取締役会への請願を組織した従業員は解雇され、さらなる人材の離職と停滞につながった。調査レポートは、スタートアップの幹部たちに、(団結したり離職することで力を発揮する)従業員たちに対する責任があることを思い出させるのに役立った。

ジョシュ・コンスティン記者へのタレコミ情報がある場合には、暗号化されたSignalアプリ、米国(585)750-5674へのSMS、joshc at TechCrunch dot com、あるいはTwitter DMを介して連絡することができる。

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(翻訳:sako)

人気のクイズアプリ、HQ TriviaがもうすぐAndroidにやってくる

HQ TriviaがAndroidユーザー向けに予約登録の受付を開始した。Vineを作ったRus YuspovとColin Krollが作ったライブストリーミングによるトリビアゲームだ。登録したユーザーはHQ Triviaがダウンロードできるようになった瞬間に通知を受け取る。

12月24日に事前登録を開始したHQは当初このAndroidアプリを「クリスマスに」届けると言っていた。私からみるとそれはクリスマスまでに入手できると言う意味だ。しかしHQ Triviaの意図は違っていたようだ。今月、同スタートアップは、Androidユーザーに「すてきなプレゼントが靴下の中に届けられる」とツイートした。私はHQに連絡を取っているので情報が入り次第記事を更新する予定だ。

HQは毎日6 pm PTと平日の12 pm PTからライブゲームをホストしている。ゲームは実にシンプルで、12問の択一問題が出て、全問正解すると決められた賞金を独占あるいは分割する。つい昨日、HQは最低賞金額を1000ドルから2000ドルに引き上げた。

HQを運営するIntermedia Labsは、 投資後企業価値1億ドルで、1500〜2000万ドルの資金調達を計画していると報じられている。しかし投資家候補の中には、共同ファウンダーであるKrollの女性に対する振る舞いを懸念して出資を躊躇するものもいるという。

Lightspeed Venuturesのパートナーで、Intermedia Labsの取締役を務めるJeremy Liewは、Krollの行動に関する投資家の懸念を耳にしたことを認めている。Recodeに向けた声明で、セクシャルハラスメントの噂を理由に一部の投資家が出資しないだろうとLiewは語った。

「取締役の役割として、私は実際に何が起きたのかを調査した。10人ほどの現職および前職のTwitter幹部と話した」と彼は書いた。「調査は徹底的に行われ、本件に詳しい多くの情報源にあたった。ColinとVineチームに関する否定的な感情は多く、彼の行動に対する不快感も見られたが、辞任の理由を裏付けるだけの証拠は見つからなかった」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook